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Entry 2020/10/29
Update

『愛の不時着』ネタバレあらすじ感想と結末の考察解説。続編/キャスト脇役スピンオフの可能性を探る!

  • Writer :
  • 咲田真菜

韓国の人気ドラマのスピンオフの可能性を考察!

2020年2月からNetflixで配信されている韓国ドラマ『愛の不時着』。

半年以上経っても人気作品のトップ10にランクインするなど、根強い人気です。主人公のソン・イェジンとヒョンビンはもちろんのこと、脇役を演じた俳優たちの魅力も人気に拍車をかけています。

脇役にスポットを当てたスピンオフが放送されるとしたら、どんな物語が期待できるのか考察してみました。

映画『愛の不時着』の作品情報


Netflix『愛の不時着』

【配信】
2020年(韓国ドラマ)

【演出・監督】
イ・ジョンヒョ

【脚本】
パク・ジウン

【キャスト】
ヒョンビン、ソン・イェジン、キム・ジョンヒョン、ソ・ジヘ、オ・マンソク、キム・ヨンミン

【作品概要】
韓国の財閥令嬢、ユン・セリ(ソン・イェジン)は、自身のブランド『セリーズチョイス』を立ち上げ大成功をし、クィーングループの会長である父親にその経営手腕を買われ、後継者に指名された矢先、パラグライダーの事故で北朝鮮に不時着。そこでリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)と出会います。

映画『愛の不時着』のあらすじとネタバレ

韓国の財閥令嬢のユン・セリ(ソン・イェジン)は、自ら『セリーズチョイス』を立ち上げ大成功したセレブな女性です。金・地位・名誉を手に入れ、クィーングループの会長である父親から後継者に任命されるなど、順風満帆な人生を送っています。

ある日、自身が手掛ける商品をテストするためパラグライダーに挑戦。部下からは「何も代表が自ら試さなくても…」と言われますが「もっと高いところへ登るのよ」と言い残し、大空へと飛び立っていきます。しかしその直後に激しい突風に巻き込まれ、気が付けば北朝鮮へ不時着してしまいます。

最初は事態を飲み込めないセリでしたが、北朝鮮の将校リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)の姿を見るやいなや、自身が置かれた立場に愕然とします。なんとしてでも韓国へ戻らなければ…と必死になって走り続けるのですが、たどり着いた先は、北朝鮮の小さな町でした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『愛の不時着』ネタバレ・結末の記載がございます。『愛の不時着』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
ジョンヒョクの家に身を寄せることになったセリは、ジョンヒョクの部下であるピョ・チス(ヤン・ギョンウォン)、パク・グァンボム(イ・シンヨン)、キム・ジュモク(ユ・スビン)、クム・ウンドン(タン・ジョンサン)らと生活を始めます。最初は「南朝鮮から来た女スパイ」と警戒していた彼らですが、次第にセリの人柄に魅せられていきます。

軍や町の人々に怪しまれないように、ジョンヒョクはセリを婚約者と紹介していたのですが、ジョンヒョクには親が決めた許嫁のソ・ダン(ソ・ジヘ)がいました。最初は反目し合っていたジョンヒョクとセリですが、一緒に過ごすうちにいつしか惹かれ合っていきます。

一方、セリの兄に詐欺を働き追われていたク・スンジュン(キム・ジョンヒョン)も中国を経由して北朝鮮へ入国していました。詐欺罪が時効になるまで北朝鮮で身を隠す企みがあったのです。北朝鮮の空港でロシアに留学していたダンを見かけ、その美貌に心を奪われます。スンジュンはかつて、セリとお見合いをしたこともあり、北朝鮮で奇妙な四角関係が繰り広げられることになります。

ジョンヒョクらが、必死になってセリを匿い、韓国へ帰国させるべく奮闘しているのを怪しい目で見ているのが、ジョンヒョクの上官であるチョ・チョルガン(オ・マンソク)です。正義感あふれるジョンヒョクを目の敵にし、弱みを見つけようと虎視眈々と狙っていたチョルガンは、セリが韓国からやってきた人物だと知ると、手段を選ばず邪魔をします。しかしジョンヒョクは、兄・ムヒョク(ハ・ソクジン)の事故死にチョルガンが関わっていたことを暴き、彼を失脚させ、セリを無事に韓国へ帰国させます。

念願の帰国を果たしたセリですが、仕事に邁進しながらも、心にぽっかりと穴が開いた毎日を送っていました。いつの間にかセリにとって、ジョンヒョクはなくてはならない人になっていたのです。

それはジョンヒョクも同じ思いで、ある日チョルガンがセリへ復讐するために北朝鮮から不法に韓国へ入国したことを知り、セリを守るために自らも韓国へ赴きます。そして部下であるチスたちもジョンヒョクを守るため、韓国へと向かいます。

セリはソウルの街中でジョンヒョクと再会し、驚きながらもうれしさを隠しきれません。しかしその背後にチョルガンが関わっていることを知り、セリは自身が持つ財力をジョンヒョクたちに惜しみなくつぎ込みます。

ダンは、セリを追って韓国へ行ったジョンヒョクの想いを知りショックを受けますが、反面スンジュンを気に掛けるようになります。北朝鮮でも追われる身となってしまったスンジュンを、ダンは全力で守ろうとします。

スンジュンは北朝鮮を出国すべく空港へたどり着くのですが、スンジュンを追う一味にダンを人質に取られ出国を断念。ダンを助けようと銃撃戦の末、命を落としてしまいます。息絶えたスンジュンを抱きしめ、ダンは彼への想いにようやく気付きます。

ソウルでは、いよいよジョンヒョクがチョルガンと対決する時がきました。セリはチョルガンに狙われたジョンヒョクを守るため、自ら身を投げ出し銃に倒れます。

生死の境をさまよいながらも九死に一生を得たセリ。しかしジョンヒョクが北朝鮮へ戻らなければならない時がきました。北朝鮮に戻ってしまったら、セリと連絡を取る手段がなくなってしまうジョンヒョクは、ソウルにいる間、毎日セリへメールを送れるように1年分の予約投稿をしたのでした。

ジョンヒョクから毎日届くメールを励みに、セリは日常に戻っていきます。お互いの想いを確かめ合った二人は、離れていても同じ時間を過ごそうと決心。会うことができなくても、ジョンヒョクとセリは、幸せな時間を過ごすのでした。

映画『愛の不時着』の感想と評価


Netflix『愛の不時着』

光る脇役その①ダン&スンジュン

本作がなぜ多くの人の心をとらえたのか。主役を演じたヒョンビンとソン・イェジンの魅力、よく練られた脚本の素晴らしさなどが挙げられますが、忘れてはならないのが、脇役陣がとても魅力的だということです。

中でも光っていたのが、ダンとスンジュンのカップルです。もはやこの二人は脇役ではなく準主役ともいえるでしょう。

物語の中で、ジョンヒョクとセリについて、その生い立ちや境遇などが丁寧に描かれていました。伏線回収もほぼ完璧で、「そういうことだったのか!」と膝を打った人も多かったことでしょう。

しかし残念なことに、ダンとスンジュンに関してはそこまで詳細に描かれていません。唯一、ダンに匿ってもらっている時にスンジュンが身の上話をするシーンで、彼の悲しい生い立ちが分かるぐらいです。

ダンは、北朝鮮の有名デパートを経営する母親の娘で演奏家であること、許嫁のジョンヒョクは初恋の相手だった…ということが分かっていますが、ロシアに留学するほどの演奏家のわりには、演奏シーンがなかったのが残念でした。

そんな二人の最大の見せ場が、物語のラストで人質になったダンをスンジュンが助けるシーンです。韓国でクレー射撃をしていたというスンジュンが、見事な銃撃戦を繰り広げます。

スンジュンはどちらかというと、軽くて少し軟派なキャラクターとして描かれているのですが、このシーンではイメージを見事に覆します。きっとダンもカッコよく自分を助けに来たスンジュンに惚れ直したに違いありません。

しかし一瞬の隙をついてきた相手の銃弾にスンジュンは倒れてしまい、そのまま命を落としてしまいます。やっと本当の恋を知ったダンが、スンジュンを抱きしめて号泣するシーンに涙した人も多いのではないでしょうか。そして「スンジュンを死なせてしまうなんて!」と思った人もいることでしょう。

ジョンヒョクとセリに負けず劣らず絵になるカップル、スンジュンとダン。命を落としたスンジュンが生き返って文句を言う野暮なファンは皆無だと思うので、ぜひスピンオフで二人の恋物語にスポットを当ててほしいものです。

光る脇役その②第5中隊4人の兵士たち

本作は、ジョンヒョクとセリの恋物語に涙する場面がありつつも、コメディ要素が強いところが見どころの一つです。

中でもジョンヒョクの部下である4人の兵士たちが、物語の中の癒しでありお笑い担当として魅力的に描かれています

チスは、国を思う気持ちは人一倍あるのですが、酒が好きで飲みすぎると失敗をしてしまうことも。見ているとハラハラするところもあるのですが、セリに憎まれ口をたたきながらもさりげない優しさを見せる憎めないキャラクターです。

グァンボムは、セリが「イケメンに北も南もない」と言うほど端正な顔立ち。しかも無口なところが彼の魅力をより引き立たせています。

勤務中にこっそり韓流ドラマを見ているジュモクは、『天国の階段』のチェ・ジウが大好きな人の良い青年。セリに対して『天国の階段』の結末に異議を唱えるシーンは笑いがこみ上げます。

第5中隊で一番若いウンドンは、故郷の母親を恋しく思う心優しい青年です。セリを姉のように慕うところが、なんとも母性本能をくすぐります。

お笑いと癒し担当とはいえ兵士の役なので、物語の中ではそれぞれカッコいいシーンも見せてくれる4人。スピンオフで、彼らの日常に迫った物語を描いてほしいと願うファンも多いのではないでしょうか。

光る脇役その③悪役・チョ・チョルガン

ジョンヒョクを目の敵にし、最初から最後まで悪を貫いたチョ・チョルガン。ついつい悪役に目がいってしまう人にとっては、よく見ると端正な顔立ちをしている彼に注目した人もいると思います。

天涯孤独なチョルガンは、自分自身の力で現在の地位を築き上げてきました。不自由なく暮らしてきたジョンヒョクを目の敵にするのは、そういった背景があるのかもしれません。

目的のためなら手段を選ばない冷徹なキャラクターとして描かれているチョルガンが、なぜそのような人物になってしまったのか。そしてセリを一途に愛するジョンヒョクに対して、時折嫉妬のような表情を見せるチョルガンは、かつて愛した女性がいたのか、もしかしたら密かにセリに想いを寄せていたのか…

そうしたチョルガンに関する物語をぜひスピンオフで見てみたいものです。

まとめ

今回取り上げた脇役以外にも、愛の不時着を大いに盛り上げたキャストがたくさんいます。セリが暮らした北朝鮮の町の女性陣、ダンの母親と叔父の漫才のようなやりとり、セリの部下や兄夫婦など、濃いキャラクターがこれでもかというほど登場します。

ジョンヒョクとセリのその後を描くスピンオフはもちろんのこと、こうした魅力的な脇役陣にスポットを当てたスピンオフの放送が待ち遠しくてなりません。

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