Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

まとめ記事

アカデミー賞2017年速報!受賞結果と『ムーンライト』逆転快挙!

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

第89回米国アカデミー賞の2017年の受賞結果をお伝えします。『ラ・ラ・ランド』の最多部門ノミネートは下馬評の高さがありましたが、近年では白すぎるオスカー像と言われ、昨年はウィル・スミスやスパイク・リー監督のボイコットなどもありましたね。

しかし今回は司会のジミー・キンメルは「ハリウッドは国籍で差別押しない」「メリルがよろしく」ってとトランプ政権を皮肉るなどを見せました。

俳優賞や脚色賞を受賞した方々の活躍は、“フェイク”ではなく素晴らしく一言、世相などを払拭しました。また、外国映画賞ではアスガー・ファルハディ監督のトランプ政権への抗議も見られたのも今という時代を反映していますね。

また、俳優として知られるブラット・ピットですが、今回も製作総指揮として『ムーンライト』が作品賞を受賞!さらには、女優エマ・ストーンやデイミアン・チャゼル監督の『ラ・ラ・ランド』も善戦!

結果は以下の通りになります。

作品賞:『ムーンライト』が大逆転受賞!


★『ムーンライト』

ノミネート作品
・『メッセージ』
・『Fences』
・『ハクソー・リッジ』
・『最後の追跡』
・『Hidden Figures』
・『LION/ライオン 25年目のただいま』
・『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
・『ラ・ラ・ランド』

アカデミー作品賞はプロデューサーに贈られる賞だと言われています。今回「ムーンライト』の製作総指揮を勤めたのはブラット・ピット

彼が初めてスタッフ側という立場で参加した作品は、2007年に公開されたマーチン・スコセッシ監督の『ディパーテッド』。それ以来、数多くの作品で製作や製作総指揮を担ってきました。

2011年に公開された『マネーボール』では、製作と主演を務めて、アカデミー作品賞にノミネートされました。

また、初めてアカデミー作品賞を受賞したのは、2013年公開のスティーヴ・マックイーン監督の『それでも夜は明ける』では、アカデミー作品賞のほか、英国アカデミー賞作品賞など多数受賞しています。

『ムーンライト』の情報

この作品は、マイアミの貧困地域に住む少年シャロンの居場所と、アイデンティティを模索しながら成長する様子を、少年期、ティーンエイジャー期、成人期の3つで構成しながら描いたヒューマンドラマ。

母親ポーラ役に『007シリーズ』のナオミ・ハリス、麻薬ディーラーのホアン役に同年アカデミー賞助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリ。監督は長編映画2作目となるバリー・ジェンキンスが勤めました。

監督賞:『ラ・ラ・ランド』本命獲得!


★デイミアン・チャゼル(ラ・ラ・ランド)

ノミネート作品
・メル・ギブソン(ハクソー・リッジ)
・バリー・ジェンキンス(ムーンライト)
・ケネス・ロナーガン(マンチェスター・バイ・ザ・シー)
・ドゥニ・ヴィルヌーヴ(メッセージ)

主演男優賞:ケイシー・アフレック


★ケイシー・アフレック(マンチェスター・バイ・ザ・シー)

俳優のペン・アフレックの実弟である、ケイシー・アフレックが2度目のノミネートからの快挙で、自身に初めて演技を教えてくれたのは、デイゼル・ワシントンだと述べ、チャンスをくれたマット・デイモンにも感謝を伝えました。

・アンドリュー・ガーフィールド(ハクソー・リッジ)
・ライアン・ゴズリング(ラ・ラ・ランド)
・ヴィゴ・モーテンセン(はじまりへの旅)
・デンゼル・ワシントン(Fences)

主演女優賞:エマ・ストーン


★エマ・ストーン(ラ・ラ・ランド)

主演女優賞を下馬評通りに獲得したエマ・ストーンは、『ラ・ラ・ランド』で共演したライアン・ゴズリングには、いつも笑わせてくれた、素晴らしいパートナーと感謝を伝え、「私はまだまだ成長したり、学ぶことが多いですが、オスカー像はそのシンボル」だと喜びを述べました。

ノミネート作品
・イザベル・ユペール(Elle)
・ルース・ネッガ(ラビング 愛という名前のふたり)
・ナタリー・ポートマン(ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命)
・メリル・ストリープ(マダム・フローレンス! 夢見るふたり)

助演男優賞:マハーシャラ・アリ


★マハーシャラ・アリ(ムーンライト)

助演男優賞を受賞した、マハーシャラ・アリの他の出演作には、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2009年公開)や『ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス』(2015年公開)、また『ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男』(2017年公開)があります。

オスカー賞受賞おめでとうございます!

ノミネート作品
・ジェフ・ブリッジス(最後の追跡)
・ルーカス・ヘッジズ(マンチェスター・バイ・ザ・シー)
・デヴ・パテル(LION/ライオン 25年目のただいま)
・マイケル・シャノン(Nocturnal Animals)

助演女優賞:ヴィオラ・デイヴィス


★ヴィオラ・デイヴィス(Fences)

助演女優賞を受賞した、ヴィオラ・デイヴィスのたの出演作には、『ヘルプ 心がつなぐストーリー』(2012年公開)や『ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男』(2015年公開)、また、『スーサイド・スクワッド』(2016年公開)があります。

オスカー賞受賞おめでとうございます!

ノミネート作品
・ナオミ・ハリス(ムーンライト)
・ニコール・キッドマン(LION/ライオン 25年目のただいま)
・オクタヴィア・スペンサー(Hidden Figures)
・ミシェル・ウィリアムス(マンチェスター・バイ・ザ・シー)

脚本賞:『マンチェスター・バイ・ザ・シー』


★『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

脚色賞を受賞したケネス・ロナーガンの過去作品には、『アナライズ・ミー』(1999年公開)や『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年公開)があります。オスカー賞受賞おめでとうございます。

ノミネート作品
・『20センチュリー・ウーマン』
・『最後の追跡』
・『ラ・ラ・ランド』
・『ロブスター』

脚色賞:『ムーンライト』


★『ムーンライト』

脚色賞を受賞したのは、バリー・ジェンキンスと、タレル・アルビン・マクレイニー。受賞コメントでは、「黒人と有色人種に捧げたい」t述べました。オスカー賞受賞、おめでとうございます!

・『メッセージ』
・『Fences』
・『Hidden Figures』
・『LION/ライオン 25年目のただいま』

撮影賞:『ラ・ラ・ランド』


★『ラ・ラ・ランド』

撮影賞を受賞したリヌス・サンドグレンの過去作品には、2014年に公開された、『アメリカン・ハッスル』や『プロミスト・ランド』、また『マダム・マロリーと魔法のスパイス』があります。

オスカー賞受賞おめでとうございます!

・『メッセージ』
・『LION/ライオン 25年目のただいま』
・『ムーンライト』
・『沈黙 -サイレンス-』

編集賞:『ハクソー・リッジ』


★『ハクソー・リッジ』

編集賞を受賞したジョン・ギルバートの過去作品には、『キラー・エリート』(2012年公開)や『マーヴェリックス 波に魅せられた男たち』(2013年公開)、また、『スパイ・レジェンド』(2015年公開)などがあります。オスカー賞受賞おめでとうございます!

ノミネート作品
・『メッセージ』
・『最後の追跡』
・『ラ・ラ・ランド』
・『ムーンライト』

美術賞:『ラ・ラ・ランド』


★『ラ・ラ・ランド』

ノミネート作品
・『メッセージ』
・『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
・『ヘイル、シーザー!』
・『パッセンジャー』

衣装デザイン賞:『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』


★『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』

衣装デザイン賞を受賞した、コリーン・アトウッドの他の作品には、『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』(2017年公開)や、『アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅』(2016年公開)、『スノーホワイト 氷の王国』(2016年公開)があります。

オスカー受賞おめでとうございます!

ノミネート作品
・『マリアンヌ』
・『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』
・『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』
・『ラ・ラ・ランド』

メイキャップ&ヘアスタイリング賞


★『スーサイド・スクワッド』

・『幸せなひとりぼっち』
・『スター・トレック BEYOND』

視覚効果賞:『ジャングル・ブック』


★『ジャングル・ブック』

視覚効果賞を受賞したロバート・レガートは、名作『タイタニック』(1997年制作)では、SFXスーパーバイザーを務めました。オスカー賞受賞おめでとうございます!

ノミネート作品
・『バーニング・オーシャン』
・『ドクター・ストレンジ』
・『Kubo and the Two Strings』
・『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』

録音賞:『ハクソー・リッジ』


★『ハクソー・リッジ』

ノミネート作品
・『13時間 ベンガジの秘密の兵士』
・『メッセージ』
・『ラ・ラ・ランド』
・『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』

音響効果賞:『メッセージ』


★『メッセージ』

・『バーニング・オーシャン』
・『ハクソー・リッジ』
・『ラ・ラ・ランド』
・『ハドソン川の奇跡』

作曲賞:『ラ・ラ・ランド』

★『ラ・ラ・ランド』

作曲賞を受賞したのはジャスティン・ハーウィッツ、オスカー賞おめでとうございます!

・『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』
・『LION/ライオン 25年目のただいま』
・『ムーンライト』
・『パッセンジャー』

主題歌賞:“City of Stars”(ラ・ラ・ランド)

★“City of Stars”(ラ・ラ・ランド)

ノミネート作品
・“Audition (The Fools Who Dream)”(ラ・ラ・ランド)
・“Can’t Stop the Feeling!”(Trolls)
・“The Empty Chair”(Jim: The James Foley Story)
・“How Far I’ll Go”(モアナと伝説の海)

長編アニメーション映画賞:『ズートピア』


★『ズートピア』

ノミネート作品
・『Kubo and the Two Strings』
・『モアナと伝説の海』
・『My Life as a Zucchini』
・『レッドタートル ある島の物語』

外国語映画賞:『セールスマン』


★『セールスマン』(イラン)

カンヌ国際映画祭にて脚本賞、男優賞に引き続き、アカデミー外国映画賞受賞したアスガー・ファルハディ監督。

アカデミー受賞式には、アメリカのトランプ政権の移民政策への抗議のために式は欠席をしました。ファルハディ監督は「自分と敵という2つに分断することは、恐怖や戦争へのまやかしの正当性を生み出す」とメッセージを送り、トランプ政権を批判しました。

ノミネート作品
・『ヒトラーの忘れもの』(デンマーク)
・『幸せなひとりぼっち』(スウェーデン)
・『タンナ』(オーストラリア)
・『ありがとう、トニ・エルドマン』(ドイツ)

長編ドキュメンタリー賞:『O.J.: Made in America』


★『O.J.: Made in America』

ノミネート作品
・『13th -憲法修正第13条-』
・『海は燃えている イタリア最南端の小さな島』
・『I Am Not Your Negro』
・『ぼくと魔法の言葉たち』

短編ドキュメンタリー賞:『The White Helmets』


★『The White Helmets』

オーランド・ボン・アインシーデル監督は、他の監督作品には、『Virunga』(2015年制作)があります。オスカー賞受賞おめでとうございます!

ノミネート作品
・『4.1 Miles』
・『Extremis』
・『Joe’s Violin』
・『Watani: My Homeland』

短編賞(実写):『合唱』


★『合唱』

・『Ennemis Intérieurs』
・『彼女とTGV』
・『Silent Nights』
・『タイムコード』

短編アニメーション賞:『ひな鳥の冒険』


★『ひな鳥の冒険』

ノミネート作品
・『盲目のヴァイシャ』
・『Borrowed Time』
・『Pear Cider and Cigarettes』
・『Pearl』

関連記事

まとめ記事

2018年映画ランキング!おすすめ洋画邦画ベスト10の調査結果の発表は?

2018年も多くの映画が全国公開されました。 Cinemarcheの専属ライターが、2018年に観た【オススメ映画ベスト10】をご紹介します! 投票対象作品は2018年に映画館で観た新作映画とネット配 …

まとめ記事

大泉洋映画おすすめ5選!探偵・芸人・ねずみ男にもなる個性派!

(C)2015「駆込み女と駆出し男」製作委員会 映画にドラマ、バラエティに大活躍中の大泉洋。これまで30本近くの映画に出演し、すっかり邦画に欠かせない俳優の一人として定着しましたね。 大泉洋は、大学在 …

まとめ記事

映画『夜空〜』の主演女優の石橋静河のプロフィールとその家族は

2017年5月13日から新宿ピカデリーで公開される『夜空はいつでも最高密度の青色だ』。 人気俳優の池松壮亮の相手役のマドンナとして、ダブル主演を果たした女優の石橋静河とは、どんな人物なのでしょう? 初 …

まとめ記事

2017年映画ランキング!おすすめ洋画邦画ベスト10の調査結果は?

2017年も多くの映画が全国公開されました。 Cinemarcheの専属ライターが、2017年に観たオススメ映画のベスト10をご紹介します! 投票は2017年に映画館で観た新作映画とネット配信された旧 …

まとめ記事

【年始のご挨拶】2021年もCinemarcheをよろしくお願いいたします!

皆さま、健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。 2020年は映画鑑賞のお供として、Cinemarcheサイト内の記事をお読みいただきましたこと、心よりお礼申し上げます。 2021年が皆さまに …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学