「Mr.ビーン」シリーズのローワン・アトキンソンが演じる、変なおっさんにして英国諜報部のエージェント、“ジョニー・イングリッシュ”が帰ってきた!
だが、スキルも笑いのネタも?アナログ世代の彼にとって、最大の敵はデジタル技術だった…。
大人気スパイ・パロディ映画シリーズの第3弾、いよいよ公開です!
CONTENTS
映画『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』の作品情報
【公開】
2018年(イギリス映画)
【原題】
JOHNNY ENGLISH STRIKES AGAIN
【監督】
デヴィッド・カー
【キャスト】
ローワン・アトキンソン、ベン・ミラー、オルガ・キュリレンコ、ジェイク・レイシー、エマ・トンプソン
【作品概要】
イギリスの諜報機関・MI7に突如サイバー攻撃が行われ、全ての現役エージェントの情報が流失してしまいます。
さらにはインフラ施設もサイバー攻撃にさらされ、イギリス国内は大混乱に陥ります。この危機を解決するには、引退したエージェントだけが最後の頼みの綱であった!
こうして招集されたお騒がせスパイ“ジョニー・イングリッシュ”が、例によって周囲を迷惑と騒動に巻き込みつつ、ヨーロッパを股に掛けて巨大な悪に挑戦します。はたして彼は世界の平和を取り戻す事が出来るのか。
映画『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』のあらすじとネタバレ
ある夜、MI7本部が謎の人物からのサイバー攻撃に晒されて、現在所属しているエージェントの情報が全て流失してしまします。
またイギリス国内のインフラ網にも同様のサイバー攻撃がしかけられ、G12国際会議をひかえたイギリス首相(エマ・トンプソン)は、おちおち眠る事も出来ない始末。
この危機を解決する為に、彼女は情報が流出していない引退したスパイを招集することを命じます。
その頃、エージェントを引退していたジョニー・イングリッシュ(ローワン・アトキンソン)は、とある学校で子供達を相手に地理の教師をしていました。
しかし彼の指導は本来の教育よりスパイ技術を教える事に注がれており、お蔭で子供達には大人気の教師となっているのでした。
そんな彼の元にもMI7のトップ・ペガサスから召集の連絡が入り、かつての相棒ボフ(ベン・ミラー)と共に本部へ向かいます。
さてMI7には、他にも引退した3人のエージェント(マイケル・ガンボン、チャールズ・ダンス、エドワード・フォックス)が集められていました。
どう見ても彼らの方がマトモなスパイに見えますが、ここでドジなジョニー・イングリッシュにお約束の、実にハタ迷惑な“スキル”が発動し3人はあえなく退場してしまいます。
こうして必然的に彼が今回の任務に就く事になります。
時代が代わりハイテク装備・規則づくめとなったMI7から、任務に復帰するジョニー・イングリッシュに装備が支給される事になりました。
スマホすらまともに扱えない彼は、ボフにフォローされながら何とかアナログな装備の数々を調達。
またハイブリット車が並ぶ中、彼が選んだ車は当然“ボンドカー”としてお馴染みのアストンマーティン。これに乗り込んで2人は颯爽と本部を後にします。
本部からFAXで送られた無駄に多い紙資料を手にして、黒幕に近づく為フランスのとあるレストランにウエイターに変装し潜入するジョニー・イングリッシュとボフ。
2人は周囲を騒動に巻き込み火事騒ぎまで起こしながら、今回のサイバー攻撃がIT系巨大企業を所有する、大富豪にしてカーダシアン姉妹の元カレでもある、ジェイソン・ヴォルタ(ジェイク・レイシー)が所有する船ドット・カーム号から行われた可能性がある事をつきとめます。
さっそく2人はアナログかつSFチックなスパイ装備を駆使してドット・カーム号に潜入、船内のサーバールームに発信機を取り付ける事に成功します。
敵に捕らわれながらもどうにか脱出に成功しますが、ここで謎の美女(オルガ・キュリレンコ)と出会います。
翌日接近してきた彼女とカーチェイスを繰り広げたジョニー・イングリッシュは、オフィーリアと名乗る彼女との再会を約束して別れました。
その夜、彼はバーでオフィーリアと再会します。
彼女の正体を探ったボフは、危険な人物である可能性を指摘しますが、すっかりオフィーリアの魅力に参ってしまった彼は、その警告を全く無視してしまいます。
実はオフィーリアの正体はロシアのスパイ。
彼女は本国からの指令で、正体不明で実にややこしい人物であるジョニー・イングリッシュを殺害しようと実行しますが、誤って飲んだ薬のおかげでハイになっていた彼は、幸運にも彼女から逃れる事が出来ました。
MI7本部に戻った2人は、ペガサスにヴォルタが黒幕である可能性を報告しますが、その際の不真面目な態度もあって信用されません。
それどころかイケメンで大富豪であるヴォルタに熱を上げている首相は、彼にイギリスのインフラ施設の回復を委ね、きたる国際会議に彼を招待し各国首脳と引き合わせようとしている有様でした。
そこでジョニー・イングリッシュは証拠をつかむ為にヴォルタの邸宅に侵入すべく、バーチャルリアリティ設備で侵入作戦のシミュレーションを行いますが、これがまたロンドン市内で大騒動を引き起こす事になりました。
それでもヴォルタ宅への侵入を実行し、成功したジョニー・イングリッシュ。シミュレーションが多少は役に立ったのか、邸内にいたオフィーリアのスマホを使ってヴォルタの正体を暴く映像の撮影に成功。
しかし慣れない操作が原因であえなく捕えられてしまいます。それでも脱出する事が出来た彼は、遭遇した教習車に強引に乗り込みジャックする事で逃走に成功します。
帰還したジョニー・イングリッシュは、ボフと共にヴォルタの計画を首相とペガサスに報告します。
ですが証拠となる肝心の映像はお約束のドジで見せる事が出来ず、ヴォルタを信用しきっている首相を激怒させる結果となってしまいます。
しかも今まで仕出かした失敗の数々もバレており、この任務から外れる様に直々に命じられてしまいます。
さすがの彼もこれには意気消沈し、G12国際会議も予定通り開催される事となりました。
世界の危機が迫る中、失意の内に引き上げようとする彼を、ボフが励まします。
こうして使命感と熱意を取り戻したジョニー・イングリッシュは、ボフと共に2人で世界を救う為に改めて立ち上がります。目指すは国際会議の会場となる、スコットランドの古城です。
映画『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』の感想と評価
前作『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』(2012)から6年、ジョニー・イングリッシュが動きもノリもそのままに帰ってきました!
ローワン・アトキンソンも63歳、体を使ったシーンでは苦労も絶えなかった様ですが、おなじみの顔芸・しゃべり芸も健在で大いに笑わせてくれる映画になっています。
実にご都合主義な展開ですが、そんな風に作られたコメディ映画なんですから気にせず楽しみましょう。
それでは映画ファンに、思わずニヤリとさせられるネタを幾つか紹介しましょう。
参考映像:『007 慰めの報酬』(2011)
まずオルガ・キュリレンコ、彼女は『007 慰めの報酬』(2011)のボンドガール役で一躍世界的なスターになりました。
前作『?気休めの報酬』の邦題はこの映画から頂いた事は、無論言うまでも無いですね。その彼女が本作に出演しているのも面白い事実です。
また冒頭に集められた、3人の引退したスパイが名優揃いで実に豪華です。
今や『ハリー・ポッター』シリーズのダンブルドア校長役で有名なマイケル・ガンボンですが、イギリスのテレビシリーズではフィリップ・マーロウやメグレ警視を演じている俳優なのです。
またチャールズ・ダンスは数々の悪役での出演が有名ですが、『007 ユア・アイズ・オンリー』(1981)では、ロジャー・ムーアの007に銃を向ける役で出演しているのです。
そしてエドワード・フォックスは、何といっても『ジャッカルの日』(1973)で、暗殺者のジャッカル役を演じた事であまりにも有名な名優。
そんな3人を登場させて、贅沢にもあっさり「始末」してしまうジョニー・イングリッシュ。映画ファンの心をくすぐる、遊び心に満ちたシーンだと思います。
タイトルからしてハイテクVSアナログネタで笑わせる映画に間違いありません。
そんな中ジョニー・イングリッシュの愛車として登場するアストンマーティンが、カーチェイスでカーブの多い道をマニュアル操作で爆走します。
このシーンが実に本格的で「ワイルド・スピード」シリーズの迫力にも引けをとりません。オチが付いていますよ。
CGに頼らない、昔懐かしいカーチェイス映画へのオマージュでもあるのでしょう。
ローワン・アトキンソンのお約束なギャグの連発で見せる映画の様で、一方かなり本格的なこだわりが散りばめられている映画が『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』なのです。
映画ファンは是非そんなシーンにも注目してご鑑賞下さい。
まとめ
紹介させて頂いた『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』ですが、本当の魅力であるローワン・アトキンソンの顔芸・体芸・しゃべり芸を楽しむには、映画を見るのが一番である事は言うまでもありません。
またかなり軽薄なイギリス首相を演じた、エマ・トンプソンは実に楽しんで演じてる感があります。
軽いコメディ映画ならではの彼女の演技にもご注目下さい。
そして本作一番の魅力はブラックな笑い。
バーチャルリアリティが巻き起こす騒動で、イジってはダメな人々を次々と攻撃するジョニー・イングリッシュ…これぞイギリスのコメディ、というギャグの数々をぜひお楽しみ下さい。