第1話では、新次とバリカンがボクシングに出会い、2人やその周りの人間関係にも変化が訪れる予感を残して終わりましたが、第2話は2人がプロを目指していく様子が描かれます。
以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『あゝ、荒野【第2話】』ネタバレ・結末の記載がございます。『あゝ、荒野【第2話】』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
とある高校の教室。自衛官が教壇に立ち、学生たちに国へ貢献するためのプログラムを説明していると、一人の男子生徒が何の前触れも無く校舎の窓から飛び降ります。
生徒は血を流したまま起き上がることはありませんでした。
場所は変わって、工事現場の隅でカップルが情事に耽っていると、その様子を物陰から除く男・宮本がいました。
そこへジョギングの最中に催した新次が現れ、一人自慰を行っている宮本をからかって去っていきます。
新次とバリカンはジムに戻ると、トレーニング以外にも栄養管理まで徹底させられていました。
そこへ片目が現れると、自分はキャバクラに行くといいながら、「足腰に来る」ことを理由に2人に一切の性生活を禁じます。
しかし片目が訪れたのは、ラブホテルを改装して作られた老人ホームでした。
片目は事務所に訪れると、そこの署長は宮本で、片目は新たにトレーナーを付けさせたい、本気で2人を育ててみたいと懇願します。
宮本は資金繰りに困っていることもあってか、トレーナーは片目自身で行えばいいと突っぱねます。
片目が事務所を後にすると、宮本は精力剤を一錠飲もうとしますが、秘書の君塚はその錠剤を半分にして、奥さんにサービスでもしてもらえとあしらいます。
夜、合宿所では新次が老人ホームにいる老人が歌っていた妙な歌を歌います。
すると、つられたバリカンは吃音にも関わらず、流暢に日本語の歌を歌いだします。
翌日ジョギングの途中に、新次は墓地に向かいます。
そこには、沢村家と書かれた墓石があり、新次はその前に立ち尽くします。新次の父親は過去に自死、母親は蒸発していました。
そんな彼らの頭上を、一体のドローンが飛んでいきます。
自殺クラブと呼ばれる彼らは、冒頭の同級生の自死を目の当たりにした男子高校生を仲間に入れ、街の人たちに自殺についてインタビューを行います。
ドローンは、クラブのリーダーである川崎の自殺した弟の遺品で、たまに飛ばして今の新宿の空を見せていたのでした。
インタビューを終えて、公園で休んでいる恵子らの目の前で、バリカン父・二木建夫、自殺のふりをし始めます。
クラブのメンバーは建夫を居酒屋へ連れていき、彼に部屋を与えて心の傷が癒えたころにいろいろなことを聞いてみようと考えます。
一方、新次とバリカンはプロボクサーの試験を受けていました。
実践を交えたテストでは、新次はいつもの調子を発揮しますが、バリカンは緊張のためか相手に撃たれ続けてしまいます。
見守る片目ももうだめかと思ったとき、バリカンは一瞬のスキをついて、相手を一発でダウンさせます。
無事プロボクサーになった2人は祝杯を挙げ、片目からそれぞれ寝リングネームを授かります。
新次には【新宿新次】、健二には【バリカン健二】
そんな片目は、トレーナーを雇うために昼は清掃員、夜はホストとして働いて資金を集めているのでした。
片目が酔いつぶれ、3人でラーメン屋に入ると、新次の金を盗んだ芳子が働いていました。
怒る新次はそれでも、芳子に好意を持ちつづけており、デートにまで誘います。
自殺クラブの川崎は、恵子にインタビューをします。
彼女の後ろの黒板には「自殺志願者獲得目標1日1人」という学園祭のスローガンが書かれています。
彼女は女子高生の時、初めてできた友人が自死志願者で、冗談だと思い相手にしないでいると、彼女は海で自ら命を落としていました。
そう語り終える恵子に、インタビューが終わると、川崎は彼女の上に重なります。
ことが終わると、川崎は美しい命の終わらせ方は何か、恵子に問いますが答えは返ってきません。
ジムで練習をしている新次とバリカンのもとに、馬場という男が現れます。
片目の師匠で、今回新次とバリカンのトレーナーとして雇われましたが、片目の言葉は「お前ら可哀そうだな。(この人)鬼だぞ」でした。
実際、いきなり練習を見てもらうと、バリカンはすぐにコテンパンに絞られます。
へとへとな2人に、片目はデビュー戦の知らせを持ってきます。
バリカンは対戦相手に挨拶に行こうとしますが、八百長を頼みに来たと誤解されてしまいます。
新次はラーメン屋で、裕二と同じジムに所属するボクサーに挑発されますが、ボクシングは憎しみが強い方が勝つと言う新次は、ここでは相手にしません。
バリカンは、対戦相手の写真をサンドバッグに貼り付け、ひたすら打ち込みの練習をします。
彼のノートにはひたすら相手を憎んで勝つことが大事と禍々しい字で書き殴られていました。
新次も自身の減量が思うようにいかず悩んでいました。
そしてまた、二人のデビュー戦が着々と近づいてきます。