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Entry 2018/12/05
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映画『ときめき♡プリンセス婚活記』あらすじと感想レビュー。シム・ウンギョン主演で描く韓国ラブコメ時代劇│コリアンムービーおすすめ指南6

  • Writer :
  • 西川ちょり

今回取り上げる作品は、2018年12月8日(土)よりシネマート新宿他にて全国順次ロードショーされる『ときめき♡プリンセス婚活記』です。

『サニー 永遠の仲間たち』『怪しい彼女』などの作品で知られ、全世代から支持を集めるシム・ウンギョンと様々な分野でマルチに活躍している旬の俳優イ・スンギがタッグを組み、笑いとスリルに溢れた易学コメディーが展開されます。

【連載コラム】『コリアンムービーおすすめ指南』記事一覧はこちら

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映画『ときめき♡プリンセス婚活記』のあらすじ


(C)2018 CJ E&M CORPORATION, JUPITER FILM, ALL RIGHTS RESERVED

英祖 29年(1753年)、長らく続く大干ばつにより、民衆の暮らしは困窮を極めていました。

王は民を救うために、自身の生活まで切り詰め、あらゆる策を尽くしてきましたが、雨は一向に降らず、問題を解決することが出来ません。

困り果てた王に、側近たちは、陰陽の均衡の崩れを元通りにするため、婚期を迎えた娘・ソンファ姫を結婚させるよう進言します。

王は、婿候補を集め、最も相性の良い男性を婿として迎え入れることを決断します。

いつものお抱え占い師に加え、朝鮮最高の監察官(占い師)ソ・ドユン(イ・スンギ)が抜擢され、一大婚活プロジェクトがスタートしました。

選ばれれば出世できるとあって、多くの男たちが花婿候補に名乗りを上げます。占いによって最終的には四名に絞り込まれました。

宮中の女性は相性占いによって最もふさわしいとされた相手と、顔を観ることもなく、結婚するのが習わしでした。

ソンファは相手の顔だけはみておきたいと、こっそり宮中を抜け出しました。男装姿で候補の一人の男性の屋敷の前でうろうろしていると、たまたま通りかかったソ・ドユンに怪しい者と咎められてしまいます。

なんとか誤魔化し、ソ・ドユンを納得させたものの、どういうわけか、二人は行動を共にすることに・・・。

『ときめき♡プリンセス婚活記』の感想と評価


(C)2018 CJ E&M CORPORATION, JUPITER FILM, ALL RIGHTS RESERVED

映画『ときめき♡プリンセス婚活記』の原題はズバリ「相性」

本作は韓国で累計913万人の観客動員を記録したヒット作『観相師―かんそうし―』に次ぐ、易学3部作のシリーズ2作目として制作されました。

『観相師―かんそうし―』は5世紀中期の朝鮮王朝を揺るがせた実際の事件を元にした歴史ドラマで、人の顔を見ればその人物の性格や寿命すら見抜いてしまう天才観相師をソン・ガンホが演じていました。

参考映像:『観相師―かんそうし―』

一方、こちら『ときめき♡プリンセス婚活記』の原題はズバリ「相性」。

生まれた生年月日によって人間の本姓と運命が決まる「四柱」と、それによって決まる「相性」を素材にしています。

“恋”と“占い”といえば、21世紀の今でも、深い縁のあるものです。恋の悩みの解決を占いに頼ってみたり、気になる人との相性を占ってみたことのある人も多いのでは?

本作が韓国で公開される際、韓国の20~30歳代の男女429人にアンケート調査を行ったところ、約28%の人が「相性占いの経験」があると応えています。

実際に占ってもらったことがない人でも、占いというものはなんだか無視できない類のものではないでしょうか。映画の題材として、これほど万人受けするものはないといっても過言ではありません。

プロの占い師によって、キャラクターの四柱を設定するなど、入念なリサーチが行われ、また、天才占い師ソ・ドユンを演じたイ・スンギは多くの占い師を訪ね、役作りに励んだといいます。彼が、筆を走らせ、相性を占う場面は、真剣さと靭やかさが感じられる見せ場の一つとなっています。

『ときめき♡プリンセス婚活記』は韓国版“ローマの休日”⁈


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『サニー 永遠の仲間たち』(2011/カン・ヒョンチョル監督)、『怪しい彼女』(2014/ファン・ドンヒョク監督)など、明朗で親しみやすいキャラクターを得意とするシム・ウンギョンが演じるのは、幼い頃から運のないことで知られるソンフア姫。

「あの悪運が伝染ったら困るから婿などになるもんか」などとひどい言葉が耳に飛び込んできて、ムッとしたり、お姫様はすごくブサイクらしいと庶民の子どもたちから言われて目を白黒させるなど、コメディエンヌの才を存分に発揮しています。

お姫様が宮廷を抜け出し、民衆の中に紛れ込むという展開は、オードリー・ヘップバーンの『ローマの休日』を連想させます。

世間知らずのお姫様が挑む冒険が心地よく(後に、大変な目にも合うのですが)、顔も知らない男性と結婚しなければならない当時のしきたりに対する抵抗がコミカルなタッチで描かれ、女性の生き方への高らかな讃歌となって現れています。

始めは奇妙な女だといぶかしんでいた監察官ですが、いつしか彼女が気になる存在になっていくという展開も楽しく、そんな二人には次々と事件が起こり、これぞスクリューボール・コメディの王道と叫びたくなるような魅力に溢れた仕上がりとなっています。

実際、撮影が始まる前にプロの占い師が主演の二人、シム・ウンギョンとイ・スンギの相性を占ったのだそうです。結果は「和」の相性という良い結果だったとのこと。占い通り、ぴったり息の合ったところを見せてくれます。

イケメンパラダイスな出演者たち


(C)2018 CJ E&M CORPORATION, JUPITER FILM, ALL RIGHTS RESERVED

イ・スンギは、歌手としても有名で、 デビュー曲でいきなり“国民の弟”と称されるほどの人気となりました。トーク番組のMCも務めるなど、バラエティに飛んだ活躍をしています。

2009年に主演したドラマ「華麗なる遺産」が47.1%の最高視聴率を記録するなど、多くのドラマに出演し、その演技力には定評があります。2015年、映画『今日の恋愛』(パク・ジンピョ監督)に出演。兵役後、軍入隊の前から契約していた本作に出演し、スクリーン復帰を果たしました。

ソンファ姫を見守るきりりとした表情が魅力で、彼の顔がアップされる度、絶大な信頼感がスクリーンを支配します。

彼だけでも、十分そのイケメン度に満足できるところ、本作は、婿候補となるイケメン俳優がわんさか出演し、活躍してくれるのですからたまりません。

野心家のユン・シギョンを演じるヨン・ウジン、魔性の青年カン・フィ役のカン・ミンヒョク、親孝行で品行方正(に見えて実は・・・)なナム・チホはチェ・ウシクが演じ、それぞれの個性を発揮しています。

さらにさらに、ソ・ドユンの盲目の弟役としてミンホが出演しています。SHINeeのメンバーとして知られる彼ですが、2017年にカン・ドンウォン主演の『人狼』(キム・ジウン監督)に出演するなど俳優業も順調で、本作ではソ・ドユンとぴったり息の合った演技を見せています。実際、二人は撮影中に意気投合したそうで、信頼で築かれた兄弟愛を見目麗しく見事に表現しています。


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また、イケメン・・・ではないかもしれませんが、重要な役割を果たす三流占い師イ・ゲシに扮したチョ・ボクレのコミカルな演技にも注目です。

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まとめ


(C)2018 CJ E&M CORPORATION, JUPITER FILM, ALL RIGHTS RESERVED

俳優陣だけでなく、本作はスタッフも豪華です。新人監督、ホン・チョンピョを支えるべく、豪華スタッフが集結しました。

『王になった男』(2012/チュ・チャンミン監督)などで知られるオ・フンソク美術監督はホン・チョンピョ監督の「美しく」という指示に応え、韓国の伝統的な原色をしっかり取り入れた色彩設定を行いました。

さらに撮影も、柔らかく、明るい雰囲気を出すため、手持ち撮影をするなど、自在なカメラワークを取り入れ、キャラクター間の相性を映し出すよう努めています。『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016/ヨン・サンホ監督)の撮影監督イ・ヒョンドクが担当しています。

従来の時代劇のイメージにとらわれない、明るく爽やかな本作は、韓国映画好きだけでなく、誰もが文句なく楽しめるロマンチックな作品に仕上がっています。

『ときめき♡プリンセス婚活記』は、2018年12月8日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋他にて全国順次ロードショーされます!

次回の『コリアンムービーおすすめ指南』は…

【連載コラム】『コリアンムービーおすすめ指南』記事一覧はこちら

次回は、2019年2月1日(金)TOHOシネマズ シャンテ他、全国ロードショーされる、イ・チャンドンの8年ぶりの監督作『バーニング 劇場版』をお届けいたします。

村上春樹の短編小説「納屋を焼く」を原作にした本作は、第71回カンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞、第55回大鐘賞で最優秀作品賞に輝きました。

お楽しみに!

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