主演ジュディ・デンチ×スティーヴン・フリアーズ監督最新作『ヴィクトリア女王 最期の秘密』 が1月25日(金)より Bunkamura ル・シネマほか全国ロードショー。
『ダウントン・アビー』『ザ・クラウン』など、英国を描く作品が次々と大ヒットしている今。
気品と繊細さを兼ね備えた衣装や、重厚な屋敷の数々。そこで繰り広げられる濃厚な人間模様は、観るものを虜にしてやみません。
『ヴィクトリア女王 最期の秘密』を皮切りに英国王室ものが3ヵ月連続で公開されるという奇跡が起きています。
英国好きにはたまらない、見逃し厳禁の三作品の魅力をタップリとお伝えします!
CONTENTS
1月25日公開『ヴィクトリア女王 最期の秘密』
映画『ヴィクトリア女王 最後の秘密』の作品情報
【公開】
2019年(イギリス・アメリカ合作映画)
【原題】
Victoria&Abdul
【原作】
シャラバニ・バス
【監督】
スティーヴン・フリアーズ
【キャスト】
ジュディ・デンチ、アリ・ファザル、エディ・イザード、アディール・アクタル、マイケル・ガンボン
【作品概要】
主演は「007」シリーズや『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』(2012)で知られるイギリスが誇る名優ジュディ・デンチ。『Queen Victoria 至上の恋』(1997)以来、2度目のヴィクトリア女王役を熱演しました。
インド人従者アブドゥルに抜擢されたのは、インドの若手実力派俳優アリ・ファザル。
英領インドからイギリスにやってきたアブドゥルは、孤独を感じていたヴィクトリア女王と少しずつ心を通わせていき、彼女の晩年を輝かせていきます。
監督は『ハイロー・カントリー』で第49回ベルリン国際映画祭の銀熊賞を受賞したスティーヴン・フリアーズ。
また、『リトル・ダンサー』のリー・ホールが脚本を手掛け、『英国王のスピーチ』のダニー・コーエンが撮影。イギリス最高峰のスタッフによる贅をつくした、壮大なスケールの映像となっています。
2017年の第90回アカデミー賞衣装デザイン賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞ノミネート、第75回ゴールデン・グローブ賞主演女優賞(ミュージカル/コメディー部門)ノミネート、第24回全米映画俳優組合賞主演女優賞ノミネートされました。
映画『ヴィクトリア女王 最期の秘密』のあらすじ
1887年、ヴィクトリア女王の在位50周年記念式典。
記念硬貨の贈呈役に選ばれたアブドゥルは、英領インドからイギリスへとやってきます。
最愛の夫と従僕を亡くし、心を閉ざし生きてきた女王ヴィクトリア。
孤独で気難しい彼女が心を許したのは、インドから来た名もなき使者アブドゥルでした。
王室のしきたりを無視し、まっすぐに自分へ微笑みかけてくる彼に、ヴィクトリア女王はインドの文化について教わります。
身分も年齢をも超えた絆が2人の中に芽生えていき、新たな世界に人生が輝いていきます。
しかし、そんなふたりを引き離そうと大反対する周囲の人々によって、英国王室を揺るがす騒動へと発展してしまい…。
“デイム”の称号を持つ大女優のヴィクトリア女王
2019年はヴィクトリア女王生誕200年を迎える記念すべき年。
この作品は2010年に発見された新事実を基に、晩年のヴィクトリア女王が描かれています。
これまでのヴィクトリア女王とは違い、新しいことを知り、孤独だった生活に輝きを与えていくアブドゥルとの友情物語が、とても心温まる作品です。
ヴィクトリア女王役は2度目のジュディ・デンチが、女王の威厳を保ちつつ、ときにユーモラスに演じている姿はとても表情豊かです。
第90回アカデミー賞衣装デザイン賞にもノミネートされたその衣装の美しさは、思わず見惚れてしまうほどです。
そして最も栄えたといっても過言ではないヴィクトリア朝の美しい装飾品や屋敷の数々が、現代に蘇ったような感動…!
多くのエキストラを起用し撮影された圧巻の晩餐会のシーンや、映画として初めて撮影が敢行された王室離宮「オズボーン・ハウス」もぜひスクリーンで拝みたいところです。
2月15日公開『女王陛下のお気に入り』
映画『女王陛下のお気に入り』の作品情報
【公開】
2019年(アイルランド・イギリス・アメリカ合作映画)
【原題】
The Favorite
【監督】
ヨルゴス・ランティモス
【キャスト】
オリヴィア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルト、ジョー・アルウィン、ジェームズ・スミス、マーク・ゲイティス、ジェニー・レインスフォード
【作品概要】
主演を務めるのは『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(2011)や、ランティモス監督作品では『ロブスター』(2015)に出演するオリヴィア・コールマン。
コールマンは本作でヴェネツィア国際映画祭女優賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞 主演女優賞を受賞した他ゴールデングローブ賞主演女優賞にノミネートされました。
共演は『ナイロビの蜂』(2005)でアカデミー賞助演女優賞受賞、『愛情は深い海の如く』(2011)でニューヨーク映画批評家協会賞主演女優賞を受賞しているレイチェル・ワイズ。
また『ラ・ラ・ランド』(2016)でアカデミー賞主演女優賞受賞したエマ・ストーンは、アビゲイルを演じています。
そのほかニコラス・ホルトも、今までのイメージを払拭するような役で出演しています。
本作はすでに英国インディペンデント映画賞で作品賞をはじめ10部門受賞、ヴェネツィア国際映画祭では審査員大賞を受賞するなど高く評価されています。
さらに、つい先日発表された第91回アカデミー賞でも作品賞をはじめとする10部門でノミネートされています。
映画『女王陛下のお気に入り』のあらすじ
18世紀初頭のイングランドはフランスと戦争状態にありました。
しかし宮廷の人々は豪華絢爛、遊びに興じる生活を送っていました。
アン女王は虚弱体質で体調が悪くなることがしょっちゅうでしたが、幼馴染で側近のサラ・チャーチルが女王を常に助けていました。
そこに到着したのがサラの従姉妹アビゲイル。降りる瞬間に他の者に馬車から突き落とされ、汚れたままで宮殿にやってきた彼女は、まず料理や洗濯など他の侍女たちと同じ仕事を任されます。
しかしアン女王の痛風を和らげるための薬草を森で採取し、発疹を止めたことからアビゲイルの待遇はよくなりました。
アン王女が少しずつアビゲイルと親しくなっていくのを快く思っていないサラ。
アビゲイルもまた、野心を目覚めさせて思いがけない行動をとっていくのです…。
いわくつきの映画を世に放った監督の真骨頂
ゴールデングローブ賞をオリヴィア・コールマンが受賞したり、破竹の勢いで賞レースに食い込んでいる話題作。
第91回アカデミー賞衣装デザイン賞にノミネートされたサンディ・パウエルの衣装は必見です。
彼女は『ヴィクトリア女王 世紀の愛』『シンデレラ』などを手掛け、アカデミー賞を3度受賞しています。
モノトーンな配色の中にリボンやレースを大胆にあしらい、王室ものでありながら、どこか新しさを感じるドレスの数々は流石の手腕と言えるでしょう。
監督は、“この世代のギリシャの映画監督の中で最も才能のある人物”と評されるヨルゴス・ランティモス。
これまで監督を務めた長編作品は少ないですが、それでも名だたる映画祭で数々の賞を受賞しています。
ニコラス・ホルトや、ジョー・アルウィンなど、脇を重ねる豪華キャストにも注目です。
3月15日公開『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』
映画『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』の作品情報
【公開】
2019年(イギリス映画)
【原題】
Mary, Queen of Scots
【監督】
ジョージー・ルーク
【キャスト】
シアーシャ・ローナン、マーゴット・ロビー、ジャック・ロウデン、ジョー・アルウィン、デビッド・テナント、ガイ・ピアース、ジェンマ・チャン、マーティン・コムストン、イスマエル・クルス・コルドバ、ブレンダン・コイル、イアン・ハート、エイドリアン・レスター、ジェームズ・マッカードル
【作品概要】
16世紀英国王室に生きるふたりの女王を描いた英国王室のヒューマンドラマ。
メアリー・スチュアート役は『レディ・バード』のシアーシャ・ローナンが演じ、エリザベスI世役には『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』のマーゴット・ロビーが務めます。
ふたりのアカデミー賞ノミネート女優の共演を、舞台を数多く手がけた演出家ジョージー・ルークが監督を務めました。
これが彼女の長編映画監督デビューです。
映画『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』のあらすじ
16歳でフランス王妃となり、18歳で未亡人となったメアリーは、故郷スコットランドに帰国しました。
故郷で再び王位につきますが、当時のスコットランドは女王エリザベスI世の支配下にありました。
メアリーは自身のイングランド王位継承権を主張し、エリザベスの権力を脅かします。
恋愛や結婚を経験し、気高く美しいメアリーに対して、複雑な想いを抱くエリザベス。
それぞれの宮廷内部で起こる裏切り、反乱、陰謀がふたりの王位を危険にさらします。
そんな歴史の流れを変えてゆく出来事のなか、2人はお互いに「従姉 妹」を恐れ抱きはじめます。
また同時に魅惑されていた若き女王たちは、男性社会の中で政治を司る女性として戦うのだが…。
誰もが知るふたりの女王の覇権争いの新解釈
今一番ホットな女優ふたりシアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーが繰り広げる、歴史に残るスコットランド女王、メアリー・スチュワート対イングランド女王、エリザベスI世による国取り合戦。
舞台は16世紀のイギリスで、理解し合えたはずの孤独な若き女王たちは、それぞれの陰謀渦巻く宮廷の中で運命に翻弄され戦います。
誰もが知るふたりの女王の、知られざる友情に驚き胸打たれるでしょう。
誇り高きメアリーを演じるシアーシャ・ローナンの気迫は、今までの彼女のイメージが覆されること間違いなしです。
マーゴット・ロビーの女優魂を見せつけたエリザベスI世の姿も圧巻。
さらには、王室ものでありながら一部にデニムを使用した斬新な衣装は、第91回アカデミー賞衣装デザイン賞にもノミネートされるのも納得です。
『ダンケルク』のジャック・ロウデンや、『女王陛下のお気に入り』に続いての参加のジョー・アルウィンが脇を固めるほか、国際色豊かな俳優陣が顔を揃えています。
まとめ
『ヴィクトリア女王 最期の秘密』を皮切りに、3か月連続で英国王室を舞台にした映画が公開されていきます。
公開していく順番は年代が逆行していきますが、時代背景を事前に予習して観るにはいいかもしれません。
『女王陛下のお気に入り』と『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』は衣装デザイン賞にそれぞれノミネートされているので、見比べるのもおもしろいでしょう。
まずは1月25日(金)よりBunkamura ル・シネマほかで公開される映画『ヴィクトリア女王 最後の秘密』をお見逃しなく!