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『Cosmetic DNA』キャストの仲野瑠花さんについて【自主映画監督・大久保健也のニッポン頂上作戦7】

  • Writer :
  • 大久保健也

連載コラム『自主映画監督・大久保健也のニッポン頂上作戦』
第7回「『Cosmetic DNA』キャストの仲野瑠花さんについて」

お世話になっております。『Cosmetic DNA』監督の大久保健也です。

暑いですね。わかってます。夏だから暑い。しかしそれにしても暑いですね。この暑さでむしろ存分にストレスを溜めることを楽しんでみる夏も悪くないのではないでしょうか。

そして、この夏で溜まったストレスはどこで発散するのか?もちろん冷房の効いた劇場での『Cosmetic DNA』体験で、です。

この映画はいろんなテーマや意味や思惑が込められた、いわゆる「社会派」映画である一方で、何も考えれずにクソ男共をぶち殺して溜飲を下げれるストレス解消パーティ映画にもなっています。

応援上映、絶叫上映、お祭り上映どんと来いです(もちろん通常上映では静かに心の中でクラッカーを鳴らしてください)。いつか叶うといいなあ。

【連載コラム】『自主映画監督・大久保健也のニッポン頂上作戦』一覧はこちら

『Cosmetic DNA』キャストの仲野瑠花さんについて


(C)穏やカーニバル

さて、今回は前回に続いて、監督である僕が出演者についての印象や想いを綴るシリーズ第2弾です。『Cosmetic DNA』セクハラ、パワハラに苦しむ大学院生・西岡サトミ役、仲野瑠花さんについてお話させてください

仲野さんとの出会いは、シネマプランナーズでのキャスト募集の時でした。

短編映画こそアホほど撮り散らかしていたものの長編映画を1本も撮ったことのなかった僕は、えげつないほど不安な気持ちで、でも「やるしかない」「キャストを募集すればもう後戻りはできない」という気持ちで『Cosmetic DNA』のメインキャストの募集を始めました(まだ東条アヤカ役を演じていただいた藤井愛稀さんに決まる前の話です)。

ありがたいことに、いろんな方が応募してくださり、いろんな方とオーディションを通じてお話させて頂きました(オーディションというものすらこの時は初めての経験でした)。

抜粋版の脚本をお渡しして、お芝居も見させて頂きました。当たり前ですが、同じキャラクターでも演じる人によって全く違うキャラクターになる。一体どの「西岡サトミ」が、自分が思い描く『Cosmetic DNA』の世界で存分に暴れることができるのか。

プロデューサー兼柴島恵介役の西面辰孝とも何度も何度も意見を交わしました。

『Cosmetic DNA』の物語は、はっきり言って荒唐無稽で、自主映画でやるにしては(というか日本映画でやるにしては)あまりにスケールがデカすぎるし、日常世界から離れすぎています。

でも、そういう物語を自主映画でやってもいいじゃないか、ていうかやるべきだろ、誰もやってないんだから、とう企画なのです。だから、その世界に入り込み、その世界で息をする役者さんは、相当な「その世界に生きるリアリティ」を体現してもらわなければならない。熱量とか、小手先とか、パッションだけのお芝居では『Cosmetic DNA』の世界そのものが嘘臭くなってしまう。

そんなことを考えていた矢先、仲野さんに出逢いました。仲野さんのお芝居は、見ていて肩を張りません。気張っていません。良い意味で、ソファでゆっくりくつろぎながら見ていたい、そんなお芝居をされる方です。


(C)穏やカーニバル

仲野さんなら、西岡サトミもスッと肩肘張らずに観た人が親しめる、優しい存在にしてくれるのではないか。そう思いました。

でも、僕の中での西岡サトミというキャラはもっと姉貴肌、というか皆を引っ張っていくような、ある種のカリスマ人間として脚本を書いていました。

でも、直感的に、仲野さんの西岡サトミを観たい、と思ったのです。脚本を書いていた当時の自分を裏切って、僕は仲野さんに西岡サトミをお願いしました。

結果、映画の中で呼吸をする西岡サトミは、僕が脚本を書いていた頃の西岡サトミの何倍も魅力的で、友達になりたい!!かわいい!!でもちょっとこの人ヤバい!!と思えるようなキャラクターになりました。

今となっては仲野さん演じるサトミ以外あり得ません。

これです。これなんです。この感覚があまりに楽しすぎて、嬉しすぎて、だから映画はやめられない。僕は人とうまく関わるのは得意なほうではないですが、こういう人と人との化学反応が楽しすぎるから今もこうして映画をやっています。

僕が生んで、それを果てしないとこまで仲野さんが持って行ってくれた唯一無二のマッドサイエンティスト・西岡サトミの大活躍を是非10月9日 新宿ケイズシネマで!!

次回の「自主映画監督・大久保健也のニッポン頂上作戦」は…


(C)田中舘裕介:『Cosmetic DNA』を演出した大久保健也監督

今後、定期的に大久保健也が自らを連載コラム通して、インディーズ映画『Cosmetic DNA』の魅力を更新していきます。

『Cosmetic DNA』の劇場公開を終えるまで、粛々と続けていこうと思います。全ての劇場公開が終わった時、それまでの連載コラムの記事を全部読んだという人は自己申告してください。自己申告は大事です。

【『Cosmetic DNA』公式Twitter】
@CosmeticDna

【『Cosmetic DNA』公式facebook】
https://www.facebook.com/CosmeticDna/

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大久保健也監督プロフィール

1995年生まれ、大阪育ち。中学時代より自主映画の制作を始め、60本以上の映像作品を制作。近年は様々なアーティストのMVなどを手がける傍ら、自主映画の制作を行っている。

2021年秋公開予定の『Cosmetic DNA』は初の長編監督作となる。

映画『Cosmetic DNA』のあらすじ


(C)穏やカーニバル

化粧を愛する美大生・東条アヤカ(藤井愛稀)は、ある日クラブハウスで出会った自称映画監督・柴島恵介(西面辰孝)に性的暴行を受ける。

泣き寝入りせざるを得ない状態に精神的に病んでいくアヤカだったが、大学院生のサトミ(仲野瑠花)、アパレル店員のユミ(川崎瑠奈)と出逢うことで少しずつ自我を取り戻していく。

しかし、柴島の次なる標的がユミであることを知ったアヤカは突発的に柴島を殺害。やがて死体処理を行う最中に人間の血液こそが理想の化粧品であることに気付くが……。

大久保健也監督へ応援のメッセージをお寄せください。

映画『Cosmetic DNA』を監督した大久保健也さんの連載コラムを読んでいただき、

*本記事は大久保健也監督がnoteに執筆したものを、監督本人に意向を伺いながら再構成した内容になっております。本文の一部の文言について編集部で追記調整した箇所があります。

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