映画や舞台、CM、TVドラマに大活躍のベテラン俳優、堤真一。
幅広い役柄を演じ、日本アカデミー賞などの映画賞も数多く受賞した経験のある、誰もが認める日本の名俳優です。
堤真一は、87年のTVドラマ「橋の上においでよ」でデビューし、89年『バカヤロー!2』で映画デビューを果たします。96年の『弾丸ランナー』で映画初主演を飾った後、『ローレライ』、『舞妓Haaaan!!!』、『ALWAYS三丁目の夕日』3部作、『クライマーズ・ハイ』、『SP』シリーズ、『神様はバリにいる』などなど、数々の映画に出演してきました。
また俳優業だけでなく、落ち着いた低い声を生かしTV番組でナレーションとして活躍することも多いです。
すでに40本以上の映画に出演し、圧倒的な演技力で映画ファンを魅了しつづける堤真一が、これまでに出演した映画の中から5作品をピックアップしてお届けします!
CONTENTS
1.昭和33年の下町が舞台!堤真一の代表作『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005)
『ALWAYS 三丁目の夕日』の作品概要
2005年の日本映画。監督は、『Returner』、『寄生獣』などの山崎貴。出演は、吉岡秀隆、須賀健太、小清水一揮、堤真一、薬師丸ひろ子、小雪、堀北真希、三浦友和ほか。
原作は西岸良平による人気漫画作品。
続編『ALWAYS 続・三丁目の夕日』が2007年、『ALWAYS 三丁目の夕日’64』が2012年にそれぞれ公開されています。
第30回報知映画賞最優秀作品賞、最優秀助演男優賞、最優秀助演女優賞を受賞。第29回日本アカデミー賞最優秀作品賞ほか14部門で受賞するなど、非常に高い評価を得た作品です。
『ALWAYS 三丁目の夕日』のあらすじ
昭和33年の東京下町、夕日町三丁目にある自動車修理工場・鈴木オート。そこに集団就職列車に乗って青森から六子(堀北真希)がやってきます。大企業に就職できるかと期待していた六子は、小さくて古臭い下町工場の鈴木オートに失望するのでした。
その鈴木オートの向かいにある駄菓子屋「茶川商店」の主人・茶川竜之介(吉岡秀隆)は三流小説家。茶川は居酒屋「やまふじ」の美人店主・ヒロミ(小雪)から見ず知らずの子供・古行淳之介(須賀健太)を酔った勢いで預かってしまい、二人の共同生活が始まります。
『ALWAYS 三丁目の夕日』のおすすめポイント
昭和33年の夕日町三丁目を舞台に、人々の日々の悲喜を描いた群像ドラマです。
建設中の東京タワーや上野駅、蒸気機関車、都電など、当時の東京の街並みをミニチュアとVFXを駆使して再現されています。
堤真一は、鈴木オートの社長・鈴木則文を演じています。自分の仕事に自信と誇りを持っていて、カッとなりやすい性格だけど実は優しいお父さん、というメリハリの利いたキャラクターで圧倒的な存在感を感じさせます。
携帯もパソコンもテレビもない時代なんて今では想像がつきませんが、何もなくても幸せだった頃がどこか懐かしくて、人々の温かさを感じられる作品です。愛すべき登場人物ばかりで、きっと心が温まりますよ。
2.愛娘のために必死で頑張るお父さんを演じた『フライ,ダディ,フライ』(2005)
『フライ,ダディ,フライ』の作品概要
2005年の日本映画。監督は『油断大敵』『脳男』などの成島出。出演は、岡田准一、堤真一、松尾敏伸、坂本真、青木崇高、愛華みれ、須藤元気ほか。
原作は金城一紀による同名の小説。
2006年には韓国でも映画化されました。
『フライ,ダディ,フライ』のあらすじ
郊外のマイホームで幸せな生活を送るサラリーマンの鈴木一(堤真一)は、夏のある日、娘が友人と訪れたカラオケ店でからんできたボクシングの高校チャンピオンである石原(須藤元気)に殴られ入院し、心を閉ざしてしまいます。
鈴木は石原へ復讐を果たすべく、包丁を持って石原の高校へ向かうものの、勇気も腕力もない鈴木は在日高校生であるスンシン(岡田准一)に伸されてしまいます。
そんな鈴木に対し、話を聞いたスンシンとその仲間たちは石原に一矢報い、鈴木の家族の絆を取り戻すべく、ある計画を立てます。それは夏の間に鈴木を鍛え、ケンカ戦法で石原を倒すというもの。基礎体力作りから地獄のような猛特訓が始まります。
『フライ,ダディ,フライ』のおすすめポイント
娘を傷つけた男へ復讐するため、平凡なサラリーマンが高校生たちの特訓を受けてたくましい父親へと変貌していく姿を描いた作品です。
堤真一は、岡田准一演じるスンシンからケンカを習うサラリーマン鈴木を演じています。どん底に突き落とされた鈴木が愛する家族を思って、高校生に弟子入りして一から体を鍛え、悪戦苦闘する…その過程がなんとも面白い。体を張って頑張ってるお父さん、男らしくてカッコいいですよね。
最後にはスカッとした気分も味わえる感動作です!
3.個性豊かな豪華キャストが集結!『プリンセス トヨトミ』(2011)
『プリンセス トヨトミ』の作品概要
2011年の日本映画。監督は、『本能寺ホテル』などの鈴木雅之。出演は、堤真一、綾瀬はるか、岡田将生、沢木ルカ、森永悠希、笹野高史、和久井映見、中井貴一ほか。
「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」で知られる人気作家・万城目学のベストセラー小説の映画化。
『プリンセス トヨトミ』のあらすじ
1615年大阪夏の陣で断絶したはずの豊臣家の末裔(まつえい)が今も生き続け、大阪の男たちは400年もの間その秘密を守り続けていた…。
会計検査院の調査官である松平元(堤真一)、鳥居忠子(綾瀬はるか)、旭ゲーンズブール(岡田将生)の3人は、実地調査のため大阪に向かいます。
順調に調査を進める中、不審な財団法人を見つけ徹底的に調査するも変わった様子はなく引き上げようとしたとき、大阪国総理大臣と名乗る男が現れます。そして、大阪中を巻き込む思いも寄らぬ事態へと発展していき…。
『プリンセス トヨトミ』のおすすめポイント
400年にわたりあるものを守り続けてきた大阪の男たちと、それを知らずに大阪へやってきた会計検査院との攻防を軸に、親子の絆を描いた作品です。
私たちがイメージする大阪とは一味違う「もうひとつの大阪」を意識して作られた作品なのだそうです。
脚本やストーリー展開への評価が厳しい作品ではあるのですが、なんといっても見どころは俳優たちがとても個性豊かである点でしょう。堤真一や中井貴一をはじめとして、演技派、個性派ぞろいの俳優陣の演技は見ごたえ十分です。
4.孤高の外科医を演じ、高い演技力が評価された『孤高のメス』(2010)
『孤高のメス』の作品概要
2010年の日本映画。監督は、『フライ,ダディ,フライ』の成島出。出演は、堤真一、夏川結衣、吉沢悠、中越典子、矢島健一、成宮寛貴、平田満、余貴美子ほか。
医師の大鐘稔彦のベストセラー小説の映画化。
第34回に日本アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、助演女優賞ノミネート。
『孤高のメス』のあらすじ
1989年、地方都市の市民病院に外科医・当麻鉄彦(堤真一)が赴任します。冷静で正確なオペ技術を持ち、なにより患者のことを第一に考える当麻の姿勢は、仕事に疑問を抱いていた看護師の浪子(夏川結衣)らにも影響を与え、停滞していた院内の空気を活気づかせていました。
しかし、そんなある時、当麻は脳死した患者からの生体肝移植を行うか否かという大きな決断を迫られます。
『孤高のメス』のおすすめポイント
1980年代。当時タブーとされてきた臓器移植や病院内の権力争い、患者のたらいまわしなどさまざまな問題を浮き彫りにしながらも、命の価値を改めて感じさせる感動の医療ヒューマンドラマです。
堤真一は、類いまれな手術の腕を持ちながらも患者の命を第一に考える医師・当麻を演じています。一人の医師の純粋さを見事に表現していて、アカデミー賞優秀主演男優賞にも選ばれています。
また、夏川結衣ら脇役たちも心を揺さぶるような熱の入った演技を魅せています。
原作者の大鐘稔彦は現役の医師でもあり、映画の中で描かれるオペのシーンも現役医師が完全バックアップして撮影されたそうです。
医療の在り方や人としてあるべき姿を考えさせられるメッセージ性の強い作品です。
5.人気“ガリレオ”シリーズ!堤真一が天才数学者を演じた『容疑者Xの献身』(2008)
『容疑者Xの献身』の作品概要
2008年の日本映画。監督は、『県庁の星』の西谷弘。出演は、福山雅治、柴咲コウ、堤真一、北村一輝、ダンカン、長塚圭史、渡辺いっけい、松雪泰子ほか。
東野圭吾の人気ミステリー「探偵ガリレオ」シリーズ第3作「容疑者Xの献身」をTVドラマ「ガリレオ」のスタッフ・キャストで映画化。
第32回日本アカデミー賞作品賞、助演男優賞、助演女優賞ノミネート。
『容疑者Xの献身』のあらすじ
花岡靖子(松雪泰子)は娘・美里と二人で暮らし。そのアパートへ靖子の元夫、富樫慎二(長塚圭史)が彼女の居所を突き止め訪ねてきます。暴力を振るう富樫を靖子と美里は大喧嘩の末、殺害してしまいます。
呆然とする母子に救いの手を差し伸べたのは、隣人の天才数学者・石神(堤真一)でした。彼は自らの論理的思考によって二人に指示を出します。
そして3月11日、旧江戸川で死体が発見され、身元は富樫と断定されます。警察は花岡母子のアリバイを聞いて目をつけますが、捜査が進むにつれ、あと1歩というところでズレが生じてしまいます。
困り果てた草薙(北村一輝)は、天才物理学者の湯川(福山雅治)に相談を持ちかけると、石神と湯川は大学時代の友人だったことわかり…。
『容疑者Xの献身』のおすすめポイント
TVドラマで人気となった「探偵ガリレオ」シリーズの劇場版です。
堤真一は、湯川教授の元同級生で完全犯罪のトリックを考案した数学者の石神哲哉を演じています。
TVシリーズのような軽妙なノリが最小限に抑えられ、謎解き以上に犯罪をめぐる人間の暗部が丹念に描かれた作品になっています。
堤真一は、知的で人生に疲れた数学者の役を見事に演じ、報知映画賞最優秀主演男優賞と日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞しています。特に最後のシーンの演技は凄まじくて、印象的です。
天才と天才の構図が面白く、最後までどんな結末が待っているかわからない最高のミステリー作品です。
まとめ
抜群の演技力で魅せる堤真一がこれまで出演した映画の中から5作品をピックアップしてお届けしました。
どれも名作ばかりで、見る価値ありの作品ばかりです!ほかにも出演作はたくさんありますので、ぜひ彼の素晴らしい演技を堪能してみてくださいね!