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Entry 2019/10/12
Update

実写映画『生理ちゃん』あらすじネタバレと感想。二階堂ふみ×伊藤沙莉らで原作コミックの女性の悩み描く

  • Writer :
  • 村松健太郎

映画『生理ちゃん』は2019年11月8日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開!

第23回手塚治虫文化賞・短編賞を受賞した小山健の同名人気コミックを実写映画化。それが「生理」をポップなキャラクターとして描いた映画『生理ちゃん』です。

主演には女優・二階堂ふみを迎え、女性の等身大の様々な悩みをコメディタッチで描きます。

映画『生理ちゃん』の作品情報


(C)吉本興業 (C)小山健/KADOKAWA

【公開】
2019年(日本映画)

【原作】
小山健

【監督】
品田俊介

【脚本】
赤松新

【キャスト】
二階堂ふみ、伊藤沙莉、松風理咲、豊嶋花、須藤蓮、狩野見恭兵、岡田義徳

【作品概要】
小山健の手塚治虫文化賞を受賞した人気コミックを実写映画化。女性が抱える悩みの一つ「生理」をコメディタッチで丁寧に描きます。

監督を務めたのは、本作が初の監督作品となる品田俊介。キャストには主演を務めた二階堂ふみをはじめ、伊藤沙莉、松風理咲、豊嶋花、須藤蓮、狩野見恭兵、岡田義徳など実力派キャストが揃いました。

映画『生理ちゃん』のあらすじとネタバレ


(C)吉本興業 (C)小山健/KADOKAWA

雑誌編集者の米田青子は、クリスマスイブでも締め切りに追われ、恋人との約束もキャンセルすることに。

そんな忙しさに振り回されている青子の目の前には、月に一度、ピンク色の異様な物体が迫ります。それが「生理ちゃん」です。

生理ちゃんは青子に重くのしかかり、お腹に強烈なパンチを繰り出したりします。仕事中には青子の目の前でアロマディフューザーを焚き、眠気を誘うこともあります。

一方、同じビルで清掃員として働く山本りほは、まぶしすぎる編集部の風景と「フリーターで実家暮らし」という今の自分を比較して落ち込み、その鬱屈とした思いをSNSアカウント“煮え湯飲み子”で毒として吐き続けます。

そんなりほの前にも、生理ちゃんが現れます。


(C)吉本興業 (C)小山健/KADOKAWA

ある日、青子は恋人である久保からプロポーズを受けますが、すぐには答えが出せません。久保には、今は亡き妻との間に11歳になる娘・かりんがいました。思春期の娘を抱える男との結婚にはなかなか踏み出せませなかったのです。

青子の妹・ひかるは大学受験を控える身で、彼氏のゆきちと模擬試験の会場へと向かっていました。ところがそこに「来ちゃった!?」とおどけるように生理ちゃんが現れ、試験では散々な目に遭ってしまいます。

変化のない鬱屈の日々を、ネット上で毒を吐くことで過ごしてきたりほ。けれども、彼女こそが“煮え湯飲み子”だと突き止めた青子と後輩の山内から、コラム執筆の依頼を受けます。

突然の出来事に混乱するりほですが、山内に魅力を感じている自分に気がつきます。

彼女は山内との約束に慣れないおしゃれをして出かけますが、そこに別の女性スタッフが同行することを知ると気おくれしてしまい、ついにはその場を走り去ってしまいます。

その頃、青子も手料理を作って久保の家を訪ねますが、「自分の母親は一人だけだ」と言うかりんに拒絶されてしまいます。

公私ともに上手くいかない青子とりほ。それでも生理ちゃんは静かに寄り添います。

やがて、仕事で夜遅くまでオフィスで働いていた青子のもとに、久保から「かりんに体調について、どう対処したらいいのか」という相談の電話が入ります。

以下、『生理ちゃん』ネタバレ・結末の記載がございます。『生理ちゃん』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)吉本興業 (C)小山健/KADOKAWA

久保家に駆け付けた青子は、初めてのことに驚くかりんにそっと必要なものを差し出します。その行動によって、それまできつい言葉しかぶつけてこなかったかりんから、初めて感謝の言葉を伝えられます。

帰り際、久保から結婚観を聞かされた青子。その考えは「青子とひかるがいればそれで充分だ」と再婚しなかった父親とは違う考え方でした。

父の気持ちや考え方を嬉しく感じていた青子は、岡田との結婚を思い留めるのでした。

一年後、青子は独身のままでしたが、中学生になったかりんという親友ができました。

一方、「コラムライターと担当編集者」という関係になったりほと山内は、不器用ながら個人的にも心の距離を縮めてゆきます。

また、ひかるは無事試験に合格して女子大生となり、ゆきちは浪人生となっていました。それでも想いを募らせたひかるは、家族がいない家にゆきちを招きます。

しかし、そこには生理ちゃんの姿もあるのでした…。

映画『生理ちゃん』の感想と評価


(C)吉本興業 (C)小山健/KADOKAWA

「描くもの自体は際どいけれど、決して生々しくはない」というのが、本作の最初の感想です。

75分という短めな尺も相まって、観やすくとても小気味いいコメディ作品になっています。

主演を務めた青子役の二階堂ふみと、本作の「もう一人の主役」ともいえる、りほ役の伊藤沙莉同い年である若手女優コンビがどちらもコメディに相性が良いという点もありますが、二人の演技力があるからこそ、男性であっても変に構えることなく本作の物語に対し素直にクスリと笑うことができます

テーマがテーマですので、どうしてもその扱い方や描き方が難しいところですが、「これはこれでアリ」といえる作品となっています。

たっぷり笑った後に、ちょっと考える。それは「いい映画」の証といえるでしょう。

まとめ


(C)吉本興業 (C)小山健/KADOKAWA

原作コミックから、そのままの姿形で登場する「生理ちゃん」。それは物陰からスッと姿を現したり、肩口から姿を現し「来ちゃった!」と言ったり、時には玄関のチャイムを鳴らして訪れることもあります。

重い時には相手にのしかかったり、おぶさったり、リヤカーで引かせたりと物理的に重くなって訪れます。腹痛の時には腕をぐるぐる回してパンチを繰り出し、眠気を誘う時にはアロマディフューザーを焚いたりと器用な一面も。

そして肝心なのは、「生理ちゃん」の姿は男性には決して見えないのです。

本作を観る男性は、女性が毎月一度は抱えることになる悩みを「目に見える形」で初めて知ることができます。

もちろん劇中の描写がすべてではなく、コメディタッチで描かれていることもあり、この映画一本だけで全てを知った気になってはいけません。それでも映画『生理ちゃん』は世の男性諸氏に「一度は観ておいた方が良い」と言える作品であり、学校の教材になっても良いと感じられた作品でもあります。




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