Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2020/12/24
Update

映画『水を抱く女』あらすじ/キャスト/日本公開日/上映館。ペッツォルト監督が最新作でドイツ神話をモチーフに愛の叙事詩を描く

  • Writer :
  • 大塚まき

第70回ベルリン国際映画祭にて
 銀熊賞(最優秀女優賞)・国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞受賞。

天才たちを惹きつけた魅惑的な”水の精“の神話について、名匠クリスティアン・ペッツォルトが、大胆に現代に置き換えて映画化した最新作。


(c)SCHRAMM FILM / LES FILMS DU LOSANGE / ZDF / ARTE / ARTE France Cinéma 2020

ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)を受賞した『東ベルリンから来た女』をはじめ、『あの日のように抱きしめて』『未来を乗り換えた男』などで知られるドイツを代表する名匠クリスティアン・ペッツォルト監督の最新作『Undine』改め邦題『水を抱く女』が、2021年3月26日(金)より新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開することが決定しました。

本記事では、見どころとあわせて、あらすじをご紹介します。

映画『水を抱く女』について

ドイツの激動の歴史を描き続けてきたペッツォルト監督の新作は、「愛する男に裏切られたとき、その男を殺して水に戻る」という宿命を背負った美しき“水の精・ウンディーネ(オンディーヌ)”の神話がモチーフとなっています。

この魅惑的な神話は、古くから多くのアーティストたちにインスピレーションを与えてきました。

アンデルセンは童話「人魚姫」を書き上げ、チャイコフスキーはオペラ、ドビュッシーは楽曲を創作。

また、ゲーテが「ドイツの真珠」と絶賛したロマン派のフリードリヒ・フーケが発表した傑作小説「ウンディーネ」は、現代でも読み継がれています。

近年、再評価されている三島由紀夫の「仮面の告白」にも登場しています。
 
神秘的なウンディーネを妖艶に演じたのは、フランソワ・オゾン監督『婚約者の友人』や、フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督『ある画家の数奇な運命』などの注目作に出演している若き実力派パウラ・ベーア

本作でベルリン国際映画祭とヨーロッパ映画賞にて女優賞受賞という快挙を成し遂げました。

心優しい潜水作業員のクリストフ役にはダンサーや振付師としても活躍する『希望の灯り』のフランツ・ロゴフスキ

この主演のふたりは、ペッツォルト監督の前作『未来を乗り換えた男』にも出演し、稀有な才能の親密な再タッグが、濃密な映像世界へと観客を誘引します。

映画『水を抱く女』の作品情報

【日本公開】
2021年(ドイツ・フランス合作映画)

【原題】
Undine

【監督・脚本】
クリスティアン・ペッツォルト

【キャスト】
パウラ・ベーア、フランツ・ロゴフスキ、マリアム・ザリー、ヤコブ・マッチェンツ 


映画『水を抱く女』のあらすじ

ベルリンの都市開発を研究する歴史家ウンディーネ。彼女はアレクサンダー広場に隣接する小さなアパートで暮らし、博物館でガイドとして働いています。

恋人のヨハネスが別の女性に心移りし、悲嘆にくれていたウンディーネの前に、愛情深い潜水作業員のクリストフが現れます。

数奇な運命に導かれるように、激しく惹かれ合うふたり。

幸せで無垢な新しい愛を大切に育むも、彼女が必死に何かから逃れようとしているような違和感をクリストフが感じとった時、ウンディーネは再び自分の宿命と直面することになり…。

まとめ

本作は、「愛する男に裏切られたとき、その男を殺して水に戻る」という宿命を背負った美しき“水の精・ウンディーネ”の神話をモチーフに繊細に描写されるミステリアスな愛の叙事詩。

官能的なバッハの旋律にのせて、描かれる濃密な映像世界をスクリーンでご覧ください。

クリスティアン・ペッツォルト監督の最新作『水を抱く女』は、2021年3月26日(金)より新宿武蔵野館ほかにて全国順次ロードショーです。




関連記事

新作映画ニュース

映画『パラサイト』キャストの金持ち夫人役はチョヨジョン【演技評価とプロフィール】

第72回カンヌ国際映画祭“最高賞”パルムドール&第92回アカデミー賞作品賞受賞作『パラサイト 半地下の家族』は2020年1月10日より全国公開! 第72回カンヌ国際映画祭最高賞パルムドール受賞に加え、 …

新作映画ニュース

【映画解説動画】シネマゴジャンクvo.3『大分ドキュメンタリー学生のまなざし』編《Cinemarche・河合のび編集長が日本文理大学生オムニバス作品を紹介》

ネット配信番組『シネマゴジャンク』第3回・前編 Cinenarche・河合のび編集長が徹底考察・解説! 日本を拠点に活動する映画配給レーベル「Cinemago」が自らMCとして出演し、映画の魅力を紹介 …

新作映画ニュース

【シッチェス映画祭2020】上映作品とイベント情報。10月より全国開催で全ラインナップも発表

最古で最大のファンタスティック映画の祭典 “シッチェス映画祭2020”今年も日本で開催! 1968年に創設された「シッチェス映画祭」は、スペイン・バルセロナ近郊の海辺のリゾート地シッチェスで毎年10月 …

新作映画ニュース

映画『ナイブズ・アウト(Knives Out :原題)』あらすじ。キャストにダニエルクレイグとクリエヴァを迎えたミステリー

ライアン・ジョンソン(『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』)監督がミステリーの女王アガサ・クリスティーに捧げる最新作。 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ライアン・ジョンソン監督がオリジナル脚本で、 …

新作映画ニュース

映画『彼女はひとり』キャスト/劇場公開日/上映館。黒沢清・森崎ウィンのおすすめコメントも紹介!

映画『彼女はひとり』は田辺・弁慶映画祭セレクション2020で上映。 テアトル新宿にて2020年11月20日(金)から開催される田辺・弁慶映画祭セレクション2020。 田辺・弁慶映画祭セレクション202 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学