マット・デイモン主演の社会風刺の利いたコメディ映画『ダウンサイズ』
「オーシャンズ」シリーズ、『オデッセイ』などで、誰もが知るマッド・デイモンを主演に迎えた映画『ダウンサイズ』。
アクションやSF、ヒューマンドラマなど、数多くの作品に出演してきた彼の最新作は、人類を13㎝にしてしまう⁈という世紀の大発明によって運命を翻弄されてしまうコメディ作品。
そんな、3月2日(金)より全国ロードショーされる、ブラックジョークやユーモア満載の映画『ダウンサイズ』をご紹介します。
CONTENTS
映画『ダウンサイズ』の作品情報
【公開】
2017年(アメリカ映画)
【原題】
Downsizing
【監督・脚本】
アレクサンダー・ペイン
【キャスト】
マット・デイモン、クリストフ・ワルツ、ホン・チャウ、クリステン・ウィグ
【作品概要】
本作品は、アカデミー賞脚色賞を受賞した、映画『ファミリー・ツリー』や『サイドウェイ』などで知られる監督、アレクサンダー・ペインが脚本・監督を務めた、13㎝に縮小した人々とその世界を描いたコメディ。
縮小することで財産が82倍になるという「人類縮小プロジェクト」に惹かれたポールの待ち受けた運命を描いた作品です。
キャストは数多くの有名作品にて主演や助演を務めてきた、誰もがご存知のマット・デイモンのほか、『オデッセイ』にてマットと共演を果たしたクリステン・ウィグ、『イングロリアス・バスターズ』や「007」シリーズの『スペクター』で悪役を演じた、オスカー俳優クリストフ・ワルツなど。
アレクサンダー・ペイン監督のプロフィール
参考映像:『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』(2013)
1961年2月10日生まれ。本作『ダウンサイズ』の主人公ポールの故郷でもあるアメリカ・ネブラスカ州オマハ出身。
彼はアカデミー賞脚色賞を過去2回受賞し、ゴールデングローブ賞脚本賞を2回。
他数多くのアワードにて多くの受賞歴を誇り、2012年にはカンヌ国際映画祭の審査員に選ばれるなど、高い評価を受けてきたハリウッドを誇る監督の1人です。
彼がカリフォルニア大学ロサンゼルス校のフィルムスクールに通っていた際に、同じく現在脚本家として活躍するジム・テイラーとの出会いをきっかけに、彼はジムとタッグを組み様々な映画を世に排出してきました。
その代表作として有名なのは、アカデミー賞脚本賞を受賞した2014年の『サイドウェイ』、2011年の『ファミリー・ツリー』、2013年の『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』など があります。
参考映像:映画『サイドウェイ』(2004)
2004年に公開された『サイドウェイ』は、中年男性の2人が独身最後の旅にワイナリーを巡るというロードムービー。
アカデミー賞脚色賞のほか、ゴールデングローブ賞で作品賞を受賞した作品で、日本でも『サイドウェイズ』として、小日向文世と生瀬勝久の共演でリメイクされました。
本家の『サイドウェイ』では、アメリカ人らしいコメディさ満載ながらも、どこか人間らしさが感じられるこちらの作品は、ぜひワインを片手に鑑賞して欲しい一作です。
アレクサンダー監督は、本作に登場する主人公が恋する女性の友人役を演じたカナダ出身のサンドラ・オーと、映画が公開する前年の2003年に結婚するも、3年という短い期間で結婚生活は終止符を打ったようです。
参考映像:映画『ファミリー・ツリー』(2011)
2012年の4月に日本で公開された、ジョージ・クルーにを主演に迎えた小説原作の『ファミリー・ツリー』は、日本人にも馴染み深いハワイのオアフ島を舞台に、家族の絆を描いたヒューマンドラマ。
アカデミー賞5部門にてノミネート、脚本賞を受賞した他、多数のアワードにて数多くのノミネートや受賞を誇ったヒット作品。
彼の有名作品は他にも多数ありますが、有名なのはオスカー俳優のジャック・ニコルソンを主演に、妻に先立たれた定年をすぎた男の孤独をユーモアに描いた、『アバウト・シュミット』などがあります。
こちらも数多くの賞を受賞し、アレクサンダー監督のヒット作となった作品のひとつです。
これらの作品と通してわかるアレクサンダー監督の作風は、ブラックジョークやアメリカらしいコメディさを盛り込みながらも、それぞれのキャラクターを通して、人生の儚さや愛の素晴らしさを上手に描く特徴をを持っています。
今回のご紹介する『ダウンサイズ』も、コメディシーンもさることながら、人生における大切なものとは何か。
そんな事も考えさせられるなんて事もあるかもしれませんね。
マット・デイモンのプロフィール
参考映像:『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)
1970年10月8日生まれ。アメリカ マサチューセッツ州ケンブリッジ出身。
父親は株式仲介人、母親と兄は彫刻家と、いわゆるエリート一家の次男として誕生したマット・デイモンは、彼自身もハーバード大学に進学するなど、自身も高学歴のエリートという経歴を持ちます。
『ボーン・アイデンティティ』や「オーシャンズ」シリーズなどでの活躍で、彼のことを俳優として認識されている方も多いかと思います。
実は彼が主演を務め、彼の名をハリウッドに広めることになった作品、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』は、主演のほかに、幼馴染のベン・アフレックと共同して脚本も務めており、俳優だけでなく、脚本家、映画プロデューサーなども兼任する、生粋の映画人。
彼は今までに数多くの映画に出演しており、スクリーンデビューから現在に至るまで、その数はゆうに50作品を軽く超えます。
でも、やはり有名なのは上記にあげた2つの作品シリーズのほか、最近の有名作では、火星に一人取り残された宇宙飛行士役を演じた『オデッセイ』や、廃れた動物園の再建をかけた実話『幸せへのきせき』や、近未来の地球の存続を描いたSF作品『インター・ステラー』などがあります。
クリストフ・ワルツのプロフィール
参考映像:『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)
1956年10月4日生まれ。オーストリア出身のオスカー俳優のクリストフ・ワルツ。
クエンティン・タランティーノ監督作品の2009年に公開された、『イングロリアス・バスターズ』にて、ユーモア溢れるナチス将校役を演じ、アカデミー賞助演男優賞をはじめとする、数多くの賞を総なめにし、オスカー俳優の仲間入りを果たします。
その後、2012年の同監督作品『ジャンゴ 繋がれざる者』にて賞金稼ぎの歯科医役を演じ、その際にもアカデミー賞助演男優賞を受賞するなどし、その地位を確立させました。
2014年にはベルリン国際映画祭の審査員を務めるなどし、2015年には、ダニエル・クレイグが主演を務める『007 スペクター』にて、冷酷非情な悪役を演じ、日本での知名度も更に高まったことでしょう。
殺し屋や、悪役などを演じる作品が多い彼が本作で演じた役は、パーティ好きな男の役。彼がどんな面白いキャラクターを演じてくれるのか楽しみですね。
4.ホン・チャウのプロフィール
参考映像:『オデッセイ』(2015)
1979年10月8日生まれ。偶然にも、主演マット・デイモンと同じ誕生日。
ベトナム人の両親をもつタイ出身の女優。タイの難民キャンプの中で生まれたという、壮絶なバックグラウンドを持つ彼女。
本作『ダウンサイズ』の出演で、ゴールデングローブ賞助演女優賞などの賞に既にノミネートされており、アカデミー賞にもノミネートされるのではと、期待がかかっている、大注目の女優さんです。
本作では重要な鍵を握るキーパーソンとして登場するようですが、無名だった彼女のアカデミー賞のノミネート候補とされるほどの演技力も、本作品の見どころの一つです。
映画『ダウンサイズ』のあらすじ
アメリカ・ネブラスカ州オマハに住むポールとその妻アンドレアは、経済的苦労を抱える貧困夫婦です。
そんななか人類増加による食糧危機や、環境問題などの問題を解決すべく、開発・考案された「人類縮小プロジェクト」が始まります。
人間のサイズを縮小することで人生の総資産が82倍になり、贅沢な暮らしができるという謳い文句のものでした。
それを知ったポールと妻アンドレアは、一度縮小してしまったら元には戻れないというリスクはあるものの、意を決して自分たちを縮小することを決意します。
しかし、なんと土壇場になって妻アンドレアは、自分はできないと逃げ出してしまい、彼一人だけが縮小されてしまいます。
その後、アンドレアとも離婚し、人生に躓きかける13㎝になったポールに待ち受ける運命とは…。
まとめ
主演を務めたマット・デイモンは、本作『ダウンサイズ』でのインタビューにて、アレクサンダー監督と仕事を共にすることを長年望んでいたと語り、監督から本作への出演依頼がきた時は、ふたつ返事にて快諾したと話しています。
身長が13㎝に縮小された主人公にとって、何が最大の課題になったと思うかという質問には、次のように述べています。
「人々が自らを小さくすることで、直面している問題から逃れようと努力するけれども、結局は自分達が縮小されたところで、問題が小さくなるわけではない。人類がただただ縮小されたというだけで、逃げ道なんてどこにも無い。問題も、自分自身からも逃げられないってことだね。」
さすが自身も監督や脚本を執筆する映画人であるマットらしく、単なるコメディ作品とは思わせないような、奥深いコメントを残していますね。
“人類を13㎝に縮小してしまう”という可笑しな設定がエピソードにした本作ですが、数多くのヒット作品を生んできた名監督アレクサンダー・ペイン。
そしてマット・デイモンをはじめとした実力派俳優たちによる、彼らの貴重なコメディ作品への出演ということもあり、どんな仕上がりとなっているのか、映画ファンとしては気になりますね。
映画『ダウンサイズ』は、3月2日よりTOHOシネマズほか全国ロードショーです。