全米ナンバー1ヒットのYouTube発都市伝説スリラー
A24スタジオ製作の映画『バックルームズ』が、2026年9月4日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国順次ロードショーされます。
インターネット発の都市伝説「バックルームズ」をモチーフに、ある日突然“現実世界の裏側”へ迷い込んでしまった男の恐怖を描き、全米・世界興収ランキングでそれぞれ公開初週1位を獲得した超話題作をレビューします。
映画『バックルームズ』の作品情報

(C)2026 Backrooms Rights LLC, PC Films, LLC. All Rights Reserved.
【日本公開】
2026年(アメリカ映画)
【原題】
Backrooms
【原作・製作総指揮・監督・音楽】
ケイン・パーソンズ
【製作】
ジェームズ・ワン、マイケル・クリアー、ロベルト・パティーノ、ショーン・レビ、ダン・コーエン、ダン・レビン、オズグッド・パーキンス、クリス・ファーガソン、ピーター・チャーニン、ジェンノ・トッピング、コリ・アデルソン
【製作総指揮】
ジェシー・サバス、ジャドソン・スコット、クリス・ホワイト
【脚本】
ウィル・スーディク
【撮影】
ジェレミー・コックス
【編集】
グレッグ・ン
【キャスト】
キウェテル・イジョフォー、レナーテ・レインスベ、マーク・デュプラス、フィン・ベネット
【作品概要】
“現実世界の裏側”へ迷い込んでしまった男の恐怖を描く、A24製作のアメリカ映画。
映像クリエイターのケイン・パーソンズが、YouTubeで発表した短編を基に弱冠19歳で長編映画化。全米・世界興収ランキングで、それぞれ公開初週1位を獲得した史上最年少の監督となりました。
『それでも夜は明ける』(2013)のキウェテル・イジョフォーが主演を務め、『センチメンタル・バリュー』(2026)のレナーテ・レインスベ、『スキャンダル』(2020)のマーク・デュプラス、『ウォーフェア 戦地最前線』(2026)のフィン・ベネットが共演。
「ソウ」シリーズ(2004~23)のジェームズ・ワン、『デッドプール&ウルヴァリン』(2024)のショーン・レビが製作に名を連ねます。
日本では、本編終了後に16分の特別映像『Everything Must Go Edition』も併せて劇場公開。
映画『バックルームズ』のあらすじ

(C)2026 Backrooms Rights LLC, PC Films, LLC. All Rights Reserved.
1990年、寂れた家具店を経営するクラークは、店内に“あるはずのない隙間”を発見。その先には壁の裏側へと抜け落ちるように続く、全面が黄色い壁紙の異様な空間が広がっていました。
奇妙なバランスで積み上げられた無数の家具に、果てしなく続く迷路のような黄色い部屋に魅了されたクラークは、セラピストのメアリーに状況を説明するものの、取り合ってもらえません。
存在を証明するべく、記録用のビデオカメラを手に、クラークは従業員たちと再び足を踏み入れるも……。
映画『バックルームズ』の感想と評価

(C)2026 Backrooms Rights LLC, PC Films, LLC. All Rights Reserved.
新記録づくしの驚異のホラーがついに日本上陸
2026年5月29日、アメリカで公開された1本の映画が大きな話題を集めました。
製作費1000万ドル(約16億)という比較的ローバジェットの映画『バックルームズ』が、約1億6,500万ドル(約250億円)の製作費を投じた『スター・ウォーズ マンダロリアン・アンド・グローグー』を、たった1週で首位の座から引きずり降ろしたのです。
興行成績も、オープニング週末だけで興収8100万ドル(約129億円)を突破すれば、世界興収も1億1800万ドル(約188億円)に達し、世界興収ランキングでも1位に。製作したA24スタジオとしても、それまでの最高記録だった『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(2026)を上回るヒットとなりました。
さらに監督のケイン・パーソンズは、本作が長編映画デビューにして弱冠20歳(製作時19歳)。それまで27歳で撮った『クロニクル』(2012)のジョシュ・トランクを抜き、全米・世界興収ランキングで1位の映画を生み出した史上最年少監督に。
また北米の初週末3日間の成績としても、オリジナルホラー作品として映画史上1位の興収を樹立。YouTube発のクリエイターが、あらゆる映画史の新記録を打ち立てる快挙を成し遂げたのです。
インターネットの都市伝説を可視化

(C)2026 Backrooms Rights LLC, PC Films, LLC. All Rights Reserved.
本作が誕生したきっかけは、2019年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」(日本の「5ちゃんねる」に相当)に投稿された1枚の画像でした。
そこに写っていたのは、黄色い壁紙に囲まれ、蛍光灯に照らされた、誰もいない空間。
投稿者が「もし現実世界から“ノークリップ(ゲームのバグのように壁をすり抜けること)”してしまったら、この場所へ落ちる」と添えたこの画像は、瞬く間にネット上で拡散され、やがてその空間を「バックルームズ」と呼ぶようになります。
この「バックルームズ」を基に、世界中のネットユーザーが自由に設定を考案し、階層やエンティティ(怪異)、生存ルールなどを追加していったことで、「クリーピーパスタ=みんなで作る都市伝説」としてさらに深く広く成長。
ちなみに、2025年に実写映画化されたゲーム『8番出口』も、「バックルームズ」がアイデア着想の1つになっています。
そして2022年。当時16歳の映像クリエイターだったケイン・パーソンズが、実写とCGを融合させた短編映像シリーズ「The Backrooms (Found Footage)」をYouTubeで配信するやいなや、シリーズ累計再生数2億回を突破するほどの大評判に。
そのパーソンズの才能に目を付けたA24にフックアップされ、すぐさま17歳で映画化企画が始動。19歳で撮影、20歳で全米公開に至るという異例の経歴もまた、多くの人々を驚かせたのです。
「無人の空間」に支配される恐怖

(C)2026 Backrooms Rights LLC, PC Films, LLC. All Rights Reserved.
閑散とし、経営不振にあえぐ家具店を運営するクラークは、ある日、地下室で不気味に輝く入口を発見します。
その先にある、黄色い壁に包まれた見覚えのある部屋や廊下が延々と続く巨大な迷宮=バックルームズの謎を解くべく、調査を始めたクラーク。ですが、深い階層に響く不気味な音と共に消息を絶ってしまいます。
数日後、クラークのセラピストをしていたメアリーは、彼の行方を追って家具屋店を訪ねますが……。
バックルームズの世界観の核となっているのが「リミナル(境界)スペース」。
これは、学校の廊下や閉店後のショッピングモール、深夜のオフィスなど、本来なら人がいるはずなのに誰もいない空間を指しますが、この無人の状況こそが、観る者を不安へと突き落としていくのです。
また本作では、ホラー映画にありがちな「ジャンプスケア」を多用していません。
ジャンプスケアとは、大きな音や突然のショック映像などで驚かせる演出方法ですが、音に関してはバックルームズを映すビデオカメラの作動音や、飛ぶ虫の羽音、室内を照らす「ブーン」という蛍光灯の音といった環境音に特化。
映像も、登場人物がバックルームズ内をビデオカメラで映した映像をそのまま見せるファウンド・フッテージ手法を用いています。
無機質な環境音で包み、さらに画角の狭いビデオカメラ映像が映すリミナルスペースの不気味さ。ジャンプスケアを使わずとも観る者を不安にし、言いようのない怖さを煽るのです。
まとめ

(C)2026 Backrooms Rights LLC, PC Films, LLC. All Rights Reserved.
精神が不安定になっていたクラーク。そしてセラピストでありながら自身も幼少時のトラウマを抱えるメアリー。バックルームズが2人に及ぼすこととは?
日本では、本編終了後に16分の特別映像『Everything Must Go Edition』も併せて劇場公開。
本作の大ヒットを受け、すでに続編の企画も進行したともされる「バックルームズ」現象。
脳を侵食する映像体験。あなたは劇場に居ながらにして無人の空間に囚われ、予想だにせぬクライマックスに茫然自失すること間違いなしでしょう。
映画『バックルームズ』は、2026年9月4日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国順次ロードショー。
松平光冬プロフィール
テレビ番組の放送作家・企画リサーチャーとしてドキュメンタリー番組やバラエティを中心に担当。『ガイアの夜明け』『ルビコンの決断』『クイズ雑学王』などに携わる。
ウェブニュースのライターとしても活動し、『fumufumu news(フムニュー)』等で執筆。Cinemarcheでは新作レビューのほか、連載コラム『だからドキュメンタリー映画は面白い』『すべてはアクションから始まる』を担当。(@PUJ920219)


































