第90回米アカデミー賞外国語映画賞にて韓国代表となった、『タクシー運転手 〜約束は海を越えて~』4月21日(土)よりシネマート新宿ほか全国ロードショー。
名優ソン・ガンホ主演で贈る、韓国では動員1,200万人突破したヒットを成して、いよいよ日本公開です!
映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』の作品情報
【公開】
2018年(韓国映画)
【原題】
A Taxi Driver
【監督】
チャン・フン
【キャスト】
ソン・ガンホ、トーマス・クレッチマン、ユ・ヘジン、リュ・ジュンヨル
【作品概要】
1980年5月に韓国で起きた多数の死傷者を出した光州事件を潜入取材を試みたドイツ人記者と、彼を現場まで送り届けたタクシー運転手の実話を基に描いた、未だ韓国の闇として知られる事件を描いたヒューマンドラマ。
『義兄弟』や『高地戦』で知られるチャン・フン監督が演出を務め、主人公の人懐っこいタクシー運転手マンソプ役を韓国の名優ソン・ガンホが演じ、『戦場のピアニスト』などで知られるトーマス・クレッチマンが潜入取材を試みたドイツ人記者ピーター役を演じています。
映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』のキャラクターの台詞
まるで春に咲き乱れる菜の花を想起させる、韓国の名優ソン・ガンホが着た黄色い制服姿のタクシー運転手。
一体どのようなストーリーなのだろうと、期待する映画ファンも多いのではないでしょうか?
第38回青龍映画賞で最優秀作品賞、主演男優賞、音楽賞、最多観客賞を受賞したほか、本国となる韓国では、あのゾンビ映画の秀作『新感染 ファイナル・エクスプレス』の興行成績を抜き去り、韓国映画としては歴代9位を樹立した作品。
1980年5月韓国現代史上、最大の悲劇となった光州事件を題材にし、真実を追い求めたドイツ人記者と彼を乗せたタクシー運転手のストーリーは、韓国映画ファンにとってはオススメな一作となっています。
軍事独裁政権が強硬に言論統制した光州に潜入取材し、全世界に5.18光州事件の実情を伝えた故・ユルゲン・ヒンツペーター。
そして、彼をタクシーに乗せ、光州の中心部に入った平凡な一市民のキム・サボクとは。
実在した2人が肌で感じた”あの日の事件”を、人情味溢れたコミカルさとシリアスなサスペンスで描いています。
そこで今回は、それぞれの登場人物のキャラクターのメッセージポスターを、あらすじにピックアップさせてご紹介しkます。
『タクシー運転手 約束は海を越えて』のあらすじ
1980年、日本の東京。ドイツ人記者ピーターは、同業の集まりでビールを呑みつつ、日本での平穏の日常にどこか物足りなさを感じていました。
ピーターの記者魂は平和に飽き足らず、何かスクープをあげたい野心を抱いていたからです。
記者仲間の情報から出た韓国の光州のキナ臭い話にピーターは興味を抱きます。
やがてピーターは韓国の金浦空港で記者であることを隠して宣教師と偽り、訪韓を成し遂げます。
その後、彼はソウルのジャーナリスト仲間の紹介で、タクシー運転手をチャーターします。
本来なら予約をしたタクシー運転手の車に乗車する予定でしたが、大金獲得に鼻を効かせ出し抜いたタクシー運転手マンソプの車に乗ることになります。
マンソプ「乗客が行けと言えば、タクシーはどこにだって行く。」
生活苦のマンソプも「通行禁止時間までに光州に行ったら大金を支払う」という言葉を当てにしていたのです。
ドイツ人記者ピーターを乗せ、マンソプはカタコトの英語しか分からぬまま一路、光州市を目指します。
大切な一人娘に新しい靴一足も購入してやる甲斐性もないマンソプは、何としてもお目当の高額なタクシー代を受け取りたいご機嫌な旅路のハンドルを握ります。
2人は高速道路を光州に向かうと、途中で検問封鎖に出くわしますが、マンソプは機転を利かせて軍の検問を切り抜け、無事に光州にたどり着きます。
しかし、事態に何も関心がない無頓着なマンソプでしたが、閑散とした光州の街並みや、住民たちの必死な様子に少しづつ状況の異変を感じ、「危険だからソウルに戻ろう」と言い出します。
しかし、ピーターはマンソプの言葉に一切耳は貸しません。
ジェシク「大学歌謡祭に出たくて大学に入ったんだ。」
ピーターは偶然に出会った英語を話せる大学生のジェシク、そして気持ちの優しいファン運転手の助けを借りて、記者として光州事件の様子を撮影し始めます。
ファン「あんたは悪くない。謝るべき連中は別にいる。」
しかし、状況は徐々に悪化の一途を見せ、深刻な事態にタクシー代は要らないとまで言い出したマンソプ。
ソウルで独り留守番させている11歳の娘のことが心配で不安だと述べ、ますます深刻化する光州事件の真ん中で焦りは頂点に達しますが…。
ピーター「約束する。必ず真実は伝える。」
まとめ
名優ソン・ガンホの演じたタクシー運転手マンソプのキャラクターポスターには、「乗客が行けと言えば、タクシーはどこにだって行く」というキャッチがあります。
マンソプ役を演じたソン・ガンホ役柄について、このように語っています。
「平凡なタクシー運転手であるマンソプは私達と同じ一人の人間であり、一市民だ。重要な決断や選択をしたという姿よりも、”お客さんを連れて帰らないと”という彼のセリフに見られるように、タクシー運転手という一人の人間として、彼が守ろうとした道理を表現するために努力した」
ガンホの演じたマンソプは、名優と言われる彼がこれまでの実績を経て、演じられたことが分かるほど、人間として魅力的な人物像になっています。
正義ということでなく、彼が守ろうとしたことに、ぜひ注目してくださいね。
また、ドイツの国旗が付いたカメラを片手に、真剣な表情で潜入取材するドイツ人記者ピーターのキャラクターポスターには、「約束する。必ず真実を伝える」というキャッチがあります。
この役柄について、トーマス・クレッチマンはこのように語っています。
「(ピーター役のモデルになった)ユルゲン・ヒンツペーターは人権のために闘った正義感の強い人物だ。彼を演じる上で多くを悩み、劇中で多くの人々と出会い、自分のカメラで彼らを撮りながらピーターという人物に近づこうと努力した。『タクシー運転手』は人々の関係を通じて深い感動を与える映画であり、私たちの真実の物語だ。」
ピーターという実在の人物を演じたユンゲルは、韓国俳優たちと一緒に演じるなかで、自分の役柄を見つけていったことがわかる言葉ですね。
映画の中で光州で出会った人たちとの食事のシーンは、ガンホとともに印象的なユルゲンの表情が見られますよ。
韓国映画『タクシー運転手 〜約束は海を越えて~』4月21日(土)よりシネマート新宿ほか全国ロードショー。
南北問題や日本との歴史問題だけでなく、韓国国内においても光州事件というのは、韓国人にとっては未だに心の奥底にある闇の部分でもあります。
そこに光を当てた実話の映画化です。一体、韓国の“光州であの日”に何が起きたのか?
ぜひ、お見逃しなく!