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Entry 2018/10/18
Update

ブラックミラー シーズン1「国歌」ネタバレと感想。ラスト結末までのあらすじ紹介も

  • Writer :
  • 糸魚川悟

2011年にイギリスで放送されたテレビ番組『ブラック・ミラー』。

1話完結型のSFオムニバスドラマであるこのシリーズは、もともと本国での人気が高かったシリーズですが、Netflixが参入したシーズン3が公開されるや否や全世界で話題となりました。

今回は、そんな大人気のシリーズの始動の話であるシーズン1第1話「国歌」のあらすじをご紹介していこうと思います。

海外ドラマ『ブラック・ミラー シーズン1 「国歌」』の作品情報

【原題】
Black Mirror “The National Anthem”

【公開】
2011年

【監督】
オットー・バサースト

【キャスト】
ロリー・キニア、リンジー・ダンカン、リディア・ウィルソン

【作品概要】
『キングスマン』(2015)の主演に抜擢され話題となったタロン・エガートンの最新作、『ロビン・フッド』(2018)の監督に起用されたオットー・バサーストが監督を務めた第1話。

主演は『007 慰めの報酬』(2008)以降、「007」シリーズにレギュラー出演するロリー・キニア。

海外ドラマ『ブラック・ミラー シーズン1 「国歌」』のあらすじとネタバレ

深夜、イギリスの首相マイケルは突然の呼び出しを受けます。

首相官邸でマイケルは、国民からの人気が高いスザンナ妃が何者かに攫われた事を聞きます。

そして見せられた、スザンナ妃が犯人の要求を読み上げている動画。

調査でわかったのはこの動画のスザンナは間違いなく本人で、犯人はスザンナが参加した結婚式の帰りに護衛2人を薬品で眠らせ彼女を誘拐した事。

犯人からの要求は、「午後4時に、国営放送並びに衛星放送でマイケルが豚と性行為する様子の生配信」で、従わなければスザンナを殺害すると言うものでした。

要求を聞いたマイケルはすぐにスザンナの居所を探し、救出するよう部下に命じます。

マイケルはこの動画が他の人間の目に触れないように指示しようとしますが、既にYoutubeに動画がアップロードされ、TwitterなどのSNSで次々と拡散されていることを告げられます。

一方秘密保護を求められるイギリスのマスコミは、この動画に関する報道を一切控えていましたが、BBCやNHKなど各国の報道機関がこのテロ行為に対する報道を始めたため、報道を取り上げるようになりました。

要求の時間が5時間後に迫り、Youtubeの動画再生数は1800万回にものぼり、全世界で注目が集まり始めます。

女王陛下直々の嘆願もあり、マイケルは徐々に追い詰められつつありました。

そんな最中、スザンナの居場所を追う技術班は、動画がアップロードされた場所を特定することに成功し、今は使われていない大学跡であることを突き止めます。

マイケルはすぐさま救出班を編成し救出作戦を立てますが、政府の若手職員が放送局に勤めるマライカのハニートラップにかかり、情報をマスコミにリークしてしまいます。

また、政府の職員はマイケルに秘密で、AV男優に豚と性行為をさせ、顔の部分だけを最新の映像技師によりマイケルにすり替える作戦を進めていました。

残り時間が3時間に迫り、世論はマイケルに概ね同情的で時間内にスザンナを救い出せない場合、見捨てることも止む無しと考える状態でした。

しかし、撮影所のスタッフがAV男優の情報をSNSに書き込んだことから、犯人に伝わってしまい、スザンナの指が切断される映像とその指が放送局に届けられ世論は一変します。

何も知らされず行われてきた作戦で自身の首が締まったことに対し激怒するマイケル。救出班に突入を強行させます。

政府の若手職員から情報を得ていたマライカも突入の現場に秘密裏に居合わせていました。

ですが、大学跡に残されていたのは裸のマネキン人形だけで、さらに現場に居合わせたマライカを犯人だと勘違いした救出班により、マライカは足を撃たれ撮影道具を破壊されてしまうのでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ブラック・ミラー シーズン1 「国歌」』のネタバレ・結末の記載がございます。『ブラック・ミラー シーズン1 「国歌」』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

時間が迫り、豚との性行為を実行をせずスザンナが殺された場合、自身の家族の命すら危ういとなったマイケルは遂に実行を余儀なくされます。

映像を見ないようにとの警告の文章や、不快な音を流すなどの対策後、様々な薬を服用し撮影所に来たマイケル。

全世界が彼の行動を固唾を飲み見守っているなか、生放送が始まります。

街からは、この世紀の生放送を見るため人がいなくなっていました。

妻のジェーンを愛していることや、スザンナの無事を祈る言葉を残し、マイケルは豚と性行為に及びます。

テレビの先で茶化していた人間たちも、その行為が始まるにつれ、誰もがマイケルに同情的になりました。

1時間にも及ぶ壮絶な生放送の後、スザンナは街で無事保護されます。

実は、行為が始まる30分も前にスザンナは解放されており、テレビ局に届けられた指もスザンナのものではありませんでした。

マイケルの部下はこのことをマイケルに隠し、マイケルの勇気ある行動がスザンナを救ったと言いました。

事件から1年後。犯行は現代芸術家によるもので、犯行の当日に犯人は自殺、その行動が「芸術的な犯罪」と評価する動きもありました。

スザンナは妊娠し幸せな日々を過ごしていました。

マイケルは事件後支持率を伸ばし「折れない首相マイケル」と呼ばれイギリス中からその行動を支持されています。

しかし、表向きの華やかさとは異なり、マイケルの夫婦仲は冷めきっていたのでした。

海外ドラマ『ブラック・ミラー シーズン1 「国歌」』の感想と評価

シリーズの制作に携わるチャーリー・ブルッカーがこのシリーズのコンセプトが「私たちが生きる10分後の世界になるかもしれない」と語るように、このシリーズでは未来のテクノロジーとそれを使う人々が描かれています。

第2話以降ではディストピア的世界観であったり、記憶チップやアンドロイドと言ったまだ現実には存在しないテクノロジーが一般的となる世界観が舞台となっていることが多いのですが、第1話では現実から逸脱した要素はほとんどありません。

しかし、第1話では「Youtube」や「Twitter」などの誰でも簡単に情報を世界に発信できるサービスの登場と、世界中の人間と繋がっている感覚による悪意の麻痺が、1つの国家を混乱の極みに陥れる様子が描かれています。

今話はいわば、誰かが実際に行動に移しさえすれば今のテクノロジーで充分に起こり得る物語であり、これこそがチャーリー・ブルッカーの言った「私たちが生きる10分後の世界」と言えます。

一歩間違えば、誰でも簡単に社会に混乱を巻き起こすことが出来る。

テクノロジーの進歩による生活の利便性の向上と、その危険な代償について想いを馳せることの出来る衝撃の第1話でした。

まとめ

世界での大ヒットにより、『ブラック・ミラー』は現在シーズン4まで公開中。

1話1時間前後と言う観やすい視聴時間と、毎話毎話が違ったコンセプトと世界観で進む目新しさで、何話でも飽きずに観ることが出来ます。

『世にも奇妙な物語』や、日本のSF小説家星新一のショートショートのような作品が好きな人にオススメしたいシリーズです。

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