驚きの家族ルールを告白し姉妹の絆がより深まる!
日本アカデミー賞ほか国内映画賞34部門を受賞した『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督が、直木賞受賞作家である中島京子の同名小説を映画化する最新作『長いお別れ』が5月31日(金)に全国ロードショーとなります。
蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山﨑努という、日本映画界が誇る豪華実力派俳優陣の共演で贈る本作の舞台挨拶付きプレミア試写会が実施されました。
舞台挨拶のゲストは、キャストの蒼井優、竹内結子、松原智恵子、北村有起哉、そして中野量太監督。
和気あいあいとチームワークも抜群な舞台挨拶の様子をお伝え致します。
映画『長いお別れ』舞台挨拶レポート
開催概要
【開催日時】
2019年5月15日(水) 18:30~19:00 (30分)
【会場】
よみうりホール(千代田区有楽町1-11-1 読売会館7階)
【登壇者】
蒼井優、竹内結子、松原智恵子、北村有起哉、中野量太監督
家族を演じるにあたり心がけたことは
東家次女・芙美役の蒼井は「家族の間に流れる本物の空気感を意識した」と演じる上で心がけていた事を語ります。
続けて、「私は男兄弟しかいなかったので、最初は竹内結子さんと姉妹!?と驚いたけれど、絶対に大丈夫だと思った。竹内さんには頼もしくて男前な先輩というイメージがあったので、お任せすればいいと思った」と、初共演ながらも以前から親交のあった竹内に全幅の信頼を置いていることを明かしました。
一方、東家・長女の麻里役の竹内は、役作りについて「家族の物語に入る時はあまり考えることなく、現場に入ってみて体感するスタンス」と口にします。
撮影前には家族感をより高めるべく、キャスト全員で認知症になる前の父・東昇平(山﨑努)の誕生日パーティーを行ったそう。
これに母・曜子役の松原は「その際に泣いていましたよね」と竹内の感涙を暴露。
竹内は「悲しくて泣いたのではなくて、変化する父親の姿を目にしてショックを受けた。そういったリハーサルが気持ちも含めて、役柄を作り上げてくれた。そのおかげで気負わずにできた」と中野監督の狙いに感謝を述べました。
撮影の思い出
撮影の思い出を聞かれた松原は、階段のモップ掃除シーンを振り返り「シュッシュとやったら、監督から『階段は隅から隅までやるんですよ』と言われて。この映画でお掃除の仕方を教わりました」と天真爛漫な笑みを浮かべます。
また父・昇平(山﨑)の認知症を告げられるシーンでは「リハから涙が止まらず、でも監督から『泣かないでほしい』と言われて。そんなときに娘たちが背中をさすって慰めてくれた。優しい娘と厳しい監督でした」とジョークで場を和ませました。
麻里の夫・今村新(しん)役の北村は「すれ違いの夫婦像だが、その背景は描かれていない。しかし夫婦といえども他人同士。理由もなくすれ違うことってあると思った。それがリアル。撮影以外では竹内さんと和気あいあいの時間を過ごせたので、スッとやりやすい状況だった」と回想。
竹内は「カットがかかると私に『ごめんね~』と言ってくれた」と北村の優しい気遣いを紹介しました。
家族のルールは?
パーティー用ハットをかぶって、家族の誕生日を祝うという東家のルールが劇中では描かれます。
それにちなんで「家族のルール」というお題が出されました。
蒼井は「ウチの家族はやたらとハグをする。それが当たり前。久しぶりに会うとハグ。ついこの前も父親とハグした。両親が手を繋いだり、触れ合いを大事にしている家族なので」と蒼井家ルールを紹介。
しかし日本であまりなじみのない行動に周囲がざわつくと「あれ?なんか変な空気。え?…今のナシにしてもらっていいですか」と苦笑い。
そんな妹の窮状にすかさず姉の竹内が「いつまでも仲がいいのはいいね。両親も元恋人だったんだと感じるよね」とフォローすると、蒼井は「頼もしい~!」と大喜びです。
そんな竹内は実家でのルールについて「うちはどんな食事にも味噌汁がついていた。だから汁物&汁物という日もあった。おでんでもカレーでもパンでも味噌汁」と変わった組み合わせルールを口にし「なんだろう、自分の家ならではのルールを出すと引かれるこの感じ…」と蒼井同様に苦笑い。
北村から「結子ちゃんの家でもそうなの?」と聞かれると、「してません!鍋と味噌汁とかバシャバシャの海になるから!」と即否定も「でもたまに食堂でカレーを頼んで味噌汁に手を出しそうになるときがある。そんなときは実家スピリッツが残っているなぁと思う」と笑わせました。
松原は「お誕生日はケーキを誰かが買ってきて、みんなで祝う」とごく一般的ルールで安心させ、北村は「昼でも夜でも缶ビールを開けたら、乾杯という。いつでも堂々と飲みますよ」とニヤリ。
中野監督は「実家では大晦日は必ず家族で手巻き寿司。今年の大みそかもきっとそうなるはず」とそれぞれの家族独自の決まり事を発表し、和やかな空気で舞台挨拶は終了しました。
映画『長いお別れ』の作品情報
【公開】
2019年(日本映画)
【原作】
中島京子『長いお別れ』(文春文庫刊)
【監督】
中野量太
【脚本】
中野量太、大野敏哉
【主題歌】
優河「めぐる」
【キャスト】
蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山﨑努、蒲田優惟人、中村倫也、北村有起哉、杉田雷麟
【作品概要】
映画『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督が、直木賞作家・中島京子氏による同名小説を映画化しました。
認知症になった父を取り巻く“東(ひがし)家”の次女・芙美役は、『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017)で第41回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得するなど、2017年度の主演女優賞を総なめにした蒼井優、長女・麻里役には、日本アカデミー賞を4度受賞し、映画・ドラマ・舞台・CMと活躍、日本を代表する人気女優の竹内結子。
母親・曜子役は、日活三人娘の一人として一世を風靡し、『ゆずの葉ゆれて』(2016)でソチ国際映画祭主演女優賞に輝いた松原智恵子が演じます。
そして認知症を患う父親・昇平役には、紫綬勲章、旭日小綬賞を受章した名優であり、『モリのいる場所』(2018)など、現在も精力的に話題作に出演し続ける山﨑努。
また、麻里の息子・崇役には蒲田優惟人が、成長した崇役には杉田雷麟が、どちらもオーディションでの抜擢で決定しました。
映画『長いお別れ』のあらすじ
父の70歳の誕生日。
久しぶりに帰省した娘たちに母から告げられたのは、厳格な父が認知症になったという事実でした。
それぞれの人生の岐路に立たされている姉妹は、思いもよらない出来事の連続に驚きながらも、変わらない父の愛情に気付き前に進んでいきます。
ゆっくり記憶を失っていく父との7年間の末に、家族が選んだ新しい未来とは…。
まとめ
蒼井優、竹内結子、松原智恵子、北村有起哉、中野量太監督を舞台挨拶のゲストに招き、開催された映画『長いお別れ』プレミア試写会。
本作撮影時のエピソードや、家族のルールといったプライベートな話も飛び交い、笑顔の絶えないイベントとなりました。
中でも、蒼井優、竹内結子、松原智恵子の3人は、本物の家族のように息が合っており、本作で育んだ強い繋がりを感じさせました。
家族の絆を温かく描いた映画『長いお別れ』は2019年5月31日(金)に全国ロードショーです。