映画『泣いたり笑ったり』は2022年12月2日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAほかにてロードショー!
泣いて笑える極上のヒューマンコメディ映画『泣いたり笑ったり』が、2022年12月2日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMA、シネマート新宿、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次ロードショーとなります。
対照的な2つの家庭のそれぞれの父親が再婚することとなり、家族たちが大混乱に陥るさまをコミカルかつハートフルに描いていす。
イタリアでは376館で43週間ロングランの大ヒットとなりました。
アレッサンドロ・ガスマン、ファブリツィオ・ベンティヴォッリオ、ジャスミン・トリンカら豪華イタリア人俳優が愛すべき人々を味わい深く演じます。
観たらきっと誰かに薦めたくなる極上の一作の魅力をご紹介します。
映画『泣いたり笑ったり』の作品情報
【日本公開】
2022年(イタリア映画)
【原題】
Croce e delizia
【原案・監督】
シモーネ・ゴーダノ
【編集】
ジャンニ・ベツォシ
【キャスト】
アレッサンドロ・ガスマン、ファブリッツィオ・ベンティポリオ、ジャスミン・トリンカ、フィリッポ・シッキターノ
【作品概要】
気鋭シモーネ・ゴーダノが監督・共同原案を手掛けたイタリア発のハートフルヒューマンコメディ。
イタリアで376館で43週間ロングランの大ヒットとなり、2019年ナストロ・ダルジェント賞コメディ作品賞にノミネートされた話題作です。
価値観や家族観もまるで対照的な2つの家族の父親同士が再婚することになり、双方の元妻や娘、息子たち、孫まで巻き込んで大騒動になるさまをユーモラスに綴ります。
海の男・カルロ役に『盗まれたカラヴァッジョ』(2020)のアレッサンドロ・ガスマン、身勝手ながらも憎めないインテリ老紳士のトニ役に『人間の値打ち』(2016)のファブリツィオ・ベンティヴォッリオが扮します。
2人を引き裂こうと奔走するトニの娘・ペネロペ役を演じたジャスミン・トリンカは、本作で見事伊ゴールデングローブ賞主演女優賞受賞を受賞しました。
映画『泣いたり笑ったり』のあらすじ
南イタリアの港町ガエータの別荘へ巨大なバナナボートを持って、家族でバカンスに訪れた代々漁師の労働者階級のペターニャ家。
別荘の持ち主である、快楽的に人生を享受する裕福なカステルヴェッキオ家も家族で集まっていました。
レストランの席でカステルヴェッキオ家の当主のトニは、男性と結婚することを家族たちに告げます。その相手はペターニャ家の父・カルロでした。
緊張して家族に話す決心のつかないカルロは、トイレでトニを待ち受けてそんな気持ちをぶちまけます。
トニがカルロの顔をなでてなだめているところにカルロの長男・サンドロがきて、仲睦まじい2人の姿を目撃してしまいました。
サンドロの叫び声を聞きつけたトニの娘たちもとんできて大騒ぎとなります。
トニが自分とカルロの関係を話すと、事実を受け入れられないサンドロはパニックに陥り、そのまま別荘に帰ってしまいました。
トニの娘のペネロペはサンドロに会いに行き、二人の仲を裂くために手を組もうと持ちかけますが…。
映画『泣いたり笑ったり』の感想と評価
愛に満ち溢れた大らかなイタリア家族
イタリアの大家族が大騒動に巻き込まれるさまを笑いと感動たっぷりに描き出すハートフルコメディ『泣いたり笑ったり』。観た後は爽快な幸福感に満たされ、誰かに薦めずにはいられなくなる極上の人間ドラマです。
じんわり泣かされるコメディで、タイトル通り泣いたり笑ったりして心が揺さぶられる一作となっています。
個性も自由に認められる大らかさの中、人間味あふれるちょっと変わった一家のドタバタ劇が描かれます。
家族愛に満ち満ちたとてもイタリアらしい作品と言えるでしょう。
まったく違う価値観の2つの家族の父親同士が結婚することになったことから、家族を巻き込んで大騒動に発展していくさまがコミカルに描かれます。
主人公のカルロは漁師をしている逞しい海の男です。純朴で温かな人柄で、亡くした妻を今も愛しており、結婚して子どももいる長男のサンドロと、まだ幼いディエゴという次男がいます。
彼の再婚相手はトニという裕福な家庭の初老のインテリ男性です。生来の人たらしで、数多くの男女と恋してきましたが、結婚を決めたのはカルロが初めてです。
変わった組み合わせのカップルですが、彼らの純愛に何度もキュンとさせられます。
トニには母親の違う娘のペネロペとオリヴィアがおり、幼い頃から彼女たちを振り回してきました。それでもどうにも憎めないチャーミングさがあります。
しかし、ずっと寂しさに耐えてきたペネロペは、父に愛されたいという思いが抑えきれません。
人生観をひっくり返されてパニックになっているカルロの息子のサンドロに、ペネロペが父同士の結婚を破談にしようと持ちかけたことから、事態は思わぬ方へと転がり始めます。
はじめはあまりパッとしなかったカルロですが、物語が進むうちにその魅力がくっきりと浮かび上がり、周囲の人々すべてを魅了していきます。
登場人物たち同様、トニがなぜカルロを選んだのかが観ている私たちにも手に取るようにわかり始めるのです。
個性的なカップルに寄り添う家族たちそれぞれの人生、喜び苦しみも丁寧に魅力的に映し出されます。
カップルとしての愛、父への愛、子への愛、大きな家族の中での愛など、様々な愛の形が温かく綴られ、いつまでも彼らの姿を見ていたくなるに違いありません。
まとめ
一家の父親同士の結婚という一大事に家族がパニックに陥って奔走するさまを、温かくユーモラスに描く『泣いたり笑ったり』。
家族愛、ジェンダー、親子愛、複雑な家庭で起こる放任育児のトラウマなど、現代社会にある数々の問題や真実をやさしい視線でみつめた人間讃歌です。
中でも素朴で清らかな魂を持つカルロの魅力は素晴らしく、いつもシャツに短パンというどこか薄汚れた感のある彼の姿が次第に天使のように見えてくることでしょう。
人の心を本当に満たしてくれるものとは何なのか、私たちひとりひとりにカルロが教えてくれます。
ヒューマンコメディ『泣いたり笑ったり』は、2022年12月2日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMA、シネマート新宿、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次ロードショーです。