Cinemarche内で連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」を担当連載させていただいている、糸魚川悟です。
街中でクリスマスソングを聞くようになり、今年もこの季節がやって来たと感じるようになりました。
クリスマスの日は美味しいご飯を食べたり、大切な人とイルミネーションを見に行ったりと様々な過ごし方がありますね。
しかし、そんなクリスマスにオススメしたいのは「ホラー」映画を観ること。
今回は【糸魚川悟セレクション】として、「クリスマスホラー映画おすすめ5選!家族で観れる有名アニメからサイコスリラーまで」と銘打ってご紹介。
クリスマスを題材とした作品を恐怖度ごとにご紹介させていただきます。
CONTENTS
おすすめのクリスマスホラー①『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』
映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の作品情報
【原題】
The Nightmare Before Christmas
【公開】
1993年(アメリカ映画)
【監督】
ヘンリー・セリック
【キャスト】
クリス・サランドン、キャサリン・オハラ、ウィリアム・ヒッキー、ケン・ペイジ
【作品概要】
ティム・バートンが原案となり製作にも加わったディズニーアニメの代表作。
独特な世界観とキャラクターたちが根強い人気を誇り、ディズニー作品におけるハロウィンの定番作品となっています。
映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のあらすじ
毎年、ハロウィンの日に人を驚かせることを生き甲斐とする「ハロウィン・タウン」の住人たち。
ある日、ハロウィンに退屈を覚えていたジャック(クリス・サランドン)は「クリスマス・タウン」の煌びやかさに心を奪われてしまい…。
マイルドに「ホラー」な世界観が癖になる名作アニメ
「ホラー」映画は苦手だけど、クリスマスを題材にした「ホラー」的な作品が観たい…。
そんな人にオススメの作品が名作アニメ『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』です。
ハロウィンの定番映画でもある本作ですが、題材となるのはあくまでもクリスマス。
ハロウィンの世界に生まれ育ったジャックが憧れたクリスマスの風景。
その憧れがある騒動へと発展してしまう本作は、マイルドな「ホラー」テイストもばっちりの作品。
悪役であるウギー・ブギーは、海外での恐怖の象徴である「ブギーマン」をモチーフとしており、マイルドな世界とは裏腹にダークな描写も目立ちます。
何はともあれ、「ホラー」が苦手な人でも楽しめるクリスマスホラーの大定番である本作を未見の方は、ぜひぜひこの機会に鑑賞してみてください。
おすすめのクリスマスホラー②『グレムリン』
映画『グレムリン』の作品情報
【原題】
Gremlins
【公開】
1984年(アメリカ映画)
【監督】
ジョー・ダンテ
【キャスト】
ザック・ギャリガン、フィービー・ケイツ、ホイト・アクストン、フランシス・リー・マッケイン
【作品概要】
SF映画の巨匠スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を勤めたコメディホラー映画。
作品全体に散りばめられたパロディ要素やモグワイのキャラクターデザインにより大ヒットを記録し、1990年には続編も製作されました。
映画『グレムリン』のあらすじ
クリスマスプレゼントとして、父が買ってきた謎の生物「モグワイ」を気に入りギズモと名付けたビリー(ザック・ギャリガン)。
しかし、モグワイを飼う際に守らなくてはならない「3つのルール」を破ってしまったことから、町は大騒動となり…。
本能のまま生きるグレムリンの「笑い」と「恐怖」
愛くるしい見た目が人気を誇り、公開から30年以上たつ今でもTシャツなどのデザインも街で見かけるギズモ。
リブート企画が噂もされる本作は、本能をむき出しにするグレムリンのおバカな行動に対する「コメディ」と、理性を知らない行動に対する「ホラー」が混在する作品と言えます。
グレムリンたちが映画館で歌い騒ぎながら『白雪姫』(1937)を鑑賞するシーンや、ハードボイルド映画のように格好つけてお酒を飲むグレムリンなどとにかく騒がしくやりたい放題なグレムリンたち。
しかし、その裏で思うがままに人を殺す「残虐性」も兼ね揃え、人間から理性を失わせたようなクリーチャーを体現するグレムリンに、時として「恐怖」を覚えます。
とは言え、本作のメインはあくまで「コメディ」。
動作の全てが可愛いギズモが、クリスマスの夜に楽しい気分にさせてくれるオススメ作品です。
おすすめのクリスマスホラー③『P2』
映画『P2』の作品情報
【原題】
P2
【公開】
2007年(アメリカ映画)
【監督】
フランク・カルフン
【キャスト】
レイチェル・ニコルズ、ウェス・ベントリー
【作品概要】
『ハイテンション』(2003)や『ヒルズ・ハブ・アイズ』(2006)などの監督を勤めたアレクサンドル・アジャが、実在の事件から構想を経て脚本を製作した映画。
主演を勤めたのは「クリミナル・マインド FBI行動分析課」など、ドラマでの活躍が知られているレイチェル・ニコルズ。
映画『P2』のあらすじ
クリスマスイブ、夜遅くまで残業をしていたアンジェラ(レイチェル・ニコルズ)は地下駐車場(P2)の車に乗り込みます。
しかし、車のエンジンがかからず困り果てたアンジェラは警備員のトム(ウェス・ベントリー)に車の修理を頼みますが…。
地下駐車場を舞台に始まる狂った男との攻防劇
恋人やカップルにとってクリスマスイブは特別な日。
しかし、恐ろしいことに、それは「ストーカー」にとっても同じです。
登場人物はごく少数で、物語が展開する舞台も1つの建物内と言うホラーサスペンスな本作は、狂った「ストーカー」とOLの命懸けの攻防劇が描かれています。
相手は恐ろしいクリーチャーでも、「13日の金曜日」シリーズのジェイソンのような人並外れた殺人鬼でもなく、1人の人間。
だからこそ、理性と言うタガが外れた相手の狂気と、リアリティのある攻防戦に手に汗握る本作。
クリスマスイブの日に遅くまで残業なんてするものではないな、としみじみと感じさせる作品です。
おすすめのクリスマスホラー④『サイレント・ナイト 悪魔のサンタクロース』
映画『サイレント・ナイト 悪魔のサンタクロース』の作品情報
【原題】
Silent Night
【公開】
2012年(アメリカ・カナダ合作映画)
【監督】
スティーブン・C・ミラー
【キャスト】
マルコム・マクダウェル、ジェイミー・キング、ドナル・ローグ、エレン・ウォン、リサ・マリー
【作品概要】
サンタクロースが人々を惨殺すると言う過激な内容が物議を醸した『悪魔のサンタクロース 惨殺の斧』(1984)をリメイクしたアメリカ映画。
『時計じかけのオレンジ』(1971)で主人公のアレックスを演じ、未だ最前線で活躍をし続けるマルコム・マクダウェルなどが出演します。
映画『サイレント・ナイト 悪魔のサンタクロース』のあらすじ
クリスマスが近づいたアメリカの田舎町で殺人事件が相次ぎます。
サンタクロースの格好をした男が殺人鬼であることを突き止める保安官たちですが、クリスマスが迫り町はサンタクロースの扮装で溢れかえっていて…。
殺人鬼はサンタクロース
性的行為をした人間をサンタクロースが抹殺すると言う、過激すぎる内容がキリスト教団体からの非難を受けた『悪魔のサンタクロース 惨殺の斧』のリメイク作品。
「悪いことをしたらサンタが来ない」のではなく、「悪いことをしたらサンタが来て周りの無関係な人も皆殺しになる」と言えば本作のサンタの恐ろしさが分かります。
ホッケーマスクを被った殺人鬼ジェイソンや、ハロウィンマスクを被った「ハロウィン」シリーズマイケル・マイヤーズの恐ろしさと違い、サンタクロースの殺人鬼はどこまで行ってもシュール。
しかし、猟奇度は他の2人に負けないほどであり、だんだんと過激になるサンタクロースにそこはかとない「クリスマスの雰囲気」を感じてしまう不思議なスラッシャー映画です。
おすすめのクリスマスホラー⑤『暗闇にベルが鳴る』
映画『暗闇にベルが鳴る』の作品情報
【原題】
Black Christmas
【公開】
1974年(カナダ映画)
【監督】
ボブ・クラーク
【キャスト】
オリヴィア・ハッセー、キア・デュリア、マーゴット・キダー、ジョン・サクソン
【作品概要】
「コメディ」や「ホラー」のジャンルで様々な功績を残したボブ・クラーク監督の代表的作品。
1978年から始まったクリストファー・リーヴ主演の「スーパーマン」シリーズで計4作に渡りヒロインを演じマーゴット・キダーが出演しています。
映画『暗闇にベルが鳴る』のあらすじ
クリスマスパーティーの夜にかかってきた奇妙な電話。
その電話を契機として、ジェス(オリヴィア・ハッセー)の周りでは次々と人が殺されていき…。
クリスマスに起こる惨劇!スラッシャーの先駆け映画!
メッセンジャーツールでのやり取りはするけれど電話は何か苦手、と言う方は多いのでは。
相手の顔が見えないにも関わらず、相手と直接対話しているという相手の「感情」の読み取りにくさがその大きな要因ではないでしょうか。
本作はそんな「電話に対する不気味さ」を極限まで引き出したスラッシャー映画であり、本作と同様に電話が殺戮の契機となるスラッシャー映画『スクリーム』(1996)等の作品は明らかにその影響を受けています。
古い作品であるがゆえに、スラッシャー映画の「グロさ」と言う部分に関しては控え目ではありますが、それを補って余りあるほどの工夫がなされています。
旧作とバカにせず一度はその目で観て欲しい、クリスマス「ホラー」の傑作映画です。
まとめ
【糸魚川セレクション】は、いかがでしたか。
「ホラー」が苦手な方にも、がっつり「ホラー」を楽しみたい方にもオススメしたい作品をご紹介させていただきました。
ストレス発散にも、雰囲気を楽しみたいと言う要望にも使える作品ばかりですので、ぜひぜひクリスマスの素敵な過ごし方の参考としてみてください。