Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2021/11/29
Update

映画『金の糸』あらすじ/キャスト/公開日/上映館。ジョージア映画界の女性監督ラナ・ゴゴベリゼが91歳にして27年ぶりの新作公開!

  • Writer :
  • 大塚まき

ジョージアの伝説的女性監督ラナ・ゴゴベリゼ最新作

過去との和解をテーマに、ジョージア激動の時代を生きた女性作家とその人生に関わった人々を、
日本の“金継ぎ”に着想を得て描く『OKROS DZAPI(英題:THE GOLDEN THREAD)』。


(C) 3003 film production, 2019

ジョージア映画界を代表する女性監督ラナ・ゴゴベリゼ監督が、過去との和解をテーマに描いた『OKROS DZAPI(英題:THE GOLDEN THREAD)』の邦題を『金の糸』として、2022年2月26日(土)より全国順次公開されることが決定しました。

あわせて、繊細な“金継ぎ”とジョージアの街並みが美しい日本版ポスタービジュアルも解禁となります。

映画『金の糸』について

高いクオリティの作品を数々発表し、テンギズ・アブラゼ監督、オタール・イオセリアーニ監督、ギオルギ・シェンゲラヤ監督たちとともにジョージア映画の発展を担ってきたラナ・ゴゴベリゼ監督。

女性と社会を瑞々しく捉え続けてきたゴゴベリゼ監督が91歳にして描いたのは、過去との和解をテーマにした物語です。

題名の“GOLDEN THREAD”には、日本の「金継ぎ」から着想を得て、“未来を見るために過去を金で修復する”という意味がこめられました。

監督は「日本人が数世紀も前に壊れた器を継ぎ合わせる金継ぎの技のように、金の糸で過去を継ぎ合わせるならば、過去は、そのもっとも痛ましいものでさえ、重荷になるだけでなく、財産にもなることでしょう」
語っています。

音楽は、2019年に亡くなった、ジョージアの世界的作曲家ギヤ・カンチェリ

主役のエレネは、『ロビンソナーダ』で知られるジョージア映画界の重鎮ナナ・ジョルジャゼ監督が演じています。

映画『金の糸』のポスタービジュアル

本記事の冒頭に記載したこの度、解禁されたポスターでは、ジョージアらしい古い家で椅子に腰掛けるエレネをメインに、ミランダ、アルチルの表情のほか、映画の鍵となる「野の花」「過去の写真」「小さな人形」などが配置され、恋人たちの姿と金継ぎがコラージュされています。

「旧市街の片隅で 私たちは語る 信じて欲しい 壊れた過去も美しいと。」というキャッチフレーズと『金の糸』というタイトルから過去の時間を紡いでいく物語にイマジネーションをかきたてます。

映画『金の糸』の作品情報

【日本公開】
2022年(ジョージア・フランス合作映画)

【原題】
OKROS DZAPI

【監督・脚本】
ラナ・ゴゴベリゼ

【キャスト】
ナナ・ジョルジャゼ、グランダ・ガブニア、ズラ・キプシゼ、ダト・クヴィルツハリア

映画『金の糸』のあらすじ

トリビシの旧市街の片隅。作家のエレネは生まれた時からの古い家で娘夫婦と暮らしています。

今日は彼女の79歳の誕生日ですが、家族の誰もが忘れていました。

娘は、姑のミランダにアルツハイマーの症状が出始めたので、この家に引っ越しさせるといいます。

ミランダはソヴィエト時代、政府の高官でした。そこへかつての恋人アルチルから数十年ぶりに電話がかかってきて…。

まとめ

ゴゴベリゼ監督の母親は、サイレント時代に活躍したジョージア初の女性監督ヌツァ・ゴゴベリゼ(1902〜1966)。母ヌツァはソ連政府の「大粛清」により約10年を強制収容所で過ごしたという言います。

そんな自身の記憶を重ねた本作『金の糸』は、人間の過去と国の歴史を重ねながら、想像の翼を羽ばたかせた見事な作品となっています。

ジョージア映画界の伝説的女性監督ラナ・ゴゴベリゼが27年ぶり、91歳にしての新作『金の糸』は、 2022年2月26日(土)より岩波ホールほか全国順次ロードショーです。

関連記事

新作映画ニュース

映画『アイネクライネナハトムジーク』今泉力哉監督のプロフィール。過去作の評価解説も

映画『アイネクライネナハトムジーク』は、9月20日(金)より全国ロードショー! 『アヒルと鴨のコインロッカー』『重力ピエロ』など数多くの作品が映像化されている大人気ベストセラー作家・伊坂幸太郎。 伊坂 …

新作映画ニュース

【第32回東京学生映画祭】2021年の開催は10月と発表!3月6日より作品募集開始でエントリー期間情報も

日本で最も歴史がある国内最大規模の学生映画祭、東学祭 2021年も第32回目を迎える東京学生映画祭が開催されることが決定しました。 「第32回東京学生映画祭」 映画祭開催に向けて第32回東学祭で上映す …

新作映画ニュース

押田岳映画『仮面ライダージオウNEXT TIMEゲイツ、マジェスティ』新たなフォームとキャラクター解禁!劇場公開は2020年初春

Vシネクスト『仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』オリジナル・新フォーム&新キャラクター解禁。 「仮面ライダージオウ」テレビシリーズ最終話のその後のお話となる本作『 …

新作映画ニュース

映画『Sin Clock』公開日“33日前”に窪塚洋介/坂口涼太郎/葵揚の本編映像解禁!第3弾は“3”に集った者の決戦前を映す

映画『Sin Clock』は2023年2月10日(金)より新宿ピカデリーほかにて全国公開! 『GO』(2001)、『ピンポン』(2002)などで知られる俳優・窪塚洋介の18年ぶりとなる邦画長編映画の単 …

新作映画ニュース

樋口真嗣×大庭功睦『キュクロプス』トークショーinテアトル新宿。映画監督としての信念とは

大庭功睦監督の和製ノワール作品『キュクロプス』。 大庭功睦監督(左)樋口真嗣監督(右)©︎Cinemarche 現在、テアトル新宿においてレイトショー上映されている大庭功睦監督作品『キュクロプス』。 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学