映画『ジュリアン』は2019年1月25日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開。
離婚した両親の間で揺れ動く息子ジュリアンを主人公に、家族の関係を描いた繊細な人間ドラマでありながら、張り詰めた緊張感が観る者を襲う傑作サスペンス『ジュリアン』。
2017年ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞し、本国フランスで40万人動員のロングランヒットを記録しています。
本作を手掛けたグザヴィエ・ルグラン監督と主人公ジュリアン役のトーマス・ジオリアの来日を記念して開催された特別試写会の模様をお届けします。
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映画『ジュリアン』の監督&子役来日記念!特別試写会レポート
2018年冬、注目のサスペンス映画『ジュリアン』のグザヴィエ・ルグラン監督とトーマス・ジオリア(ジュリアン役)の来日を記念し、12月4日(火)に特別試写会が渋谷のユーロライブで開催されました。
本作『ジュリアン』と同じく、家族をテーマにした映画『きみはいい子』(2015)、『そこのみにて光輝く』(2014)などを手がけた呉美保監督と共にトークショーを行い、本作の細部にまでこだわりぬいた秀逸な演出術の裏側や、注目ポイントについて熱く語りました。
呉監督も絶賛!ルグラン監督こだわりの演技指導
登壇早々から「最近見た映画の中で最も胸を打つ作品」と本作を絶賛した呉監督。
観賞後は涙を流し「しばらく席が立てなかった」と告白するほど、衝撃を受けたそうです。
離婚した父親と母親の間で揺れ動く息子ジュリアンら家族の複雑な思いを丁寧に描いた本作の演出について、ジュリアン役のトーマスは次のように話しました。
素晴らしい演技指導をシーンごとにしていただいたので不安はなかったです
監督の演技指導について「不安はなかった」と笑顔で話したトーマス。
舞台俳優としても活躍するルグラン監督は「目線の指導など、細かく言いました」と、人物の作り込みやディテールへのこだわりを明かしました。
ルグラン監督の言葉を受けて呉監督も「まさに一番引き付けられたの目!」と続けます。
冒頭から話が進んでいくにつれて登場人物の目の色が変わっていく。そこに怯えを感じ、家族のもろさや儚さを俳優の目で感じました
呉監督は、ルグラン監督もこだわったと話す“目の演技”について、“家族のもろさや儚さ”を感じ取ったとコメントしました。
注目ポイントは“音”の使い方
本作を語るうえで重要なポイントである“音”の使い方について、ルグラン監督は次のように語りました。
通常の映画は後から音を入れたりもしますが、俳優たちを現実の本物のような環境に置き、その音が聞こえるように配慮した
ルグラン監督のコメントに対して呉監督は「そう!音に感情が動かされました。すごく繊細な音がついていて、それがクライマックスに結びついていく。そこが驚きでとても良かった!」とまたもや本作を絶賛しました。
本作は世界的にも評価が高く、第74回ヴェネチア国際映画祭にて最優秀監督賞にあたる銀獅子賞を受賞し、本国フランスで40万人動員のロングランヒットを記録しています。
アメリカの映画批評サイトRotten Tomatoesでは94点の高評価を得ている注目作です。
本作『ジュリアン』は、2019年1月25日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開です。
映画『ジュリアン』の作品情報
【公開】
2018年(フランス映画)
【原題】
Jusqu’a la garde(英題:CUSTODY)
【監督・脚本】
グザヴィエ・ルグラン
【製作】
アレクサンドル・ガヴラス
【撮影】
ナタリー・デュラン
【キャスト】
レア・ドリュッケール、ドゥニ・メノーシェ、トーマス・ジオリア、マティルド・オネヴ
【作品概要】
離婚し共同親権を持つ両親の間で揺れ動く11歳の息子ジュリアンを、父親が執拗に追いつめていく様子をスリリングに描いたサスペンス。
フランス映画界の新星グザヴィエ・ルグラン監督の長編デビュー作。
第74回ヴェネチア国際映画祭にて最優秀監督賞にあたる銀獅子賞を受賞。
映画『ジュリアン』のあらすじ
両親が離婚したため、母ミリアム、姉と暮らすことになった11歳の少年ジュリアン。
離婚調整の取り決めで親権は共同となり、ジュリアンは隔週の週末ごとに別れた父アントワーヌと過ごさねばならなくなりました。
母ミリアムはかたくなに父アントワーヌに会おうとせず、電話番号さえも教えません。
アントワーヌは共同親権を盾にジュリアンを通じて母の連絡先を突き止めようとします。
ジュリアンは母を守るために必死で父に嘘をつき続けますが、それゆえに父アントワーヌの不満は徐々に溜まっていきます。
家族の関係に緊張が走る中、想像を超える衝撃の展開が待ち受けていました…。
まとめ
本作『ジュリアン』が長編監督デビュー作となるフランス映画界の新星グザヴィエ・ルグラン監督と、主人公ジュリアンを好演したトーマス・ジオリアの来日を記念して特別試写会が開催されました。
二人とともに登壇したのは、『オカンの嫁入り』(2010)や『酒井家のしあわせ』(2006)など、家族をテーマにした作品を描いてきた呉美保監督。
『きみはいい子』では自分の娘に手をあげてしまう母親ら、問題を抱えて生きる3人の大人と周囲の子どもたちの群像劇を描いた呉監督が、本作観賞後は涙を流し「しばらく席から立てなかった」と明かしました。
繊細な感情表現を必要とする本作でのルグラン監督こだわりの“目線の演技指導”や“音の演出”についても語られ、「感情が動かされた」と呉監督が大絶賛しました。
家族をテーマにした映画を描いてきた呉監督が太鼓判を押す本作に期待が高まります。
映画『ジュリアン』は、2019年1月25日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開です。