Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2019/12/25
Update

映画『ソン・ランの響き』あらすじとキャスト。公開日は2月22日のベトナム産ボーイ・ミーツ・ボーイ作品とは

  • Writer :
  • 石井夏子

出会うはずの無かったふたり 孤独な魂が触れ合う運命の3日間。

第31回東京国際映画祭ジェムストーン賞(新人俳優賞)、ベトナム映画協会最優秀作品賞、サンディエゴ・アジアン映画祭観客賞をはじめ、国内外で37もの賞を受賞した『ソン・ランの響き』。


(C)STUDIO68

孤独な二人の男の刹那的な出会いを繊細なタッチで綴る『ソン・ランの響き』が2020年2月22日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開されることが決定、ポスタービジュアルと場面写真が解禁となりました。

同時に特報予告編も到着しましたのでご紹介します。

映画『ソン・ランの響き』について


(C)STUDIO68

ベトナムの伝統芸能・カイルオンを主題に、孤独なふたりの刹那的な出会いを描き、世界中の映画祭で話題を呼んだ本作

出会うはずの無かったふたりの魂が触れ合う運命の3日間を映し出したボーイ・ミーツ・ボーイの物語です。

ユン役のリエン・ビン・ファットは本作がデビュー作ながら粗暴な中に繊細さを隠し持つ孤独な男を演じきり、見事第31回東京国際映画祭にてジェムストーン賞(新人俳優賞)を受賞

リン・フン役のアイザックは、元ベトナムのアイドルグループ365dabandのメンバー。本作では伝統歌劇の花形役者を艶やかな歌と踊りで見事に演じ、その中性的な魅力を余すところなく発揮しています。


(C)STUDIO68

監督のレオン・レは少年期に家族とともに米国に渡りその後ベトナムへ帰国。本作で長編監督デビューを果たし、ベトナム映画協会最優秀作品賞、サンディエゴ・アジアン映画祭観客賞をはじめ、国内外で37もの賞を受賞しました。

また、ハリウッドで女優として成功する傍ら、起業家としても活躍するゴ・タイン・バンがプロデューサーを務めています。

ソン・ランとは?


(C)STUDIO68

ソン・ランはベトナムの民族楽器で、楽曲の最初と最後に奏でられます。

直径約7センチほどの中空の木の胴と、弾性のある曲がった金属部品と、その先に取り付けられた木の玉からなる打楽器で、伝統的な室内楽の拍を打つのに用いられます。

演奏者、役者双方にとってリズムの基礎となり、ベトナムの現代大衆歌舞劇「カイルアン」の音楽の魂であり、公演には欠かせません。

なお、「ソン・ラン」とは「二人の(Song)」「男(Lang)」との意味もあります。

カイルオンとは?


(C)STUDIO68

カイルオンとは、20世紀初頭のベトナム南部で誕生し、1930年代のフランス植民地下、中産階級の劇場で花開いたベトナム南部の大衆歌舞劇の一つであり、いわばベトナム版オペラです。

特に60年代のベトナム南部で人気がありました。

ベトナムの民謡、古典音楽、現代演劇の集約です。

映画『ソン・ランの響き』のポスタービジュアル


(C)STUDIO68

解禁されたポスタービジュアルには、ベトナム情緒溢れる部屋の窓辺で肩を寄せ合う二人の姿が。

孤独な二人のひとときの安らぎを感じさせながらも、どこか物悲しさを伺わせる仕上がりとなっています。

楽器を演奏するユンを見つめるリン・フンや、共に屋上で夜空を見上げる姿など、二人の微妙な距離感が切り取られた場面写真も解禁となりました。

映画『ソン・ランの響き』の特報予告


さらに特報予告編も同時公開。

運命的に出会った二人が互いの孤独を埋めるように徐々に距離を縮めてゆく様子が哀愁漂う音楽に乗せて綴られ、二人の美しくも悲しい物語を予感させます。

映画『ソン・ランの響き』の作品情報


(C)STUDIO68

【日本公開】
2020年(ベトナム映画)

【原題】
The Tap Box[Song Lang]

【監督】
レオン・レ

【キャスト】
リエン・ビン・ファット、アイザック、スアン・ヒエップ

映画『ソン・ランの響き』のあらすじ


(C)STUDIO68

80年代のサイゴン(現・ホーチミン市)。

借金の取り立て屋ユンは、ベトナムの伝統歌舞劇<カイルオン>の花形役者リン・フンと運命的な出会いを果たします。

初めは反発し合っていたふたりでしたが、停電の夜にリン・フンがユンの家に泊まったことをきっかけに心を通わせていくように。

実はユンはかつて<カイルオン>には欠かせない民族楽器<ソン・ラン>の奏者を志した事があり、楽器を大切に持っていたのです。

一見対照的ですが共に悲しい過去を持つふたりは、孤独を埋めるように響き合い、結ばれます。

やがてこれまで感じたことの無い気持ちを抱き始めたふたりは、翌日の再会を約束し別れました。

しかし、ユンが過去に犯したある出来事をきっかけに、ふたりの物語は悲劇的な結末へと突き進んでいき…。

まとめ


(C)STUDIO68

ベトナムの伝統芸能・カイルオンの響きに乗せて、孤独なふたりの魂がひととき交差します。

美しく切ない物語は世界を魅了し、国内外で37もの賞を受賞した本作がついにロードショー決定。

映画『ソン・ランの響き』は2020年2月22日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開です。

関連記事

新作映画ニュース

映画『アネット』あらすじ/キャスト/公開日/上映館/予告映像解禁。レオス・カラックス監督初のロックオペラミュージカルがいよいよ日本に!

レオス・カラックス監督最新作『アネット』は2022年4月1日(金)公開決定! 映画『アネット』は、第74回カンヌ国際映画祭監督賞、第79回ゴールデングローブ賞<ミュージカル・コメディ部門>主演女優賞ノ …

新作映画ニュース

若手映画監督を応援する新配給レーベル《MAP+Cineamgo》とは?劇場公開作とおすすめ紹介動画サイトも同時スタート!

新鋭インディーズ映画作家の注目作が目白押し!! 新規映画配給レーベル《MAP+Cineamgo》が旗揚げとなり、公開ラインナップ作品が発表されました。 新型コロナウイルスによる自粛の中、全国の劇場が一 …

新作映画ニュース

映画『ちょっと思い出しただけ』あらすじ/キャスト。伊藤沙莉×池松壮亮W主演で松居大悟監督が描く“戻れない”ラブストーリー

『くれなずめ』松居大悟監督が描くオリジナルラブストーリー! 『バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画をつくったら〜』や『くれなずめ』など2021年も注目作を放ち続ける松居大悟監督が、主演に池松 …

新作映画ニュース

『アートなんかいらない!』あらすじ/公開日/上映館。ドキュメンタリー映像作家・山岡信貴が「日本における美術」を問う

日本におけるアートの意味を探るドキュメンタリー『アートなんかいらない!』公開決定! アートの発生から消滅までを問いかける、緊張と脱力のドキュメンタリー2部構成の『アートなんかいらない!』が公開されます …

新作映画ニュース

『仮面ライダー』神回おすすめベスト10.ファンが投票で選んだエピソードを東映チャンネルにて4Kリマスター版として放送!【シン・仮面ライダー公開記念】

『仮面ライダー』ファン投票で選ばれた10話が東映チャンネルにて放映! 映画『シン・仮面ライダー』の2023年3月18日(金)公開を記念して、CS放送「東映チャンネル」ではファン投票で選んだ『仮面ライダ …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学