プロレスラーの棚橋弘至が、まさかのレスラー役で映画初主演し、人気子役の寺田心が息子を、妻はベテラン女優の木村佳乃が熱演!
さらに、オカダ・カズチカや田口隆祐ほか、有名レスラーたちが小さな役から大きな役まで総出演の映画『パパはわるものチャンピオン』。
人気絵本を実写化した本作は、プロレスファンにもそうじゃない人にも観て欲しい感動の物語です。
映画『パパはわるものチャンピオン』作品情報
(C)2018「パパはわるものチャンピオン」製作委員会
【公開】
2018年(日本映画)
【原作】
『パパのしごとはわるものです』『パパはわるものチャンピオン』
作:板橋雅弘 絵:吉田尚令(岩崎書店刊)
【監督・脚本】
藤村享平
【主題歌】
高橋優『ありがとう』(ワーナーミュージックジャパン/unBORDE)
【キャスト】
棚橋弘至、木村佳乃、寺田心、仲里依紗、オカダ・カズチカ、田口隆祐、真壁刀義、バレッタ、天山広吉、小島聡、永田裕志、中西学、KUSHIDA、後藤洋央紀、石井智宏、矢野通、YOSHI−HASHI、内藤哲也、高橋ヒロム、淵上泰史、松本享恭、川添野愛、大泉洋(特別出演)、寺脇康文、大谷亮平
【作品概要】
主人公のプロレスラー、孝志を演じるのは、“100年に一人の逸材”というキャッチコピーにふさわしい実績と人気を兼ね備えた新日本プロレスの棚橋弘至。
孝志の息子、祥太役は、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』などで、天才子役として活躍する寺田心が演じ、孝志の妻、詩織役は、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』でのヒロインの母親役が記憶に新しい木村佳乃が好演。
監督・脚本は、テレビドラマ『ラブリラン』などで知られる藤村享平。
映画『パパはわるものチャンピオン』のあらすじとネタバレ
(C)2018「パパはわるものチャンピオン」製作委員会
リングの周りに広がる歓声、熱気の溢れる人々。その中心に大村孝志は立っていました。プロレスを代表する者として…。
時計の針は進み、10年後。
孝志の息子、大村祥太が通う小学校では授業参観が行われていました。授業の内容は将来の夢を発表することです。
パパみたいな仕事に就きたいという男の子、強くて金髪の男の人のお嫁さんになりたいという女の子、逆に夢は全くないという男の子。子供たちの将来の夢は多岐に渡りました。
そんな中、祥太の夢は「パパみたいに大きくて強くなること」でした。
放課後、祥太はクラスメイトに祥太のパパは何のお仕事をしているのかと聞かれました。
孝志から仕事のことはもう少し大きくなったら教えると内緒にされていた祥太は返答に困ってしまします。
ある日、祥太は孝志の仕事が知りたくなり、車の後部座席に忍び込み職場までついて行きます。そこで祥太は恐ろしい光景を目の当たりにします。
強面の男達が今日は勝つぞと気合を入れていたり、ボロボロの男がいたり、自身の筋肉を鼓舞する者もいました。
祥太がその光景に言葉を失っていると、男達に見つかってしまいました。慌てた祥太はその場から立ち去ります。
開けた所に出ると、今度はまた違う光景が見えました。ピカピカのライトの下、リングの中で強そうな男たちが戦っています。
その光景に驚いていると、隣から自分の名前を呼ぶ声がしました。
見てみると、そこにはクラスメイトで祥太の好きな女の子マナちゃんが父親と一緒にいました。
マナは隣が空いているからと祥太を席に誘います。
祥太がマナの隣に座ると「プロレスが好きなの?」と聞かれ、ここはプロレスの会場でマナはお気に入りの選手ドラゴン・ジョーの試合を見るためにここに来たということがわかります。
そんな中、試合はどんどん進んで行き、マナのお目当てドラゴン・ジョーの試合が始まりました。
カッコ良く登場するドラゴン、湧き上がる会場。気になる対戦相手を探していると、リングの下からゴキブリのマスクをした選手がドラゴンに襲いかかります。
驚く祥太にマナの父親は、ゴキブリマスクは嫌われ者で卑怯な手を平気で使う奴だと説明します。
ドラゴンが劣勢に立っている時、マナは祥太にドラゴンを応援してほしいとお願いします。
好きな子にお願いされた祥太は立ち上がり、リングに向かって叫びます。
その時、祥太は相手のゴキブリマスクを見て絶句します。
(C)2018「パパはわるものチャンピオン」製作委員会
見覚えのあるポーズ、それは銭湯に行った際にパパにカッコいいか?と聞かれたポーズでした。
ゴキブリマスクの正体は、祥太の父親孝志だったのです。
今まで強くてカッコよかった父が、リングで卑怯な手を使い戦っているという事実を知った祥太は、その場から逃げるようにして去って行きます。
一方、リングでは孝志自身も会場にいる祥太を発見します。
呆気にとられている内にドラゴンに負けてしまった孝志。試合が終わると、早足に祥太を追いかけます。
祥太を見つけた孝志は、説明しようとしますが、祥太は聞く耳を持たずに帰路につくのでした。
所変わって、雑誌の編集者の大場ミチコは、職場でプロレス愛を語っています。
ミチコの後輩たちはプロレスに詳しい者がおらず、消化不良の日々を過ごしていました。
紅白と同じくらい有名なプロレスの試合Z−1が開かれるというのに…。
次の日、学校でクラスメイトに父の仕事を聞かれた祥太は、プロレスラーと答えます。
驚きに包まれる教室内、そして話は祥太が意図しない方向へと向かって行きます…。
(C)2018「パパはわるものチャンピオン」製作委員会
映画『パパはわるものチャンピオン』の感想と評価
(C)2018「パパはわるものチャンピオン」製作委員会
まさかここまで涙が流れるとは、そう驚きを感じ映画館を後にする観客がどれだけいたでしょう。
始めに、主役を演じた棚橋弘至さんにあっぱれを送りたいです。
やはり、プロレスラーは四角いリングマットと、そうではない場面では迫力が違いますが、本作に熱量を帯びさせる熱狂ぶりは大きな魅力になっています。
相手のプロレスラーたちも本物ということもあり、プロレスの場面に嘘がありません。
プロレスファンではなくとも、ストーリーが進むにつれて、大村孝志役を演じる棚橋弘至の心情の葛藤と肉体をぶつけ戦っていく姿に心を打たれます。
特に、真壁刀義(役名スイートゴリラ丸山)との試合の場面は熱狂がMAXに熱い!
ネタバレまで読んだ方、そして映画を見た方ならわかるあの展開、とても次が気になるようになっていますよね。
この後どうなってしまうんだと!!!
一方で、本作は家族の成長の物語でもあります。
寺田心が最初は目を背けるパパの仕事に段々と向き合っていき、最後は一番の理解者になっていきます。
それを見守っている母を演じた木村佳乃、本当家族って素晴らしいなと心の底から感じさせてくれます。
(C)2018「パパはわるものチャンピオン」製作委員会
また、祥太が嘘を付いていても見捨てることなくいてくれたクラスメイト達もそれぞれキャラが立っていて、こんな友達は祥太君よ「一生、大事にしてくれよ」と笑いながら見ていたのも覚えています。
物語の中、ミチコは「ヒーローだけじゃ、つまらない」と言っていましたが、僕が子供の頃見ていた特撮なんかは、印象的な悪役をすごく怖がっていたし、よくヒーローごっこをすると、悪役だけ埋まらなかったりして、じゃんけんで決めたりしていました。
その頃のことを思うと、ゴキブリマスクのことを知ってしまった祥太の気持ちも同じものかもしれないなと、共感を覚えました。
ミチコのプロレス愛を演じ切った仲里依紗は流石の一言です。『時をかける少女』(2010)の頃から見ていますが、この人綺麗なままだなとラストシーンを見て感心しました。いや…何目線だよ。
ミチコの上司の大泉洋は、今回はちょっとの出演ですが、確実に爪痕残していきましたよ。洋さん美味しいな~。
まとめ
(C)2018「パパはわるものチャンピオン」製作委員会
映画『パパはわるものチャンピオン』は、プロレスを通して家族の絆を描いた感動作に仕上がったのではないでしょうか。
プロレスラーが主役と聞いて、最初はあまり乗り気にならい映画ファンも多いかも知れません。
しかし、後半1時間涙ぐんでしまうのは、間違いなしの本作。
どんな人に見て欲しいかなと考えてみた時に、例えば家族とうまくいってない人、プロレスが好きな人、少しジーンとなりたい人、エキサイティングな物が見たい人…、とここまであげれば、万人受けする映画なはずです。
性別、年齢とか関係なく観て欲しいそんな作品『パパはわるものチャンピオン』です。
ぜひ、お見逃しなく!