結婚も出産もしなくても、子どもができるとしたら?
2018年タリン・ブラックナイツ映画祭出品作品『Eggs 選ばれたい私たち』。
映画『Eggs 選ばれたい私たち』が、2021年4月2日(金)よりテアトル新宿、4月9日(金)よりテアトル梅田ほかにて全国順次公開することが決定しました。
公開決定に併せてメインビジュアル・場面写真、そして川崎僚監督のコメントも解禁となります。
CONTENTS
映画『Eggs 選ばれたい私たち』について
監督は、オムニバス映画『SEASONS OF WOMAN』が池袋シネマ・ロサにて12月19日(金)より公開になるほか、文化庁委託業務「ndjc2019:若手映画監督育成プロジェクト」にて35mフィルムにて撮影された短編映画『あなたみたいに、なりたくない。』(2019/出演・阿部純子、小島聖ほか)を制作するなど、いま活躍目覚ましい川崎僚。
これが初長編となる本作では、自身の女性としての経験や体験を織り交ぜなら、結婚や出産を希望していない30歳目前の女性、そしてレズビアンの女性という対照的な2人の人物を通して、社会から求められる女性像と実像のずれに悩みながらも、それでも「母になりたい」と願う彼女たちを等身大に描いてみせました。
本作は、2018年タリン・ブラックナイツ映画祭で日本映画唯一のコンペティション作品に選出。同年の招待上映作品「万引き家族」とともに、日本の社会問題を扱った話題作となりました。
映画『Eggs 選ばれたい私たち』のメインビジュアル
この度、公開決定と同時にお披露目されたメインビジュアルは、主演の純子演じる寺坂光恵(左)と葵役の川合空(右)がじっとカメラをみつめているスチールを採用。
「産みたくない。けど、残したい。」と彼女たちの心情を反映したようなキャッチコピーが添えられています。
川崎僚監督のコメント
日本は経済的に恵まれているのに、精神的には豊かな国ではありません。
特に女性は昔から「結婚して、子どもを産むのが一番の幸せだ」とされており、女性が働くのが当たり前になった今でも「産まない女性」の生き方は強く非難されています。
卵子の減少を原因に「30歳」が女性の賞味期限だと言われることも多く、タイムリミットすれすれの20代後半の女性たちは、自分の生き方に自信が持てずにいます。
「産めるのに、産まない」という選択肢をしている私の生き方は間違ってるのか…。
そう悩むなか、エッグドナーという題材に巡り会い、この作品が完成しました。
私や周りの友達の、ありのままの本音を全て曝け出した作品です。
川崎僚監督のプロフィール
川崎僚監督のツイッター
#写真展あいまいもこ 遊びに行ってきました✨
被写体が同じでも、カメラマンさんによってこんなに世界観が変わるんだと驚き。
いろんな表情や雰囲気で魅力してくれる女優・寺坂光恵が素敵でした。ほんと、カメレオン寺坂!笑 pic.twitter.com/TWNuLXoita— 川崎僚@12/19-30映画「SEASONS OF WOMAN」劇場公開 (@ryokokawasaki11) October 24, 2020
本作『Eggs 選ばれたい私たち』にて脚本と監督を務めた川崎僚は、1986年11月17日生まれ。大分県出身。早稲田大学第二文学部卒業。
在学中に演劇・映像の理論を学び、卒業後は女優へ。その後、シナリオライターに移行し、プロットライターとして映画・ドラマの企画開発に携わる。
2013年4月に映画制作を学ぶためニューシネマワークショップを受講。その後、短編映画の監督を続け数々の国内映画祭に参加。
2018年には初長編映画『Eggs 選ばれたい私たち』にて、国際映画祭連盟登録のタリン・ブラックナイツ映画祭に参加。『万引き家
族』とともに日本映画代表作として紹介され、海外映画祭デビューを果たした。
2019年は、文化庁委託業務『ndjc2019:若手映画監督育成プロジェクト』にて製作実地研修の参加監督に選抜。
35mフィルムにて撮影された短編映画『あなたみたいに、なりたくない。』(出演:阿部純子、小島聖ほか)は 2020年2月に劇場公開された。
映画『Eggs 選ばれたい私たち』の作品情報
【日本公開】
2021年(日本映画)
【監督・脚本】
川崎僚
【テーマ曲】
「あお」小林未季
【キャスト】
寺坂光恵、川合空、三坂知絵子、新津ちせ、湯舟すぴか、みやべほの、見里瑞穂、斉藤結女、荒木めぐみ、鈴木達也、生江美香穂、高木悠衣、森累珠、加藤桃子、すズきさだお、松井香保里
映画『Eggs 選ばれたい私たち』のあらすじ
子どものいない夫婦に卵子を提供するエッグドナー(卵子提供者)に志願した独身主義者の純子。
そのドナー登録説明会で、偶然、従姉妹の葵に再会し、彼女がレズビアンであることを知ります。
恋人に家を追い出された葵は、純子の家に転がり込み、2人の少し奇妙な共同生活が始まりました。
エッグドナーに選ばれれば、ハワイやマレーシアなどの海外で卵子を摘出し、謝礼金がもらえます。
選ぶのは、子供を希望する夫婦。そして、エッグドナーには30歳までという年齢制限があります。
わずか数カ月で30歳を迎える純子は、それでもドナー登録をすることに決めました。
純子と葵は、どちらが選ばれるかという期待と不安を感じながらも、いつしか「遺伝子上の母になりたい」という同じ目的に向かって<選ばれる>為に、新たな生活を始めようとし…。
まとめ
産まなくても「母になりたい」と願い、彼女たちはこれからも生きていく…。
2020年11月16日にマスコミ各紙で報じられたように、夫婦以外の第三者から卵子や精子の提供を受けて生まれた子どもの親子関係を民法の特例で定める生殖補助医療の関連法案を、野党5会派が国会に提出するなど、法整備の動きがようやく始まってきています。
この社会状況の中で、何らかの事情で産めない、あるいは産まない選択をし、それでも母になることを希求する女性たちの切なる想いを掬い取った本作に是非ともご期待ください。
映画『Eggs 選ばれたい私たち』は、2021年4月2日(金)よりテアトル新宿、4月9日(金)よりテアトル梅田ほかにて全国順次公開です。