第35回ベルリン国際映画祭国際評論家連盟賞受のドキュメンタリー映画『東京裁判』
日本で唯一無二の編集マン・浦岡敬一の仕事が見られる
極東軍事裁判・通称「東京裁判」の記録フィルムを小林正樹監督が5年をかけて製作したドキュメンタリー映画『東京裁判』。
本作が、戦後74年を迎える2019年夏に、4Kデジタルリマスター版として蘇ります。
映画『東京裁判』4Kデジタルリマスター版は2019年8月3日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開です。
映画『東京裁判』について
“東京裁判”と呼ばれ、戦後日本の進路を運命づけた極東国際軍事裁判。
アメリカ国防総省によって撮影された50万フィートに及ぶ膨大な記録フィルムをもとに、小林正樹監督が5年の歳月をかけて編集、製作した巨編が本作『東京裁判』です。
太平洋戦争敗戦後の1946年(昭和21年)、市ヶ谷の旧陸軍省参謀本部にて開廷された裁判の模様を、判決から35年の後の1983年(昭和58年)に公開されました。
日本映画史上に残るドキュメンタリー映画が、平成の終わりと新しい時代の幕開けに4Kフィルムスキャン、2K修復版によるデジタルリマスターで鮮やかに蘇ります。
監督補佐・脚本・デジタルリマスター監修の小笠原清コメント
1983年公開当時の映画『東京裁判』のチラシ
映画『東京裁判』の監督補佐・脚本を務め、デジタルリマスター版の監修として関わった小笠原清。
小笠原清は、デジタルリマスター版公開に向けての思いを以下のように語りました。
この作品は公開の度に「今、なぜ東京裁判か」問われ続けてきた。法廷で明るみに出された第2次世界大戦の実態と、責任追求の現実を映像に収めた映画『東京裁判』は、常に「今こそ見るべき映画」として存在し、回答の任を果たしてきた。そして今日、劣化の影響が著しかった歴史映像や音声が、デジタルリマスター版により鮮やかに回復された。臨場感に満ちた完成品としてこれが公開されることは、製作スタッフ一同の本懐でもある。
第2次世界大戦が終戦を迎えて74年。
戦争の記憶を持った方も少なくなり、戦争というものを遠い世界の出来事のように考えてしまいがちな現在だからこそ、映画作品としておさめられた戦争の実態を観るべきなのかもしれません。
デジタルリマスターによって、より鮮烈に記録と記憶が押し迫ってくることは確かでしょう。
映画『東京裁判』の作品情報
【日本初公開】
1983年(日本映画)
【4Kデジタルリマスター版公開】
2019年
【原案】
稲垣俊
【監督・脚本】
小林正樹
【監督補佐・脚本・デジタルリマスター監修】
小笠原清
【作品概要】
「人間の條件」シリーズ、『切腹』(1962)の名匠・小林正樹監督が、戦後日本の進路を決定づけたともいえる極東軍事裁判・通称「東京裁判」の記録を、膨大な映像群からまとめあげた4時間37分におよぶ歴史的ドキュメンタリー。
第2次世界大戦後の昭和23年、東京・市ヶ谷にある旧陸軍省参謀本部で「極東国際軍事裁判」、俗にいう「東京裁判」が開廷。
その模様は、アメリカ国防総省(ペンタゴン)による第2次世界大戦の記録として撮影され、密かに保管されていました。
50万フィートにも及んだ記録フィルムは25年後に解禁され、その中には、法廷の様子のみならず、ヨーロッパ戦線や日中戦争、太平洋戦争などの記録も。
それらの膨大なフィルムを中心に、戦前のニュース映画や諸外国のフィルムも交え、小林監督のもと5年の歳月をかけ、公開当時日本一の編集技術者として知られる浦岡敬一が編集作業に従事ています。そこから見える戦後世界の原点の資料的価値は必見。
まとめ
日本映画史上に残るドキュメンタリーの傑作映画『東京裁判』4Kデジタルリマスター版が、8/3(土)よりユーロスペースにて公開決定。
昭和から平成そして新たな時代の幕開けに現代の日本が浮かびあがる。戦後日本の運命を決定づけた極東国際軍事裁判の全貌を見つめ歴史の瞬間に立ち会う、至高の4時間37分 pic.twitter.com/GlQulA9wjy
— 映画『東京裁判』4Kデジタルリマスター版2019年8月3日公開! (@tokyosaiban2019) 2019年3月27日
1983年に初公開されたドキュメンタリー映画『東京裁判』。
4Kフィルムスキャン、2K修復版によるデジタルリマスター版が、2019年8月3日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開されます。
シネ・ヌーヴォ(大阪)、シネマ5(大分)、名古屋シネマテーク(愛知)、シネマイーラ(浜松)、京都シネマ(京都)、元町映画館(兵庫)、横浜シネマリン(横浜)でも公開が決定した本作。
あの戦争はこの国になにを残したのか。
昭和から平成そして新たな時代の幕開けに、現代の日本が浮かびあがります。
戦後日本の運命を決定づけた極東国際軍事裁判の全貌を見つめ歴史の瞬間に立ち会う、至高の4時間37分です。
膨大な映像資料に目を通した、日本で唯一無二の編集マン・浦岡敬一。亡き浦岡がショットつなぎやモンタージュ、映像のリズムとテンポといった、編集作業の仕事に全てを注ぎ込んだ代表作です。
編集者としての浦岡敬一を知る渾身の作品です。
またナレーションを担当した亡き昭和の名優・佐藤慶の声にも注目。
大きなスクリーンで、真実の目撃者となる機会をお見逃しなく!