連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第61回
深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞することも可能です。
そんな気になるB級映画のお宝掘り出し物を、Cinemarcheのシネマダイバーがご紹介する「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第61回はあのニコラス・ケイジ主演作の『ウィリーズ・ワンダーランド』。
世界中の映画ファンから”怪優No.1″と認めれらたニコラス・ケイジ。あらゆるジャンルの映画で熱演を披露する姿は圧巻、誰が何と言おうがB級映画界のカリスマスターです。
頼まれれば(ギャラを積まれれば?)どんな映画にも出演するとも言われる彼が、本作には製作にも参加。何が彼のツボに入ったの?と興味深々の作品を紹介しましょう。
今回、俺たちのニコラス・ケイジは何をやらかしてくれるのか?”カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2021″で上映された作品を紹介します。
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CONTENTS
映画『ウィリーズ・ワンダーランド』の作品情報
【日本公開】
2021年(アメリカ映画)
【原題】
Willy’s Wonderland
【監督】
ケビン・ルイス
【キャスト】
ニコラス・ケイジ、エミリー・トスタ、ベス・グラント、デビッド・シェフテル、クリス・ワーナー、リック・ライツ
【作品概要】
廃墟と化したテーマパークでの清掃を引き受けた男。しかしそこは、悪夢のアニマトロニクスが潜む世界だった…。ニコラス・ケイジが遊園地の人形たちと死闘を繰り広げる、悪ノリホラー・アクションコメディです。
主演は園子温監督ハリウッドデビュー作、『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』(2021)に主演のニコラス・ケイジ。監督はショーン・ヤングとジョン・サヴェージが出演した映画『The Drop』(2006)のケビン・ルイス。
ドラマ『マヤンズ M.C. 〜サンズ・オブ・アナーキー外伝〜』(2018~)のエミリー・トスタに、『ドニー・ダーコ』(2001)や『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)などの作品で、強烈な印象を残す個性派女優ベス・グラントが共演した作品です。
映画『ウィリーズ・ワンダーランド』のあらすじとネタバレ
人間大のアニマトロクスたちが、子供たちを楽しませる映像が映し出されます。楽し気な音楽が流れる廃墟を、男女が逃げていました。男は捕まり、隠れていた子供に気付いた女も悲鳴を上げます。血しぶきがモニター画面に飛び散ります…。
人気のない道を、男(ニコラス・ケイジ)は猛スピードで車を走らせていました。車は道路上に仕掛けられたスパイクストリップ(トゲでタイヤをパンクさせる罠)を踏み停止します。
現れた修理工場の男ジェド(クリス・ワーナー)の話では、保安官の車からスパイクストリップを盗んだ子供のイタズラとのこと。男は話しかけられても返事をしません。
車を回収したトラックは、”ウィリーズ・ワンダーランド”のあるヘイズビルの町に近づいていました。
同じ頃リブ(エミリー・トスタ)は、”ウィリーズ・ワンダーランド”に火を放とうとしてルンド保安官(ベス・グラント)に逮捕されます。連行されるリブは、ジェドの車に乗る男と目を合わせます。
無口な男はジェドの修理工場に着きました。壁には無数の行方不明者の手配書が貼ってあります。カードもATMも使えない環境で、修理代の現金払いをジェドから要求された男。
現金を持ち合わせぬ男に、彼は働き口を手配すると言います。電話した相手に1人捕まえたと告げるジェド。
ジェドは男を”ウィリーズ・ワンダーランド”に連れて行きます。現れた男テックス(リック・ライツ)は、閉鎖されたこのテーマパークを再開しようとしていました。
無口な男に一晩”ウィリーズ・ワンダーランド”を清掃してくれれば、車の修理代を出そうと申し出るテックス。男は承知し、テックスと握手します。
廃墟に入ったテックスは案内ビデオを再生しました。テーマパークのメインキャラ、イタチのウィリーがアニマトロクスで動く動物キャラクターを紹介するビデオでした。
ワニのアーティ、妖精のサラ、カメレオンのキャミー、ゴリラのガス、おやすみナイト(騎士)、ダチョウのオジー、カメのテイト…賑わった昔を懐かしむテックス。
何も語らぬ男にテックスは話し続けます。ある日子供がアニマトロクスの人形と遊んで怪我をした、それを母親たちの団体が訴え、”ウィリーズ・ワンダーランド”は閉鎖されました。
男の背後で人形が動いたのでしょうか。テックスは男を清掃用具置き場に案内すると、従業員の証のテーマパークのTシャツを手渡しました。
男にキッチンにある物は自由に食べろ、無理せず休憩を取って働け、朝になったら迎えに来ると言い残し出て行くテックス。
外に出たテックスは門を施錠し、ジェドに男の悲鳴は耳障りだと告げ立ち去りました。
ルンド保安官の自宅に手錠で拘束されたリブを、若者たちが助けに現れます。彼女を救った若者たちは、遊びではなく使命感を持ち”ウィリーズ・ワンダーランド”を焼き払おうとしていました。
男はダサいテーマパークのTシャツに着替えると、清掃員として働き始めます。背後で何かが動く気配を感じますが仕事を続け、腕時計のアラームで休憩に入り、冷やしたエナジードリンクを飲み干し時間が来ると、几帳面に働きだす男。
働いていると明らかに何か動く気配がします。迫ってきたダチョウのオジーをモップの柄で叩く男。すると、お前の顔を喰ってやると叫んで、ダチョウのアニマトロクスが襲ってきました。
モップで抵抗する男の頬をダチョウは傷付けました。流れた血を見た男はニヤリと笑ってモップの柄を折り、かけ声を出してダチョウを殴ります(映画が始まって以来、ここで初めて発声したニコラス・ケイジ)。
絶叫しつつダチョウをしばき倒しアニマトロクスを破壊した男、汚れたTシャツは新しいものに着替えます。やはりこの男、几帳面です。
その夜ルンド保安官は、副保安官のエヴァン(デビッド・シェフテル)と勤務に就いていました。一方破壊したダチョウをゴミ箱に棄てようとして、建物の扉が開かないと気付いた男。
男は動じることなく、休憩を告げるアラームを聞くとキッチンに移動し、エナジードリンクを1缶開けました。男は次にトイレの清掃に向かいます。
落書きだらけのひどく汚れたトイレですが、男は几帳面に落書きを消し、黄ばんだ便器を磨きます。この男、清掃もただ者ではありません。
外から明るいテーマパークの音楽が聞こえてきます。ステージの上ではアニマトロクスたちが、誕生日を迎えた子供を祝う歌を歌っていました。
男が電気のスイッチを切ると、人形たちは動きを止めました。物音がしたトイレに入ると、新しく鏡に書かれた「お前の誕生日」の文字を見つける男。
かくれんぼをしよう、との声が響き渡ります。トイレの個室ドアが独りでに閉まり、男を嘲るアニマトロクスの声がします。個室を調べる男の前にゴリラのガスが現れます。
ゴリラと素手で渡り合った男は、ラバーカップ…トイレの詰まりを直す”すっぽん”です…を手に反撃に転じます。倒され俺たちは友達だろ、と言ったアニマトロクスを蹴り倒し破壊する男。
汚れたTシャツはまた新しいものに着替える、とても几帳面なこの男。ゴリラの残骸を片付け、他のアニマトロクスはステージ上だと確認します。
腕時計のアラームが鳴ると休憩に入り、エナジードリンクを飲み爪を磨く男。ピンボールマシンをプレイしますが、アラームの音で休憩を終えました。
“ウィリーズ・ワンダーランド”の前に車が停まり、リブを含む6人の若い男女が降りました。建物の周囲にガソリンを撒き火を点けようとしますが、中の男を助けてからだと言うリブ。
リヴは塞がれたガラス窓を叩き、清掃中の男に逃げろと声をかけます。反応した男はリブの顔を覗き込みますが、黙ったまま仕事に戻ります。
彼女の仲間は失礼な奴だ、自己責任だと火を放とうとします。何とか助け出そうと主張するリヴに、中に入るには危険だと警告する仲間たち。
それでも男を見殺しにはできません。リブは自分が中に入るので、皆は救出方法を考えてくれと言いました。
黙々と掃除する男を助けようと、こんな時のお約束でダクトから建物に忍び込むリブ。廃墟とは思えぬほど綺麗で広い空間のダクト内ですが、広さが災いしたのかワニのアーティが襲ってきます。
必死に逃れテーマパーク内部に脱出したリブ。そこは森の中を模した空間でした。彼女は何かがいると気付きました。
彼女の前に現れたのは妖精のサラでした。動物型のアニマトロクスと違い、人間に近いサラは機敏に動いてリヴを翻弄し、彼女は悲鳴をあげます。
清掃中の男はその声に気付きます。悲鳴を聞いた彼女の仲間たちはあれこれ言いますが、リブの恋人クリスに従い助けようと屋上に登ります。
森の部屋に入った男の前にリブが現れました。彼女は人形に襲われる前に逃げるよう言いますが、何も語らず部屋を出て清掃に戻る男。
屋上に上がったクリスは恋人を救う計画を立てますが、アーロンもダンも反対だと言い出すボビー。彼の恋人キャシーが彼をたしなめますが、俺たちはリブとクリスに振り回され迷惑だと言うボビー。
帰ろうとするボビーにクリスは飛び掛かりますが、拍子に屋上が崩れ5人とも転落、テーマパークのボールプールに落ちました。
結局全員が”ウィリーズ・ワンダーランド”の中。無事なリブを見て喜んだクリスは、外で救出方法を探すはずが、これではどう逃げるつもりと彼女に責められ、立場がありません。
音楽と共にステージ上のアニマトロクスが動き出しました。リブはナイフで刺そうとしますが、清掃の男に捕まり阻止されます。あなたを助けたいのになぜ無視する、と叫ぶリヴですが、アーロンは人形が2体少ないと気付きました。
人を襲う人形が倒されたと気付き、この男はただ者ではないと気付くリヴ。一方テーマパークの雰囲気に酔いしれたキャシーと共に、2人きりになろうとハッピールームに向かう冷静だったはずのボビー。
リブは男に車がパンクして、ここを掃除すれば修理代を出すと言われたはずと告げます。彼らは20年間同じ手口で人をこの場所に送り込んでいる、あなたは生贄で殺され食べられると言葉を続けたリブ。
しかし男は何もしゃべらず、無視して清掃の準備を続けます。リブはこの町には暗い歴史があり、ここは呪われた場所だと説明しました。
“ウィリーズ・ワンダーランド”をオープンした、ジェリー・ウィリスは連続殺人鬼でした。仲間となる異常犯罪者を育てた彼は、彼らと共にここで凶行を繰り返します。
子供の誕生日を祝う家族をハッピールームに誘い込み、そこで殺害するのが彼らの手口でした。大勢の行方不明者が出て周囲に異臭が漂い、ついに捜査の手が伸びました。
警察が突入した時、ジェリーと仲間たちは悪魔の儀式を行い自殺していました。彼らは儀式で魂を無生物、アニマトロクスの人形に移せると信じて死んだのです。
10年後、新オーナーのテックスがテーマパークを再開します。彼は過去を隠そうとしますが、アニマトロクスたちは異常な動きを見せ、凄惨な事件が次々起こり再度閉鎖されました。
しかしテックスはここを取り壊しません。悪魔と契約した彼は仲間の住人と手を組み、殺人鬼の魂を宿した人形たちに生贄をささげ続けたのです。
ここでようやくボビーとキャシーがいないと気付いた若者たち。その頃殺人者たちの自殺現場と知ってハッピールームに入り、その雰囲気に興奮するキャシー。
気分が高まり、死亡フラグなのに関係を持とうとするボビーとキャシー。話を聞いても黙ったまま、掃除の手を休めぬ男に呆れるリブたち。
音楽が流れ始めステージの前に立ったリブたちに、イタチのウィリーは6人の若者を犠牲にする、と揶揄する歌を歌い始めます。
アーロンは背後から迫ったおやすみナイトに刺し殺されます。クリスとダンを逃がしたリブの身にも危険が迫ります。
また休憩タイムに入り、エナジードリンクを飲むとピンボールゲームをプレイする清掃の男。彼はこの後どう行動するのでしょうか。
そして彼は、現在までまともな言葉を何1つ発していません。どうする、ニコラス・ケイジ!
映画『ウィリーズ・ワンダーランド』の感想と評価
強い!絶対強い。正義の味方、我らがニコラス・ケイジ!…という、掟破りにカッコいい映画でした。ケイジファンは大満足、それ以外の方は開いた口がふさがりません。
凄腕の流れ者風のドライバーがカルト集団の類と闘う姿は、ケイジ主演のマーベル映画『ゴーストライダー』(2007)、そのマーベルヒーローより無敵な主人公を演じた『ドライブ・アングリー3D』(2011)を思い起こさせます。本作、ケイジファンは見逃せません。
俳優でもあるG・O・パーソンズが、脚本を書いたことから本作のプロジェクトは始まります。当初自身のキャリアを築くための短編映画の脚本として書きましたが、彼は長編映画化して欲しいと望みます。
そこで彼は未製作のホラー・ミステリーなどの、ジャンル映画の脚本を紹介するサイト「BloodList」に送ります。ここで本作は、映画化希望脚本の上位に紹介されていました。
この脚本に目を付けたのがニコラス・ケイジ。彼が本作を大いに評価し、製作に一役買ったことで本作の撮影がスタートします。ケイジは本作に『ドライブ・アングリー3D』と同じ匂いを感じたのかもしれません。
製作陣の悪ノリを付け加えて映画が誕生
誰が見ても80年代スラッシャー映画のオマージュ、パロディに思える本作。脚本を読んだ監督のケビン・ルイスもその要素を実感し、人々に「ニコラス・ケイジvs”チャッキーチーズ”」として売り込む作品だと考えます。
“チャッキーチーズ”はアメリカの有名なレストラン&ピザチェーン。ゲームセンターを併設し、着ぐるみキャラなどがターゲットであるファミリー客を迎えることで有名な、テーマパークレストランです。
いま一つ判らない方は、映画『トイ・ストーリー』(1995)に登場する宇宙ステーション風ピザ・レストラン、”ピザ・プラネット”のような店舗をイメージして下さい。
子供には夢のような、同時に悪夢のようなイメージを与える空間だとお判り頂けましたか? 重要なのは登場する8体のアニマトロクス。脚本に描かれたキャラクターの一部は、ニコラス・ケイジが大好きな爬虫類に変更したと監督は語っています。
ちなみに殺人アニマトロクス”ワニのアーティ”は、ロシアの人形アニメ『チェブラーシカ(日本劇場公開版)』(2010)に登場する、”ワニのゲーナ”にインスパイアされたものです。
このように積極的に、映画の悪ノリに参加したニコラス・ケイジ。4週間の準備期間の後、20日間で撮影された厳しいスケジュールですが、撮影には熱心に参加していました。
ただ掃除しているだけの姿が、面白い俳優なんて他にいるでしょうか、と話す監督。ケイジが黙々とトイレを掃除するシーンを編集するのは楽しく、さまざまなショットの撮影に夢中になったが、ケイジはそれに応えてくれたと語っています。
80年代のグラインドハウス映画へのオマージュである本作は、その雰囲気を再現したくてVFXは美しくしなかったと語る監督。
“ダチョウのオジー”は人形ですが、他のアニマトロクスはスーツアクターが演じ、迫力とチープさがクロスする、ケイジとの愉快なバトルシーンが生まれました。
音楽が描いたスラッシャー映画の世界
本作ではニコラス・ケイジは一言もしゃべりません。このアイデアを聞いたケイジは賛同し、監督もお気に入りの設定でした。
しかしケイジが何も語らない以上、何かが彼の感情を代弁し、何かが彼の行動に正当性を与えねばなりません。監督はその役割は音楽のEmoi(エモイ)と、編集のライアン・リーバートが果たしてくれたと話しています。
プロデューサーの1人、グラント・クレイマーを通じ本作に参加したEmoi。グラント・クレイマーはかつて、まさに本作のような悪ノリホラー、カルト映画化した『キラー・クラウン』(1987)に出演した人物でした。
『キラー・クラウン』が大好きだったEmoiは、彼にそんな雰囲気の映画の企画があれば、ぜひ参加したいと頼みます。この言葉がきっかけで彼は、本作の音楽に参加できたのです。
まず最初に劇中で使われたバースディソングを作り、製作者に提出したEmoi。監督はすぐに気に入り、正式に契約する前にセットでの撮影に使用した、と当時を振り返っています。
バースディソングの中で、”イタチのウィリー”として歌ったEmoiは、そのまま劇中の”イタチのウィリー”の声優を務めることにもなりました。
劇中でケイジがしゃべらない以上、彼の心を代弁するのは音楽だと監督と話したEmoi。その時、音楽の基本コンセプトも監督から伝えられます。この映画はパンクロックだが、同時に流れ者が女性を救う西部劇でもある、と。
同時に80年代を感じさせるさまざまな音楽、例えばピンボールマシンの音楽などを提供します。近年80年代のホラー映画をリメイク・スピンオフした作品が数多く作られているが、当時の雰囲気を背景まで再現している作品は少ないと語るEmoi。
現代が舞台の映画であり、表面的には80年代の物が無い『ウィリーズ・ワンダーランド』。その中で80年代ホラー映画を感じさせる働きをしたのが音楽だ、とEmoiは説明しています。
確かに劇中に流れる音楽と、美術スタッフの描いたテーマパークを飾る絵や、ピンボールマシンのビジュアルが、現代と80年代ホラーの世界をつないでいると実感できるでしょう。
まとめ
ニコラス・ケイジのファン必見。彼のドヤ顔、ダサイTシャツ姿に萌える方なら、なお必見の『ウィリーズ・ワンダーランド』。ケイジ伝説を彩る映画の1本だと、確信を持ってお薦めします。
B級映画ファンが愛して止まない、俺たちのニコラス・ケイジ。しかし心無い一部の者は、ギャラにつられて仕事を選ばない俳優だと批判しています。
その意見をケビン・ルイス監督も音楽のEmoiも、私が知る彼の出演映画関係者も皆が否定しています。特に年若いスタッフほど、彼の製作現場での態度に感銘を受けていました。
現場では精力的でさまざまなアイデアを出し、他人の意見に応じた演技を提供し、自分の意見に固執しない俳優として誰もが信頼を寄せています。
リップサーブスだと考慮しても、同じ現場のスタッフからここまで支持される俳優は珍しい、と紹介させて頂きます。
最も現場でのアドリブ的演技が、最初から形を決めて撮影に入る映画監督とは相性が良くないのかもしれません。
しかし本作の監督は、彼は素晴らしい俳優であり、同時に製作現場のクルーの一員であり、そして人間的に素晴らしい人物だと強調しています。
ですから、本作のピンボール・ゲームプレイ中の変なダンスは、どうか許してあげて下さい。あれこそニコラス・ケイジ流、面白かった!と思える人。あなたこそ本物のファンです。私はあのシーンで大笑いしました。
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