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映画『マリッジ・ストーリー』あらすじネタバレと感想。離婚する夫婦が相手の長所に思いを寄せた境地とは

  • Writer :
  • もりのちこ

相手の長所は何ですか?
出会った頃の気持ちをもう一度。

スカーレット・ヨハンセンとアダム・ドライバーを主演に、夫婦が離婚に向かう葛藤を描いたNetflixオリジナル映画『マリッジ・ストーリー』が、2019年12月6日から配信となります。

子供のために、円満な協議離婚を望んだ2人でしたが、弁護士の介入により溜まりに溜まっていた気持ちが爆発。事態は一気に泥沼化してしまいます。

一度は愛し合い、理解しあった2人が、最後にたどり着く関係性とは?映画『マリッジ・ストーリー』を紹介します。

映画『マリッジ・ストーリー』の作品情報


Netflix映画「マリッジ・ストーリー」

【日本公開】
2019年(アメリカ映画)

【監督】
ノア・バームバック

【キャスト】
スカーレット・ヨハンソン、アダム・ドライバー、ローラ・ダーン、アラン・アルダ、レイ・リオッタ、ジュリー・ハガティ、メリット・ウェバー

【作品概要】
Netflixオリジナル映画として製作された『マリッジ・ストーリー』が、12月6日より配信スタートとなります。

監督は『イカとクジラ』『ヤング・アダルト・ニューヨーク』の、ノア・バームバック監督。

主演に、スカーレット・ヨハンセンとアダム・ドライバーを迎え、夫婦の関係性を描いています。

今作は配信に先駆け、第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門への正式出品、第44回トロント国際映画祭のスペシャル・プレゼンテーション部門、第57回ニューヨーク映画祭のセンターピース選出作品となりました。

映画『マリッジ・ストーリー』のあらすじとネタバレ


Netflix映画「マリッジ・ストーリー」
ニコールの良い所。「子供と本気で遊ぶ。家族の髪を切る。片づけは苦手だけど僕のために努力してくれる。プレゼントのセンスが良い。僕の舞台に立つためにNYへ来てくれた。僕の一番好きな女優だ・・・・・」。

チャーリーの良い所。「家事が得意。映画ですぐ泣く。負けず嫌い。子煩悩。没頭する性格は親子でそっくり。私と違って自分の望みがはっきりしている・・・・・」。

ニコールとチャーリーは、互いに短所も長所も理解し、愛情を持って接しているようです。

しかし、ここは夫婦の問題を解決するカウンセラーの部屋でした。カウンセラーは、2人の夫婦関係を修復する術として、お互いの長所を書き出し発表し合うように勧めます。

手紙にしたものの、それを読むことに抵抗があるニコールは怒って出て行ってしまいます。ニコールの中では、すでに離婚は決定していました。

舞台監督として活躍するチャーリーと、その看板女優として夫の舞台に立つニコール。それぞれ望む道が異なっていました。

ニコールは、実家のあるロサンゼルスに戻り、テレビドラマへと新たな挑戦を決めました。チャーリーは、ブロードウェイの舞台が決まっていました。

チャーリーは、ニコールのドラマ出演の間だけ、実家へ戻ることを許していました。息子のヘンリーも一緒です。

ニコールの考えは違っていました。これを機にロスで暮らすつもりです。実家では、母と姉が文句を言いながらも迎えてくれました。やりたかった監督にも挑戦するつもりです。

そんなニコールの決意も知らず、ロスに会いに行くチャーリー。ニコールの家族とも仲良しです。

文芸の助成金を獲得したチャーリーの報告を、心から喜ぶニコール。2人はプライベートも仕事も理解し合った良い関係に見えるのでした。

2人は今後のことを、円満に話し合いで決めようと試みますが、ニコールが雇った弁護士によって思わぬ方向へと進んで行きます。

ニコールは、弁護士に自分の気持ちを話しながら心の整理をしていました。チャーリーとの出会いは素晴らしいもので、生きている実感を与えてくれました。

チャーリーが次第に認められていくのを嬉しく感じながらも、自分はやりたいことをセイブし、夫に合わせて仕事を選ぶようになっていきました。

ニコールはチャーリーに自分の仕事を応援して欲しかったのです。自分だけの誇れる居場所が欲しかった。そして、私を見て欲しかった。

ロサンゼルスとニューヨーク、親権の問題、ヘンリーの気持ち。離婚への道のりは、2人の意思とは関係なく、複雑な問題を抱え、思わぬ方向へと向かっていました。

以下、『マリッジ・ストーリー』ネタバレ・結末の記載がございます。『マリッジ・ストーリー』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


Netflix映画「マリッジ・ストーリー」
チャーリーは、ニコール側の弁護士に息子のヘンリーの親権問題を問われ、仕方なく弁護士を立てることにします。

初めて双方の弁護士の立ち合いの元、話し合いの場が持たれました。弁護士を通して語られるお互いの気持ち。こんなはずじゃなかった。

チャーリーとニコールは、2人きりで話し合うことにします。いざ、話し合いを試みる2人でしたが、何から話し合ったらいいのか分かりません。

慰謝料も生活費も問題ではない。息子のヘンリーのための話し合いは、結局ヘンリーを巻き込むことになってしまいました。

ヘンリーには母親が必要です。ロスの学校でも楽しくやっています。「あなたのエゴで子供が苦しむのよ」。ニコールの言葉はチャーリーをひどく傷つけます。

チャーリーも負けじとニコールへ怒りをぶつけます。いつも冷静なチャーリーが己を忘れています。「君が亡くなっても、ヘンリーさえ助かってくれればいいんだ」。

心にもないことを口走ったチャーリーは、自分の酷い言葉に泣き崩れます。ニコールも理解していました。そっと背中をさすります。

本音でぶつかり合った2人でしたが、離婚調停は親権をかけ進んでいきます。チャーリーはロスに家を借り、ヘンリーとの生活を印象付けます。

捜査員の訪問により、勝者は母親ニコールとなりました。自宅でパーティーを開くも、どこか冴えないニコール。

チャーリーはニューヨークへと戻ります。それぞれ別々の人生が始まりました。それでも救いは、2人の意向でもあった親権はほぼ同等のものに落ち着きました。

今日はチャーリーがヘンリーに会いにロスを訪れる日です。変わらず歓迎してくれる家族。しかし、壁の写真からは自分がいなくなっていました。

ヘンリーがある手紙を呼んでいます。チャーリーは一緒に読むことに。その手紙は以前、互いの長所を書いた時、ニコールがチャーリーの良い所を書いたものでした。

「・・・・矛盾してるけど、ずっと彼を愛しているだろう」。涙ぐむチャーリー。それを見守るニコールの姿がありました。

今日はハロウィンです。仮装を楽しむヘンリーは、遊び疲れています。今日はパパがヘンリーと過ごす番です。ヘンリーを抱きかかえて帰り支度をするチャーリー。ヘンリーにとっては、変わらずパパとママです。

そんなチャーリーの靴紐を直してあげるニコール。2人の新しい関係もここからです。

映画『マリッジ・ストーリー』の感想と評価


Netflix映画「マリッジ・ストーリー」
互いの良い所を言い合う冒頭のシーンは、「なんて、お互いを理解した素敵な夫婦なんだ!」と、まさか、離婚前提の夫婦の物語とは思えない始まりに戸惑ってしまいます。

短所も長所も知ったうえで、それをチャーミングだと思える関係性は、夫婦関係にとどまらず、あらゆる人間関係の中でも貴重な存在と言えます。

ニコールとチャーリーは、相手を理解しながらも、自分らしく生きる道を模索していきます。

ニコールは、自分の力を試し挑戦していきたい女性です。夫チャーリーにも応援して欲しかっただけでした。

チャーリーは、仕事を愛すがゆえに家庭でも演出家です。ニコールや息子ヘンリーのことを大事に想いながらも、思い通りにしたい気持ちがありました。

2人はどこからすれ違っていたのか。思わぬ展開へと加速する離婚の過程の中で、それぞれ溜めていた思いが爆発します。

想いを吐き出すシーンは、互いの身を削るような痛々しいシーンとなっています。暴力的な言葉のラリー、そして心にもない言葉を放ってしまった自分の醜さに傷つく姿に、涙が流れます。

ニコールとチャーリーを演じた、スカーレット・ヨハンセンとアダム・ドライバーの演技が本当に素晴らしいです。

人は、出会った頃の気持ちのまま時を重ねることは難しいのかもしれません。しかし、思い起こすことは出来るのではないでしょうか。

相手への思いやりが欠けて来た時、相手の良い所をあげてみる。そこには、関係性が変わったとしても尊敬できる相手の面が見つかるかもしれません。

まとめ


Netflix映画「マリッジ・ストーリー」
12月6日配信のNetflixオリジナル映画、『マリッジ・ストーリー』を紹介しました。

夫婦が結婚生活で抱く葛藤と、離婚に向かう過程を描いたヒューマンドラマ。スカーレット・ヨハンセンとアダム・ドライバーが演じる、夫婦役が見どころです。

一度は愛し合い、理解しあった2人が、離婚を経て最後にたどり着いた関係性に、夫婦という枠を超えた絆を感じます。

夫婦、恋人、家族、友達、仕事仲間、人間関係に行き詰った時「相手の長所をあげてみる」。それは、前に進むための素敵な行為になるはずです。

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