有村架純の映画『コーヒーが冷めないうちに』。
2017年に本屋大賞にノミネートされて以来、話題のベストセラー小説を有村架純主演で実写化。
監督はドラマ『アンナチュラル』で注目された塚原あゆ子が映画初監督デビューを果たしました。
この秋「4回泣ける」と話題を集める感動作『コーヒーが冷めないうちに』をご紹介します。
映画『コーヒーが冷めないうちに』の作品情報
【公開】
2018年公開(日本映画)
【原作】
川口俊和
【監督】
塚原あゆ子
【キャスト】
有村架純、伊藤健太郎、波留、林遣都、深水元基、松本若菜、薬師丸ひろ子、吉田羊、松重豊、石田ゆり子
【作品概要】
2017年の本屋大賞にノミネートされた川口俊和の同名ベストセラー小説を、時田数役を有村架純が主演を務め映画化。
喫茶店「フニクリフニクラ」には、ある席に座ると望み通りの時間に戻れるという不思議な噂があり、それを聞きつけた様々な事情を抱えた人々が今日もお店にやってきてタイムスリップをしようしますが、過去に戻るには様々な面倒なルールが存在したのだが…。
テレビドラマ『アンナチュラル』で注目された塚原あゆ子が映画初監督のデビューを果たしました。
映画『コーヒーが冷めないうちに』のあらすじとネタバレ
季節は夏、時田数が働く喫茶店フニクリフニクラには、不思議な噂がありました。
その噂とは、ある席に座ると望み通りの時間に戻れるというものでした。
その噂を聞きつけたキャリアウーマンの清川二美子、大学生の新谷亮介、認知症を患う高竹佳代、その旦那の房木康徳、近所のスナックのママ平井八絵子。
そして時が戻れると言われる席に座る謎の女性と、それぞれの事情を抱えたお客が今日も訪れていました。
キャリアウーマンの清川は、一週間前に幼馴染と来た時間に戻してほしいと数に頼み込みます。
数は時を戻るためにルールを説明します。しかし、過去に一度起こったことは変えることができないことも告げました。
時が戻れるのは、決まった席でコーヒーを入れてから冷めきるまでの間しか戻れません。以上のルールを説明した後、過去に戻ろうとする清川にコーヒーをいれながら、数は念を押すように言いました。
「コーヒーが冷めないうちに」、清川は過去に戻ることに成功するが、結局、幼馴染の気持ちを聞くともなく現在に戻って来てしまいます。
しかし、清川は吹っ切れた表情で数に聞きます。
過去は変わらないのなら未来はどうかと、数は未来はお客様次第だと答えます。
それを聞いた清川は数にお礼を言い、ニューヨークの幼馴染に連絡を取ります。
その一部始終を見ていた美大生の新谷は、噂は本当だったのだと驚くが、いざ自分がとなると腰が引けてしまうと帰ります。
季節は秋に変わり、いつも同じ席で過去に戻れる席の順番を待ってる高竹。
数は、高竹にどの過去に戻りたいのか?と尋ねると、彼女は夫に渡したいものがあると、大事そうに封筒を見せます。
しばらくすると、彼女の夫の房木が迎えにやって来ます。
「高竹さん?」と、彼はよそよそしく妻であるはずの彼女を旧姓で呼びかけるのだった。
しかし、彼女は彼のことを避けるように店を出て行きます。
どうやら高竹は、アルツハイマーを患っており、房木のことを旦那だとは思っていないのです。
房木もパニックを起こさないために、妻である高竹に自分が夫だと伝えるのをためらっていたのです。
そんななか、例の席の先客が立ち上がり偶然にも過去に戻ることになります。
房木、顔に戻った房木は妻高竹と久しぶりの夫婦としての時間を過ごします。
過去から戻ってきた房木の手は、数が先ほど見た封筒がしっかりと握られていました。
家に帰った、房木は全てを忘れてしまった高竹と、もう一度夫婦としての時間を過ごそうと彼女にしっかり伝えます。
同じ頃、すっかり店の常連客になっていた新谷は、美大でやる自分の展覧会のポスターをフニクリフニクラに貼りに来ました。
気になった数は新谷の美大へと赴き、その後、新谷と交流を深めて行きます。
季節は冬になり、数は常連客の平井が姿を見せないこと気づき、喫茶店のマスター時田流に尋ねると、妹の久美が亡くなったらしいと答えます。
数日経つと、久美の葬式を終えた平井が喫茶店にやって来ました。
湿っぽいのは嫌いだからといい、いつもより気丈に振る舞う彼女に数は、久美から渡すように頼まれた手紙を無理に渡します。
しぶしぶ受け取り家で読もうとする平井だったが、妹を失ったショックが大きく、涙を流し読めない状態になっていました。
ある朝、平井が喫茶店へ顔を出し、妹が最後に店に来た日に戻りたいと数に頼みます。
数は願いを聞き、必ずコーヒーが冷めないうちにと念を押しながら、コーヒーを入れます。
過去に戻った平井は亡くなった妹の久美との再会を果たし、妹と和解します。
現代に戻ってきた平井は、実家に電話をするが一度起こったことは変わらず、久美は亡くなっていた。
しかし平井は、先ほど再開した彼女との約束を果たすため、疎遠になっていた実家の旅館に帰って行きました。
映画『コーヒーが冷めないうちに』の感想と評価
本作『コーヒーが冷めないうちに』の物語は、主に4つの愛の話になっています。
恋愛 夫婦愛、姉妹愛 家族愛、異なる愛の形を見ながら、一番自分に近いもので涙を流す人が多い作品でした。
出演したキャストも幅広い役者が出演しており、個人的に一番印象に残ったのは、ストーリー中盤の薬師丸ひろ子が演じる高竹と松重豊が演じる房木の夫婦の久しぶりの会話のやり取りです。
恥ずかしながら、ここでもう一回泣けてしまいました。
高竹に房木が涙を浮かべながら「大丈夫、大丈夫だよと」と語りかける様子は、本作の名シーンといっても良いでしょう。
もちろん、他のキャスト陣もすごく良かったことはいうまでもありませんね。
有村架純演じる時田数に惹かれ、数を支えて行く存在になる新谷を演じた伊藤健太郎の演技は嫌味がなく、まさしく好青年で素晴らしいものでした。
過去に戻れる席に座る先客を演じた石田ゆり子の存在感も、本作の魅力を語る上では、大事なものになっています。
そういえば、常連客の平井を演じた吉田羊は、2015年公開の映画『ビリギャル』以来の有村架純との共演だと鑑賞しながら、2人のファンとしては感慨深いなぁと、思わず嬉しくなりました。
そんな有村架純の演技も、見てて安心感を覚える演技なのでした。
テレビドラマ『アンナチュラル』を手がけた塚原あゆ子監督の劇場デビュー作ということで、ドラマファンだった方も、ぜひ劇場に足を運び、見てほしいですね。
塚原監督は今後どのような作品を撮って行くのか、期待が高まる作品になっています。
本作はエンディングのスタッフロールを観てから席を立つことオススメします。理由はご覧いなったあなただけのお楽しみ!
まとめ
4回泣けると話題の映画『コーヒーは冷めないうちに』は、夏が終わり秋の物思いに耽る季節にぴったりな作品。
落ち着いた店内で繰り広げられる登場人物の会話に、いつのまにかすっかり夢中になるはずです。
主に4つの恋愛 夫婦愛、姉妹愛 家族愛の中から、誰もが一つは共感するエピソードが見つけられる映画です。
あなたは戻りたい過去がありますか?戻ったら今度はどうやり直したいですか?
そんなことを考えながらスクリーンを見つめることをオススメします。
キャスト陣の演技、塚原あゆ子監督の演出、YUKIさんのエンディング曲の全てが優しい気持ちにしてくれる本作。
ぜひ、『コーヒーが冷めないうち』を劇場でご鑑賞ください!