映画『ライオン・キング』は2019年8月9日(土)より全国ロードショー公開!
ミュージカル作品をも生み出した往年の名作ディズニー・アニメーション映画が、最新最高のCGI技術によって“超”実写化リメイクを果たしました。
それが、2019年夏を代表する話題作の一本『ライオン・キング』です。
「全人類の心ふるわす“キング・オブ・エンターテイメント”」と銘打たれ、作品に対する期待も高まる一方である本作。
圧倒的映像と不朽の名曲の数々によって、長年のファンたちも含めあらゆる人々をアフリカの広大なサバンナの世界へと誘います。
映画『ライオン・キング』の作品情報
【公開】
2019年(アメリカ映画)
【原題】
The Lion King
【監督】
ジョン・ファヴロー
【脚本】
ジェフ・ナサンソン
【キャスト】
ドナルド・グローヴァー、ビヨンセ、セス・ローゲン、ビリー・アイクナー、キウェテル・イジョフォー、ジェームズ・アール・ジョーンズ
【プレミアム吹替版キャスト】
賀来賢人、門山葉子、佐藤二朗、亜生(ミキ)、江口洋介、大和田伸也
【作品概要】
インフレーション調整版では『アナと雪の女王』(2013)をも抑え、「世界1位の観客動員数を記録したアニメーション作品」として映画史に残る1994年の映画『ライオン・キング』を、『アイアンマン』シリーズで知られるジョン・ファヴロー監督が実写化。
実写映像と現時点における最高峰のCGIの融合によって描かれる物語は、「超実写」というキャッチコピーにも納得の完成度です。
キャストでは、ともにグラミー賞の授賞経験を持つまさに“キング・オブ・アーティスト”なドナルド・クローヴァーとビヨンセが共演したことでも話題に。
そしてプレミアム吹替版キャストにおいても、主人公シンバ役の賀来賢人などをはじめ豪華キャスト陣が集結しました。
映画『ライオン・キング』のあらすじとネタバレ
アフリカ・サバンナの雄大な大地のもと、動物たちを束ねるライオンの王ムファサに息子シンバが生まれます。
多くの動物たちは新たな王になるであろうシンバの誕生を喜びます。しかし王弟のスカーは、ムファサの統治に不満を抱き続けていました。
そして、スカーはハイエナの一団と密約を交わし、ムファサに対するクーデターを画策します。
ある日、スカーは連れ出したシンバをわざと渓谷に置き去りします。
そこにハイエナたちに追い立てられたヌーの大群が襲いかかります。何とかシンバを助けたムファサでしたが、スカーの裏切りによって暴走するヌーの群れの中に叩き落され、命を落とします。
ハイエナたちの追跡から辛うじて逃げ延びたシンバは、イボイノシシのプンヴァとミーアキャットのティモンと出会い、新たな土地で暮らし始めます。
数年後。シンバは立派な“たて髪”を持つライオンとなりました。
そこに一頭のメスライオンがやってきます。彼女こそ、シンバの幼馴染ナラでした。
王の座に就き、ハイエナたちと共に恐怖での統治を始めたスカーによって、シンバは亡き者として扱われていたため、彼と再会したナラの驚きは格別のものでした。
スカーを王の座から下ろし、新たな国王となるために戻ってきてほしいというナラに訴えられるシンバ。しかし、自分のせいで父ムファサが死んだことへのうしろめたさから故郷に戻ることを拒みます。
そんなシンバに、夜空に輝く星となったムファサの魂の叫びが聞こえてきます。
意を決したシンバは故郷に戻ります。そばにはナラやプンヴァ、ティモンがいます。
さらに、かつての教育係だったサイチョウのザズーも集まってきます。
映画『ライオン・キング』の感想と評価
『ライオン・キング』プレミアム吹替版予告(2019)
まず、本作の映像の観た瞬間、「なるほど、これが超実写か!!」と感じました。
CGIで描かれた生き物たちは写真・本物の動物が動いているように感じる部分がある一方で、表情や動作にちょっとした人間臭さを加えていて、動物たちの喜怒哀楽を感じることができます。
『アイアンマン』シリーズなどでVFXとエンタメの融合には定評があるジョン・ファヴローが、さすがの手腕を見せてくれます。
ここ数年試みられてきたディズニーアニメの実写企画ですが、『アラジン』に続く成功例と言えると思います。
『ライオン・キング』というタイトルがアニメ映画版、ミュージカル版などで多くの表現されてきたことを踏まえて、再実写化した『ライオン・キング』は同じ題材でありながらも全く別の映画になっています。
面白いところでは、アニメ版とは違った喋り方をする教育係の鳥・ザズー。彼のキャラクター造形を見ていると『スター・ウォーズ』シリーズの名キャラクターC3-POを思わせます。雄大な大地を背景にしていることもあってか、砂の惑星のタトゥーインを歩くC3-POの姿と重なります。
ちなみに、アニメ版に続いて父王ムファサを演じているジェームズ・アール・ジョーンズは『スター・ウォーズ』シリーズにてダース・ベイダー卿の声も演じています。遊び心あるファヴロー監督のことですから、もしかすると狙っているかもしれません。
ディズニーの実写化企画作品はコンスタントに作られていますが、実写化される意味があるのかどうかという企画も中には存在し、それは興行収入などの数字にハッキリと表れていました。そう考えると、本当の意味で成功したのは『美女と野獣』ぐらいなのかもしれません。
ティム・バートンの『アリス・イン・ワンダーランド』をディズニーアニメの実写化作品だと思っている人は、あまりいないのではないでしょうか。また、『マレフィセント』『プーと大人になった僕』などは変化球でしたし、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズはアトラクション発信の作品です。
本作の公開後も『ムーラン』『リトル・マーメイド』などの制作が続きますが、キャストの人種問題などに賛否の意見が出るなど、素直な実写化も難しい部分がある時代です。
そのような状況下で、人間を全く出さずに物語を語れるという『ライオン・キング』というタイトルは、時代性・今日性を考えずに物語を作ることだけに注力できる最適なものだったのかもしれません。
まとめ
「超実写」と言うだけあって、やはりその雄大な自然と動物たちの動きは見事です。
ストーリーそのものは、過去に様々な形で描かれてきた“英雄の受難と成長の物語”。
「偉大な父王」「王位を奪った王弟」などなど、それは世界各地における古代の神話からシェイクスピア悲劇『ハムレット』にまで見受けられる、古典的な物語と言えます。しかし、それを悲劇として扱うか喜劇として扱うか、あるいは英雄譚として扱うかによって、物語は新しい姿へと変化し続けてきました。
『ライオン・キング』もまた、リメイク元でもあるアニメーション映画をはじめ、幾度となく語られてきた古典的な物語を描きます。しかし、ジョン・ファヴローというエンターテイメントとドラマの融合の達人が監督・指揮したことによって、その古典的な物語は、「全く新しい物語」という姿へと変化したのです。
映画『ライオン・キング』は2019年8月9日(土)より全国ロードショー公開!