名匠クリスティアン・ぺッツォルト監督による映画『未来を乗り換えた男』が2019年1月12日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開となることが決定しました。
ナチスによる悪夢的史実と現代の難民問題を驚くべき発想で重ね合わせた野心作です。
また、映画『未来を乗り換えた男』公開決定にあわせてポスタービジュアルが解禁となりました。
映画『未来を乗り換えた男』のポスタービジュアル
作家アンナ・ゼーガースが1942年に亡命先のマルセイユで執筆した小説『トランジット』を、名匠クリスティアン・ぺッツォルト監督が現代に置き換え映画化しました。
ユダヤ人がナチスの理不尽な迫害を受けた戦時中の悲劇と、祖国を追われた難民をめぐる問題が深刻化している今の状況を重ね合わせるという大胆な試みを実践した野心作です。
映画『未来を乗り換えた男』の作品情報
【公開】
2018年(ドイツ・フランス合作映画)
【原題】
TRANSIT
【原作】
アンナ・ゼーガース著『トランジット』
【監督】
クリスティアン・ぺッツォルト
【脚本】
クリスティアン・ぺッツォルト
【キャスト】
フランツ・ロゴフスキ、パウラ・べーア
【作品概要】
監督はべルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した『東ベルリンから来た女』や『あの日のように抱きしめて』など、歴史に翻弄された人々の数奇な運命を描き出す、ドイツを代表するクリスティアン・ぺッツォルト。
別人に成りすますことで新たな未来へ乗り換えようとする元レジスタンスの青年と、夫を捨てた過去に縛られている謎めいた美女。船による国外出航のタイムリミットが迫りくるなか、運命の悪戯でめぐり合った男女の危うい恋の行方をサスペンスフルに描き出します。
主人公ゲオルクを演じるのは、ドイツ映画賞6部門を制した『ヴィクトリア』、巨匠ミヒャエル・ハネケの『ハッピーエンド』といった話題作に相次いで出演し、2018年ベルリン国際映画祭にてシューティング・スター賞を受賞したフランツ・ロゴフスキ。
そしてファムファタール的なマリーには、フランソワ・オゾン監督作品『婚約者の友人』にて、セザール賞やヨーロッパ映画賞にノミネートされたパウラ・べーアが扮しています。
映画『未来を乗り換えた男』のあらすじ
現代のフランス。
祖国ドイツで吹き荒れるファシズムを逃れてきた元レジスタンスのゲオルクは、パリから港町マルセイユにたどり着きました。
偶然の成り行きから、パリのホテルで自殺した亡命作家ヴァイデルに成りすまし、船でメキシコへ発とうと思い立ちます。
そんなときに一心不乱に人を捜している黒いコート姿の女性マリーと出会い、美しくもミステリアスな彼女に心を奪われていきます。
しかしそれは決して許されず、報われるはずのない恋でした。
なぜなら、マリーが探していた夫は、ゲオルクが成りすましているヴァイデルだったのです…。
クリスティアン・ぺッツォルト監督
1979年に高校を卒業した後、地元のYMCAの小さな映画館で働き、1981年からベルリン自由大学で演劇の勉強をし、1988年から6年間、ドイツ映画テレビアカデミー (DFFB) で学びます。
生と死の狭間を扱った『治安 Die innere Sicherheit』(2000)、『幻影 Gespenster』(2005)、『イェラ Yella』(2007)の3本は「幻影三部作」と呼ばれています。
『Yella』では主演のニーナ・ホスがベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞。
参考映像『東ベルリンから来た女』(2012)
2012年、ニーナ・ホスと5度目のタッグを組んだ『東ベルリンから来た女』ではベルリン国際映画祭銀熊賞 (監督賞) を受賞し、同年のアカデミー外国語映画賞ドイツ代表にも選ばれました。
他にも強制収容所から生還した元歌手のユダヤ人女性と、容貌の変わった彼女に気付かない夫の関係を描いた心理サスペンス映画『あの日のように抱きしめて』(2014)など、歴史に翻弄された人々の数奇な運命を描いた作品を生み出しています。
まとめ
ドイツ軍の侵攻が近づき、ビザ発給を待つ難民であふれかえる現代のマルセイユ。
故郷を追われた人々が希望のありかを求める姿を、べルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した『東ベルリンから来た女』や『あの日のように抱きしめて』のドイツを代表する名匠クリスティアン・ぺッツォルト監督がサスペンスフルに描いた、今観るべき物語です。
映画『未来を乗り換えた男』は2019年1月12日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開です。
ぜひ映画館でご覧ください!