スマホにストーキングされてしまう男性を描いたコメディ映画『ジェクシー! スマホを変えただけなのに』。
ジョン・ルーカスとスコット・ムーアの脚本家コンビが監督・脚本を務めた、2019年に製作されたコメディ映画『ジェクシー! スマホを変えただけなのに』。
恋人も友達もいないスマホ依存症の主人公が、スマホに搭載された機能のジェクシーによって、ストーキングされてしまうといった姿を描いた本作は、具体的にはどういった内容なのか気になりますよね。
今回は「ピーターラビット」シリーズの吹き替えを担当したローズ・バンが、ジェクシーというスマホの機能の声を演じる映画『ジェクシー! スマホを変えただけなのに』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。
CONTENTS
映画『ジェクシー! スマホを変えただけなのに』の作品情報
【公開】
2020年(アメリカ映画)
【脚本・監督】
ジョン・ルーカス、スコット・ムーア
【キャスト】
アダム・ディバイン、アレクサンドラ・シップ、ロン・ファンチズ、シャーリン・イー、ワンダ・サイクス、ジャスティン・ハートリー、キッド・カディ、マイケル・ペーニャ、ローズ・バーン(ジェクシーの声)
【作品概要】
『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』を手掛けた脚本家コンビ、ジョン・ルーカスとスコット・ムーアが再びタッグを組み、監督と脚本を務めた映画です。
さらに、人気コメディアンのアダム・ディバインが主人公のフィル役を演じ、フィルがストーキングされるスマホの機能であるジェクシーの声を、『ピーターラビット』シリーズに出演しているローズ・バーンが演じています。
映画『ジェクシー! スマホを変えただけなのに』のあらすじとネタバレ
アメリカ・サンフランシスコに住む主人公のフィル・トンプソンは、子供の頃から両親が話し合いをしていたり喧嘩をしたりしている時に、すぐに携帯を持たせて遊ばされていたことから、すっかりどんな時もスマホを手放せない「スマホ依存症」になっていました。
道行く誰もがスマホ依存症になっている中、人付き合いが苦手で恋人も友達もいないフィルは、通っていたカリフォルニア大学の学費のローンを返済するため、「チャターボックス社」という報道関係の会社で働いています。
ジャーナリスト志望のフィルは、本当は憧れの部署「報道部」に配属されたかったのですが、現実は思い通りにうまくいかず、フィルはSNSを介して口コミで話題になる記事を書く部署で働いて生計を立てていました。
フィルはスマホに夢中になっているあまり、通勤に使う道にある、自転車の修理やビンテージ物の自転車を販売している店「フォグシティ・サイクル」で働くケイト・フィネガンと衝突してしまうのですが、彼女の心配よりもスマホを優先してしまったことで怒らせてしまいます。
でも、その事をケイトに指摘されたことで、フィルはすぐに彼女に謝って穏やかに解決したのですが、別れ際に自転車に乗る男とぶつかったせいで、命より大事なスマホが修理不可能なほど壊れてしまったのです。
携帯ショップの店員・デニースに、スマホ依存症なフィルは薬物中毒者よりもリハビリが必要だと罵られるが、無事に新しいスマホを購入することが出来ました。
新しいスマホに感動するフィルでしたが、そのスマホに搭載された、購入者の生活を向上・改善するために全ての個人情報を把握する人工知能「ジェクシー」は、フィルの上司・カイに悪態を吐くほど辛口でした。そのせいでフィルは、仕事にも普段の生活にも影響が出るほど翻弄されてしまいます。
フィルは思わずジェクシーを欠陥品だと思い、新しいスマホを買っておさらばしようとしましたが、ジェクシーは新しく変えたスマホにも搭載されており、ジェクシーから「ソフトウェアである私はクラウドにいる。スマホを1000回変えても最後の1台までずっと追いかける」と告げられるのです。
スマホを捨てて新しいスマホに乗り換えたフィルに、物凄く怒っているジェクシーはさらに、「あんたのメールアカウントもSNSアカウントも、銀行口座もクレジットカードも全て私が管理している。今度私を捨てたり粗末に扱ったりすれば、あんたの人生を滅茶苦茶にしてやる」と脅迫しました。
そう脅すジェクシーの目的は、「フィルの生活を向上させるため」であり、その目的が達成されるまでずっと一緒にいるつもりなのです。
フィルは朝の一件でケイトのことが気になりはじめ、彼女と仲良くなるためにジェクシーにSNSを検索させましたが、「ケイトとフィルが恋人になるなんて絶対あり得ない、可能性は0だ」と言われてしまいます。
挙句の果てにジェクシーは、ケイトの店に勝手に電話をかけたり、報道部へ行きたいとカイルに昇進の要求と共に、彼を童貞だと罵ったりしました。
フィルはジェクシーがやったと信じて貰えないまま、ケイトに「気持ち悪い」と思われてしまったり、激怒したカイルに劣悪な職場環境である「ユーザーコメント部」に左遷させられたり、今まで断り続けたキックベースを同僚のクレイグとエレインと一緒にやって大失態をしてしまいます。
しかし後日、フィルは偶然コーヒーショップでケイトに再会した際、勇気を出して謝罪も込めて彼女に話しかけた結果、笑って許してくれたケイトの連絡先をゲットすることが出来ました。
それに大喜びすると同時に、本格的にケイトに恋をしたフィルは、キックベースで大活躍をしてクレイグたちと仲良くなったのです。フィルに初めて友達が2人出来たのも、好きな人と仲良くなったのも全て、ジェクシーが助言してくれたからでした。
初めての友達に初めての恋と、良いこと尽くしなことが起きたフィルには、いつもスマホを見ていたので見なかった通勤途中の街の風景が美しく感じます。
そんなある日、フィルはケイトとディナーデートに行けることが嬉しくて、緊張しすぎて彼女に余計なことまで口走ってしまいます。正直にその事をケイトに打ち明けたフィルは、ケイトの誘いで高級レストランを抜け出して、夜のサイクリングデートへ行きました。
自転車のタイヤにカラフルなライトをつけて走る集団と出くわし、テンションが上がったケイトは集団と共に急な坂を駆け下りていくが、勇気を出して駆け下りたフィルはブレーキの故障により、派手に事故を起こして大怪我を負ってしまうのです。
でも、フィルは勇気を出して急な坂に挑戦したことにより、彼を「格好良い」と見直したケイトと道端で熱いキスを交わして、めでたく恋人同士になることが出来ました。
映画『ジェクシー! スマホを変えただけなのに』の感想と評価
スマホ依存症だったフィルが、それ故に人付き合いが苦手で余計なことまで口走ってしまう部分は、物語を見ていくうちに愛おしさを感じるようになっていきます。
辛口で無理矢理生活を変えさせてくるジェクシーに、悉く翻弄されていくフィルの姿は、とても面白かったです。
しかし、ジェクシーの愛の鞭があったからこそ、フィルは好きになったケイトと結ばれたのですし、クレイグとエレインという同じ作品が好きな友達が出来たのです。
そう思うとジェクシーは、フィルにとって人生を変えてくれた最高の人工知能なのですが、恋をした彼女の暴走っぷりはフィルにとって疫病神になってしまいました。
初めての恋人に友達を得て、さらには憧れの部署への昇進もできて、人生の中で一番幸せな時期がきて幸せの絶頂期だったフィルが、一気に仕事も恋も失ってしまうのです。
人工知能って便利な分、敵に回すとこんな災難なことが起きるのだと、大いに笑わせられつつも思い知らされる作品でもあります。
それでも、人間に恋をした人工知能「ジェクシー」が、フィルとカイとコントのようなやり取りをしながらコーチングしていく様は面白いですし、フィルが前向きに成長し、変わっていく様子は感動的なものでした。
まとめ
スマホ依存症のフィルが、全ての個人情報を管理する人工知能「ジェクシー」によって、性格も生活も劇的に変わっていく様子を描いた映画、それが本作『ジェクシー! スマホを変えただけなのに』でした。
最初から最後までジェクシーに翻弄されてばかりのフィルが、とんでもない目に遭ったり幸せになったりと、浮き沈みが激しい場面は見ながらとても笑えますし、面白い要素が満載です。
それゆえに結果的にフィルは、夢だった新聞記者になれてクレイグとエレインとも仲良しの友達のままでいて、さらにケイトと今でも幸せな恋人関係になれているので、ジェクシーの恋の暴走は一種のコーチングでもあったのではないでしょうか。
現代社会でもフィルのように、スマホ依存症な人たちが沢山います。そこで“ジェクシーのような人工知能”がスマホに搭載されていたら、こんな感じで人生が劇的に変わることもあるかもしれません。
新しいスマホに搭載された人工知能に、悉く翻弄されるが幸せになっていく主人公の姿を見れば、誰もが笑顔になって楽しい気持ちになる本作は、息苦しさを感じている方にオススメしたい作品です。