Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ホラー映画

Entry 2019/11/22
Update

映画『地獄少女』ネタバレ感想とレビュー評価。恐い実写化とアニメ版との比較考察

  • Writer :
  • 金田まこちゃ

2019年11月に公開された映画『地獄少女』実写化とアニメ版との比較

契約する事で恨みを晴らしたい相手を地獄送りにしてくれる「地獄少女」の都市伝説を巡る、さまざまな人間のドラマを描いた、映画『地獄少女』。

2005年に第1期が放送され、すでにドラマ化もされたオリジナルテレビアニメ『地獄少女』を、『不能犯』『ノロイ』で知られる白石晃士監督が実写にて映画化。

これまで第4シリーズまで制作されているアニメシリーズを実写化のキャストには、『わたしに××しなさい!』の玉城ティナが閻魔あい役で主演を務め、共演に橋本マナミや『天気の子』の森七菜らも集結。

人間の潜在的な怖さを描いた映画『地獄少女』をご紹介します。

スポンサーリンク

映画『地獄少女』の作品情報


(C)地獄少女プロジェクト/2019 映画「地獄少女」製作委員会

【公開】
2019年公開(日本映画)

【原案】
わたなべひろし

【原作】
地獄少女プロジェクト

【監督・脚本】
白石晃士

【キャスト】
玉城ティナ、橋本マナミ、楽駆、麿赤兒、森七菜、仁村紗和、大場美奈、森優作、片岡礼子、成田瑛基、藤田富、波岡一喜

【作品概要】
深夜0時にだけアクセスできる「地獄通信」に、恨みを持つ相手の名前を入力すると、地獄少女が地獄へ連れて行ってくれるという都市伝説を軸に、さまざまな人間模様を描いたホラー。

主演に『Diner ダイナー』や『惡の華』など、2019年公開の、話題作への出演が続く玉城ティナ。

監督は『貞子vs伽椰子』や『不能犯』など、独自の世界観のホラー作品を生み出している、白石晃士。

映画『地獄少女』あらすじ


(C)地獄少女プロジェクト/2019 映画「地獄少女」製作委員会
午前0時にアクセスできるWEBサイト「地獄通信」。

そこへ、恨みを晴らしたい人間の名前を入力すると、地獄少女が現れて「恨んでいる相手を地獄に落としてくれる」という契約が成立します。

しかし、地獄少女と契約を交わした者も、死後に地獄へ行く事になります。

ルポライターの工藤仁は、過去に地獄少女と契約を交わしたという母親から、何度もその話を聞いており、地獄少女を特集した記事を書くことにします。

その事を、病院に入院している母親に報告した後、母親は何かに怯えた表情を浮かべて亡くなります。

女子校生の市川美保は、クラスの女子の空気に馴染めず、少し浮いた存在です。

美保は、アーティストの魔鬼のファンで、ライブに行きますが、そこで痴漢に遭遇します。

その時、美保を痴漢から救ってくれたのは、同じく魔鬼のファンである、南條遥でした。

少し暴力的な性格の遥ですが、美保はクラスにいないタイプの遥に惹かれ、ライブ終了後にカフェで話をします。

そこへ、ライブを終えた魔鬼が現れ「遥の声に魅了された」と、自身のライブの、コーラスオーディションへの参加を促し、コーラスメンバーに決まっている、御厨早苗のライブに誘います。

早苗のライブは平日の昼間だった為、学校を休む訳にはいかない美保でしたが、高校まで遥が迎えに来た事で、授業を抜け出して早苗のライブへ行きます。

ライブが始まり早苗は歌い出しますが、そこへ、刃物を持った長岡拓郎がステージに上がり、早苗の顔を切りつけます。

長岡は、早苗の取材をしていた工藤と、魔鬼によって取り押さえられ、警察に逮捕されます。

警察の事情徴収が終わるのを待っている間、美保が話しかけた事をキッカケに、工藤と仲良くなります。

命は助かったものの、顔に致命的な傷を受け、アーティストとしてステージに立てなくなった早苗は、インターネットで、犯行に及んだ長岡の事を知ります。

また、工藤の記事から「地獄通信」の事を知った早苗は、午前0時にWEBサイトにアクセスし、恨みを晴らしたい相手として、長岡の名前を書き込みます。

すると、早苗の体が地獄へ行き、おぞましい光景を見た後、静かな河原に辿り着きます。

そこに姿を現したのは「地獄少女」と呼ばれる、閻魔あいでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『地獄少女』ネタバレ・結末の記載がございます。『地獄少女』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

スポンサーリンク


(C)地獄少女プロジェクト/2019 映画「地獄少女」製作委員会

閻魔あいは、早苗に藁人形を渡し「本当に恨みを晴らしたいのなら、紅い紐を引きなさい、それで契約は成立する」と伝えます。

しかし契約をすると、早苗は死後地獄に落ちて、永遠の苦しみを味わう事も伝え、閻魔あいは「後は、あなたが決める事」と言い、早苗を現世に戻します。

数日後、長岡は反省文を書き、弁護士を通して早苗に渡されますが、その手紙には、早苗を愚弄する言葉が並べられていました。

長岡が全く反省していない事を知った早苗は、地獄少女との契約に反対していたい工藤を呼び出し、目の前で藁人形の紅い紐を引き、閻魔あいとの契約を成立させます。

その夜、留置所に拘留されていた長岡の前に、閻魔あいと従者である、一目連、骨女、輪入道が現れ、長岡を地獄に送ります。

突然、姿を消した長岡は「脱走した」と世間では報じられ、長岡の母親が早苗の自宅を訪ね、両親と早苗に謝罪をします。

早苗は、長岡の母親に「あんたの息子は、地獄に送った」と耳打ちします。

早苗は、魔鬼のプロデュースにより、インターネットで復活ライブを配信する事になります。

しかし、早苗が歌い始めると、早苗の歌を罵倒する声が聞こえます。

恐怖からうずくまる早苗の前に、閻魔あいが現れ、早苗を地獄に送ります。

ライブ中にスタジオを飛び出し、突然姿を消した早苗を探す、工藤と魔鬼。

工藤は、閻魔あいの影を感じ「お前がやったのか?」と問いかけますが、閻魔あいは姿を消します。

早苗が姿を消して数日後、早苗の両親を長岡の母親が訪ねてきます。

長岡の母親は「地獄通信」に、早苗の名前を書き込み、地獄に送った事を伝え、刃物で自分の首を切り、命を絶ちます。

魔鬼のコーラスオーディション当日、多数の参加者の中から、遥が選ばれます。

ソロパートも用意されている遥は、魔鬼と2人で話をしますが、その際に合成麻薬を勧められ、遥は自分の意思で合成麻薬を口に入れます。

オーディション会場で、遥が出てくるのを待っていた美保は、魔鬼から「もう、遥に関わらないように」と忠告されます。

それでも、遥の事が忘れられず、自宅を訪ねた美保は、遥に壁へ叩きつけられ「二度と来るな」と恫喝されます。

変わってしまった遥を心配した美保は、工藤に相談します。

魔鬼は、人気アーティストでありながら、犯罪にも手を染めていました。

親の残した莫大な遺産で、全ての事件を揉み消している魔鬼は、業界でも評判が悪く、敬遠された存在です。

工藤は魔鬼の正体を雑誌に掲載し、魔鬼と遥を引き離そうとします。

工藤は遥の鞄に盗聴器を仕掛け、魔鬼が次のライブで、遥をセットの下敷きにして命を奪い、神を降臨させる「儀式」を行おうとしている事を知ります。

しかし、工藤が盗聴をしていた事がバレてしまい、魔鬼に捕まり、心臓にナイフを突き刺され、工藤は絶命します。

ニュースで、工藤が死亡した事を知った美保は、「地獄通信」に魔鬼の名前を書き込み、閻魔あいと契約を交わします。

魔鬼のライブ当日、美保は藁人形の紅い紐を引き、閻魔あいとの契約を成立させ、ステージ上の魔鬼を地獄送りにします。

ライブ中に姿を消した魔鬼の話題で、ニュースは持ちきりになります。

遥を救った事で、美保は再び遥と友人関係となりますが、美保は、自身が地獄へ送られる恐怖に怯えるようになります。

スポンサーリンク

映画『地獄少女』感想と評価


(C)地獄少女プロジェクト/2019 映画「地獄少女」製作委員会
2005年に、アニメの第1シリーズが放送されて以降、人の持つ「恨み」に着眼した、独特の展開が話題を呼び、第4シリーズまで製作されている『地獄少女』。

毎回1話完結の物語となっており、教師や上司、先輩や不良グループなど、恨みを抱きなからも、逆らう事ができない相手に悩んでいる、人間が主人公となります。

毎回、逆らう事ができない相手を「地獄少女」と呼ばれる、都市伝説的な存在、閻魔あいと契約する事により、地獄へ送ってもらうという展開となり、逆らえない相手を、代わりに成敗してもらうという部分では「必殺!仕事人」シリーズに通じる爽快さがあります。

その人気はアニメだけではなく、2006年に実写ドラマも製作されるほどです。

今回の実写映画では、主にアニメ版の第1シリーズ前半の「都市伝説としての地獄少女」のテイストを重視した、和製ホラーとなっています。

人の背後に、幽霊のように立っている閻魔あいや、地獄送りの場面など、恐怖を重視した演出が多く、監督と脚本を担当した白石晃士は「怖さの部分を、どう強くするか?」を、一番悩んだ事を語っています。

本作は、映画オリジナルストーリーとなっていますが、アニメ版の流れを受け継ぎ、作品に反映させています。

アニメ版の『地獄少女』では、閻魔あいに藁人形を渡された人間が、恨みを持つ相手を地獄に送る事に、一度は戸惑いながらも、最終的に相手を地獄に送るしかなくなる「決定的な的な出来事」が起き、閻魔あいと契約を交わすようになる流れがお馴染みとなっています。

今回の実写版でも、その流れはしっかりと受け継がれており、かなりアニメ版に忠実な作りになっています。

また、アニメ版の第2シーズン、第3シーズンでは、恨みの連鎖や、逆恨みなど、閻魔あいがいくら晴らしても消えない、人間の恨みと、恨みを生み出す人間の恐怖を描いたシリーズでした。

人が恨みを抱かなければ「地獄少女」は存在しないのですが、逆に、この世から恨みの念が消えない限り、「地獄少女」は存在し続けるという事です。

この恨みの連鎖という部分は、映画版では、早苗と長岡の母親のエピソードに反映されており、ラストに美保が見る幻覚も、閻魔あいが、契約者に必ず口にする「人を呪わば穴二つ」という言葉を反映させています。

アニメ版の作風とテーマを受け継ぎ、恨みを生み出す人間の怖さを描きながら、和製ホラーとして「怖さ」の部分に振り切った本作。

特に、アニメ版に多かった「物語の後味の悪さ」も再現しており、「地獄少女」シリーズのファンはもちろんですが、これまで見た事が無い人も、独特の作風が味わえる作品となっています。

まとめ


(C)地獄少女プロジェクト/2019 映画「地獄少女」製作委員会
アニメ版を忠実に再現した、実写版の『地獄少女』。

特殊な設定から、実写で演じるには難しいと思われる閻魔あいを、玉城ティナがミステリアスに、抑えた演技で見せており、ここでも、原作の雰囲気を守っていると言えます。

ですが、「都市伝説的な恐怖」を重視した結果、若干説明不足の部分があり、特に閻魔あいの従者である、一目連、骨女、輪入道の「三藁」に関して、あまり説明がされていません。

プロデューサーの平田樹彦は「閻魔あいと三藁が活躍し過ぎると、爽快感が強まってしまう」と全体的なバランスを調整する為に、あえて説明しなかった事を語っており、実写化に関してかなり悩んだ事が分かります。

ちなみに「三藁」は、アニメ版では、閻魔あいに藁人形を渡された人間が、実際に紅い紐を解いて、契約を交わすまでの見張り役として、人間世界に溶け込んでいる存在です。

時には、藁人形に姿を変えて見守る事もあります。

映画版で、魔鬼のコーラスに「三藁」が参加していたのは、見張り役だった為です。

第4シーズンまで続くアニメ版では、閻魔あいと三藁のキャラクターが強くなっており、実写版で、ここまで反映させると、まとまらなくなった可能性が高かったでしょう。

アニメ版でお馴染みの展開を、あえて変更してでも、和製ホラーに振り切った判断は素晴らしく、本作をキッカケに、アニメ版に触れてみて、それぞれの違いを比較してみてはいかがでしょうか。

関連記事

ホラー映画

映画『ライト/オフ』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

スポンサーリンク CONTENTS映画『ライト/オフ』作品情報映画『ライト/オフ』あらすじとネタバレダイアナ 悪魔の子 『ライト/オフ』の感想と評価まとめ 映画『ライト/オフ』作品情報 【公開】 20 …

ホラー映画

映画『恐怖人形』あらすじネタバレと感想。日向坂46小坂菜緒がホラー驚愕の笑いを巻き起こす⁉︎

「日向坂46」の小坂菜緒が怖すぎる日本人形と対決! 「日向坂46」のメンバー、小坂菜緒がついに映画に初主演。そのお相手は…日本人形? ホラー映画お馴染みの恐怖アイテム「人形」。恐ろしい念を秘めた人形は …

ホラー映画

『ゴーストマスター』洋画ホラー映画愛を解説。鬼才ロメロやフーパー監督に心酔した【脚本家・楠野一郎とヤングポール監督の臓物リスト】

映画『ゴーストマスター』は2019年12月6日(金)より、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー! 映像企画発掘コンペ「TSUTAYA CREATERS’PROGRAM FILM 201 …

ホラー映画

『死霊館』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も【ホラー映画】

映画『死霊館』は、アメリカの実話を元にしたホラー映画「死霊館」シリーズの第1作目。 「死霊館」シリーズはファンも多く、9月21日にはスピンオフ作品の『死霊館のシスター』が公開されます。 累計興行収入は …

ホラー映画

映画『貞子』ネタバレ感想と評価。結末で見せた「リング」シリーズ の新たな時代への挑戦

世界的なホラーキャラクターとなった貞子による、新たな恐怖を描いた映画『貞子』。 映画『リング』で貞子を生み出した、中田秀夫監督が、新たな貞子の恐怖を描いた本作をご紹介します。 スポンサーリンク CON …

U-NEXT
架空映画館 by ReallyLikeFilms Online
【Cinemarche】今週のおすすめ映画情報
凱里(かいり)ブルース|2020年6月6日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次ロードショー予定!
映画『異端の鳥』TOHOシネマズ シャンテほか近日公開予定
映画『朝が来る』TOHOシネマズ 日比谷ほか近日公開予定
ドラマ『そして、ユリコは一人になった』
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学
国内ドラマ情報サイトDRAMAP