『いけにえマン』は2019年10月5日から10月18日にかけて、池袋シネマ・ロサでレイトショー公開!
『一文字拳 序章 ー最強カンフー少年対地獄の殺人空手使いー』で、カンフー映画愛を爆発させた中元雄監督が、今度は、ホラー映画を題材に制作した映画『いけにえマン』。
男女4人が山奥で遭遇する惨劇を描いた、本作をご紹介します。
映画『いけにえマン』の作品情報
【公開】
2019年公開(日本映画)
【監督・脚本】
中元雄
【キャスト】
白畑伸、高江洲波江、齊藤友暁、藤原夢美、茶谷優太、濵田真季、岡橋咲子、氏家康成、小矢菜々美、中村純菜、梶塚廉、上ノ町優仁
【作品概要】
『一文字拳 序章 ー最強カンフー少年対地獄の殺人空手使いー』で、2018年「カナザワ映画祭」でグランプリ、「ぴあフィルムフェスティバル」で観客賞を受賞した中元雄監督の、最新作となるホラー映画。
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019」正式出品作品。
映画『いけにえマン』あらすじとネタバレ
夏の思い出作りに、森へキャンプに来た男女4人。
携帯電話の電波も入らない場所で、羽目を外し非日常を楽しむ4人ですが、突如マスクを被った殺人鬼に襲われます。
1人づつ殺人鬼の犠牲になっていき、残るはユメミとサイトーの2人になってしまいます。
殺人鬼に狙われたユメミは、山奥へ逃げていきますが、殺人鬼は何処までも、ユメミを追いかけてきます。
映画『いけにえマン』感想と評価
本格カンフーアクション映画『一文字拳 序章 最強カンフー少年対地獄の殺人空手使い』で、往年のカンフー映画リスペクトを見せた、中元雄監督の新作映画『いけにえマン』。
予告映像やホームページの情報から、次は『13日の金曜日』シリーズや『悪魔のいけにえ』『ハロウィン』のような、恐ろしい殺人鬼が登場する、70年~80年代のいわゆる「スラッシャー」映画のノリかと思いきや、いい意味で騙されました。
ポスターの殺人鬼のビジュアルが『13日の金曜日 パート2』の時の、ジェイソンっぽいのも罠だったのですね。
ホラー映画の王道とも言える「スラッシャー」映画ではなく、本作はホラー映画の、どちらかと言えばマニアックなジャンルになる「食人映画」でした。
ですが、片腕にチェーンソーを装着する「死霊のはらわた」シリーズへのオマージュなど、ホラー映画のオマージュや「お約束」は、しっかり踏襲されているので、ホラー好きな人は楽しめる作品ですよ。
『いけにえマン』を上映しているシネマ・ロサでは、続編の『はらわたマン』も同時公開されておりますので、少しだけご紹介します。
続編:『はらわたマン』
『はらわたマン』あらすじ
『いけにえマン』の惨劇から1年後、サイトーは卒業したシラハタの後を継ぎ、ナミエ、ヤスダ、もっちゃん、スミレとダークヒーロー映画『はらわたマン』を制作していました。
映画制作に、新たにナナミという可愛い女性が加わった事で、サイトー達は一層熱が入るようになります。
ある日『はらわたマン』の撮影に為に、ナミエ達は、ある廃墟を訪れますが、監督のはずのサイトーが腹痛を起こし現れません。
ナミエはナナミを監督にして、撮影を開始する事にしますが、そこへマスク姿の殺人鬼が現れます。
殺人鬼から逃げる途中で、ヤスダ、もっちゃん、スミレと、はぐれてしまったナミエとナナミ。
ですが、それは別の撮影クルーが制作していた映画でした。
ナナミとナミエは「プロの現場が経験できる」と、撮影クルーに合流しますが、そこは殺人フィルムである「スナッフフィルム」の撮影現場でした。
自身の命が狙われる危険な状況となった、ナナミとナミエの運命は…。
映画『はらわたマン』感想と評価
『一文字拳 序章 最強カンフー少年対地獄の殺人空手使い』上映時も、続編となる『帰ってきた一文字拳 最強カンフーおじさん対改造人間軍団』が上映されましたが、『いけにえマン』も続編となる『はらわたマン』が同時上映となっています。
『いけにえマン』は「食人映画」というマニアックなジャンルでしたが、続編の『はらわたマン』も「スナッフフィルム」という、これまたマニアックなジャンルとなっています。
ただ『いけにえマン』『はらわたマン』共通して感じるのは、マスク姿の殺人鬼が、最終的に正義側の立場になるなどかなりホラー映画としては新しいアプローチをしている点です。
2003年に公開された『フレディVSジェイソン』でも感じたのですが、ホラー映画の殺人鬼は、突き抜けるとヒーロー的なキャラクターまで到達する事が多く、ファンからは愛される事が多いです。
『いけにえマン』『はらわたマン』でも「マスク姿の殺人鬼は、ホラー映画ファンからするとヒーローになる」という、世間ではあまり理解されない部分を現わしていて、中元監督のホラー映画への愛を感じます。
「ホラーとコメディは紙一重」と言われますが、本作は笑って楽しめる作品なので、ホラー映画ファンの方はもちろん、コメディ映画好きの方にもおススメな作品です。
まとめ
「スラッシャー」映画の犠牲者には、よく「死んで当然の奴」が登場します。
暴力的だったり、人を見下したり、必要以上にいちゃつくカップルなど「死んで当然の奴」の定義は様々ですが、本作では「映画を馬鹿にする奴」が、それに該当します。
『一文字拳 序章 最強カンフー少年対地獄の殺人空手使い』でも、往年のカンフー映画の「お約束」を踏襲して「人間の成長」を描いた中元監督。
『いけにえマン』『はらわたマン』2作に共通するのは、制作する側も鑑賞する側も「映画を愛する心」は共通であり、映画は凄い力を与えてくれるという、力強いメッセージです。
ここまで、カンフー映画、ホラー映画と制作してきた中元監督は、次回作はどのジャンルを手掛けるのでしょうか?
今後も楽しみですね。