ドキュメンタリー映画『レニ』は、1月19日(土)よりアップリンク渋谷にて公開決定。
初日1月19日(土)午前10:15の回の上映終了後には、東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの石坂健治(日本映画大学教授)のトークを予定されています。
また、アップリンク渋谷での公開後は、大阪シネ・ヌーヴォ、名古屋シネマスコーレ、京都みなみ会館、神戸元町映画館ほかにて順次公開されます。
映画『レニ』の作品概要
【公開】
1993年(ドイツ・ベルギー映画合作)
【脚本・監督】
レイ・ミュラー
【作品データ】
カラー/35mm/182分
【受賞歴】
93年シカゴ国際映画祭シルバー・ヒューゴ賞、グラーツ国際映画祭審査員賞、モントリオール国際映画祭ナショナル・フィルムボード賞、94年サンフランシスコ国際映画祭ゴールデン・ゲイト賞、トレント国際映画祭銀りんどう賞、シドニー国際映画祭最優秀キュメンタリー賞、シアトル国際映画祭金の針賞ほか
レニ・リーフェンシュタールとは
レニ・リーフェンシュタール(1902年8月22日〜2003年9月8日)は、ドイツの映画監督、写真家、女優。
アドルフ・ヒトラーに才能を愛され、国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)の支配下の下、映画製作を行ったレニ・リーフェンシュタールは、1936年開催のベルリンオリンピックを記録したドキュメンタリー映画『オリンピア』を発表。ヴェネツィア国際映画祭の最高賞の受賞を果たします。
また、プロパガンダ映画『信念の勝利』『意志の勝利』『自由の日』でも知られており、映画史の研究者たち最も成功したプロパガンダ映画作品群だと認められています。
一方で、レニ・リーフェンシュタールは、世界中に憎まれた波乱の人生の人生を過ごします。
彼女は戦後に「ナチス協力者」のレッテルを貼られ、非難、黙殺を受けながらも数多くの裁判を闘い抜きます。
70才を越えてからは、写真集『ヌバ』、水中写真集で見事なカムバックを果たし、2003年101歳で亡くなるまでクリエイティブに生きることを貫き、現場で活躍し続けました。
世界各国の映画祭で話題をさらった映画『レニ』は、レニ・リーフェンシュタールの波乱に富んだ人生をあますことなく描ききった唯一無二の作品です。
まとめ
女性映画監督レニ・リーフェンシュタール。
彼女はナチスの国威を発揚させるプロパガンダ映画を制作したという理由から、戦後はナチスへの協力者として非難の的となり黙殺されました。
1970年代以降になると、アフリカに住むヌバ族を撮影した写真集『ヌバ』と、水中撮影写真集の発表に伴い、戦前に監督した作品も含めて再評価をする動きも強まります。
しかし、レニ・リーフェンシュタールのナチス協力者というイメージは最後まで払拭されなかったのも事実です。
この機会にドキュメンタリー映画『レニ』をご覧いただき、あなたの目でレニ・リーフェンシュタールの真価を探ってみるのはいかがでしょうか。
ドキュメンタリー映画『レニ』は、1月19日(土)よりアップリンク渋谷にて公開。その後、大阪シネ・ヌーヴォ、名古屋シネマスコーレ、京都みなみ会館、神戸元町映画館ほかにて順次公開されます。
1月19日公開初日トークショーのゲスト【石坂健治】プロフィール
石坂健治(日本映画大学学部長/国際交流センター長/教授/映画祭ディレクター)
早稲田大学大学院文学研究科で映画学を専攻し修士課程修了。
アジア映画関係の映画祭・上映会を通算約70件プロデュースした国際交流基金を経て、東京国際映画祭「アジアの未来」部門プログラミング・ディレクターとして活動。
香港・釜山・ハワイなどの国際映画祭で審査員を歴任。専門はアジア映画史・日本ドキュメンタリー映画史・芸術行政。近年は映画プロデュースも手がけ『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』(2016)を製作。2017年4月、学部長就任。
主な共著に「芸術経営学講座4: 映像篇」(東海大学出版会、1994)、「思想読本9: アジア映画」(作品社、2003)、「ドキュメンタリーの海へ─記録映画作家・土本典昭との対話」(現代書館、2008)、「アジア映画の森 新世紀の映画地図」(作品社、2012)、「アジア映画で<世界>を見る 越境する映画、グルーバルな文化」(作品社、2013)など。そのほか新聞・雑誌への寄稿多数。