キネマ旬報 文化映画部門5位選出されたドキュメンタリー映画『Maelstrom マエルストロム』
映画作家/アーティスト山岡瑞子が、自らに向き合い5年半をかけて制作した『Maelstrom マエルストロム』。
この度発表された、キネマ旬報ベストテンでは、本作が文化映画部門で5位に選出され、都内初のロードショー公開も、2024年5月10日(金)よりアップリンク吉祥寺にて決定しました。
この度、ポスタービジュアルと画像が解禁。また、今回のベストテン第5位選出に際し、エンディングに流れる音楽を担当したオシダアヤと山岡瑞子監督からコメントが到着しましたので、ご紹介します。
CONTENTS
映画『Maelstrom マエルストロム』について
映画作家/アーティスト山岡瑞子が制作した『Maelstrom マエルストロム』は、作品の切実で繊細な表現が、多くの観客の心を揺り動かしました
ピッツバーグ大学Japan Documentary Film Award 2022、東京ドキュメンタリー映画祭2022、ニッポンコネクション2023などに選出され、2023年12月に横浜での映画上映と、アート作品のエキシビジョンが好評のうちに終了。この度発表された、キネマ旬報ベストテンでは文化映画部門で5位に選出されています。
キネマ旬報の選評では、映画評論家の松本侑壬子さんが「留学先の事故で突然身障者になった女性(監督)の生きる闘い20年の体験記録。大混乱(題名)の中で毅然と生きる姿に圧倒される。」と語り、映画ジャーナリストの谷川建司さんも「次点の「Maelstrom マエルストロム」も含めて(1位は『ケアを紡いで』)、人生の大きな困難に直面しながらも前向きに生きる姿に感銘を受け、そういった人たちに目を向け、多くの人たちにその想いを届けたいという作り手の姿勢にも共感。」と本作を絶賛しています。
オシダアヤ(『Maelstrom マエルストロム』音楽)のコメント
「さっき歌ってた曲を私の映画に使わせて下さい!」とライブの後で声をかけていただいたのが山岡さんとの出会いでした。当時私は出産を機にバンド活動を休止し育児に専念するも、やっぱり音楽がやりたくて一人でライブを始めた頃で、びっくりしたけど嬉しかったのを覚えてます。如何なる状況下でも表現し続けようとする彼女の意志に胸が熱くなりました。「軸を自分自身と表現することに戻していかないと、ゆっくりと私が死んでゆくだろう。」と山岡さんが語るところで、毎回私は大きく頷きながら涙ぐみます。感銘と共鳴が波のように押し寄せ、気づくと自分も大渦に巻かれているような凄い映画だなと思います!
山岡瑞子(映画作家・アーティスト)のコメント
答えのない試行錯誤と葛藤の渦に脚を取られ、溺れていた−−見失った自分と繋がり直し、どこかにあるはずの陸に這い上がることを祈りながら、執筆・編集を続けた5年半でした。この個人的で小さな自主映画が、国内外の映画祭での上映/受賞、劇場公開、2023年キネマ旬報ベスト・テン文化映画部門5位と進めたことに、深く感謝しています。未来を探る一人の女性のモノローグが、観る人の何かの気付きに繋がれば、誠に幸いです。
山岡瑞子プロフィール
映画作家 /ア-ティスト。東京生まれ。1998年渡米。2002年Pratt Institute(NY)卒業直後、事故に遭い帰国。中途障害者・帰国者の立場からの制作方法を模索する。2016年、バルセロナで初短編ドキュメンタリー制作。BankART AIR 2021への参加を経て、初長編ドキュメンタリー映画『Maelstromマエルストロム』(2022)完成。米国ピッツバーグ大学Japan Documentary Film Award 2022グランプリ受賞。その他、ドイツ・フランクフルトで開催された第23回ニッポン・コネクション、オーストリア・ウィーンで開催されたJapannual 2023など、国内外での映画祭で上映され、横浜で初めての劇場公開を実現させる。2023年度ACYアーティスト・フェロー。
映画『Maelstrom マエルストロム』の作品情報
【日本公開】
2024年(日本映画)
【監督・撮影・編集・ナレーション】
山岡瑞子
【撮影】
本田広大、平野浩一、高橋朋子
【音楽】
オシダアヤ
映画『Maelstrom マエルストロム』のあらすじ
2002年6月のはじめ、NYにある美術大学を卒業し、あと一年間プラクティカル・トレーニングビザで滞在予定だった留学生が、アパートの契約金を下ろしに銀行に向かう途中、事故が起きました。
こんな事故は日常に見聞きする、よくあること。殺人事件に巻き込まれなくて良かった! でも、その留学生は、その家族は帰国後、どうなったのでしょう。
突然、それまでの日常を失い、それまでの時間が存在しない場に戻った時、何がその人らしさを繋ぎ止めるのでしょうか。
事故の当事者になった“私”は、変わってしまった日常の記録を始めました。事故前の自分と繋がり直し、探している場所に辿り着けることを祈りながら……。
大混乱(マエルストロム)の中、自身を見つめ再生していく姿を綴った“魂のセルフ・ポートレート”。
まとめ
映画作家でありアーティストでもある山岡瑞子が手がけた、映画『Maelstrom マエルストロム』。
2002年NYの美大を卒業してすぐ交通事故で脊髄損傷により下半身付随となる大怪我を負った山岡監督は、突然それまでの日常を失います。事故の当事者になった彼女は、変わってしまった日常の記録を始め、5年半をかけて本作を完成しました。
山岡瑞子が、自らに向き合い5年半をかけて制作した『Maelstrom マエルストロム』は、2024年5月10日(金)よりアップリンク吉祥寺にて公開されます。