連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第204回
市原隼人が、学校給食が大好きなブレない中学教師を演じる給食スペクタルコメディ「おいしい給食」シリーズ。ドラマ第3シーズンも放映され、映画も『劇場版 おいしい給食 Final Battle』(2020)『劇場版 おいしい給食 卒業』(2022)の2作が公開されました。
そしてついに、劇場版第3弾となる映画『おいしい給食 Road to イカメシ』が2024年5月24日(金)新宿ピカデリーほかで全国公開されます。
中学教師・甘利田幸男は、函館の中学校で勤務しています。同地の名産品を使った“あるメニュー”を甘利田は楽しみにしているのですが、なかなか出てきません。
そこへ、学校給食の楽しい時間を揺るがすようなことが起こります。さて、甘利田教師はどんな活躍をしてくれるのでしょう。映画『おいしい給食 Road to イカメシ』をご紹介します。
映画『おいしい給食 Road to イカメシ』の作品情報
【日本公開】
2024年(日本映画)
【監督】
綾部真弥
【脚本】
永森裕二
【製作総指揮】
吉田尚剛
【キャスト】
市原隼人、大原優乃、田澤泰粋、栄信、石黒賢、いとうまい子、六平直政、高畑淳子、小堺一機
【作品概要】
『劇場版 ねこ物件』(2022)の綾部真弥が監督を、市原隼人が主演を務める人気コメディドラマ「おいしい給食」シリーズの劇場版第3弾。
主人公・甘利田役は、全過去作で彼を好演してきた市原隼人。ヒロイン・愛役の大原優乃、甘利田のライバル生徒・ケン役の田澤泰粋らと、テレビ版でおなじみのキャストも勢揃い。甘利田の前に立ちはだかる新たな強敵・等々力町長役で石黒賢が新たに参加しています。
映画『おいしい給食 Road to イカメシ』のあらすじ
1989年、冬のこと。北の地・函館の忍川中学に転勤した甘利田幸男は、給食にあるメニューが出てそれを味わうことを楽しみにしていました。
ですが赴任から1年以上が経っても、そのメニューが献立に登場することはありませんでした。いつ出るかと心待ちにしながら、甘利田は毎日の給食を生き甲斐にしています。
食のライバルである生徒・粒来ケンと、毎日ひそかにバトルを繰り広げる甘利田。一方、新米教師の比留川愛は、そんな彼に憧れを抱いていました。
そんな中、忍川町では町長選挙を前に忍川中学が給食完食のモデル校に選定され、政治利用されようとしていました。
不穏な空気を察知した甘利田は、おいしい給食を守るべく立ち上がりますが……。
映画『おいしい給食 Road to イカメシ』の感想と評価
給食をこよなく愛する熱血漢の教師・甘利田。
真面目過ぎるほどに生真面目な教師であるがゆえに、給食だけを日々の生活の楽しみしているのに、それを周囲に悟らせまいとする、かなりのカタブツです。
しかし給食を愛するがゆえに、給食の時間には甘利田も童心に返って大はしゃぎ。メニューの料理一つずつに愛情をそそぎ、決めポーズも堂に入ったもので、料理を愛おしみながら口にする応援団さながらのジェスチャーは見ものです。
全身全霊で、食への喜びを表現する甘利田。その嬉しさはありありと伝わってきますが、あまりに全力なため笑いも誘います。
自分の気持ちをまっすぐ表現する甘利田を、市原隼人が熱演。作中では給食の調理法や食べ方をはじめ、それぞれの料理の美味しさを炙り出すかのように甘利田が解説していますので、お見逃しのないように。
そして本作は、給食の歴史にも触れています。給食は明治22年に山形県で誕生。昭和20年の終戦後に試験給食が開始され、昭和27年に完全給食が実施。平成17年には「食育基本法」が制定されました。
学生の頃の昼食は「給食」であった方の多くは、必ずで一つ・二つは思い出深いメニューがあるのではないでしょうか。皆が揃って同じように、健康を考えた栄養価の高い食事を食べることができる給食。「食事の時間を共にする」という意味でもとても大切です。
そして本作でも甘利田は、独自の方法で給食の魅力をアツく語ってくれるのです。
まとめ
市原隼人主演の人気給食コメディの劇場版第3弾『おいしい給食 Road to イカメシ』をご紹介しました。
給食大好きな中学教師・甘利田の、給食に対する半端ない愛情が大爆発!学生時代に給食を経験したことのない方も、ここまで愛される給食を食べてみたいと思うことは間違いないでしょう。
映画『おいしい給食 Road to イカメシ』は、2024年5月24日(金)新宿ピカデリーほかで全国公開!
果たして甘利田は、“あのメニュー”を食べることができるのか。乞うご期待!
星野しげみプロフィール
滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。
時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。