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映画『仁義(1970)』ネタバレ結末あらすじと感想評価の解説。メルヴィル監督×アランドロンの代表作にしてフィルム・ノワールの傑作!

  • Writer :
  • 秋國まゆ

フランスで大ヒットを記録した巨匠ジャン=ピエール・メルヴィル監督の傑作!

ジャン=ピエール・メルヴィルが脚本・監督を務めた、1970年製作のフランス・イタリア合作のフィルム・ノワール映画『仁義』。

刑務所から出所した男と護送中に脱走した男、2人の出会いがきっかけで巻き起こる男の意地と仁義の世界とは、具体的にどんな物語だったのでしょうか。

フィルム・ノワールの巨匠ジャン=ピエール・メルヴィルが、出会ってはいけない5人の男の世界を描いた、アラン・ドロン主演の映画『仁義』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

映画『仁義』の作品情報


(C) 1970 STUDIOCANAL – FONO ROMA

【公開】
1970年(フランス・イタリア合作映画)

【脚本・監督】
ジャン=ピエール・メルヴィル

【キャスト】
アラン・ドロン、イヴ・モンタン、ジャン・マリア・ヴォロンテ、フランソワ・ペリエ、ブールヴィル、ポール・クローシェ、アンドレ・エキナン

【作品概要】
影の軍隊』(1970)のジャン=ピエール・メルヴィルが脚本・監督を務めた、フランス・イタリア合作のフィルム・ノワール作品です。

『太陽がいっぱい』(1960)や『サムライ』(1967)などに出演するアラン・ドロンが主演を務めています。

映画『仁義』のあらすじとネタバレ


(C) 1970 STUDIOCANAL – FONO ROMA

フランス・マルセイユ近郊の刑務所で5年間服役していた模範囚のコレイは、明日仮出所することになりました。

その日の夜。1人の看守がコレイの独房を訪れ、自身の義兄が15年勤めている高級宝飾店「モーブッサン宝飾店」に強盗しにいかないかと話を持ちかけました。

ですがコレイには当てがあったため、断りました。仮出所後、コレイがまず真っ先に向かったのは、昔の仲間であるリコのところでした。

コレイは昔貸した「借り」を返してもらうと言い、大金を要求しましたが断られました。

コレイはリコに一喝し、無理矢理金庫から大金と銃を奪っていきました。その際、コレイは置き土産として、ずっと持っていた恋人の写真を置いていきました。彼女は今、リコの恋人になっていると悟ったからです。

リコは奪われた大金を取り戻すべく、自身の手下たちをコレイの元へ差し向けます。コレイはセール品だった車を購入し、パリへ向かいました。

その道中、検問所だらけだったことと、警察が血眼になって誰かを探している様子を見て、コレイは何かただならない雰囲気を察しました。

一方、マルセイユ近郊の刑務所に服役していた容疑者のヴォーゲルは、見張りの刑事フランソワ・マッティ警視の目を盗んで2人を繋ぐ手錠を外し、パリ行きの列車から飛び降りて脱走しました。

マッティはパリへの護送中に脱走したヴォーゲルを捕まえるべく、大勢の警官に加え、警察犬も導入して周辺を捜索。

さらに現場周辺の道路に検問所を設けました。ヴォーゲルは逃げた先で見つけた、コレイの車のトランクの中に隠れました。

それに気づいた上で車を走らせたコレイが、検問所で密告しなかったため、無事検問所を突破。

その直後、ヴォーゲルがパリへの護送中に脱走しお尋ね者となったという事情を聞いたコレイは、一緒に安全なパリに行こうと誘います。

そんな2人に近づく怪しい影。大金回収のためにコレイを追っているリコの手下たちです。

リコの手下たちはコレイを車から引き摺り下ろし、大金を回収した上で殺そうとします。

そこで、トランクに隠れていたヴォーゲルが登場。ヴォーゲルはリコの手下たちを射殺し、コレイを助けました。

ですが、コレイが手に入れた大金には血がべっとりついており、使い物になりません。

コレイたちが乗る車が去った後、事件現場にマッティたち警察官が現れ、ヴォーゲルが殺した2人の男の死体を発見。

札束に血がついていることから、男たちは金を巡って殺し合ったと推測したマッティ。

現場近くには1台の車が停まっていたため、マッティはヴォーゲル逮捕と並行してこの事件の捜査を行うことにしました。

パリに到着後、コレイは仮出所前に聞いた看守の話を思い出しました。あの時は断ってしまいましたが、コレイはいま一文なし。背に腹は変えられません。

コレイはヴォーゲルにもその話をして、一緒に宝石強盗をしようと誘います。

以下、『仁義』ネタバレ・結末の記載がございます。『仁義』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C) 1970 STUDIOCANAL – FONO ROMA

この誘いを受けたヴォーゲルは、厳重な警備を突破するために必要な狙撃手として、昔の仲間であるジャンセンを紹介しました。

ジャンセンは警察一の射撃の腕を持つ元警官でしたが、いまや堕落しアルコール中毒者に………。

コレイから話を聞いたジャンセンは、これを快諾。コレイがもう1人の仲間である故売屋に話をつけにいっている間に、現場の下見をして店の構造・警備システムを把握しました。

そしてジャンセンは、鉛とアンチモンと錫で調合した、柔らかく溶けやすい軽合金の弾丸を作りました。

その弾丸を、展示ケースの開閉とロックを制御している主電源に当てれば、弾が少しずつ溶け錠の奥で固まり、鍵がささった状態にすることができるのです。

そうして迎えた計画実行日。コレイとヴォーゲルはジャンセンが書いてくれた店の地図を使って、モーブッサン宝飾店に侵入。警備員を1人気絶させ、ガムテープ口を塞ぎ、ロープで手足を縛ります。

さらにコレイたちは、モーブッサン宝飾店の入り口に設置された赤外線センサーを突破。ジャンセンの到着を待ちました。

コレイたちと合流したジャンセンは、檻の向こうの壁に設置された主電源を狙撃。赤外線センサーはもちろん、電動で開閉・ロックする展示ケースを全て開けました。

コレイたちは持ってきた鞄に、展示されていた宝飾品をありったけつめて撤収。ジャンセンが運転する車に乗り込むと同時に、警備員が警報装置を作動させます。

翌朝、マッティたち警察が現場に駆けつけるも、コレイたちは目以外完全に顔を隠していたため、犯人が誰か特定できませんでした。

コレイたちが行った宝石強盗の件は、「大胆不敵な犯人たちが20億旧フランの宝飾品を盗んだ」と新聞で報じられました。

コレイは単身、盗んだ宝飾品を持って故売屋の元へ向かいましたが、新聞で大々的に報じられ騒がれている今の状況では、買い手が尻込んでしまっているため数ヶ月待たなければ売買を行うことは出来ないと断られてしまいます。

これを受け、ジャンセンはヴォーゲルと自分の昔の仲間である故売屋のサンティと話すよう進言しました。

サンティはナイトクラブを経営しており、顔が広く真っ当な男だといいます。2人が信頼する男ならと、コレイは彼に会ってみることにしました。

その日の深夜。コレイはナイトクラブへ行き、奥のボックス席でサンティが来るのを待っていました。

しかし現れたのはサンティではなく、サンティの知り合いだという故売屋でした。その男はすぐに全部売買することは出来ないため、少しずつ売買していこうと提案し、取引場所の地図を渡しました。

コレイは自宅にヴォーゲルを残し、ジャンセンと共に取引現場へ。故売屋に持ってきた宝飾品を見せた瞬間、ヴォーゲルが現れ、「早くブツを持ってここから逃げろ」と言ってきたのです。

実は、コレイが会ったのは故売屋に変装したマッティでした。マッティは密かに、ジャンセンに射撃を教えたパリ警察の監察局局長と、サンティに接触していたのです。

サンティは最初、「警察のイヌになんかならない」と言って断りましたが、自身の息子が大麻所持の容疑で逮捕され人質に取られてしまったため、コレイたちを密告するしかありませんでした。

ヴォーゲルは、コレイがサンティではなく別の故売屋に会ったと聞いて、不審に思ったのでしょう。

コレイとヴォーゲルは急いで逃げだすも、待ち構えていた警官3人に襲われてしまいます。

しかし銃撃戦の末、ヴォーゲル、銃声を聞いて駆けつけたジャンセン、コレイの順に3人全員射殺されてしまいました。

マッティは自身が撃ったのが、かつての同僚ジャンセンだったことにひどく驚いていました。

そんなマッティを出迎えた監察局局長は、「人は皆、罪人だよ」と言いました。その言葉に複雑な心情を抱きつつ、マッティは部下と共に現場を去りました。

映画『仁義』の感想と評価


(C) 1970 STUDIOCANAL – FONO ROMA

作中では、登場人物が誰も喋らない静かな場面が多いですが、コレイたちの行動から、画面越しにでも緊張感が伝わってきます。

特にハラハラドキドキさせられるのは、物語の後半で描かれているコレイたちの宝石強盗計画を実行する場面です。

終始無言で行う彼らの作戦は、事前に下見も済ませ綿密に計画を立てたからか、スムーズに事が運んでいきます。

ジャンセンが一発で主電源にヒットさせた姿は、やっていることは犯罪ですが思わず驚嘆するほど格好良いです。

そして一緒に宝石強盗するにあたって、3人の間に友情が芽生えたのでしょう。

ヴォーゲルは自分を助けてくれたコレイを助けるため、危険を顧みずマッティの前に姿を現します。

それにジャンセンも、コレイたちの計画を手伝っただけでなく、警官に襲われている彼らを守るために銃撃戦に加わりました。

そしてコレイもまた、行動を共にする2人のことをとても信頼していました。本当なら出会わないはずの男たちの友情に胸が熱くなります。

全てが順調に事が進んでいた、コレイたちの宝石強盗計画。それが最後の最後でマッティにしてやられてしまうというのもなかなか面白いです。

まとめ


(C) 1970 STUDIOCANAL – FONO ROMA

偶然出会った3人の男たちが宝石強盗を行う、フランス・イタリア合作のフィルム・ノワール作品でした。

本作の見どころは、コレイ・ヴォーゲル・ジャンセンの出会いと芽生えた友情、宝石強盗計画、それを追うマッティたち警察の策略です。

コレイたちが宝石強盗計画を進めていく中で、マッティたち警察もヴォーゲル逮捕に向けて動き出します。

ヴォーゲルを執念深く追い続けるマッティの執念が実を結び、宝石強盗事件ならびにリコの手下たちが殺された事件を解決しました。

そんなマッティが最後に複雑な心情を抱いたのは、自分が撃ったのが元警官だったからでしょう。

ヴォーゲルたち犯罪者ならともかく、かつての仲間を撃って殺してしまったマッティ。現場を去る前も去る時も、「なぜ、どうしてお前が…」「自分はなんてことを…」と困惑と罪悪感に苛まれていたと考察します。

マッティ役を演じたブールヴィルの遺作となった、緊迫感あふれるフィルム・ノワール映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。

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