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Entry 2021/02/04
Update

映画『ザ・ボーイ2 残虐人形遊戯』ネタバレ感想と結末解説のあらすじ。ケイティホームズ演じる母親が怖いドールと対峙する

  • Writer :
  • ジンリナ

『ザ・ボーイ~残虐人形遊戯~』は『ザ・ボーイ~人形少年の館~』の続編!

2016年に10~20代の青少年を熱狂させた映画『ザ・ボーイ~人形少年の館~』のオリジナル興行チームと『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』制作陣が出会い、さらに強力になった心肺停止となる恐怖映画『ザ・ボーイ~残虐人形遊戯~』が2020年に公開されました。

『ザ・ボーイ~人形少年の館~』を監督したウィリアム・ブレントベル監督が、再び監督として参加。主演には、ライザ役のケイティ・ホームズ、ジュード役のクリストファー・コンバリー、ショーン役のオウェイン・イオマン、ジョセフ役にはラルフ・アイネソン。

今回は、森の中に埋もれていたブラームスと、彼を発見した少年ジュードにまつわる戦慄ドールホラーです。

映画『ザ・ボーイ~残虐人形遊戯~』の作品情報

THE BOY II TM & © 2020 LAKESHORE ENTERTAINMENT PRODUCTIONS LLC AND STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【公開】
2020年公開(アメリカ・カナダ映画)

【原題】
Brahms:The Boy II

【監督】
ウィリアム・ブレント・ベル

【キャスト】
ケイティ・ホームズ、オウェイン・イオマン、クリストファー・コンヴェリー、ラルフ・アイネソン、アンジャリ・ジェイ、オリヴァー・ライス、ナタリー・ムーン、ダフネ・ホスキンス、ジョエリー・コリンズ

【作品概要】
2016年『ザ・ボーイ~人形少年の館~』の続編であり、ホラー人形ブラームスの帰還を描いた『ザ・ボーイ~残虐人形遊戯~』。

前作と同様、決して離れられない人形ブラームスの手から抜け出す事の出来ない少年ジュードと、彼の家族の厳しい脱出過程を描いています。

映画『ザ・ボーイ~残虐人形遊戯~』のあらすじとネタバレ

THE BOY II TM & © 2020 LAKESHORE ENTERTAINMENT PRODUCTIONS LLC AND STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

ショーンとライザの夫婦は、息子のジュードと幸せに暮らしています。ある日、ショーンはライザへの電話で「今日顧客とのミーティングで遅く帰る」と言いました。

ライザは、ジュードを先に寝かせて、寝室で眠りにつきます。すると、人の気配で目が覚めたライザは、ジュードの所へ行ってみましたが、寝ているはずの息子がいません。階下に降りて火をつけようとしたら、ジュードが角に隠れて母親を呼んで、「火を点けないで」と言います。

またいたずらをしていると思ったライザが電気を点けると、何者かが彼女を襲います。覆面を被った2人の男が激しく反抗するライザの頭を鈍器で叩きつけると、彼女は意識を失ってしまいます。

事件から6ヵ月後、その日のトラウマによって、ライザは頭痛で苦しい日を過ごしていました。また、毎日の不眠症と悪夢に悩まされています。ショーンは、会社の仕事で多忙の為、苦しんでいる家族を良く世話する事が出来ませんでした。

ジュードはあの時の衝撃で失語症にかかり、ローレンス博士に治療を受けていますが、進展がありません。ジュードは、自分の意思をノートに書いて表現しています。

そのように、ライザとジュードは5ヶ月間精神科相談を受けながらも、衝撃から立ち直るように努力しましたが、何の進展もありませんでした。

そんな中、ショーンは家族の為に、クレンビュー邸宅の離れに引っ越して来ます。曲がりくねった山道を走り、静かな森の郊外にやって来ます。彼らが住むようになった家は、前作の<ヒルシャー大邸宅>の隣にある官舎の家でした。

因みに、彼らが引っ越して来たのは、ヒルシャー所有の豪邸の別棟だったのです。それは、修理をせず古かったけれど、両親は満足そうでした。そして、仲介業者を送り、辺りを見回す事にしました。森をはるかに過ぎると「グランビュー邸宅」と書かれた大邸宅が目に入りました。

両親が屋敷に入る間、ジュードは何か不吉な気配を感じながら森を眺めていると、森で誰かが自分を呼ぶ声が聞こえました。ジュードは聞こえる方向へと近付き、底に埋まっている陶器の人形を見つけます。彼は、慎重に人形を引っ張り出しました。

ショーンとライザは、屋敷に入ってから、ジュードがついて来ていないのに気付いて外に飛び出します。 外には、今、ジュードが土の山から取り出した人形を抱えていました。

ジュードがライザに、「人形が欲しい?」と話すと、ライザは承諾しました。ライザは失語症にかかったジュードの為に、陶器の人形を家に持って来て綺麗に拭きます。

その時に、彼女は人形ポケットにあったブラームスのルールが書かれたメモを見つけました。紙には<いつも一緒にしなければならない>など10の規則が書かれていました。

1. お客様禁止 2. 一人にしない 3. 絶対顔を隠さない 4. 毎日新しい服を着せてあげる
5. 必ず家族と一緒に食事する 6. 毎日外で遊んであげる 7. 綺麗に洗う  8. 眠る前に話し合う
9. おやすみのキスをする 10. 永遠に友達になる

そして、「名前は付けたの??」とジュードに聞くと、ノートに<ブラームス>と書いて<人形が教えてくれた>と伝えました。

ライザは子供の想像力を思って笑います。しかし、部屋を出る時に、人形が生きているような不安な感じが彼女を襲います。

大したことないと思って、彼ら家族と一緒に居るけれど、度々不思議な現象が発生し、不眠症と悪夢が続くライザは、益々ブラームス人形に対する疑いを深め始めます。

ライザとショーンは、ジュードが自分の感情を表現する為に、人形を使っていると信じている事によって、森で拾った人形を容認しましたが、ジュードが何処へ行っても人形を持ち歩くのは心配な部分になりました。

ある日、ライザはジュードに頼まれて散歩に出掛け、ブラームスを見つけた場所で、猟犬と共に猟銃を持った邸宅の管理人ジョセフに出会います。

ライザは、人形に執着するジュードを見て問題があると思い、ブラームスを捨てようと行動に移す所、ジュードが人形と会話する声を盗み聞きするようになります。

ジュードは、ブラームスの規則を両親に教えてあげては、言葉を発する事のなかったジュードが、ブラームスと会話をします。この会話を聞いたショーンは、治療の助けになると、今後もブラームスと話をするように言い、処理を見合わせる事にしました。

しかし、ライザは忌まわしく思います。

そして、ジュードがライザに、ブラームスを怒らせないよう警告し、これらを無視すると、おかしな事件が起こりました。

ジュードは、だんだん人形に執着するようになり、絶対に離れようとしなかったけれど、ジュードが一番好きだった愛着の人形がずたずたになっていて、ライザはジュードに理由を聞きますが、ジュードは「ブラームスがした」と話します。

また、テレビが明滅したりと、悪戯が続いていく状況に、ライザはジュードの仕業と決めつけ、凄い剣幕で怒ります。

しかし、ジュードはライザに、反抗的な態度をとり、ジュードがおかしいのは絶対に人形と屋敷のせいと、ライザは思い始めます。

以下、『ザ・ボーイ~残虐人形遊戯~』ネタバレ・結末の記載がございます。『ザ・ボーイ~残虐人形遊戯~』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

THE BOY II TM & © 2020 LAKESHORE ENTERTAINMENT PRODUCTIONS LLC AND STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

怪しげに思ったライザは、インターネットを通じて調査を行います。そして、過去に邸宅に住んでいたヒルシャー家族が自殺し、彼の死んだ息子の名前が、ブラームスである事を突き止めます。

その上、庭にいたジュードとブラームスの前に、あのお屋敷の管理をしているジョゼフが現れ、「新しい家族が見つかったようだな」と、意味深なセリフを吐いたりする一方で、ブラームス中心の生活をするジュードに、ライザは苛立ちを覚えます。

ある日、ライザが偶然にジュードの手帳を見た時、手帳にはブラームスと話し合った内容が書かれていて、両親を殺して立っているジュードの姿と、それを見守るブラームスが描かれていました。

この絵を発見したライザは、食事の時にブラームスに器と食べ物を与えず、ジュードは「ブラームスが腹を立てるだろう」とライザに告げます。

ショーンは、ブラームスにお皿をあげて、「久しぶりに叔父さんの家族を招待しよう」と言います。

しかし、ジュードは「ブラームスの規則を破っているとブラームスが怒るだろう」と言うと、丈夫だった食卓がひっくり返ります。ショーンはライザを疑い、ライザはジュードの手帳の絵について語るけれど、手帳の中にあった絵は全て消されており、他の絵が描かれていました。

その時、ジョセフは森の中で、めった切りにされたオズの死体を発見しました。その悲報を聞いた両親は、ジュードにこの状況を確認する為に部屋に行きますが、ジュードは<規則を守るべきだ>というメモだけを残して消えてしまいました。

両親は、ジュードを探す為に近くのクレンビュー邸内を捜索します。遂に、押し入れの中でブラームスの仮面をつけたジュードを見つけたのですが、ジュードが突然喋ってしまいます。

親戚達が訪ねてくるようになり、ジュードと同じ年頃の親戚ウィルが、ジュードとブラームスをからかっていました。その時、ジュードと帽子のせいでいざこざが出来、ジュードが帽子を放してしまいます。その結果、ウィルは転倒して、尖った棒に肩側を貫通する事故に遭ってしまいます。

遊びに来た家族とショーンは、直ぐに病院に連れて行きます。ライザとジュードだけが家に残る事になると、ジュードはライザに「ブラームスが自分と永遠にお屋敷で暮らそうと言ったんだ」と言います。続いて、「もし従わなければ両親を殺す」と話しました。

ライザはブラームスの足に書かれていた一連番号を検索すると、ブラームスの過去の記録が分かります。過去に、ブラームスと一緒にいた子供達は、ブラームスが指示で家族達を殺害したという事を知りました。

その時、ジュードはブラームスを抱いて、クレンビュー邸に行ってしまいました。一方のショーンも、病院でクレンビュー邸宅の話を聞いて家に急遽帰ります。

実は、邸宅の管理人ジョセフは、ブラームスに洗脳されており、ジュードが来る事を知り、ブラームスに言われた通りに操られています。

ライザがジュードを探しにクレンビュー邸へ行きます。邸宅管理人のジョセフは、もうすぐジュードとブラームスは一つになるという話をしながらライザを脅かします。

ライザは、ジョセフを気絶させてジュードを探しますが、ジュードはブラームスを手に抱いて、ブラームスの仮面を被っています。そして、手には銃を持っていて、ライザを殺そうとします。

その時、到着したショーンが、金づちでブラームスの人形の頭を壊してしまいます。そのおかげで、ジュードは気がつくようになります。

しかし、ジョセフは、ブラームスを守ってあげられなくてもう自分を死ぬと恐れるようになり、結局、ジョセフはブラームスに殺されます。正常になったジュードは、ブラームスを燃やしてしまいます。

そして、家族達は元々住んでいた町に、また引っ越す事になって、幸せに過ごしています。

しかし、夜密かに起きたジュードが、自分のクローゼットに隠しておいた、ブラームスのマスクを被ります。
ブラームスがジュードの体に、永遠に共に居るのです。

映画『ザ・ボーイ~残虐人形遊戯~』の感想と評価

THE BOY II TM & © 2020 LAKESHORE ENTERTAINMENT PRODUCTIONS LLC AND STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

映画『ザ・ボーイ~残虐人形遊戯~』は、基本的な敍事に忠実なホラー。話が進んでいく中で、感じられる奇妙な所とか感情線がずれる所は無いのですが、最後の結末まで、順調に進んでは上手に仕上がった珍奇な映画です。

一言で<ドラマのようなホラー映画>と言えば、相応しいでしょう。ホラー映画でもなく、ゴア映画でもない。平凡な作品で、怖くはないので、気を引き締めて見る必要はありません。

子供程の人形ブラームスが恐怖の雰囲気を作っているのがユニークです。青白い顔色でじっとしているブラームス人形ですが、光の反射に妙にぞっとした感じを与え、それがまさに恐怖を与えます。

スケール、スタイル、ストーリーまで前作より2倍強力になった恐怖を伝え、生きている人形ブラームスと最初の友人ジュードの姿がまるで一人のように見え、恐怖感を最大限に引き出しています。

ジュード家族を恐怖に陥れるブラームスに森の中で出会い、ブラームスが定めた新しいルール<永遠に友達になる>を見ながら、彼を家族として受け入れる姿を見せ、今後どんなストーリーが展開されるか期待を高め、不思議な事が家族に起こり、見る人の恐怖感を一層向上させます。

続いて、<規則が破られれば、友達が恐怖になる>はブラームス、ジュード、そして家族達に果たしてどんな事が起きるのか好奇心を高め、ホラー映画のダークホースらしい面貌を見せてくれています。

映画に対する期待感を高めているスチールでは、まず『ザ・ボーイ~人形少年の館~』シリーズの主人公である英国の田舎の邸宅にある不気味な生きた人形ブラームスが、職人が作り出したように、依然として世界で一番ハンサムな人形の姿を誇ると同時に、不気味な感じを与えて視線を引いています。

そして、綺麗でハンサムな上に、演技もキュートに上手なクリストファー・コンヴェリーが、人形に調整される息子ジュード役を繊細に、または強烈に描いていており、子供にも恐怖を感じさせます。また、無表情な姿から恐怖に包まれた姿まで目を見ただけで感情を伝え、もう一人の子役俳優の誕生を予告しています。

その上、ハリウッドでの演技派女優で、『バットマン ビギンズ』のケイティ・ホームズが、息子を守る逞しい母親ライザとして出演しています。息子を温かく抱いてあげ、そして、ブラームスに会って益々おかしくなる息子を守る強靭な姿まで、スチールを通じて彼女の美しい姿を垣間見る事が出来ます。

世界中で愛されているアメリカドラマ『メンタリスト』で、正義の刑事ウェイン・リグスビー役を演じ、シリーズ人気の牽引役を十分に果たしたオウェイン・イオマンが、ジュードの父親ショーン役で出演し、歓喜を与えています。

本作は、ホラー映画に慣れていない人には、怖く感じるかも知れないけれど、構成も複雑ではなく、安定した進行があり、平穏に嗜む事が出来ます。前半や中盤まで強烈だった雰囲気が、後半には家族ドラマのようになりましたが、第1弾よりずっと良い第2弾です

映画の中盤部と後半部に、『ザ・ボーイ~人形少年の館~』に対する内容の叙述が出る場面が配置されています。敢えて、前編を見なくても前編の大まかな感じと結末を知らせてくれますが、第1作を見るともっとブラームスに対する警戒心と締め付けられる恐怖感がわかるので、前作を先に見る事をお勧めします。

まとめ

THE BOY II TM & © 2020 LAKESHORE ENTERTAINMENT PRODUCTIONS LLC AND STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

本作は、事実上、第1弾とは全く異なる内容の本当に幽霊に取り憑かれた人形映画です。観客は、SNSを通じて映画の主人公である世の中で最もハンサムな人形ブラームスに熱狂し、映画に対する満足感を表しています。

第1弾との違いといえば、以前からヒルシャー邸宅に住んでいた人物達ではなく、引っ越して来た人物という点に加え、これら家族に降りかかった不幸な事件がトラウマとして作用し、ブラームスからの攻撃を、少しは遅れて発見するという事実が違うだけで、普通のホラー映画が持っているクリシェ的な流れをそのまま引き継いでいました。

ジュードの目と耳だけで分かる人形ブラームスの存在を、両親が少しは遅れて感じるという事と、今回も前編に登場した10のルールの様々な項目で、不可思議な現象が繰り広げられます。

更に、ブラームスの起源に少しでも触れた部分は、この映画の最大の長所であると言えます。

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