15歳の反抗期の少年と、彼を取り巻く3人の女性とのひと夏のユーモラスな物語…。
マイク・ミルズ監督が自身の母親をテーマに描く、母と息子のラブストーリー『20センチュリー・ウーマン』をご紹介します。
CONTENTS
映画『20センチュリー・ウーマン』の作品情報
【公開】
2016年(アメリカ)
【原題】
20th Century Women
【監督】
マイク・ミルズ
【キャスト】
アネット・ベニング、エル・ファニング、グレタ・ガーウィグ、ルーカス・ジェイド・ズマン、ビリー・クラダップ
【作品概要】
自身のゲイの父親もモデルした映画『人生はビギナーズ』が高評価を得た監督マイク・ミルズが、今度は母親をテーマに描いた人間ドラマ作品。
15歳の少年ジェイミーをルーカス・ジェイド・ズマンがみずみずしく表現し、アネット・ベニングやエル・ファニング、グレタ・ガーウィグ、ビリー・クラダップら実力派俳優たちが脇を固めている。
第89回アカデミー賞(2017年)脚本賞(マイク・ミルズ)ノミネート。第74回ゴールデングローブ賞(2017年)コメディ・ミュージカル部門最優秀作品賞、最優秀主演女優賞(アネット・ベニング)ノミネート作品。
映画『20センチュリー・ウーマン』のキャスト一覧
ドロシア / アネット・ベニング
1988年の映画『大混乱』でスクリーンデビューを果たしたアネット・ベニング。
1990年にはスティーブン・フリアーズ監督作『グリフターズ/詐欺師たち』で印象的な演技を披露し、第63回アカデミー助演女優賞にノミネートして一躍注目を集めることに。
その後、『バグジー』(1991)、『めぐり逢い』(1994)、『マーズ・アタック!』(1996)に出演し、1999年にはサム・メンデス監督の『アメリカン・ビューティー』で英国アカデミー賞主演女優賞を受賞。
さらに『華麗なる恋の舞台で』(2004)と『キッズ・オール・ライト』(2010)でもゴールデングローブ賞(ミュージカル・コメディ部門主演女優賞)に輝くなど、実力派女優として現在でも活躍しています。
そんなアネット・ベニングが本作で演じているのは、一人息子のジェイミーをシングルマザーとして育てるドロシア。
どことなく『キッズ・オールライト』を彷彿とさせるような作品なだけに、ヘビー・スモーカーで風変わりな母親をアネット・ベニングがどう演じてくれるのか、非常に楽しみです!
ジュリー / エル・ファニング
ダコタ・ファニングの妹としてスクリーンデビューを果たしたエル・ファニングでしたが、今では完全に立ち位置が逆転しており、むしろ妹のエル・ファニングの方が女優として高い評価を受けています。
2006年には子役としてトニー・スコット監督の『デジャヴ』、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『バベル』に出演。
2008年にデヴィッド・フィンチャー監督の『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』に出演してからは主要キャストを演じるようになり、『SOMEWHERE』(2010)、『SUPER8/スーパーエイト』(2011)といった話題作に次々と出演し続けます。
特にJ・J・エイブラムスが監督を務めた『SUPER8/スーパーエイト』での演技は高い評価を獲得し、一気にブレイクを果たすことに。
その後『マレフィセント』(2014)ではオーロラ姫役務めて人気を博し、『ネオン・デーモン』(2016)や『夜に生きる』(2016)などで主要キャストとして出演し続け、まだ10代であるにも関わらず素晴らしいキャリアを積み上げていますね。
今回エル・ファニングが演じているのは、ジェイミーの近所に住む幼馴染のジュリー。
家庭が上手くいっておらず、唯一心が許せるのはジェイミーだけなのだそう。友達以上恋人未満だという2人の関係が果たしてどう発展し、エル・ファニングがどんな演技を見せてくれるのかに注目です!
アビー / グレタ・ガーウィグ
コメディ女優、また映画監督や脚本家などマルチな才能の持ち主であるグレタ・ガーウィグ。
2010年の『ベン・スティラー 人生は最悪だ!』では、インディペンデント・スピリット賞主演女優賞など数々の賞レースにノミネート(受賞には至らず)したことで、一躍知名度が上がることになりました。
その後もアイヴァン・ライトマン監督の『抱きたいカンケイ』(2011)や、ウディ・アレン監督の『ローマでアモーレ』などのコメディ寄りの映画に出演したグレタ・ガーウィグ。
そんな彼女がさらなる飛躍を遂げたのは、主演と脚本を務めた『フランシス・ハ』でしょう。
この作品でゴールデングローブ賞主演女優賞(コメディ/ミュージカル部門)や、放送映画批評家協会賞コメディ映画女優賞にノミネートされるなど、脚本家としても演技派女優としてもその名を世界中に知らしめることになりました。
そんなグレタ・ガーウィグが『20センチュリー・ウーマン』で演じているのは、ドロシアの家を間借りしているパンクな写真家・アビー。
パンクロック好きでジェイミーにも多大な影響を与えることになるようで、まさにグレタ・ガーウィグならではの役になりそうで、非常に期待が持てますね!
ジェイミー / ルーカス・ジェイド・ズマン
2001年生まれのアメリカ人俳優であるルーカス・ジェイド・ズマン は、2012年に『Oliver!』で初舞台を踏み、デビューを飾りました。
まだキャリアとしては浅いもののテレビドラマ『シカゴ・ファイア』やウォシャウスキー姉弟が手掛けるNetflixドラマ『SENSE8』にも出演経験があるそうですね。
映画デビューとなったのは、2015年の『フッテージ デス・スパイラル』のようで、本作が2作目の映画作品。
そんなルーカス・ジェイド・ズマンは、ドロシアの息子で思春期真っ只中のジェイミーを演じています。
母親や周りの人間との付き合い方に悩みながらも、ドロシアやアビー、ジュリーら女性たちから様々なことを学び取っていくようで、彼が役としても俳優としても成長していく様に注目です!
ウィリアム / ビリー・クラダップ
ジェイソン・パトリックやブラッド・ピットらと共演した『スリーパーズ』やウディ・アレン監督の『世界中がアイ・ラブ・ユー』で世間に知られるようになったビリー・クラダップ。
キャメロン・クロウ監督の『あの頃ペニー・レインと』(2000)でのロックスターのぶっ飛んだ演技や、ティム・バートン監督の『ビッグ・フィッシュ』(2003)も印象的でしたね。
最近でも『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』(2016)や公開を控えているリドリー・スコット監督の『エイリアン:コヴェナント』(2017年公開予定)など、常に脇役として存在感を発揮しています。
今回は元ヒッピーの何でも屋のウィリアムを演じているということで、いかにもビリー・クラダップに打ってつけといった役柄をどう表現してくれるのかに注目ですね!
映画『20センチュリー・ウーマン』のあらすじ
時は1979年。舞台はアメリカ、サンタバーバラ。
シングルマザーのドロシアは、一人の息子のジェイミーが思春期に突入したことで、子育てに悩んでいました。
築70年以上にもなるドロシアの家の修理をしていた便利屋のウィリアムとは同居中で、彼がジェイミーの生き方を示すロールモデルとしての役割を果たしてくれるかとドロシアも期待していましたが…。
元ヒッピーでその後の生き方に悩んでいるウィリアムには、ジェイミーがあまり興味を示しませんでした。
ドロシアが考えたのは、男の生き方を示すのが何も男である必要がないんじゃないかというもの。
そこで彼女が目を向けたのが、もう一人の同居人であるパンクロック好きのアビーと、ジェイミーの幼馴染で家庭に問題を抱えているジュリーでした。
そしてドロシアは彼女たちにこう告げました。
「複雑な時代を生きるのは難しい。彼を助けてやって」と。
こうして15歳のジェイミーと3人の女性たちの奇妙で特別な夏が始まりを告げたのでした。
映画『20センチュリー・ウーマン』公開はいつから?
映画『20センチュリー・ウーマン』は、2017年6月3日(土)から丸の内ピカデリーや新宿ピカデリーを皮切りに全国公開が始まります。
基本的にはピカデリー、MOVIX、109シネマズ、あとはイオンシネマ系での劇場公開になるため、例えばワーナーやTOHO系に比べるとスクリーン数はそれほど多くないかもしれません。
監督は『人生はビギナーズ』(2010)で成功を収めたマイク・ミルズが務めていますが、まだそれほど日本での知名度が高くないので、公開当初は少し厳しいかもしれませんが、自力がある監督ですので、きっとじわじわと人気があがっていくはず!
前作『人生はビギナーズ』がハマった方は当然ご覧になるでしょうし、アネット・ベニングが主演した『キッズ・オールライト』あたりが好きな方にも良さそうな作品なので、おそらく細く長く公開は続いていくと思われます(3ヶ月は行って欲しい!)。
映画『20センチュリー・ウーマン』試写会はある?
映画『20センチュリー・ウーマン』の試写会は、2017年3月30日(スペースFS汐留)に女性限定ですでに行われたようです。
その他の試写会情報は現時点で発表されておりませんので、何か動きがあり次第更新させて頂きます。
まとめ
前作『人生はビギナーズ』で自身の父親を題材にした作品を発表し、様々な賞レースに名を連ねるなど最高の評価を受けた監督のマイク・ミルズ。
今回は自身の母親をテーマにしているとあって、マイク・ミルズという人間がどのように形成されていったのかが分かるような内容になっているのでしょうか。
非常に楽しみが募る一方ですが、注目の劇場公開は2017年6月3日よりスタートです!ぜひ劇場で女性たちと共に成長する一人の少年の物語をご覧ください!