直木賞と本屋大賞をダブル受賞するという史上初の快挙を成し遂げた、恩田陸のベストセラー小説『蜜蜂と遠雷』を、『愚行録』の石川慶監督が実写映画化。
映像化不可能と言われた本作。製作サイドから満場一致でオファーを受け主演を務めるのは、若手随一の演技力を持つ女優・松岡茉優。
映画『蜜蜂と遠雷』は10月下旬からの撮影開始、2019年秋に全国ロードショー予定です。
原作『蜜蜂と遠雷』とは
恩田陸の小説である『蜜蜂と遠雷』は、2017年(平成29年)、第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞を受賞しました。
直木賞と本屋大賞のダブル受賞及び同作家2度目の本屋大賞受賞は、史上初。また第5回ブクログ大賞で小説部門大賞も受賞しています。
ピアノコンクールを舞台としてそれぞれの関わりと過去と進行を描く青春群像小説の本作。
そのまま、最初から本選までのすべてを小説として書くという着想を得ましたが、かなり難しく書き始めるまでに5年かかったそうです。
3年に1回、開催される浜松国際ピアノコンクールへ2006年第6回から2015年第9回まで、途中からは執筆と並行して、4度も取材。
毎日、会場の座席で午前9時から夕方までピアノ演奏を聴き続けた取材力が、この小説に結実しました。
映画『蜜蜂と遠雷』キャストとコメント
“元”天才ピアノ少女、亜夜役に、実力派若手女優の松岡茉優。小学生の頃にピアノを習っていたという彼女の演奏も見逃せません。
松岡コメント「音楽はそれぞれの音がある。実体化した音楽で納得してもらえるだろうか。ピアノやクラシックに興味のない人にも、楽しんでもらえるだろうか。これは戦いだと思って撮影に挑んでいきたいです。見てくれた方の頭に音楽を鳴らしたいと思っています」
音大出身だが現在は楽器店勤務の明石役に松坂桃李。年齢制限ギリギリだが、家族の後押しもあり最後の挑戦としてコンクールへのエントリーを決意するという役どころです。
松坂コメント「ピアノは初挑戦ですが、演奏も含めて、明石としっかり対話し全力で作品と向き合っていこうと思います」
名門ジュリアード音楽院に在籍し優勝候補と目されているマサルに森崎ウィン。
森崎コメント「いままさにピアノレッスンの真っ最中ですが、本当に難しい。何度やってもぶつかる壁が減ることがなく、毎回戦っています。でも、ひとつ言えるのは、それでも楽しいんです。改めて音楽の素晴らしさを体験出来ている喜びをかみ締めて、壁を越えられるように日々巻狩ります」
凄まじい演奏技術で見る者すべてを圧倒する謎の少年・塵に大抜擢された鈴鹿央士。
鈴鹿コメント「お芝居の経験がなく、すべてのことが初めてで不安なこともありますが、共演者の方々、監督はじめスタッフの方々のお力をお借りしながら、風間塵を楽しみながら演じていきたいと思います」
映画『蜜蜂と遠雷』の作品情報
【公開】
2019年(日本映画)
【原作】
恩田陸『蜜蜂と遠雷』
【監督】
石川慶
【キャスト】
松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士
小説『蜜蜂と遠雷』のあらすじ
3年ごとの芳ヶ江国際ピアノコンクールは今年で6回目。
優勝者が後に著名コンクールで優勝することが続き近年評価が高まっています。
特に前回、書類選考落選者オーディションで、参加した出場者がダークホース的に受賞し、翌年には世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝したため、今回は大変な注目を集めていました。
ですが、オーディションの5カ国のうちパリ会場では、審査員3人は凡庸な演奏を聴き続け、飽きて来ていました。
そこへ、伝説的な音楽家ホフマンからの推薦状に「劇薬で、音楽人を試すギフトか災厄だ」と書かれ、現れた少年、風間塵は、破壊的な演奏で衝撃と反発を与えます。
議論の末、塵はオーディションに合格します。
そして日本の芳ヶ江市での2週間に亘るコンクールへ。
塵は師匠の故ホフマン先生と「音を外へ連れ出す」と約束をしていて、自分では、その意味がわからず、栄伝亜夜に協力を頼みます。
亜夜は塵の演奏を聴いていると、普通は音楽は自然から音を取り入れるのに、彼は逆に奏でる音を自然に還していると感じます。
マサルは子供のころピアノに出会わせてくれた亜夜を出場演奏者に見つけ再会。
3人の天才と年長の高島明石のピアニストたちが、音楽の孤独と、競争、友愛に、さまざまに絡み、悩みつつ、コンクールに挑んでいきます。
まとめ
恩田陸の『蜜蜂と遠雷』を、松岡茉優主演、石川慶監督で実写映画化。
2019年のロードショーが今から楽しみです。