連載コラム「未体験ゾーンの映画たち2020見破録」第33回
「未体験ゾーンの映画たち2020見破録」の第33回で紹介するのは、ぶっ飛んだタイトルのゾンビ映画『処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ』。
リゾート中の若者たちが呪われた財宝を見つけた結果、ノルウェーの雪山に眠るナチの兵士がゾンビ化して甦る! こうして始まった惨劇を、派手なスプラッター描写でコミカルに見せるゾンビ映画『処刑山 デッド卍スノウ』の、待望の続編が誕生しました。
またも現れたナチゾンビに対抗するのは、アメリカから来た精鋭(?)対ゾンビ専門チームに、ソビエト兵のゾンビたち。ホラーコメディを愛する人なら見逃せない1本です。
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CONTENTS
映画『処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ』の作品情報
【日本公開】
2020年(ノルウェー・アイスランド合作映画)
【原題】
Dead Snow: Red vs. Dead / Død snø 2
【監督・脚本・製作総指揮】
トミー・ウィルコラ
【キャスト】
ヴェガール・ホール、マーティン・スター、オルヤン・ガムスト、ジョスリン・デボアー、イングリッド・ハース、スティッグ・フローデ・ヘンリクセン、ハルバルド・ホルメン
【作品概要】
前作『処刑山 デッド卍スノウ』で、ただ1人生き残ったマーティン。彼は凶行を止めぬナチゾンビと、因縁の対決を決意します。前作をパワーアップしたコメディ・ゾンビ映画です。
監督・脚本は前作に引き続きトミー・ウィルコラ。彼は前作公開後に、ジェレミー・レナー主演の『ヘンゼル&グレーテル』(2013)でハリウッドデビューを果たし、『処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ』公開後にノオミ・ラパス主演のデストピア映画『セブン・シスターズ』(2017)の監督をしました。名実共に「処刑山」シリーズで成功を掴んだ、ノルウェー人映画監督です。
主演は前作に引き続きヴェガール・ホール。宿敵のナチゾンビ部隊の指揮官も、前作と同じくオルヤン・ガムストが演じます。2人の因縁の対決に、怪し過ぎる新たなメンバーが加わって、前代未聞のゾンビ戦争が勃発する!
映画『処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ』のあらすじとネタバレ
ナチゾンビの襲撃から、1人生き残った医学生のマーティン(ヴェガール・ホール)。彼に『処刑山 デッド卍スノウ』のシーンという、前作の説明を兼ねたフラッシュバックが襲います。
マーティンは恋人ハンナを含む友人たちと訪れた雪山の別荘で、金貨など財宝の詰まった箱を発見します。それはナチの移動虐殺部隊、アインザッツグルッペンが略奪したものでした。
財宝を奪われたナチの兵士はゾンビとして蘇り、虐殺部隊の隊長のヘルツォーク(オルヤン・ガムスト)に率いられ、マーティンたちを襲撃し、情け無用で惨殺します。
マーティンはチェーンソーで反撃しますが、ゾンビに噛まれた右腕を切り落とすハメになります。
そしてゾンビの襲撃に友も恋人のハンナも殺されました。生き残ったマーティンは、呪われた財宝を返せばゾンビの襲撃は止むと気付き、ヘルツォークに箱を返します。
こうして車に乗り、1人惨劇の場を立ち去ったマーティン。しかし車の窓の外にヘルツォークがいます。気付くとマーティンのポケットに、1枚の呪われた金貨が入っていました……。
という前作の展開を踏まえ、続編は始まります。ナチゾンビに襲われたマーティンは、何とか車を走らせますが、窓にはヘルツォークがしがみついていました。
正面からきたトラックに跳ね飛ばされ、姿を消すヘルツォーク。ゾンビから解放されたマーティンは、呪われたコインを窓から投げ捨てました。これで彼は呪いから解放されるはずです。
トラックの運転手は、慌てて横たわるヘルツォークに駆け寄ります。止せばいいのに人工呼吸を行い、あっさりゾンビの餌食になりました。ヘルツォークはマーティンの投げ捨てた金貨を拾いますが、右手は失われていました。
金貨を回収し、部下のゾンビを集めたヘルツォーク。右手を失いナチ式敬礼は出来ずにイラ立ちますが、トラックに書かれた‟タルビック”の地名を見て、何かを思い出しました。
一方のマーティンは、車を走らせたものの、疲労と失血に意識はもうろうとなり、ついに運転を誤って事故を起こしてしまいます。
目覚めたマーティンは病室のベットにいました。そこにいた警官にナチのゾンビに襲われたと訴えますが、笑って相手にされません。警察は彼がハンナや友人たちを惨殺したと判断したのです。
マーティンは自分がベットと、手錠でつながれていると気付きます。それ以上の驚きは、切断した右手が移植されていたことでした。医師たちは車にあった、ゾンビのヘルツォークの腕を、彼のものと信じ接合したのです。自分の置かれた状況に愕然となるマーティン。
マーティンの右手は、恐るべき怪力を持ち、しかも彼の意志に逆らって動きます。手錠を引きちぎり、医師や警官を襲い暴れる右手。彼は抑え込まれ、鎮静剤で眠らされます。
一方ヘルツォークは、海辺に住む老夫婦を惨殺。ナチの軍医ゾンビが、マーティンの切断した右腕を差し出すと、ヘルツォークの腕とつながり再生します。
指揮下のゾンビ兵を増やそうと、ヘルツォークは教会のドイツ軍墓地に現れました。地面を殴り特殊な力で、彼を蘇らせようと試みますが、年月を経て傷んだ死者は復活しません。
そこでヘルツォークは教会の牧師を殺害し、術をかけて蘇らせます。ゾンビと化した牧師は、彼の命令に従います。殺害した市民をゾンビ化するれば、部下を増やせると気付いたヘルツォーク。
互いの腕を交換した影響か、マーティンはヘルツォークの凶行に、まるで気付いたかのように目覚めます。今度はベットに厳重に、ベルトで縛り付けられていました。
身動きの取れないマーティンですが、病室には彼に興味を持った少年・ボビーが忍び込んでいました。ホラー好きな少年は、彼の移植された右腕をゾンビみたいと言って喜んで撮影し、スマホでアメリカの対ゾンビ専門チーム、‟ゾンビ・スクワッド”に画像を送ります。
少年が‟ゾンビ・スクワッド”に電話すると、活動中で応答はありません。チョコをあげると言い、ボビーにベルトを解かせたマーティン。しかし部屋から逃れる手段はありません。騙されたと気付いた少年が騒ぐと、マーティンの右腕が意に反して動きます。
右腕に投げ飛ばされたボビーは窓と鉄格子を突き破り、外に転がります。部屋から逃げたマーティンは、意識のない少年に心臓マッサージを施します。しかし右腕の仕業か、ボビーの体は見事に破壊され、血しぶきを浴びるマーティン。
ボビーのスマホをつかみ逃げ出すマーティンを、ようやく気付いた警官が追ってきます。今度は右手がベンツのエンブレムを引きちぎり、手裏剣の如く投げつけます。エンブレムは警官の額に見事命中、彼を絶命させました。
凶行を繰り返す邪悪な右腕を、怒鳴りつけたマーティンですが、悪事に慣れた右手のおかげか、車を盗み逃げ出すことに成功します。車の中で彼は、少年のスマホに着信があると気付きます。
それは折り返し連絡してきた、‟ゾンビ・スクワッド”からの電話でした。相手は警察と異なり、マーティンの訴えを最後まで聞き、ノルウェーに出動すると約束します。ついに理解者と助けを得たの感じるマーティン。
しかし電話の相手は、屋根裏部屋のパソコンの前にいるオタク男、ダニエル(マーティン・スター)でした。彼はボビー少年から送られたマーティンの右腕の写真を見て、ついに夢見た本物のゾンビ現象に遭遇した、と大喜びしていました。
相棒のオタク娘2人組、モニカ(ジョスリン・デボアー)とブレイク(イングリッド・ハース)に、ゾンビの発生を信じて来た、おかげで今までイジメ倒されてきた、自分たちの正しさがついに証明できると、熱く語って出動を宣言します。
一方、タルビックの町の警察署に、さっそうと出勤する署長のグンガ(ハルバルド・ホルメン)。カッコばかりで中身の無い男ですが、部下から国中を騒がす凶悪犯、マーティンが逃亡したとの報告を受けました。
行動力だけはあるオタクチーム、‟ゾンビ・スクワッド”の3人組は、早くもノルウェーの空港に到着します。丸腰の彼らは、まずはホームセンターに向かい、武器になりそうな工具に園芸品、爆薬が作れそうなヤバいものを大量に買い込み、マーティンの元へ向かいます。
マーティンはナチゾンビの正体をつかむべく、ノルウェーの第2次大戦軍事博物館に到着していました。駐車場に停まるバスから観光客が降りる中、彼は血みどろの患者衣を、車にあったジャージに着替え博物館へと向かいます。
意志に反して動きたがる右腕を抑え、入口に向かったマーティン。そこにあった新聞で、自分が逃亡中の連続殺人犯として、指名手配されていると知ります。記事には犠牲者として、恋人ハンナの写真も載っていました。
何故かタイガー戦車まで展示している、大戦中のドイツ軍の様々な装備を集めた博物館を、ヘルツォーク率いるナチゾンビ軍団が見下ろしていました。
マーティンはカウンターで、先程の新聞を読んでいる館員のグレン(スティッグ・フローデ・ヘンリクセン)に近寄りますが、声をかける前に邪悪な右手が新聞を奪い取ります。
指名手配犯が目の前にいると気付き、グレンは騒ぎます。その彼を脅して、大戦中のドイツ占領軍の移動虐殺部隊、アインザッツグルッペンに関する展示に案内させるマーティン。
そこにはヒトラー総統と握手する、アインザッツグルッペンの指揮官、ナチ親衛隊大佐・ヘルツォークの写真が展示されています。
大戦中、ノルウェーに停泊していたドイツ海軍戦艦を守るため、ヘルツォークはヒトラーからレジスタンスが活動する町、タルビックを破壊し住民を虐殺せよとの命令を受けていました。
タルビックを目指し、破壊と略奪しつつ行軍していた虐殺部隊は、山中でレジスタンスに攻撃され全滅します。その場所こそマーティンたちが、ナチゾンビに襲われた場所でした。
ナチゾンビの果たせなかった任務は、タルビックの破壊だと知ったマーティン。しかも博物館の場所は、ナチゾンビが現れた雪山と、タルビックの間だと気付きます。
外が騒がしくなり、マーティンとグレンが窓からのぞくと、建物の外で観光客がナチゾンビ部隊に襲われていました。人々は情け容赦なく惨殺され、引き出した内臓をホース代わりに、タイガー戦車にガソリンを給油する戦車兵ゾンビ。それを見て思わず吐いてしまうグレン。
ヘルツォークは惨殺した人々を自らの力で蘇らせ、配下に加えていきます。そしてナチゾンビたちは館内に入ってきました。
展示されていたドイツ軍の装備を奪うナチゾンビ。マーティンとグレンは、展示されたマネキン人形のふりをして誤魔化します。ヘルツォークが地図を奪うと、ゾンビたちは去っていきました。
マーティンとグレンが外に出ると、辺りは観光客の死骸が散乱し、噛まれてゾンビ化した者が2人に向かってきます。この状況で頼りになるのが邪悪な右腕、素手でゾンビを相手にして、文字通り破壊してゆくマーティン。
ようやく事態が呑み込めてきたグレンと共に、これからどうすべきか悩むマーティン。彼は思わず目を見開いて死んでいる、青年の目を手で閉じてやります。
すると青年はゾンビとして蘇り、それに驚いて殴り殺すマーティン。彼は自分にヘルツォーク同様、死者を蘇らせる力があると考えて、もう一度青年の顔に右手を添えます。彼はまたしても蘇りました。
蘇った彼の顔面に、今度は手斧が飛んできて命中、またも死んでしまいます。それはマーティンのスマホの位置情報を追跡して現れた、‟ゾンビ・スクワッド”の3人組のリーダー、ダニエルが投げたものでした。喜んで初ゾンビ退治の、記念写真を撮るダニエル。
どう見てもオタクにしか見えないダニエルに、思ってたのと違うと苦情をぶつけるマーティン。とはいえ他に協力してくれる者はいません。ヘルツォークはタイガー戦車に乗り、ナチゾンビと配下に加えた観光客のゾンビを従え、タルビックを目指し進んでいるのです。
ダニエルの前でもう一度青年を、‟相棒ゾンビ”として蘇らせたマーティン。彼がマーティンに従うと知ったダニエルは、勝ち目が現れたと喜びます。
オタクのダニエルですが、今回の事態はしっかりリサーチしていました。ノルウェーのドイツ占領軍は、ソビエト軍捕虜を強制労働させて道路を建設していたのです。
スタブリン将軍らのソビエト兵捕虜は、道路が完成するとヘルツォークの虐殺部隊に皆殺しにされました。ヘルツォークに恨みを持つ彼らの遺体は、雪深い地で傷むことなく眠っています。ダニエルはその場所を調べていました。
ナチゾンビ部隊の、タルビック到着まで時間がありません。マーティンとダニエル、そして”相棒ゾンビ”の3名(?)は、ソビエト兵捕虜が虐殺され今も眠る地に向かい、ナチゾンビに対抗すべく彼らを蘇させるのです。
そしてダニエルは、残る‟ゾンビ・スクワッド”のオタク娘モニカとブレイク、そして博物館員のグレンに、ナチゾンビ部隊の進行を阻止しろと、何とも無茶な指示を下します。頼りない3人ですが、他に手があるとも思えません。
マーティンとオタク集団“ゾンビ・スクワッド”、そしてとばっちりで加わった、ド素人に‟相棒ゾンビ”君。彼らは凶悪極まりないナチゾンビ軍団を、果たして阻止できるのでしょうか。
映画『処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ』の感想と評価
参考映像:『処刑山 デッド卍スノウ』(2007)
呼び覚まされたナチゾンビが、山小屋に訪れた学生たちを襲う。ド派手な人体破壊の数々は、やがて笑いの域に到達する。話題を呼んだゾンビ映画『処刑山 デッド卍スノウ』。
ナチのゾンビという設定で描く、サム・ライミ監督の『死霊にはらわた』を思わせるこのコメディホラーは、世界中のゾンビ映画ファンを熱狂させました。その後ハリウッドに進出したトミー・ウィルコラが、2014年に製作した待望の続編こそ『処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ』です。
『死霊のはらわたⅡ』のノリで作られたゾンビ大戦争
前作の世界観と流血描写をパワーアップ、コミカルなノリは更にパワーアップした『処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ』は、まさに『死霊のはらわたⅡ』(1987)そのもので、オマージュを交えて作られました。
前作で主人公マーティンが、誤って呼び出したゾンビとチェーンソーで闘う姿は、『死霊にはらわた』の主人公、ブルース・キャンベル演じるアッシュそのものでした。本作で意志に反して動く、自分の片腕と大騒動を繰り広げる姿は、『死霊のはらわたⅡ』のアッシュと同じです。
前作の巻き込まれ型の主人公が、続編では世界を救う救世主に成長するのもアッシュと同様です。また神父のゾンビが登場し、ゾンビを格闘で破壊するのは、同じスプラッターコメディの傑作、ピーター・ジャクソン監督の『ブレインデッド』(1992)への敬意でしょうか。
何と言っても『処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ』の魅力は、全編に漂うブラックユーモア。あらすじ紹介はそれが伝わるよう工夫しましたが、バチ当たりで笑える描写の数々は、実際にご覧頂くしかありません。
ちなみに悲惨この上ないコメディリリーフ、‟相棒ゾンビ”君ですが名前はありません。役名が”Sidekick Zombie”、監督もそう呼んでますから、こう紹介したのでご了解下さい。
トミー・ウィルコラ監督のおもちゃ箱のような作品
インタビューに対し、ナチもゾンビも大好きと答えているトミー・ウィルコラ監督。ナチとゾンビを合わせれば、邪悪さ2倍の存在になるだけでなく、他のゾンビ映画からジャンル的に、切り分ける役割も果たしてくれたと語っています。
本作の製作前にスタッフとブレインストーミングを繰り返し、より世界観を広げていったと話すウィルコラ監督。特に立場を転換する手法がお気に入りで、それがマーティンとヘルツォークの腕の交換というアイデアを生み、お蔭でマーティンはよりゾンビ的存在になりました。
ウィルコラ監督は前作の約3倍の予算を得たおかげで、様々な視覚的ギャグ(はっきり言えばゴアシーン)を実行出来たと語ります。製作スケジュールが厳しく、実行できないアイデアがあるのは心残りだが、ヒトラーのゾンビを出すアイデアは、3作目のために残していると話していました。
自分はユーモアとゴアシーンを交えたゾンビ映画、『死霊のはらわた』(1985)『ブレインデッド』『バタリアン』(1985)、そしてジョージ・A・ロメロ監督作品の大ファンだと答えている監督。
『処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ』を見た全世界のゾンビ映画ファンが、この発言を納得していることは間違いないです。
まとめ
ブラックユーモアとスプラッター描写に満ち溢れた、ファンにとって最高のゾンビ映画が『処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ』です。
苦手な人に無理やり見せたら、ハラスメント行為であること間違いなしですが、ファン同志で盛り上がって見るには最適の映画です。それにオタクがゾンビ相手に無双し、世界を救う映画ですから、これを読んでる方は間違いなく気に入るでしょう。
爆走し砲撃するタイガー戦車など、なんでこんな物があるんだとか、ツッコミ所も満載の映画ですが、それもギャグとして昇華されています。続編映画・B級ホラー映画のお約束も、ユーモアを交えて盛り込んでいます。
しかし『処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ』の力技で暴れるゾンビを見ると、むしろ噛まれた方が幸せに思えるのは、気の迷いでしょうか。ともかく最高に馬鹿げた、ゾンビの大戦争をお楽しみ下さい。
次回の「未体験ゾーンの映画たち2020見破録」は……
次回の第34回は極秘ミッションに挑むレジスタンス集団の潜水艦アクション映画『Uボート:235 潜水艦強奪作戦』を紹介いたします。お楽しみに。