たとえいくつになろうとも自分をあきらめない。
「今の自分が最高!」と言いたい。
平均年齢72歳のチアリーディングチームが、世界を驚かせた奇跡のハートフルストーリー。
主人公のマーサは、余生を過ごすためにシニアタウンへと引っ越します。孤独なマーサでしたが、そこでの出逢いはマーサにとって、かけがえのない人生の宝物となりました。
やる気はあるけど、身体が付いてこない・・・。チアリーダーになりたい、マーサの夢は果たして叶うのでしょうか。映画『チア・アップ!』を紹介します。
映画『チア・アップ!』の作品情報
【日本公開】
2020年(日本)
【監督】
ザラ・ヘイズ
【キャスト】
ダイアン・キートン、ジャッキー・ウィーバー、パム・グリア、シリア・ウェストン、フィリス・サマービル、アリーシャ・ボー、チャーリー・ターハン、リー・パールマン、パトリシア・フレンチ、ジニー・マッコール、キャロル・サットン、ブルース・マッギル
【作品概要】
シニアタウンで余生を過ごす平均年齢72歳のチアリーディングチームの奮闘を描いた、笑いと涙ありのハートフルストーリー『チア・アップ!』。
主人公マーサを演じるのは、『ゴッドファーザー』『アニー・ホール』『恋愛適齢期』など、アカデミー賞をはじめ数々の賞に輝く名女優ダイアン・キートン。
インスタグラムでは自身のファッションスタイルを発信し、約1,300万人のフォロワー数を持つ女性の憧れ的存在でもあります。
その他、『世界にひとつのプレイブック』のジャッキー・ウィーヴァー、『コヒュー』のパム・グリア、『セッションズ』リー・パールマンなど、シニア世代で活躍する豪華女優陣の共演に注目です。
映画『チア・アップ!』のあらすじとネタバレ
マーサは46年間住んだアパートを去ろうとしていました。ガレージセールを開き長年愛用した家具類を売りに出します。
「遺品セールみたいね」。お客さんの声に苦笑いのマーサ。たしかに、子供のいないマーサは家具を譲る相手もなく、年齢的にも生前整理といえるかもしれません。マーサは余生をジョージア州のシニアタウンで過ごすために、引っ越しの準備をしていました。
車で移動するマーサの目に「充実した老後を」と書かれたシニアタウンの看板が見えてきました。そこでマーサを迎えてくれたのは、地区の規律を守る委員会のマダムたちでした。
シニアタウンには、テニス場やプール、ボーリング場にカラオケと娯楽施設も豊富にあり、治安も良く、シニア世代の人たちが協力して楽しく過ごしています。
リーダーのヴィッキーは、マーサに何かクラブに入ることを勧めます。年に1度開催されるシニア発表会に向けて、皆が優勝を目指し頑張っているとのことです。
マーサは疲れ切っていました。実はマーサは、癌を患っていました。「ひとり静かに余生を暮らしたい」。癌の治療を放棄しこの地に引っ越してきたのです。
引っ越しもひと段落した時、隣のシェリルが訪ねてきました。彼女は、ギャルがそのまま歳をとったような破天荒な性格で、とてもお節介焼きでした。
何かとマーサを誘い出すシェリル。夜な夜な押しかけ賭けマージャンを始めたり、誰かの葬儀に紛れ込んでは、ご馳走を食い逃げしたり。
呆れたマーサは、シェリルからの誘いを無視し家に引きこもります。何日か後の夜、誰かが家に侵入する気配がありました。
観葉植物の鉢を持ち、玄関に向かうマーサ。襲いかかろうとした先にいたのは、シェリルでした。連絡が途切れたことを心配したシェリルが強行突破で家に侵入したのです。
「何日も連絡が取れないから、倒れているかと思って心配したのよ」。シェリルの本気の剣幕にマーサは気が抜けた様に笑い出します。
心を打ち解けて話をするマーサとシェリル。段ボールの中に終いっぱなしだったチアリーディングのユニフォームを見つけます。
「昔、チアリーダーになりたかったの」と思い出話をするマーサに、シェリルは「今からでも遅くないわよ」と励まします。
冗談とわかりつつ心を動かされたマーサは、チアリーディングチームを結成することを決意しました。
しかし、シニアタウンの委員会で反対されてしまいます。特に若い頃チアリーダーの経験があるヴィッキーは、「この地区の品格を落とすわ」と猛反対です。
まずは、認めてもらうためにメンバー集めに取り掛かります。オーディションにやってきたのは、個性豊かなオールドウーマン8人。
やる気はあるけど、腕や足が上らない、あちこち痛いと大騒ぎです。おまけに、年齢を考えろと家族の反対にあってしまいます。
問題を抱えながらもスタートしたチアリーディングチーム「サン・スプリングス」。シニア発表会まであと2週間です。
映画『チア・アップ!』の感想と評価
平均年齢72歳のチアリーディングチームが織り成す、笑いと涙のハートフルストーリー『チア・アップ!』。夢に向かってチャレンジするおばあちゃん達の姿に、元気をもらえる作品です。
孤独になりがちな老後生活で、自分の心を開くことで、いくつになっても友情は育むことが出来るということ。夢中になれるものがあれば、年齢に関係なく、今が最高に幸せだと感じることが出来るということ。映画『チア・アップ!』を観れば、「歳を取ることもそう悪くない」と思えます。
監督のザラ・ヘイズは、実際にシニア世代のチアリーディングチームの写真を見て着想を得たそうです。「チアは、若い女性のためのものと考えられがちだが、その女性たちはとても生き生きとして、チアリーダーとして喜んでいる様子だった」と語っています。
特に高齢化社会が進む日本で、現役引退後の第二の人生をどのように過ごすかは、多くの方が感心を持っているの問題だと思います。
映画の舞台であるシニアタウンの住民たちは、それはそれは明るく元気に暮らしています。シニアカーの遅さやお葬式の多さがたまに問題ですが、クラブ活動や、趣味の時間を仲間たちと大いに楽しんでいます。
マーサと友達になるシェリルは、派手な格好でお酒もギャンブルも男も現役のパワフルウーマン。お節介な性格は初めマーサに嫌われますが、ノリの良さと情の厚さにマーサも救われることになります。
隣近所との付き合いが薄くなっている現代で、シニア世代の孤独死のニュースを目にすることがあります。お節介と思われるぐらいの介入が、時に命を救うことになるのかもしれません。
シェリルを演じたジャッキー・ウィーヴァーがとてもキュートで、見ている方も自然と笑顔になってしまいます。
そして、物語の主人公、癌を患いながらも、最後まで自分らしく生きようとするマーサ。孤独で少し偏屈なマーサでしたが、シニアタウンで立ち上げたチアリーディングチームのメンバーに出逢えたことで、余生が輝かしいものとなります。
いくつになっても好きなことに夢中で取り組み、仲間と共に困難に立ち向かっていくマーサの姿に、勇気をもらいます。
マーサを演じたダイアン・キートンは、実年齢74歳。これまで多くの作品に出演し、数々の賞を受賞。女優業のみならず、監督としても挑戦し続ける姿が、映画の主人公マーサと重なります。
映画の中では、チアリーディングにも挑戦しています。チアガールのユニフォームを着こなすスタイルの良さにも驚かされます。
実際に、歳を重ねてますます魅力的になるダイアン・キートンのライフスタイルは、同世代の多くの女性の支持を集めています。
どうしても、歳を取ることは嫌な事と思いがちですが、映画『チア・アップ!』は、そんな不安を取り除いてくれるような映画です。
まとめ
74歳の名女優ダイアン・キートンがチアリーディングのリーダーに!?シニアタウンで結成されたチアリーディングチームの奮闘を描いた、笑いと涙のハートフル映画『チア・アップ!』を紹介しました。
シニアチアリーディングチーム「サン・スプリングス」が、最後のステージで見せた最高のパフォーマンスに感動の涙が流れます。
いくつになっても「今が最高!」と言える人生を歩もうと思わせてくれる映画です。
シニア世代のみなさんにはもちろん、若い世代の皆さんにも見てもらいたい映画。もう、歳を取るのも怖くない!