映画『星の王子ニューヨークへ行く2』は『星の王子ニューヨークへ行く』の続編!
『星の王子ニューヨークへ行く2』は、前作『星の王子ニューヨークへ行く』に引き続き、主演のアキーム王子役にエディ・マーフィ、セミ役のアルセニオ・ホールなどお馴染みの面々が名を連ね、息の合ったやり取りが笑いを誘う作品となっています。
監督は、エディ・マーフィ主演のNetflix映画『ルディ・レイ・ムーア』(2019)のクレイグ・ブリュワーが務めています。
ザムンダ王国の王子アキームとその従者セミが、30年ぶりに再びクイーンズにやってくる!その目的はいったい何だったのでしょう。あらすじと見どころを解説していきます。
CONTENTS
映画『星の王子ニューヨークへ行く2』の作品情報
【公開】
2020年(アメリカ)
【監督】
クレイグ・ブリュワー
【キャスト】
エディ・マーフィ、アーセニオ・ホール、ジャーメイン・ファウラー、レスリー・ジョーンズ、トレイシー・モーガン、キキ・レイン、シャーリー・へドリー、ウェズリー・スナイプス、ジェームズ・アール・ジョーンズ、
【作品概要】
本作は、1988年に大ヒットしたコメディ映画『星の王子ニューヨークへ行く』の続編です。
主演のエディ・マーフィほか、セミ役のアルセニオ・ホールや全国王役のジェームズ・アール・ジョーンズ、リサ役のシャーリー・へドリー。その父のクレオ役のジョン・エイモスが続投しています。
監督のクレイグ・ブリュワーは、テレンス・ハワード主演の『ハッスル&フロウ』(2005)の監督・脚本や、エディ・マーフィ主演のNetflix映画『ルディ・レイ・ムーア』(2019)を手がけています。
アキーム王子の婚外子ラベルの母を演じたレスリー・ジョーンズは、MTVムービー・アワードのコメディ演技賞を受賞しています。レスリー・ジョーンズは2016年に公開された女性を主人公にした『ゴーストバスターズ』に出演しています。
また、本作は第94回アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング部門にノミネートされています。
映画『星の王子ニューヨークへ行く2』ネタバレあらすじ
結婚30周年を迎えたリサ(シャーリー・へドリー)とアキーム王子(エディ・マーフィ)。妻リサとの子である長女ミーカ(キキ・レイン)、次女オマ(ベラ・マーフィ)、三女ティナーシェと幸せに暮らしていました。
ザムンダ王国には、30年前にアキーム王子がクイーンズでアルバイトしていたバーガーショップのマクダウェルも、店舗を出店しています。
ネクスドリア兵が城に来ます。イジー将軍(ウェズリー・スナイプス)は、アキームが昔婚約を破棄したイマニの兄です。
イマニはあれから犬の鳴き声をしきりにやっているのだと、イジーはアキームに文句を言います。そして、一族間の政略結婚か戦争かどちらかを選ぶように脅してきました。
アキームの父、国王陛下のジョフィ(ジェームズ・アール・ジョーンズ)は危篤状態。王位継承者は男性だけという決まりです。実はアキームには婚外子がいるというの事実を話します。
30年前にクイーンズにアキームとセミ(アーセニオ・ホール)が行った時のこと。欲求不満のセミが、クラブで出会った女性2人を家に誘いこみました。
そのうちの1人であるマリア(レスリー・ジョーンズ)が、アキームにハーブを吸わせてセックスした結果生まれた男児がいるのです。
陛下は、その婚外子の息子である31歳のラベル・ジョンソン(ジャーメイン・ファウラ)と会って、王子の素質があればジャファ家に迎え入れるように言い渡しました。
陛下は生きているうちに葬儀を行い、沢山の豪華なアーティストらを招いて盛大な式が行われます。そしてその式の最中に、ジョフィ国王は息を引き取りました。
アキームはセミと一緒にクイーンズに息子を探しにやってきました。
30年前と比べるとクイーンズは栄えて様変わりしていましたが、マイ・T・シャープ理髪店は健在です。彼らからラベルがダフ屋をしていると聞いて、彼を探し出します。
ラベルを見つけ、彼の家へと行ったアキームとセミ。マリアや叔父などがその家にはいました。
お金に目がくらみ、ラベルはアキームと一緒にザムンダに行くことを承諾します。母のマリアも連れて行くことを条件に。
王宮にやってきたラベルとマリアのことを良く思っていないリサや娘たち。特に、王位を継ぎたいと思って帝王学をずっと学んできたミーカは怒っていました。
イジー将軍が娘のボポト(テヤナ・テイラー)とラベルとの政略結婚を目的に現れます。セクシーな踊りで魅惑的なボポトとの婚姻に乗り気のラベル。
ラベルは帝王学の勉強として、歴代国王の名前を覚えたり、国王らしい歩き方の練習をします。ライオンのひげをとって来れたら王子になるための最終テストがあることを聞かされます。
最終テストの恐ろしさや、勉強の大変さに王子になる自信をなくしたラベルは、王室美容師のミレンべ(ノムザモモ・ムバサ)に相談します。
ミレンべは、30年前にアキーム王子が国を誇りに思いながらも、本当の愛を見つけるためにリサを連れて帰ってきたという伝説を話し、自分流にやればいいと諭します。
ラベルは叔父であるリーム(トレイシー・モーガン)を王宮に招き、自分流に王子になるために勉強に励みます。勉強の成果が出て、アキームもその頑張りを認めるようになります。
ライオンのひげを切るテストのために、ライオンの様子を見に来たラベルのもとへミーカがやってきます。知恵を絞るべきだと助言されて、一緒に協力して準備をします。
罠を仕掛け、その上にキャットフードを塗るというラベルのアイディアで無事ライオンのひげを切り取ることができました。ミーカとラベルは打ち解けます。
最終儀式として、ウンバジュントーという包皮を切断する割礼の行事をすることになります。実際には切り落としませんでしたが、勇気を試すための儀式でした。
儀式の後、夜の庭を歩きながらラベルはミレンべと話をします。好きな映画の話や、ミレンべが将来店を持ちたいという話をしているうちに良いムードになり、2人はキスします。慌ててミレンべは部屋に戻っていきました。
翌日、イジー将軍がボポトを連れてパーティにやってきます。ラベルはボポトと話しますが、意思がなく王子のなすがままな姿勢のボポトにとまどい、ミレンべへの想いを確信します。婚約を破棄しようと決めます。
そのことを打ち明けにアキームのところへ行ったものの、イジーがアキームに対して「両国の和平のために子どもを駒のように使った」と話しているのを聞いてしまいます。
映画『星の王子ニューヨークへ行く2』の感想と評価
1988年に大ヒットした『星の王子ニューヨークへ行く』の正式な続編として、30年ぶりにアキーム王子が復活!
本作は、主演のエディ・マーフィをはじめ、アーセニオ・ホールやジェームズ・アール・ジョーンズなど当時のキャストがほぼ全員続投していて、前作のファンにはたまらない作品となっています。
遊び心とサプライズが満載
遊び心溢れる演出は30年たっても健在で、前作同様に笑いどころ満載の映画です。
エディ・マーフィとアーセニオ・ホールが1人2役を演じた、お馴染みの理髪店のシーンも登場し、独特のジョークを交わします。あの当時の衣装が登場するのも思わず笑ってしまうポイントでしょう。
また、女性ヴォーカルグループのアン・ヴォーグや、女性ラッパーグループのソルト・ン・ぺパ、ソウルシンガーのグラディス・ナイトなど、主に80年代に活躍したミュージシャンがジャファ家の式典のシーンで歌を披露していて、前作を映画館で観たような世代へは嬉しいサプライズとなっています。
さらに、エンドクレジット後には、現在のスターであるジョン・レジェンドが「おやすみザムンダ!」というメッセージとともにピアノで弾き語るという、豪華なサプライズも用意されています。
この映画シリーズが、いかに愛されているのかを感じられる瞬間ではないでしょうか。
父と子、国王と王子
本作のストーリーは、アキーム王子が国王になり正式な王位継承者として、婚外子の息子ラベルを一族に迎え入れるという内容です。
その中で、息子の姿を見て、父親であるアキームが自分自身を見つめなおすということが、ひとつのテーマとなっています。
前作では王子だったアキームが、国王として重責を背負ったことで、自分を見失っていきます。
それと同時に、クイーンズで貧しい暮らしをしていた息子のラベルは、王子になるためにさまざまなことに挑戦し、成長していきます。
ラベルが次第に成長し、信念を曲げない姿から、アキームはかつて自分も意志を貫き、ニューヨークで最愛の人を見つけたことを思い出すのです。
前作ではまっすぐな正義感と正直さを持っていたアキームという1人の青年の恋を描いていました。
そのアキームが、父に、そして国王になったことでさらに別の一面を見せる、そこに続編としての面白味があったといえます。
まとめ
アーティストたちによる歌唱シーンだけでなく、俳優陣によるパフォーマンスシーンも本作の魅力のひとつとなっています。
アフリカの民族衣装の要素をとりいれた色や柄のドレスや、女性陣の美しさを引き立てるドレスの数々も見ていて楽しく、クイーンズからやってきたイマドキの王子らしい衣装も個性的です。
何かとサプライズの多い本作ですが、個人的な最大のサプライズはモーガン・フリーマンが本人役として登場する場面です。彼が登場するシーンにも注目してみてはいかがでしょうか。