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Entry 2017/05/10
Update

カンヌ国際映画祭2017ソフィアコッポラが本命!発表日程も

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

1946年にカンヌ国際映画祭の歴史は始まり、2017年で70回目を迎える世界三大映画祭のひとつに挙げられます。

ベルリン国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭と並び、各国の映画関係者が一堂に集まる映画の祭典です。

カンヌ国際映画祭予告編

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1.カンヌ国際映画祭の基本情報

実はあまり知られていないことですが、カンヌ国際映画祭はいくつもの部門に分かれたグランプリがあり、各賞もあるのです。

【開催地】
フランス・カンヌ

【開催期間】
2017年5月17日~5月28日

【開催回数】
70回

【賞金&賞】
〈コンペティション長編部門〉
パルム・ドール、グランプリ監督賞、審査員賞。脚本賞、女優賞。男優賞

〈コンペティション短編部門〉
 パルム・ドール
※最優秀短編作品は米国アカデミー賞短編部門のノミネート候補作品

〈ある視点部門〉
グランプリ、審査員賞、希望賞、男優賞、女優賞

〈シネフォンダシヨン〉
グランプリ、2等賞、 3等賞

〈批評家週間〉
最優秀長編作品賞、最優秀短編作品賞

〈カメラドール〉※初長編監督対象

例えば、2016年に「ある視点部門」にて、深田晃司監督の『淵に立つ』は審査員賞を受賞。

「ある視点部門」の日本人受賞者は近年だけ、2008年に黒沢清監督の『トウキョウソナタ』審査員賞。また、2015年に『岸辺の旅』も監督賞を受賞しています。

ちなみに、2017年の三池崇史監督による、木村拓哉主演作品『無限の住人』は、「アウト・オブ・コンペティション部門」に選ばれました。

しかし、これは映画祭の賞レースには一切関わりのない部門。カンヌ国際映画祭という、大きな映画マーケットで上映されたという点を映画宣伝にしている傾向に使われるものです。

もちろん、どんな映画監督でもこの部門に選ばれるわけではありませんので、ある一定の価値はあります。木村拓哉ファンの方が男優賞をもらえるのか、気をもむ必要はありません。

2.第70回カンヌ国際映画祭公式部門セレクションの作品は?

第70回を迎えた2017年のカンヌ国際映画祭の、公式部門のセレクションにも、日本からエントリーされた作品があります。

カンヌ国際映画祭の常連監督と言ってもよい、河瀬直美監督の『光』、「ある視点部門」に黒沢清監督の『散歩する侵略者』がエントリーされています。

【コンペティション部門】

ファティ・アキン監督『In the Fade』
ノア・バームバック監督『The Meyerowitz Stories』
ポン・ジュノ監督『Okja』
ロバン・カンピロ監督『120 Battements par minute』*グランプリ受賞
ソフィア・コッポラ監督『The Beguiled』*監督賞
ジャック・ドワイヨン監督『Rodin』
ミヒャエル・ハネケ監督『Happy End』
トッド・ヘインズ監督『ワンダーストラック(原題)』
ミシェル・アザナビシウス監督『Redoubtable』
ホン・サンス監督『The Day After』
河瀬直美監督『光』
ヨルゴス・ランティモス監督『The Killing of a Sacred Deer』
セルゲイ・ロスニツァ監督『A Gentle Creature』
コーネル・ムンドルッツォ監督『Jupiter’s Moon』
フランソワ・オゾン監督『L’Amant double』
リン・ラムゼイ監督『You Were Never Really Here』
ベニー&ジョシュア・サフディ監督『Good Time』
アンドレイ・ズビャギンツェフ監督『Loveless』

【ある視点部門】

アナリタ・ザンブラノ監督『After The War』
テイラー・シェリダン監督「Wind River」
レオノール・セライユ『Jeune Femme』
カリム・ムサウイ監督『The Nature Of Time』
黒沢清監督『散歩する侵略者』
モハマド・ラスーロフ監督『Dregs』
ステファン・コマンダレフ監督『Directions』
ギヨルギー・クリストフ監督『Out』
ワルスカ・グリズバック監督『Western』
セルジオ・カステリート監督『Lucky』
マイケル・フランコ監督『April’s Daughter』
ローラン・カンテ監督『L’Atelier』
カンテミール・バラゴ監督『Closeness』
カオテール・ベン・ハニア監督『Beauty and the Dogs』
セシリア・アタン、バレリア・ピバト監督『La Fiancee du desert』
マチュー・アマルリック監督『Barbara』

ここで挙げられた映画のすべてが日本で劇場公開される訳でないのですが、個人的に注目したいのは、ポン・ジュノ監督やフランソワ・オゾン監督、また、ミヒャエル・ハネケ監督。

そして、今回ピックアップしたいのが、ソフィア・コッポラ監督です。

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3.カンヌ2017年で注目はズバリ!ソフィア・コッポラ監督


ソフィア・コッポラ

ソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)は1971年5月14日生まれ、ニューヨーク州ニューヨーク市出身。アメリカ人の映画監督で、脚本家、女優、ファッションデザイナーでもあります。

父親は言わずもがなですが、『ゴッド・ファーザー』や『地獄の黙示録』などで知られる映画監督のフランシス・フォード・コッポラ

母親は父フランシスの映画セットデザイナーであったエレノア・ニール。映画界のサラブレッドです。

また、血縁の祖父は音楽家のカーマイン・コッポラ、従兄弟に俳優のニコラス・ケイジ、ジェイソン・シュワルツマン。叔母に女優のタリア・シャイアなどがいます。

カリフォルニア芸術大学で学ぶが中退をして、1995年にファッション・レーベル『ミルクフェド』を始めます。

映画監督としては、1998年に『リック・ザ・スター』にて初監督デビュー。

2003年公開の『ロスト・イン・トランスレーション』にて、米国アカデミー脚本賞やゴールデングローブ賞 脚本賞、セザール賞外国映画賞などを受賞。

さらに、2010年に『SOMEWHERE』で第67回ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞を受賞しています。

ソフィア・コッポラ監督は、過去の2006年のカンヌ国際映画祭の上映で、物議とブーイングが起きた『マリー・アントワネット』。

2017年のソフィアは、一体どんな作品でカンヌを魅了するのでしょうか。

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4.ソフィア監督が狙いを付けて挑んだ新作『The Beguiled』とは?

ソフィアの新作は過去のリメイク?

ソフィア・コッポラは映画演出としてだけではなく、『マリー・アントワネット』や『ヴァージン・スーサイド』など、ガーリーカルチャーの先導者としても注目を集めてきました。

そんなソフィア監督の新作『The Beguiled』です。

この作品は、1971年にクリント・イーストウッド主演で公開された、名匠ドン・シーゲル監督の『白い肌の異常な夜』(原題:『The Beguiled』)のリメイク作品です。

予告編を観ると、南部とある森を散歩する少女。彼女は大きな木の根元で負傷して横たわる兵士を見つけます。

兵士は森の中にある女学校の教師や生徒らに手当をしてもらい看病を受けます。しかし、1人の男性の来客により穏やかであったはずの女性たちの暮らしは一変してまう…。

この予告編を観ても、ソフィア監督はこれまで同様に美しく、それでいて女性の揺らいだ様子を見せてくれる楽しみな作品ですね。

5.イーストウッドが転機をかけ、1971年に挑んだ『白い肌の異常な夜』にも注目!

イーストウッドが挑んだスリラー映画

1971年に公開されたドン・シーゲル監督の『白い肌の異常な夜』で主演を務めたのを始めに、クリント・イーストウッドにとっては転機の年になります。

その後に公開された『恐怖のメロディ』では、クリント・イーストウッド自身が初監督デビュー。

さらには、ドン・シーゲル監督とは同年公開の名作『ダーティハリー』と続けて主演を務めているのです。

イーストウッドは70年代に出演してきた西部劇や戦争映画といった作品でついた、アクション俳優のイメージを払拭したかったのです。

演技派の俳優として『白い肌の異常な夜』に挑み、また、『恐怖のメロディ』では監督を務めたのです。

また、面白いことに、ドン・シーゲル監督も『殺人者たち』や『刑事マディガン』など、ハリウッドB級映画と呼ばれながらも派手なアクション映画として知られています。

そのシーゲル監督自身も、本当に撮りたかった映画は“恋愛映画”だったと述べたこともあるのです。

つまり、ソフィア・コッポラ監督が、今回リメイクした『白い肌の異常な夜(The Beguiled)』は、そのような男たちの背景がある作品です。

ソフィア監督がそのことを知らない訳がありません。つまり、彼女自身も転機。あるいは確実に映画賞を狙いにいった作品です。

このことは昨今オリジナル脚本が持てはやされることが多いが、逆にハリウッド映画史的に、名匠シーゲル監督越えや名優イーストウッド越え(監督としても)を目論んだ意気込みは凄まじいものですね。

6.ソフィア監督のリメイク版『The Beguiled』の見どころは?


BEN ROTHSTEIN:http://ew.com/movies/2017/02/08/the-beguiled-sofia-coppola-first-look-photos/

今回ソフィア監督が挑んだ『The Beguiled』は、これまで同様に細部にわたって女性の繊細さも見られる一方で、ダークでセクシャリティな印象の観られる作品です。

キャスティングには兵士役にコリン・ファレルが抜擢、それを迎える女性陣はニコール・キッドマン、キルスティン・ダンスト、エル・ファニングらがキャストに選ばれています。

ソフィア作品の常連であるキルスティンは今回で3度目のタッグ。また、『ネオン・デーモン』などで一躍話題のエル・ファニングは『SOMEWHERE』以来の出演となります。

また、キャストでもう1人注目なのが、アンゴーリー・ライス。『スパイダーマン ホームカミング』にも出演している若手女優。これから人気に火が付くの間違いないでしょう。


BEN ROTHSTEIN:http://ew.com/movies/2017/02/08/the-beguiled-sofia-coppola-first-look-photos/

ニコール・キッドマンは今作を含めて、2017年のカンヌ国際映画祭では出演作4本がセレクションされいて、女優としてもはや大御所ぶりを見せています。

今作の予告編に登場する彼女の表情を見るだけで、恐ろしさを感じる異彩を放っています。

他に見どころは、エル・ファニングが濡れ場を演じて新たな女優魂を見せていることも注目です。

ファニングにとってもソフィア監督同様に、このリメイク版は大きな節目の転機にふさわしい作品なのです。

ソフィア監督の過去作品とは異なったセクシーでダークな作品の証は、男性禁制の女の園である閉ざされた場で、繰り広げられる誘惑と抑圧の中、女性としての性への目覚め、女性の嫉妬や復讐心が見られるのです。

この作品が1971年版では、男性であるシーゲル監督やイーストウッドが転機として挑み、リメイク版ではソフィア監督を始めとする女性陣が転機として挑んだ大きな意味を持っている作品です。

まとめ


ソフィア・コッポラ Wikiから

やはり、2017年のカンヌ国際映画祭にセレクションされた日本人監督の河瀬直美監督や、黒沢清監督がきになるところですね。

しかし、やはり本命なのは、ソフィア・コッポラ監督。彼女が女性から視点でどのように過去作をリメイクしたか?

日本公開はまだ決まってはいませんが、とても気になりますね。

カンヌ国際映画祭という大舞台で、ソフィア監督たち女性陣の良き転機になるように受賞発表に注目ですね。

また、他にも、ソフィアはデザイナーの目も同時に持っています。ガーリー・カルチャーから当時のファッションや美術装飾などの繊細な部分に注目ですよ。

ソフィア・コッポラ監督の『The Beguiled(原題)』は、2017年6月に全米公開予定。

日本公開が決定しましたら、当サイトで即お知らせいたします!

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