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映画『ザ・ファーム法律事務所』あらすじネタバレと感想。トムクルーズの演技力を堪能

  • Writer :
  • 加賀谷健

映画俳優トム・クルーズ主演の法律サスペンス。

50代半ばを過ぎた今でも、第一線で活躍し続けるハリウッドのスター俳優トム・クルーズ

アメリカ映画はトム・クルーズとともに歩んできたと言っても過言ではりません。

彼がちょうど油の乗り切った頃の代表作『ザ・ファーム 法律事務所』について、あらすじネタバレと作品の魅力を紹介していきます。

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映画『ザ・ファーム 法律事務所』の作品情報

TM & COPYRIGHT © 2018 BY PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

【公開】
1993年(アメリカ映画)

【監督】
シドニー・ポラック

【キャスト】
トム・クルーズ、ジーン・ハックマン、ジーン・トリプルホーン、エド・ハリス、ホリー・ハンター、デビッド・ストラザーン、ゲイリー・ビューシイ、ハル・ホルブルック、ウィルフォード・ブリムリー、カリーナ・ロンバード

【作品概要】
原作はジョン・グリシャムによる800万部以上の大ベストセラー小説。

若き日のトム・クルーズが演じる会社の不正を知った青年弁護士が、警察やマフィアとのスリル満点の駆け引きを繰り広げます。

監督は『アイズ ワイド シャット』(1999)、『フィクサー』(2007)など俳優としても活躍したシドニー・ポラックが務めます。

映画『ザ・ファーム 法律事務所』のあらすじとネタバレ


TM & COPYRIGHT © 2018 BY PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

ハーバード大学を優秀な成績で卒業したミッチ(トム・クルーズ)は、アメリカ各地の法律事務所から引く手あまたの誘いを受けます。

彼がその中から就職先に決めたのは、どこよりも好条件を提示してきたメンフィスの法律事務所。

ミッチは晴れてボストンからメンフィスへ妻のアビー(ジーン・トリプルホーン)とともに越していきます。

南部の田舎町らしい家庭的な雰囲気の事務所で、代表にも気に入られたミッチは幸先のよいスタートを切ります。

そんなミッチの出端を挫くように、事務所の弁護士二人がスキューバダイビング中に爆発に巻き込まれ、命を落とすという事故が発生。

不穏な動きを察知しながらも、ミッチは自分の教育担当になったエイヴァリー(ジーン・ハックマン)と事故のあったケイマン島へ別件で飛びます。

ミッチの咄嗟の機転が功を奏し、交渉が無事に成立すると、遊び好きのエイヴァリーはミッチを連れて夜のクラブへ繰り出します。

妻帯者であるミッチはとても遊ぶ気にはなりませんが、夜の浜辺で手荒い扱いを受けている見知らぬ女性と遭遇し、そのまま行きずりの関係を結んでしまうのです。

ケイマン島から戻ったミッチは、数年ぶりに家族の縁を断っていた兄に面会するため刑務所を訪れます。

事務所で起きた不審死について話すと、兄は知り合いの私立探偵を紹介してくれます。

早速、その私立探偵の元を訪れ、調査を以来しますが、直後に何者かの手によって探偵は射殺されてしまいます。

さらに疑惑を募らせていくミッチにFBIの捜査官であるタランス(エド・ハリス)が接触。自分が務める事務所が実は裏でシカゴマフィアとの繋がりを持っていて、不審死を遂げた弁護士たちと探偵がマフィアの手で殺害されたという事実を知らされます。

FBIから証人保護の司法取引を持ちかけられたミッチは、弁護士資格の剥奪を恐れながらも、兄の釈放を条件に承諾。事務所の秘密を暴くための極秘ファイルの入手を命じられます。

しかし事務所側も黙ってはいません。FBIがミッチに接触したことを知ると、ケイマン島で関係をもった女性との行為の写真をネタにミッチをゆすり始めます。

どうしれも妻にだけは知られたくないミッチですが、いたたまれなくなり自らアビーに事実をすべて打ち明けることに。

当然アビーは困惑し、二人の関係はぎくしゃくしてしまいます。

それでも何とか絆を取り戻す二人は、法を侵さずに事務所を摘発する方法を見つけるのです。

殺害された私立探偵の事務所の秘書の助けを借り、ケイマン島にあるエイヴァリーの別邸に隠された極秘ファイルを入手する計画を立てます。

しかし計画の思わぬ不備に気付いたアビーは一人、エイヴァリーを追ってケイマン島に飛びます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ザ・ファーム 法律事務所』ネタバレ・結末の記載がございます。『ザ・ファーム 法律事務所』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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ケイマン島での夜、妻との関係が終わってからというもの本気で女性を愛したことがないというエイヴァリーは、アビーのことを口説き始めます。

甘い囁きに乗っている振りをするアビーは、エイヴァリーの目を盗んでカクテルの中に睡眠薬を混ぜます。

夜も更けたところで、二人は、エイヴァリーの別邸になだれ込みますが、ちょうど睡眠薬が効いてきたエイヴァリーはそのままベッドで寝入ってしまうのです。

アビーはすぐに鍵のかけられた部屋から極秘ファイルを持ち出して、秘書と協力し、一夜のうちに全てをコピーし終えます。

ミッチの裏切りを知った事務所側はすぐにエイヴァリーに電話をかけ、事態の収拾を命じますが、寝起きのエイヴァリーはすでに覚悟を決めているらしく、最後に愛した女性であるアビーを逃がしてやります。

その朝、ミッチは普段通りに事務所に出社し、エイヴァリーの部屋で重要書類を入手します。

しかしミッチに追っ手が迫っていました。

彼の兄の出所時にいた看守が事務所側の内通者であったという情報を摑んだタランスは、ミッチの身を案じ、すぐに事務所から脱出するように忠告します。

何とか逃亡に成功するミッチですが、マフィアの殺し屋にすぐに見つかり、メンフィス中を駆け回ります。

廃ビルに逃げ込み、間一髪追っ手を撃退することに成功するミッチ。

汗だくになりながら彼が訪れたのは敵の親玉であるマフィアのモロルト兄弟が滞在しているホテルでした。

ミッチは決死の覚悟で事務所の不正を報告し、弁護士としての務めを果たそうとします。

その潔さに納得したモロルト兄弟は、委任状にサインし、事態はなんとか収拾されます。

マフィアたちに荒らされた家に帰ってきたミッチが、身支度をしていると、そこへアビーが戻ってくるのです。

疲れ果てたミッチの顔をみたアビーはもう一度寄り添うことを約束し、二人は愛犬とともにボストンへ帰って行きました。

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映画『ザ・ファーム 法律事務所』の感想と評価


TM & COPYRIGHT © 2018 BY PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

トム・クルーズの輝き

映画俳優としてトム・クルーズほど映画に愛されている俳優も他にいないでしょう。彼は正真正銘の映画スターです。

マーロン・ブランドやポール・ニューマン、ジェームズ・ディーンを輩出したアクターズ・スタジオがアメリカ映画に果たした意義は大変なものがありますが、彼らはキャラクターへの極度な感情移入を行う、所謂メソッド俳優たちであり、芝居がかった演技を得意としています。

それに対してトム・クルーズの演技は、いかにも爽やかなもので、どれだけカメラのフレーム内で自身を輝かせるかに全身全霊が注がれています。

煌めく瞳、かしげた横顔の美しさ、時折みせる魅惑の表情。そして両腕を激しく振り上げるあの全力疾走の姿。

トム・クルーズをトム・クルーズたらしめるためのあらゆる努力が画面の中に集約され、比類のないスター像が浮かび上がるのです。

その点では、彼は自分自身のキャラクターを演出する力に秀でた俳優だとも言えるでしょう。

本作はちょうど彼が30代の大台に乗った頃の作品であり、油の乗り切ったキャリアの勢い凄まじい熱演を画面上に刻み付けています。

シドニー・ポラックの演出術

参考映像:『フィクサー』(2007)予告編

そうしたトム・クルーズの魅力を最大限引き出し、輝かせているシドニー・ポラック監督の手腕も確かなものです。

映画全編に漲るサスペンスフルな緊張感。手に汗握るエピソードが矢継ぎ早に展開していき、155分という長尺でも一瞬たりとも弛緩することがなく、観客を飽きさせることがありません。

トム・クルーズが得意とする跳躍力のあるアクションをところどころに挿入したことも炯眼そのものです。

脇を固める豪華俳優たちを手際よく演出していく布陣も本作の大きな注目ポイントになっています。

ポール・バーホーベン監督の『氷の微笑』(1992)で映画デビューしたばかりのジーン・トリプルホーンが新妻を演じ、悪徳弁護士役のハル・ホルブルックジーン・ハックマンが名優らしい味わい深さを出し、持ち前のブルーの瞳がひと際怪しげなFBI捜査官をエド・ハリスが好演。

そして極めつけが、シカゴマフィアのモロルト兄弟役のポール・ソルヴィノジョー・ヴィテレリです。いよいよ登場する親玉が、数々のギャング映画に出演してきたこのイタリア系俳優たちであったことに誰もが納得する配役でした。

それは、自身も俳優として『アイズ ワイド シャット』や『フィクサー』で印象的な演技をみせてきたポラック監督ならではの適材適所の演出術だったのです。

まとめ

参考映像:若きトム・クルーズ主演作品『トップガン』(1986)

若きトム・クルーズの魅力はさることながら、豪華共演陣の助演も作品の大きな推進力となっているが『ザ・ファーム 法律事務所』。

それを一手に束ねるシドニー・ポラック監督の磨きのかかった演出手腕が至極のサスペンスを醸し出しています。

1990年代を代表するアメリカ映画の一本として本作は、これから先も長く映画ファンの記憶に残り続けてゆくことでしょう。

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