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映画『全員死刑』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

  • Writer :
  • 馬渕一平

実際に起こった大牟田4人殺人事件を映画化!

日本映画史上類を見ない程に過激でぶっ飛んだ映画が誕生!!

主演に間宮祥太朗を迎え、今冬の映画界に話題を巻き起こす!!!

弱冠27歳、小林勇貴監督による『全員死刑』をご紹介します。

以下、あらすじや結末が含まれる記事となりますので、まずは『全員死刑』の作品情報をどうぞ!

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1.映画『全員死刑』の作品情報


(C)2017「全員死刑」製作委員会

【公開】
2017年(日本映画)

【監督・脚本・編集】
小林勇貴

【キャスト】
間宮祥太朗、毎熊克哉、六平直政、入絵加奈子、清水葉月、落合モトキ、藤原季節、鳥居みゆき

【作品概要】
今年度一番の問題作が日本映画界に殴り込み!

監督を務めるのは『孤高の遠吠』が高い評価を受ける新鋭、小林勇貴。

主演は『帝一の國』や『トリガール!』などイケメン俳優として人気を博す、間宮祥太朗。

実際に起こった大牟田4人殺人事件をベースに未だかつて見たことのないエンタメ作品が誕生。

2.映画『全員死刑』のあらすじとネタバレ


(C)2017「全員死刑」製作委員会

ヤクザの首塚一家は父・テツジ、母・ナオミ、長男・サトシ、次男・タカノリの4人家族。

付き合いのある組でトラブルが起きたため、一番立場の弱いタカノリがその代わりに服役することに。

タカノリは彼女・カオリに待ってるよう伝え、服役前に最後のひと暴れをしました。

2年が経ちタカノリが出所します。

タカノリは、組の経営が行き詰まりテツジが苦しんでいることをサトシから聞かされました。

金回りのいい吉田家に大金が入った金庫があるという噂を聞きつけたサトシは、吉田家に盗みに入ろうとタカノリを誘います。

タカノリはしぶしぶ引き受けサトシと共に吉田家に向かいますが、そこには吉田家の次男・ショウジの姿が。

ショウジを殺すのをためらっていたタカノリでしたが、サトシに強く言われ、ついに決心しました。

タカノリが首を強く絞め、ショウジは息絶えました。

金庫を見つけた二人は、ショウジの遺体と共に金庫を車に運び出します。

運転中にトランクの中でショウジが息を吹き返しました。

目的地に着いたところでトランクを開け、首に縄をかけると今度はサトシとタカノリで両側からショウジの首をきつく絞めました。

完全に息絶えたショウジを重しと共に川に投げ捨て、金庫は家に持ち帰ります。

翌日開けた金庫の中身はわずかな貴金属のみでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『全員死刑』結末の記載がございます。『全員死刑』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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今回の作戦は実はサトシが勝手に計画したことであったため、テツジにバレるとマズいことが判明。

事がバレる前にテツジとナオミが吉田家の母・パトラを殺して一家の財産を奪うことを計画しました。

その計画をサトシとタカノリも手伝うことになり、またしても直接手を下すのはタカノリの役目に。

大量の薬でパトラの意識を飛ばし、車の助手席に乗せると、タカノリが後部座席から思い切り首を絞めます。

パトラの遺体をトランクに隠し、首塚一家はそのまま吉田家に向かいます。

すると、ちょうどそこに友人男性を連れた吉田家の長男・カツユキが帰ってきました。

タカノリはテツジから銃を手渡されると、またしても実行犯を任されてしまいます。

ショウジを一緒に探そうという理由をつけて、二人を車に乗せると、人気の無い場所に向かいました。

タカノリは車内で友人男性とカツユキを撃つと、錯乱し、誤ってサトシのことまで撃とうとします。

ショウジを殺めてから、タカノリには幻覚が見えていました。

3人の遺体を乗せた車をそのまま川に沈め、これで全ての方がついたかに見えました。

しかし結局、吉田家から大金は見つからず、テツジは絶望。

無計画な殺人はあっさりと発覚し、首塚一家は裁判にかけられます。

判決が決まり、首塚家は全員死刑になりました。

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3.映画『全員死刑』の感想と評価


(C)2017「全員死刑」製作委員会

2004年福岡県の大牟田で起こった「大牟田4人殺人事件」。

金に困ったヤクザの4人家族が、貸付業を行っていた知り合いの一家3人と友人1人を殺め、金品を強奪しました。

裁判の結果、父、母、長男、次男、一家全員共に死刑判決が下されることになりました。

今回の映画は、実行犯である次男の獄中手記「我が一家全員死刑」が元になっています。

ジャンルでいえば実録犯罪ものにあたり、人がそう簡単には死なないリアルさというのは見ていて非常に怖くなるほどでした。

しかし、本作が特筆に値するのはその振り切り方でしょう。

4人が亡くなった凄惨な事件を、なんとエンターテインメントとして撮り、確実にコメディとして演出しています。

いくらなんでも加害者も被害者もふざけすぎだろと思うところすら、実際にあったやり取りというから驚きです。

そこには観る人の倫理観を刺激してくるヒリヒリするような雰囲気はなく、本当にこれ笑っていいのかなというある種の気まずさをこそ味わう不思議な作品でした。

未体験という意味において、この何とも言えない感覚はなかなか味わえないのではないでしょうか。

この映画には思わず吹き出してしまうような数々の名言が溢れていて、「好きなことして稼ぎたいじゃないですかー」や「青春」、「しゃあー」に「最近不景気だからな」などなど。

「ぶっ殺う」からは『凶悪』の「ぶっこむ」が思い出され、一番立場の弱い者が上に振り回されるのは『仁義なき戦い』シリーズを彷彿とさせます。

その振り回される次男タカノリを演じた間宮祥太朗が素晴らしく、この映画を不快感なく成立させていました。

彼のようにルックスがよくて可愛げがあって存在感のある俳優じゃなかったら、おそらく観ているのがもっとキツかったと思います。

薬の売人を描いた『ケンとカズ』でも好演していた毎熊克哉も口だけの嫌な兄貴を見事に体現していました。

そして、監督を務めた小林勇貴はなんとまだ27歳というから驚き。

本作のプロデューサーを務めた西村喜廣や千葉善紀の力も大きいと思いますが、その非凡な才能には大きな期待をしたいところです。

まとめ


(C)2017「全員死刑」製作委員会

劇場から出たロビーに入江悠監督が12月9日公開の『ビジランテ』の宣伝に来ていたのがとても印象的でした。

小林監督と入江監督のどちらもが「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」で受賞し、注目を集めた存在。

最近の日本映画は若手から中堅の監督に才能豊かな人材が多く、その数はどんどん増えているような印象です。

入江悠、白石和彌、吉田恵輔、真利子哲也、山下敦弘、呉美保、深田晃司、西川美和、沖田修一、タナダユキ、石井裕也、中野量太、山戸結希などなど。

すでにベテランと言っていい方もいますが、これは映画ファンとして本当に嬉しい状況で、私も監督の名前で観に行くことが増えました。

小林勇貴監督も間違いなく日本映画のこれからを支えていく存在になっていくでしょう。

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