Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2017/10/19
Update

映画『オール・アイズ・オン・ミー』あらすじとキャスト!実話の感想は

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

1996年9月13日に若干25歳でこの世を去った2PAC。
エミネム、スヌープ・ドッグ、ドクター・ドレーは惜しみないリスペクトを見せ、死してなお、多くのアーティストや音楽ファンを魅了し続けるトゥパック・アマル・シャクール。

映画『オール・アイズ・オン・ミー』は、センセーショナルなゴシップと、常に身の危険と隣り合わせにいた2PACの知られざる真実を描く!

1.映画『オール・アイズ・オン・ミー』の作品情報


© 2017 Morgan Creek Productions, Inc.

【公開】
2017年(アメリカ映画)

【原題】
ALL EYEZ ON ME

【監督】
ベニー・ブーム

【キャスト】
ディミートリアス・シップ・Jr.、カット・グラハム、ローレン・コーハン、ヒル・ハーパー、ダナイ・グリラ、ジャマール・ウーラード、ドミニク・サンタナ、ハロルド・ハウス・ムーア

【作品概要】
1996年にラスベガスで銃撃されて、若干25歳で人生の幕を閉じたヒップホップ界のレジェンド「2PAC」。

トゥパック・シャクールの謎の死までの生涯を描いたクールな伝記映画。

2.映画『オール・アイズ・オン・ミー』のあらすじ


© 2017 Morgan Creek Productions, Inc.

裁判所前の囲みの中で、ブラック・パンサー党員のアフェニ・シャクールは、いわれなき黒人差別の迫害について、強い抗議と無罪判決の正当さを、多くの支援者や白人のインタビュアーに声を荒げます。

彼女の行動は何よりもお腹に身ごもった子どものために闘うのだと母親の叫びでもありました。

やがて時は移り、かつての母親のように刑務所に収監された2PAC(トゥパック・シャクール)。彼は拘束された所内で雑誌のインタビューに答えながら自分の過去について振り返ります…。

ニューヨークのブロンクス。貧しいながらも母親アフェニ・シャクールのもとで知識教育を受けて育ったトゥパック・シャクール。

執拗な迄にブラック・パンサー党員を追いかける警察からの捜査もあり、母アフェニに連れられ住まいを転々とし、1986年に一家はバルチモアに移り住み、トゥパックはバルチモア芸術学校に入学。

その頃から才能を見出された彼はラップに没頭するようになり、数々の詩を書き始めると、愛する彼女に詩を手紙に書き記して贈るような青年になります。

トゥパックは17歳の時にカリフォルニアに移り住み、ラッパーになる夢を追い続け、ラップのメンバーとともにツアー周りのステージの片隅で自分のラップを探し求めます。

ある日のツアー終わりのトゥパックは、自宅にいる母アフェニと妹のもとに向かいます。しかし、その母親は薬物中毒となってしまう有様でした。

やるせない怒りとラッパーへの夢が入り混じりながらも、遂に1991年11月12日に、2PACの名でアルバム「2Pacalypse Now」でソロデビューを果たします。

やがて、ある日のこと、2PACはスタジオで強盗に襲われ被弾。

一命を取り留めるが、それはヒップホップ界史上最悪の東西抗争の始まりだった…。

3.映画『オール・アイズ・オン・ミー』の感想と評価


© 2017 Morgan Creek Productions, Inc.

本作は137分の上映時間があり、一般的な娯楽作品として見るならば、長尺な映画の部類に入る作品かもしれない。

しかし、観ながらその時間に退屈さを感じさせないのは、伝説的なカリスマである、2PAC本人が何よりも退屈な人生など過ごしていなかったことにあるのでしょう。

誰かに屈するような人生を生きていなかった2PACこと、トゥパック・シャクール。

アメリカ社会の闇は、黒人と白人どちらか一方にあるとは言い切れない面もあろうが、最近のハリウッド映画を見る限りでは、謂われなき迫害を受け、なおも強く虐げられる黒人たちが主役の作品のほうが遥かに面白い映画が多い。

この作品は伝記をベースにしているから、隠せない事実もある。

それは映画の終盤で2PACが銃撃され、25歳の若さで人生の幕を閉じる現実です。

それに比べれば137分という上映時間の『オール・アイズ・オン・ミー』が、短いか、長いかは語らずとも明白。

黄色人種である自分が、黒人少年のトゥパック・シャクールの心境に寄り添い、青年の姿の彼に心惹かれ、やがて偉大なアーティストとなった2PACのラップのリズムに魅せられる。

そんな映画に理屈はいらない。楽しむだけだ!

肌の色や人種の話ではなく、左脳だけがAIに取り込まれながら無意味に肥大していく現代社会において、まるで動物になったように右脳を刺激する美しい作品だと言えるでしょう。

暗がりの映画館のスクリーンの前に整然と並ばされた椅子。

そこに見えない鎖で縛られたかのように、身動きができずにいる自分が如何に不自由な価値で生きてる存在なのか気に付かされます。

“それが屈したお前の人生か?” “それでも生きている証なのか?” “マザーファッカー!”

とまるで問いかけられたように感じた時、2PACという人間がいかに金言で雄弁なのかが理解できるでしょう。

2PACと今なおブラザーであり続けるスヌープ・ドッグは、本作について次のように叫ぶ。

2PACが歴史に名を残すには理由がある。それは、彼が歴史を作ったからだ。
彼自身がヒップ・ホップの歴史であり、アメリカの歴史だ。
恐らくみんなが思っている以上に偉大な男だった。
この映画はラッパーとしての2PACだけじゃない、人間としての2PACの話をしているんだ。
彼の真実を語っているこの映画をリスペクトする。 スヌープ・ドッグ

まとめ


© 2017 Morgan Creek Productions, Inc.

映画『オール・アイズ・オン・ミー』のなかでも、“2PACの死は、今なお謎に包まれ”ているようですが…。

そんな真犯人は退屈な野郎だ、決して見逃すな!マザーファッカー!。

そして2PAC役で主演を演じたディミートリアス・シップ・Jrは、4,000人の中からオーディションで選ばれ本作がスクリーンデビュー。彼にも要注目です!

さらには黒人に成りきれなかった?金言シェークスピアの引用や、2PACと母親アフェニとの愛情にも注目してくださいね。(みんな母さんは大切にしろよ!マザファッカー!)

2PACの伝記を描いた『オール・アイズ・オン・ミー』は、2017年12月29日より、新宿バルト9ほか全国ロードショー。

ぜひ、お見逃しなく!

関連記事

ヒューマンドラマ映画

『長江哀歌』ネタバレあらすじ感想と結末ラストの評価解説。ロケット・ビルなど“シュルレアリスム的表現”を混在させた理由は?

時代のうねりに翻弄されながらも、 精一杯に生きた「三峡」の善人たち……。 今回ご紹介する映画『長江哀歌』は、2006年のベネチア国際映画祭にコンペティション作品として招待されながらも、タイトルすらも一 …

ヒューマンドラマ映画

今週公開の映画おすすめは?『シークレット・デイ』のあらすじ紹介

今週1月6日(土)から公開されるおすすめの映画は、劇場未公開だった『シークレット・デイ』。 2017年にWOWOWで初放送されましたが、この度、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で特集上 …

ヒューマンドラマ映画

【ネタバレ】大人は判ってくれない|あらすじ結末感想と評価解説。ラストシーンが有名すぎる多感な少年の反発と“その視線で見つめたもの”とは⁈

名匠フランソワ・トリュフォーの自伝的要素を含んだ傑作 フランス映画界の“ヌーベルバーグの旗手”となったフランソワ・トリュフォー監督。彼の長編デビュー作となるのが、『大人は判ってくれない』(1960)で …

ヒューマンドラマ映画

映画『HERO 2020』あらすじと感想レビュー。舞台版キャストの廣瀬智紀×北原里英が“厄介さと可笑しさ”を演じる

映画『HERO 2020』は、2020年6月19日から、シネ・リーブル池袋他で、全国順次公開予定 「2年限定の交際」を条件に、恋人として付き合っていた広樹と浅美。 約束の2年目を迎え、広樹が浅美との別 …

ヒューマンドラマ映画

映画『ツユクサ』ネタバレ結末解説と感想あらすじ。キャストの小林聡美が隕石に当たることから愛らしい奇跡が巻き起こる

小さくても、大きくても、 この世は奇跡にあふれている。 過去を抱えながらも「今」を生きる主人公・五十嵐芙美の日常と、そこに起こる小さな奇跡を綴ったヒューマンドラマ。 小さな港町に暮らす芙美には、この町 …

Cinemago|想像力の海へ、シネマダイビング。
ACT1|次の物語は、人からはじまる。
Cinemagoオンラインショップ|DVD・鑑賞チケット・オリジナルグッズ
『血を吸うスマトラオオコンニャク』
【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学