ナチスに弾圧され奪われた美術品と、それに関わる人々の運命に迫る名画ミステリー『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』は2019年4月19日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかで全国公開。
ナチス・ドイツによる美術史上最悪の略奪と、美術品の奪還を巡る相続人たちの粘り強い戦いを追ったドキュメンタリー『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』。
本ポスターと予告動画が解禁されました。
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映画『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』の本ポスター
完成した本ポスタービジュアルには、世界的に有名な画家ゴッホ、フェルメール、ブリューゲル、ロートレックなど、日本でもよく知られる名画の数々を背景に、ヒトラーを模した人物が不気味に配されました。
以前紹介したティザービジュアルとは違い、ポスターのバックは数々の美術作品に彩られていて、とても華やかです。
イラストで描かれたヒトラーの頭部の中にあるキャッチコピーがより強調され、彼の頭の中は誰も知りえることがなかったことを解き明かしていくことを知るようなポスタービジュアルです。
また右端に描かれた絵画を持ち出す警官隊が、少しコミカルですね。
映画『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』の予告映像
予告編では、当時ヒトラーが演説する姿や、ナチスを支持する人々の様子などが映し出されます。
続いて「ヒトラーは、恐怖で世界を支配し、さらには人々の思想をも操ろうとしていた」というナレーションとともに、ヒトラーが“アーリア人の芸術は崇高で美しい”と語り、純粋なアーリア人による写実的で古典主義的な作品を擁護していたと解説。
その一方でピカソ、ゴッホ、カンデンスキー、ムンクをはじめとした巨匠たちの名画が続々と登場します。
それらを堕落とみなし、強奪と破壊行為を繰り返していた事実とその真相に迫っていきます。
さらに、2013年にドイツ・ミュンヘンの老人のアパートで、行方不明だった1500点の芸術品が見つかったグルリット事件の真相ほか、美術品にかかわる人々の数奇な運命と、今も続く奪還プロジェクトに迫っていきます。
ヒトラーが優越民族だと唱えていたアーリア人の古典的作品を、なぜ擁護していたのか気になります。
映画本編では、その謎は明かされるのでしょうか…?
映画『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』作品情報
【公開】
2019年(イタリア・フランス・ドイツ合作映画)
【原題】
HITLER VERSUS PICASSO AND THE OTHERS(英題)
【原案】
ディディ・ニョッキ
【監督】
クラウディオ・ポリ
【キャスト(ナレーション)】
トニ・セルヴィッロ
【作品概要】
ナチス・ドイツによる美術史上最悪の略奪と、今なお続く美術品の奪還を巡る相続人たちの粘り強い戦いに迫ったドキュメンタリーです。
『グレート・ビューティ・追憶のローマ』や『修道士は沈黙する』など、イタリアが誇る名優トニ・セルヴィッロがナレーションを務めます。
日本語の字幕監修は、大ベストセラー「怖い絵」シリーズ著者でもあり、68万人を動員した「怖い絵展」監修も務めた作家・ドイツ文学者の中野京子が担当しています。
監督は、クラウディオ・ポリ。
映画『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』あらすじ
1933年、ナチス・ドイツはふたつの手段で芸術を支配しました。
ひとつはピカソ、ゴッホ、ゴーギャン、シャガール、クレーらの傑作に「退廃芸術」の烙印を押してそれらの絵画をおとしめていき、その一方で、純粋なアーリア人による写実的で古典主義的な作品を擁護しました。
その年、ドイツの首相となったのはアドルフ・ヒトラー。
彼は青年時代に画家志望だったこともあり、自分の故郷近くのリンツに“総統美術館”を建設する野望を抱きました。
ヒトラーは、彼の右腕的存在のゲーリング国家元帥や自分の息のかかった画商を通じて、ユダヤ人富裕層が所有する古典美術の名品を次々と没収していきました。
オランダ、フランスなど周辺国を占領するとその勢いと大胆さは加速し、かのルーブル美術館やパリ在住のユダヤ人美術収集家から問答無用で憧れの名品や価値ある退廃美術の略奪を繰り返していきました。
映画『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』のみどころ
アドルフ・ヒトラーがドイツの首相に就任した1933年から、彼が自死する1945年までの12年間。
ナチス・ドイツがヨーロッパ各地で略奪した芸術品の総数は約60万点にのぼると言われています。
しかし戦後70年以上経った今でも10万点が行方不明となっています。なぜナチス・ドイツは、いやヒトラーは、美術品略奪に執着したのでしょうか?
本作品は欧米で活躍する歴史家や、美術研究家を始め、略奪された美術品の相続人や奪還運動に携わる関係者の証言を元にして、ヒトラーの思想の背景と略奪された美術品が辿った闇の美術史に迫るドキュメンタリーです。
字幕監修を務めたのは、テレビでおなじみの作家で独文学者の中野京子。
彼女が「数々の名画が映し出すのは 美術と恐怖の物語」と語る、究極の美と権力に秘められた名画ミステリ―の今作は、なぜヒトラーがアーリア人の古典的絵画に魅せらていったのかという謎を追います。
絵画や美術品に魅せられたヒトラーの、思想や内面が少しでも理解できるとともに、今なお行方不明となっている絵画を探し出す手掛かりとなる作品かもしれません。
まとめ
予告映像の中にも数秒、日本画も映し出されました。
現在ほど日本画の評価や価値が高くなかった江戸時代の頃、海外ヨーロッパへそれらは多く流出したと言われています。
その日本画の価値をヒトラーが知っていたのかはわかりません。
自分が生きたその後の時代において、自分が略奪した美術作品の歴史的評価が高まることを、ヒトラーは気づくことができるきっかけはなかったのでしょうか。
または誰かがヒトラーに助言し、そのことに耳を傾ける余裕が彼にはあったのか?
ヒトラーの思想をより深く知りたいと思い、絵画の歴史への探求心を掻き立てる1本です。
映画『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』は2019年4月19日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかで全国ロードショー!
ぜひ、お見逃しなく!