映画『見知らぬ人の痛み』は2024年4月19日(金)よりテアトル新宿他でロードショー!
『夜明けまでバス停で』(2022)の大西礼芳が主演を務めた短編映画『見知らぬ人の痛み』が2024年4月19日(金)よりテアトル新宿他ロードショーとなります。
インターネット上の不適切なコンテンツを監視する「コンテンツ・モデレーター」を題材に制作された本作は、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023で観客賞を受賞した『勝手に死ぬな』をはじめ多数の短編映画を手がけている天野大地が監督・脚本を手がけました。
中学教師の倫子は、生徒からのイジメが原因で退職に追い込まれ深く傷つきます。さらに苦痛にさらされるコンテンツ・モデレーターという仕事にのめり込む倫子。
彼女の心の奥底をのぞき込むかのような、本作の魅力をご紹介します。
映画『見知らぬ人の痛み』の作品情報
【日本公開】
2024年(日本映画)
【監督・脚本】
天野大地
【音楽】
小林うてな
【キャスト】
大西礼芳、小林リュージュ、八代崇司、佐々木心音、小寺結花、佳那
【作品概要】
世界中のインターネット上の残酷な映像をひたすら検閲する「コンテンツ・モデレーター」を題材とした短編映画。スカラシッププロジェクト第5回MOON CINEMA PROJECTで企画グランプリを受賞し、同プロジェクトの助成を受けて制作された本作は、第17回札幌国際短編映画祭で最優秀国内作品賞を受賞しました。
監督・脚本は、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023で観客賞を受賞した『勝手に死ぬな』をはじめドキュメンタリー・フィクションを問わず多数の短編映画を手がけている天野大地。第5回MOON CINEMA PROJECT企画グランプリを受賞し、同プロジェクトの助成を受けて制作されました。
『鯨の骨』(2023)『夜明けまでバス停で』(2022)『花と雨』(2020)など多くの映画作品で活躍する大西礼芳が主演を務めます。
映画『見知らぬ人の痛み』のあらすじ
勤務していた中学校で生徒からのいじめに遭い、教員を辞めた倫子。
求職中の彼女はコンテンツ・モデレーターのアルバイトに応募しましたが、その業務内容は「インターネットの動画サイトにある残酷な動画をひたすら削除し、検閲する」というものでした。
ネットに拡散し続ける死や暴力。恐ろしい内容に驚き、初めは逃げだしそうになったものの、 削除した内容を被害者の名前とともにノートに書き綴ることで、気持ちを落ち着かせていきます。
夫の和也には「コールセンターのバイトをする」と嘘をつき、次第にこの仕事にのめりこんでいく倫子でしたが……。
映画『見知らぬ人の痛み』の感想と評価
ひとりの心傷ついた女性が、コンテンツ・モデレーターの仕事を通して人間の残虐性・不条理に向き合っていくさまを描くヒューマンドラマです。
コンテンツ・モデレーターとは、動画サイト上にアップロードされた残酷な映像を削除・検閲する仕事であり、多くの人が耐えきれずやめてしまうほど精神をいためつけられるものでした。
人間の残虐さを浴びるほど見せつけられた倫子は、被害者の名前と内容をノートに綴り始めます。
「見知らぬ人」を「名前を持った誰か」にすることで、やるせなさに折り合いをつけようとしているのか。それとも自分もまた、その中のひとりなのだと確認したいからなのか。
理由もわからないまま、倫子はこの仕事にのめり込んでいきます。
傷つき果てた倫子を演技派の大西礼芳が繊細に演じます。暗い瞳の奥底にある強い光が印象的です。
まとめ
生徒からのイジメに傷ついた元中学教師が、コンテンツ・モデレーターのアルバイトを通して見知らぬ人の痛みと向き合い、やがて自身の痛みとも向き合っていくさまを描く短編映画『見知らぬ人の痛み』。
「見知らぬ人の痛み」から、私たちは目をそらしがちです。残酷な場面であれば尚更、見ないふりをして通り過ぎようとしてしまいます。
全てを見るのが正しいとは言いませんが、心を寄せることは必要なのではないか。そんな思いにさせられる作品です。
映画『見知らぬ人の痛み』は2024年4月19日(金)よりテアトル新宿他でロードショーです。