映画『まともじゃないのは君も一緒』は2021年3月19日(金)より全国順次ロードショー!
「まともじゃない」一人の塾講師と、青春の悩みを抱えた女子高生が、一つの恋愛作戦に挑むコメディー映画『まともじゃないのは君も一緒』。
『カツベン!』の成田凌、『宇宙でいちばんあかるい屋根』の清原果耶という今旬な若手俳優のコンビにより、「まとも」な恋愛を目指し挑戦する恋愛作戦の経緯を描きます。
監督には前田弘二、脚本には高田亮という強力タッグでオリジナルストーリーに挑みます。
CONTENTS
映画『まともじゃないのは君も一緒』の作品情報
【公開】
2021年(日本映画)
【監督】
前田弘二
【脚本】
高田亮
【キャスト】
成田凌、清原果耶、小泉孝太郎、泉里香
【作品概要】
『カツベン!』などの成田凌と『宇宙でいちばんあかるい屋根』などの清原果耶というダブル主演によるコメディードラマ。変わり者の予備校講師と悩める思春期を迎えた教え子のやり取りから見えてくる世の常識、非常識を問います。
作品を手掛けたのは『婚前特急』や『わたしのハワイの歩きかた』などの前田弘二監督、脚本を前田監督作品や『そこのみにて光輝く』などの高田亮が担当しました。成田と清原のほかに、小泉孝太郎、泉里香ら個性派キャストが「まとも」な恋愛モデル役を担当、物語の脇を固めています。
主題歌は韓国生まれ、アメリカ・ロサンゼルス育ちで、日本を中心に音楽活動をしているポップクリエイターCharmのソロプロジェクトTHE CHARM PARKが本作のために書き下ろした「君と僕のうた」。
映画『まともじゃないのは君も一緒』のあらすじ
現在、普通に友人たちと学校生活を楽しんでいた女子学生の秋本香住(清原果耶)は、ある日友人たちとの他愛ない話の中で、一人の同級生が良好な男女交際を行っていることに妬んでいたことを知ってモヤモヤした気持ちになります。
一方、その香住に予備校で数学を教える大野康臣(成田凌)は、自分の興味のあることにはとことんまでのめり込むものの、興味のないことに対してはさっぱり奥手。
独身で恋人もいませんが、結婚願望は持っていました。
そんな康臣はある日香住に、その願望に一歩近づくため「どうしたら普通になれるか」を教えてほしいと頼み込みました。
映画『まともじゃないのは君も一緒』の感想と評価
恋愛コメディーを通して世の常識、非常識を問う
物語の主題は、ある一組の男女のプラトニックな恋愛模様を通して「まとも」であること、あるいはそうではないことに対する必要性、重要性を問うていることにあります。
これは例えば近年社会的な関心事でもある「学歴社会」「格差社会」などの問題を取り上げたトピックスにも、そのまま当てはまります。
より高い学歴を持つもの、たくさんのお金を稼ぐもの、社会的に高い評価を得るものこそが正常であり高く評価され、いわゆる「まとも」と言われる現状。
しかしそれらを持つことが人間として評価されるという基盤は、近年さまざまな場面において揺らいでいます。
反面、世では個性を高く評価されるようになったといわれている現在において、人それぞれの個を磨くことは非常に重要なことですが、常にそれを評価されているとはいえない状況であることも明らかで、時には「変人」扱いされることも多いかもしれません。
このような構図を描くために、この物語では「個」の象徴として成田、そしてそれを認識する子供の世代として清原を起用して、物語を成立させています。
成田が演じる大野康臣という人物は、自分の興味があることはとことんまで突き詰めるけど、それ以外のことは全くの無知というまさに「個性」だけで生きているような人間です。
一方の清原が演じる秋本香住は、仲間内では愛想よくしているけど、その「まとも」「普通」という友人が持っているあいまいな定義を窮屈に思い、疑問を呈する学生。
この2人が、これまで全く触れたことのない恋愛という世界に足を踏み入れるという展開の中、非常にぎくしゃくしたアプローチを試みながらいろいろなことを知り、成長していきます。
物語からは「まとも」と言われる世界がやはり非常に窮屈で、「まともじゃない」世界が意外に居心地よいと思えたり、それでも人が「まとも」を保つ一方で「まともじゃない」が追従して異端扱いされざるを得ない、そんな社会構図が見えてきます。
これはつまり「まとも」が社会でどのように存在すべきか、「まともじゃない」がどのような立場で現れるべきか、ということを想起させるようなテーマであります。
もちろん「まとも」「まともじゃない」などといった感覚は多かれ少なかれ誰もが両方を持ち合わせているものでもあり、この作品はそういったバランスにどう折り合いをつけて生きていくべきか考えることを提唱していると言えます。
まとめ
この物語は、若手俳優の中でも注目株である成田と清原というツートップの、対決ともいえる共演が見どころとなっています。
成田の役どころは、例えば現実と照らし合わせると「どこにでもいそう」「普通にはいない」という雰囲気を絶妙なバランス感覚で表現しています。
「普通にはいない」というのは、まさに大野康臣というキャラクターそのままですが、「どこにでもいそう」という部分は皆が何か心の奥底で同じように心に抱いている、共感できる部分を現しているところにあります。
この2つの性質をうまく生かして、何か人が抱く心の性質をバランスよく表現し、康臣というキャラクターに共感させる性質を作り上げています。
また秋本香住も似たような格好ではありますが、「どこにでもいる女の子」「普通ではいなさそうな思いの持ち主」という2つの性質で、「まともでないことの窮屈さ」を代弁している格好です。
2人の間では、清原の「まともでいなさい」という進言に対し、成田の「まともとは?」という返答が何度も繰り替えされますが、このバランスから見る側は「まとも」「まともじゃない」という感覚への思いを強く印象付けられるわけであり、まさに物語のメッセージを2人の名演で作り上げられたといえるでしょう。
映画『まともじゃないのは君も一緒』は2021年3月19日(金)より全国順次ロードショー!