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ロバート・レッドフォードおすすめ映画5選!監督代表作まとめ

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俳優ロバート・レッドフォードは、端正な顔立ちで多くのファンを魅了し、映画『明日に向って撃て!』や『スティング』などに出演を果たし、役者として実績を重ねていきました。

映画『明日に向って撃て!』予告編

そんなレッドフォードですが、知らない人もいるかも知れませんが、実は1980年から監督としても映画界で活躍した才能を見せています。

現在では俳優が監督や製作を務めることは決して珍しいことではなくなったハリウッド。

その先駆者的な役割をレッドフォードが担ったと言えるでしょう。今回はロバート・レッドフォードが監督を務めたオススメ映画を厳選して5作品紹介いたします。

1.監督デビュー作『普通の人々』(1980)

映画『普通の人々』の作品概要

1980年のアメリカ映画。ドナルド・サザーランド、メアリー・タイラー・ムーア、ティモシー・ハットン主演。第53回アカデミー賞で作品賞と脚色賞を受賞しています。

演出をしたロバート・レッドフォードはアカデミー監督賞を受賞しています。

映画の中で次男役を演じたティモシー・ハットンは、史上最年少の20歳でアカデミー助演男優賞を受賞しました。

映画『普通の人々』のあらすじ

アメリカのとある家庭。弁護士の父カルヴィン、母ベス、次男コンラッドの3人が暮らしています。

しかし、長男がボート事故で命を落としたことで家族が壊れていくのです。

長男の思い出に浸る母、兄と同じボートに乗っていながら自分だけが生き残ったことを悔やむ次男。

そんな2人の間を父が何とか取り持とうとするのですが…。

映画『普通の人々』のおすすめポイント

ロバート・レッドフォードは長男の事故死によって露わになる3人の心の奥底にある感情を描き出しています。

特に印象的なのが朝食の場面です。

次男の大好物であるフレンチトーストを彼が全く食べず、母親がそのまま捨ててしまいます。

次男のことを思っているようで思っていないという、母親の姿がよく描かれています。

本作で監督デビューを果たしたロバート・レッドフォードはアカデミー監督賞を受賞しました。

その後、彼は監督としても才能を開花させて、優れた作品を世に送り出していくのです。

2.ブラピの笑顔がまぶしい『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992)

映画『リバー・ランズ・スルー・イット』の作品概要

1992年のアメリカ映画。ブラッド・ピット、クレイグ・シェイファー、トム・スケリット主演。

ノーマン・マクリーンの自伝小説『マクリーンの川』が原作で、若き日のブラッド・ピットが主演を果たし、まぶしい笑顔で見る者を魅了します。

フライ・フィッシングと美しく雄大なモンタナの自然を映し出した映像は第65回アカデミー賞で撮影賞を受賞。ゴールデングローブ賞の監督賞にノミネートされています。

映画『リバー・ランズ・スルー・イット』のあらすじ

雄大で美しい自然に囲まれたモンタナ州。

兄ノーマンと弟のポールは牧師である厳格な父から教育を受け、そしてフライ・フィッシングを教わりながら成長していきます。

ノーマンは大学教授の道を選び、やがて結婚します。

しかし弟のポールは才能がありながらも、それを生かせずにギャンブルにのめり込んでいってしまうのです。

映画『リバー・ランズ・スルー・イット』のおすすめポイント

若き日のブラッド・ピットのまぶしい笑顔が印象的です。

フライ・フィッシングをしているシーンはとても美しいです。

ゆっくりと流れる川を見ていると、慌ただしい毎日を忘れさせてくれるようです。

本作ではレッドフォードが監督、ピットが俳優という立場でしたが、2001年のトニー・スコット監督作品の『スパイ・ゲーム』では、俳優としての顔合わせが実現。

実生活でも師弟関係にあるという、2人の息の合った演技を見ることができます。

動画配信サイトU-NEXTにて、映画『リバー・ランズ・スルー・イット』はご覧いただけます。
映画『リバー・ランズ・スルー・イット』を今すぐ見る

3.人気番組を巡るスキャンダルを描いた『クイズ・ショウ』(1994)

映画『クイズ・ショウ』の作品概要

1994年のアメリカ映画。視聴率低下に悩むクイズ番組のスポンサーとテレビ局が行ったある不正を描き出した衝撃の実話で、ゴールデングローブ賞、アカデミー作品賞と監督賞にノミネートされました。

映画『クイズ・ショウ』のあらすじ

高額の賞金で人気を誇るNBCのクイズ番組『21(トゥウェンティワン)』は視聴率が伸び悩んでいました。

番組制作スタッフは、その原因は連戦連勝を続けるユダヤ人のハービーにあり、彼が視聴者から興味を持たれていないと判断しました。

そこで容姿端麗、家柄もよく、教養もある独身の白人大学講師チャールズを番組に出演させることに決めます。

新たなチャンピオンを誕生させるため、番組の制作スタッフはあることを実行しますが…。

映画『クイズ・ショウ』のおすすめポイント

視聴率を獲得するためには不正な手を使うスポンサーとテレビ局の不正を描き出した衝撃作です。

テンポのよい演出にオープニングからエンディングまで一気に観ることができます。

4.伝説のカウボーイが傷を負った馬を癒す『モンタナの風に抱かれて』(1998)

映画『モンタナの風に抱かれて』の作品概要

1998年のアメリカ映画。ロバート・レッドフォードが監督と主演を務め、さらに製作も手掛けた作品。

原作はベストセラー小説『ホース・ウィスパラー』で、クリス・クーパー、サム・ニール、スカーレット・ヨハンソンが共演しています。

ゴールデングローブ賞の監督賞にノミネートされています。

映画『モンタナの風に抱かれて』のあらすじ

乗馬中の事故で右足と親友を失った少女グレースは心と体に深い傷を負ってしまいます。

彼女の愛馬ピルグリムは事故で凶暴になってしまいます。

グレースの母親であるアニーは彼女の愛馬を救うことで、娘も心と体に負った傷を癒すことができると考え、遠く離れたモンタナへと向かいますが…。

映画『モンタナの風に抱かれて』のおすすめポイント

落馬事故で心と体に傷を負った少女が雄大なモンタナの自然の中で癒される姿を描いています。

また少女の母アニーと「馬に囁く人」トムとの許されない恋も描かれています。

本作でレッドフォード演じるトムの弟フランク役を演じたのはクリス・クーパー。2人は2012年のレッドフォード監督作品『ランナウェイ/逃亡者』でも兄弟役を演じています。

5.対テロ戦争をめぐる巨大な陰謀『大いなる陰謀』(2007)

映画『大いなる陰謀』の作品概要

2007年のアメリカ映画。ロバート・レッドフォード、メリル・ストリープ、トム・クルーズ主演。

主演のロバート・レッドフォードが監督も兼任した作品です。

映画『大いなる陰謀』のあらすじ

次期大統領候補の呼び声が高い上院議員ジャスパー・アーヴィング。

彼は事務所に経験豊富なジャーナリストのジャニーン・ロスを呼び出します。

マレー教授は欠席が続く学生トッドを研究室に呼び出し、自ら志願して軍隊に入った2人の教え子の話を聞かせます。

上院議員、ジャーナリスト、大学教授の3人の視点から見えてくるアメリカの大きな陰謀とは…。

映画『大いなる陰謀』のおすすめポイント

ワシントンDCとアフガニスタン、そしてカリフォルニアと3つの舞台で展開される衝撃のヒューマンドラマです。

上院議員、大学教授、ジャーナリストの3人の視点からアメリカの大きな陰謀を描き出していきます。

まとめ

参考映像:『普通の人々』を映画解説する淀川長治

俳優としてのロバート・レッドフォードは、舞台やテレビドラマの端役で実績を積み、1962年に『戦争狩り』でスクリーンデビューを果たすも、大きな役に恵まれませんでした

しかし、1969年にアメリカン・ニューシネマの代表作にあげられるジョージ・ロイ・ヒル監督の『明日に向って撃て!』に出演。

この作品で人気俳優ポール・ニューマンの演じたブッチ・キャシディの相棒役であるサンダンス・キッドを演じ、英国アカデミー賞主演男優賞を受賞すると、一躍人気俳優の仲間入りを果たします。

その後、1980年になると、レッドフォードは初めて監督した映画『普通の人々』でアカデミー監督賞を受賞

ハリウッドで俳優と監督の双方で成功を収めた映画人としての地位を確立します。

1981年にはユタ州パークシティで、若手映画人の育成を目的とするサンダンス・インスティテュートを設立すると、インディペンデント映画を世界に送り出す支援のためにサンダンス映画祭を開催するようになります。

レッドフォード初監督作品『普通の人々』は、長男の事故死をきっかけに崩壊していく家族の様子をテーマにして創作活動を始めます。

また、『リバー・ランズ・スルー・イット』は、まぶしい笑顔を残してこの世を去る弟と兄が過ごした日々を雄大なモンタナの自然を舞台に描き、人生の儚はさをテーマにしました。

第60回ニューヨーク映画批評家協会賞の作品賞を受賞した『クイズ・ショウ』では、人気クイズ番組のスポンサーとテレビ局のスタッフが視聴率獲得のために行った不正を描き出して、過剰な視聴率の獲得競争をテーマにしました。

続いて製作、監督、出演を果たした『モンタナの風に抱かれて』では、心と体に傷を負った少女の再生と彼女の母親とカウボーイとの許されない恋をモチーフに描き、家族の再生をテーマに描いて見せます。

そして『大いなる陰謀』ではアメリカが推し進める対テロ戦争に切り込んでいき、無関心であることの恐ろしさをテーマに彼特有の知的な一面の健在さを示しました。

このようにレッドフォード監督の作品は、それぞれのテーマが明確に提示されていてます

そのテーマに即してレッドフォードは、監督として登場人物たちと適度な距離感をとって見つめているのが大きな特徴のひとつといえます。

それは俳優としての演じる者の視野だけでなく、監督としての広い視野と実直な眼差しを見る者にを想わせてくれます。

言うまでもなく、それは彼がサンダンス映画祭を主催して、ケヴィン・スミスやロバート・ロドリゲス、またクエンティン・タランティーノ、ジム・ジャームッシュなどの映画監督を輩出したことにも繋がっていきます。

ロバート・レッドフォードは、自身の出世作『明日に向って撃て!』で演じた役柄サンダンス・キッドの眼差しを持ち、どのような状況でもサンダンスのように“明日を見つめた未来ある”、誰からの尊敬される視野を持った監督の1人です。

ぜひ、この機会に監督としてのロバート・レッドフォードに注目してみてはいかがでしょうか。

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