映画『死霊館のシスター』は9月21日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開!
『SAW』を生み出したジェームズ・ワンが新たに2013年から初めて心霊ホラーシリーズの第5弾にして、シリーズの前日談(プリクエル)。
『死霊館』『死霊館エンフィールド事件』で登場した“悪魔”の“ヴァラク”が人間界に現れるまでの物語をストレートに描く一方で、ちりばめられた過去シリーズのエッセンスも見どころの一つです。
本作のヒロインのアイリーンを本筋の主役ウォーレン夫妻の妻ロレイン役のヴェラ・ファミーガの妹タイッサ・ファミーガが演じているのも話題で注目です!
CONTENTS
映画『死霊館のシスター』作品情報
【公開】
2018年(アメリカ映画)
【原題】
The Nun
【制作】
ピーター・サフラン、ジェームズ・ワン
【監督】
コリン・ハーディ
【概要】
実際にあったとされる心霊現象を基に大ヒットを飛ばしたホラー「死霊館」シリーズの始まりを描いたホラー作品。
主人公アイリーン役に「死霊館」シリーズで主演を務めたベラ・ファーミガの妹タイッサ・ファーミガが演じ、バーク神父役は『エイリアン コヴェナント』のデミアン・ビチルが務めます。
演出は『ザ・ハロウ 侵蝕』のコリン・ハーディが勤め、脚本は、本作と同じ「死霊館」シリーズの『アナベル 死霊館の人形』【IT イット “それ”が見えたら、終わり。』でご存知のゲイリー・ドーベルマン。
映画『死霊館のシスター』キャラクター&キャスト
バーク神父(デビアン・ビチル)
バチカンからの信頼も厚い神父でエクソシストでもある。
アイリーン(タイッサ・ファーミガ)
バーク神父の助手に指名される修道女見習い。
フレンチー(ジョナ・ブロケ)
地元と修道院を繋げる地元の青年。
修道女
ルーマニアのとある修道院で祈りを続ける。
ヴァラク
尼僧の姿をし、人の心の隙に付け入る悪魔。
映画『死霊館のシスター』あらすじ
1952年ルーマニア。修道院で修道女が何ものかに怯えるように自死。キリスト教徒にとって最大のタブー“自死”をなぜ修道女が選んだのか謎は深まります。
バチカンは信頼の厚いバーク神父に調査を依頼します。そしてその助手として“土地勘がある”という修道女見習いのアイリーンが指名されます。
ところがアイリーンはルーマニアに行ったことすらありませんでした。
地元の青年フレンチーの案内で教会に向かった二人は教会の異様さを感じます。
教会の周辺は十字架で溢れていましたが、これは墓場ではなく教会を封印するために立っているように見えていました。
数日後にフレンチーに迎えに来てもらうように依頼した二人は、教会内に歩を進めます。
そこには修道院長がいつの間にか座っていて、翌日の調査を約束します。
その夜、神父はかつて悪魔祓いを行い、救えなかった青年の影を見かけます。
その影を追いかけていった神父は、途中で少年の姿をした悪魔に襲われます。そのまま地面に倒れこむとそこには、ちょうどきれいに掘って地面に埋められていた棺桶があり、閉じ込められてしまいます。
墓石には神父の名前が刻まれていましたが…。
一方のアイリーンは、なかなかコンタクトが取れなかった修道女たちと、やっと話をすることができました。
そこで聞いた話によると、この修道院はかつて暗黒時代と呼ばれた時代に悪魔信仰にとりつかれた貴族が、悪魔を呼び寄せるための儀式を行った場でした。
儀式の途中にバチカンからの使者がその場に駆け付け、聖遺物“キリストの血”で封印されたようで、その後、城は修道院として祈りを続けることで悪魔を抑えていました。
ところが第二次世界大戦の空爆を受け修道院の一部が崩壊、封印がゆるむと…。
映画『死霊館のシスター』の感想と評価
シリーズ5作品を再構成!死霊館サーガの歴史!
本家の『死霊館』(死霊)『死霊館エンフィールド事件』(エンフィールド)に加えて、『死霊館』に登場して強烈なインパクトを残したアナベル人形にまつわる『アナベル死霊館の人形』(人形)『アナベル死霊人形の誕生』(誕生)。
そして『エンフィールド事件』に登場した“邪悪なシスター“ヴァラク””の出自が明らかになる本作(シスター)。
舞台となる時代がそれぞれバラバラで過去に遡ったり、未来に繋がったりしています。
そこで、ここでは順序立てて事象を整理しなおしていきましょう。
「死霊館」シリーズの5作品を年代ごとに時系列まとめ
1863年アメリカの片田舎で魔女を自認するバスシーバが自分の子供を生贄にしようとして止められ、自死する事件が起きます。
彼女はアメリカ最悪の魔女狩り“セイラムの魔女裁判”で弾圧を受けたものの親戚でもありました。
1930年代土地は分割されて後に、ペロン一家の住まいとなる住居が建つが当時の住人ウォーカ夫人の息子が森で姿を消し、その後夫人も自殺、敷地内では少年溺死事件などが続発することになります。
1945年人形職人サミュエルが一体の精巧な少女の人形を作る。その直後にサミュエルは幼い一人娘ビーを事故で亡くします。(誕生)
暗黒時代に血に塗れた歴史を持つ城を基に建てられた教会の一部が爆撃を受けて損壊してしまう。(シスター)
1957年にルーマニアの修道院で修道女が“自死”という最大のタブーを犯す事件が起きます。(シスター)
同年 サミュエルは自宅を孤児院に提供。ビーの部屋に入ってはいけないなどの、いくつかの取り決めがあるものの孤児との生活はうまくいっているかに見えましたが、徐々に怪奇現状が起きるようになり、孤児の中の一人ジャニスが悪魔に魅入られます。
封印されていた人形とともに姿を消したジャニスは、自らの名前をアナベルと偽ってヒギンズ夫妻の養子となります。(誕生)
1960年エドとロレインのウォーレン夫妻が悪魔祓いを行います。
悪魔につかれたとされる男の名はモーリス。ルーマニアの事件に立ち会った若者の10数年後の姿でした。
この時ロレインはエドの死を透視してしまい、8日間こもりきりになります。(死霊)(エンフィールド)(シスター)
1967年ジョンとミアの若い夫婦は待望の第一子に恵まれます。ジョンはミアにアンティークの人形をプレゼントします、これがのちに呪いの器になる人形とは知らずにです。(人形)
そのころ、二人の新居の隣人ヒギンズ夫妻は娘のアナベルが失踪したことに思い悩んでいましたが、ある晩突然、恋人と思わる男を連れて夫妻を殺害してしまいます。
その直後にジョンとミアも襲撃、お腹の子を含めてジョンの一家は駆け付けた警官たちのおかげもあって助かります。
一方で恋人の男は射殺され、アナベルは自殺しその間際に人形に魂を移す儀式をします。
1969年に“シャロン・テート事件”が起きたように、当時悪魔信仰が流行りアナベルものその一人だったことが分かります。
その後、嫌な記憶を思い出すという理由でジョンは人形を捨てますが、なぜかそれは引っ越した先の新居にも戻ってきます。知り合いの神父にも手に負えません。
アナベル=人形の狙いは新たな命リア。悪魔の存在を信じるミアの友人エブリンが自分の命と引き換えにリアを守ります。(人形)
その後、アナベル人形は別の女性に娘への誕生日プレゼント用に買われていきますが、その家でも怪奇現象が立て都築ウォーレン夫妻の家に預けられることになります。(『人形』)
1968年、アナベルの人形は、心霊研究家のウォーレン夫妻の家に保管され、月に二度神父による祈りを受けています。(人形)(死霊)
1971年に7人家族のペロン一家は中古のマイホームを購入し引っ越ししてきますが、4女シンディがローリーという見えない友達と仲良くなるなど怪しい出来事が起き始めます。
ローリーとは1930年代に近くの森で行方不明となった少年でした。また妻のキャロラリンの体には謎のあざも出るようになりました。(死霊)
怪奇現象について相談するために、キャロリンはエドとロレインのウォーレン夫妻の悪魔祓いの発表会に出向きます。(死霊)(シスター)
ウォーレン夫妻が調査に入り、透視能力をもった妻のロレインは首を吊った女性の霊を見ます。
事態の深刻さを感じたエドは、知り合いのゴードン神父経由で悪魔祓いをバチカンに依頼しますが、返事が遅くやむを得ずエドがロレインの力を借りて悪魔祓いを行います。
この土地に怒り続ける不幸は全て呪いを残した魔女バスシーバによるものでした。
魔女は自宅に封印されていたアナベル人形を使ってウォーレン夫妻の愛娘ジュディにも迫ります。
最終的に魔女を地獄へと追い払った夫妻。霊を呼び出すオルゴールは一家の博物館に保管されることになります。(死霊)
1974年にアメリカ・アミティヴルの家で起きた一家惨殺事件と、その後に引っ越してきた住人が体験したでの超常現象が大きな話題になります。(エンフィールド)
ウォーレン夫妻はこの調査にあたり、霊によるものという意見を発表するものの、でっち上げではないかという意見が大勢を占めるように(エンフィールド)(映画『悪魔の棲む家』)
1977年イギリス・エンフィールドで起きた怪奇現象が起き始めます。(*この事件はポルターガイスト現象として最も正式な記録が残っている)
アミテイヴルの一件で賛否両論の立場に置かれていたウォーレン夫妻が調査に入りました。
ここで、ロレインは邪悪なシスターを見る、偶然にもアメリカの自宅でエドが描いていた悪魔の姿そのものだった。(エンフィールド事件)(シスター)
一度は人為的なものと結論付けたものの、収まったかと思った怪奇現象が再発。そして、事象が悪魔と霊の双方が介在する事件だと考えたウォーレン夫妻は現場に急行。
すべての事象を操る悪魔の名前が“ヴァラク”であることを知り、悪魔祓いを行います。(エンフィールド)
このように「死霊館」シリーズの5作品を再構成してみると、まさに死霊館サーガの歴史そのものですね。
まとめ
『死霊館』と『死霊館エンフィールド事件』は実話ベースです。
『アナベル』シリーズと『死霊館のシスター』はフィクションとなっていますが果たして?
ちなみに各映画で語れた“セイラムの魔女裁判”と“シャロンテート殺害事件”、そして“アミテイヴルの恐怖騒動”と“エンフィールド事件”も実際にあった話です。
映画『死霊館のシスター』は9月21日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開!